<29th May Sat>
やっと夏になったロンドン。しばらく続いてくれるようです。
ボリス首相が結婚! 首相の息子が私生児ってのもナンでしょうから、良かったです。
田村正和さんのドラマやドキュメンタリーを見るのに忙しくて、時間がいくらあっても足りません。私が40年以上前に日本にいた時には彼はそんなにテレビドラマに出てなかったから、初めて観るものばかり。なにをやっても田村正和なんですが、品のある素敵な二枚目だったということが今になってわかりました。もっと観ちゃうわね、きっと。
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5月25日にグラインドボーン・オペラに行って寒さに震えてた時のことは①お庭→こちらと②お屋敷等→こちらをご覧下さいですが、今回はパフォーマンス編。
椿姫風お笑い解説は→こちらですが、要するに、浮気な奥さんがイタリアにやってきたトルコ人といちゃつくが、トルコ人は元の恋人と、奥さんは亭主と、結局元のさやに収まるというコメディ。
私はロッシーニが好きなので、先回のグラインドボーンもロッシーニだったのですが(セヴィリアの理髪師→こちら)、ロックダウンで2年振りの公演だし、お客は生オペラに飢えてる上に人数制限もあるので切符争奪戦は当然大変で、メンバーである友人にお願いしても買えなかったので、リターン切符を狙いました。出来ればもっと舞台に近い席から観たかったけど、今回は贅沢は言えないし、切符代が260ポンドと(しかもトーチャンと2人分)これまでで一番高くなったのも仕方ないでしょう。
The Guardian ★★★★★ →こちら
The Telegraph ★★★★ →こちら
The Times ★★→ こちら
異常事態だし海外からの有名スター歌手は出ないのですが、なんと5ツ星と2ツ星が混じるという珍しいレビューとなり、どちらの意見も理解できるのですが、私の評価はパフォーマンス重視して4ツ星かな。歌もコメディ演技もしっかりやってもらわないと面白くないのですが、主要6人のうち4人は歌は上手だったし、特にトルコ人と亭主役のバリトン2人が芝居も抜群で面白かったです。
演出は、寒いと感じながら見るのには相応しくなくて、せめてイタリアの青い空と海を思い起こさせてくれるような明るいセットだったらよかったですが、お肉屋さんですからね。それに物語を引っ掻き回す詩人役が思っていることを文章に書くのがスクリーンにたくさん出てきて、洒落てて面白いのですが、お馴染みではないので字幕も追わなくちゃだし、読むものが多過ぎる。これが2ツ星になった主な理由ではないかしらん?
私のお目当てはテノールのミケーレ・アンジェリーニ君。ROHではセヴィリアの理髪師とドン・ジョバンニに出ましたが、思い切り甘い声がたまりません。このオペラでは歌う場面は少ないのですが、一番華やかで受けるアリア2曲が大受けで、誰よりも大きな拍手もらってました
濁った声のジプシー女と声が通らない詩人役が残念でしたが、話の中心となる浮気な奥さんは上手で、以前この役で観たバルトリとクルチャクの超一流のコロラチューラと軽やかにはそりゃ劣るけど、ずっとではなくても8割方はとてつもなく艶のある美声と立派な声量で華がありました