<21st May Friday>
ダイアナ妃に関わる25年前のBBC番組の不正事件は今日もトップニュース。天下のBBCの一大事ですもんね。
今日からランチ3連ちゃん。待ちに待ったレストラン解禁ですもんね。
--------------------------------
5月17日に再オープンしたROH、久し振りに皆が喜ぶ雰囲気を味わうには初日に行くべきだったのでしょうが、他の日の方が切符が買いやすいだろうと思い、2回目の19日に行ってきました。
舞台かもも近いストールサークルの3列目というコスパの良い席から、久し振りにオペラを直接聴いて感じて、オンラインとは全く違う生の迫力に感動。ロックダウンの間にたくさんのオペラを映像で観て楽しんだのですが、やっぱり別物だ(それぞれに長所短所はありますが)。
古代ローマの皇帝とその取巻き連中の恋愛と裏切りと友情のお話ですが、椿姫的お笑い解釈は以下でご覧下さいです。性悪女と馬鹿男とお人好しという極端な人ばかり登場して、信じ難い展開になります。
↓いつもの紙のキャストシートの代わりにオンライン(クリックで拡大)。
モーツァルトの中でも大好きなオペラなので、有名歌手は出ないけどそこそこの歌唱力の歌手陣だといいなあ、どうせヘンテコリンな新プロダクションだろうけどと思ってたのですが、全くその通りになりました。
休憩時間の舞台のセットを見てくださいよ。パスタとトマトの店で皇帝の妃候補が働いてるって設定って・・。他のセットはもっと醜くて、1950年代の高校? 折角後ろに白い古代風セットがあるのだから、これだけでいいのに。百歩譲って衣装はこのままでも許すから。
で、衣装がこれです。パスタ屋で働いてるセルヴィリアが誰だかわかるでしょ? 青いオールインワンが主役のセスト。学ランが皇帝、三つ編がヴィッテリア。これで古代ローマの高貴な人々という設定。 小柄なおじさんは指揮者。
マスクしてるコーラス員たちは舞台には出ずにどこかで歌っているのをスピーカーで流したので、自前の普段着でしょう。
歌手が皆さん上手だったのは救いでしたが、私が惚れたのはズボン役のセストのメゾ、エミリー・ダンジェロEmily D'angelo。メトの若手アーチストだったカナダ人ですが、男役にぴったりの凛々しいルックスと歌唱で、既に有名歌劇場で引っ張りだこなのも当然↓。
以前聴いたことがあったのは皇帝とアンニウス。
エドガラス・モンティヴィダスは随分前にROHの若手アーチストだったので脇役でちょくちょく出てて(椿姫のアルフレードの代役も)、2013年のプッチーニのつばめでは、主役テノールを食うほど素敵でした。 充分上手だし個性はないけど素直な声でルックスも良くて、そこそこ好きなんですが、なにか一つ欠けてるから有名になれないんでしょうね。
アンニウスのアンジェラ・ブラウワー(黒い服)は、2016年のコジ・ファン・トゥッテで聞き惚れたので今回も期待したのですが、まあ普通でした。ズボン役では今回のセストに叶う人はいないでしょうしね。
と言うわけで、歌唱的には充分楽しめて、それが一番大事ですから、文句はないのですが、品格のあるこの立派なオペラの良さを全く表現しようともしない演出には腹が立ちました。
レビューは、パフォーマンスと演出を一緒くたに評価されるので、イブニング・スタンダードの4ツ星以外は3ツ星。
このオペラをROHでやるのは約20年振りですが、2002年はフリットリと新人のネトレプコという豪華な顔ぶれだっただけじゃなくて、古典とモダンが見事に融合したプロダクションが大好きでした。あれを復活させろ!
尚、妙なキャスティングとして、歌わない役でバレーダンサーの金子扶生さんが皇帝のフィアンセとしてほんのちょっとだけ登場。当然踊ってくれると思ったのに全くなく、なぜダンサーである必要があるのかもわからない演技だけのちょい役でした。それでも初日と違いカーテンコールに出てこなかったのは(2時間も待つのはアホらしいから当然ですが)残念。前日にプリンシパル昇進が発表されたので温かい拍手もらえただろうに。
6月、7月にラ・ボエームとドン・ジョヴァンニもやってくれるので、見飽きたプロダクションですが、生で聴けるだけでも楽しみ
その前に、来週はグラインドボーンに行きま~~す ワクワク