10月30日のROHガラ公演のオペラ部門については、アラーニャのカーテンコール・ボイコット、ゲオルギューの選曲ミス、ウエストブルックのキャンセル等、すでに書きましたが(→こちら
とこちら
)、全体にはどうだったかというと、
これが、全くぱっとしなくて、折角女王様ご夫妻がいらして下さったのに、残念なことでした(因みに切符を売り出したときはOur Extraordinary WorldというROHのキャッチフレーズだけの寄付金集め公演だったのですが、その後で女王様ご臨席が決まったんでしょう、いつのまにかダイアモンド・ジュビリー祝いになってました)。
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バレエ部門はオペラよりは気合を入れて頑張ったのですが、力の入れどころが間違ってて、ガラ公演には相応しくない地味なオタクバレエがほとんど
普段より高い切符代払ってるんだし、タキシード姿もたくさんいてお洒落してきて華やかな気分なんだから、レパートリー演目の見せ場だけをあれこれちょっとづつ踊ってくれて、ビジュアル的にもパーッとゴージャスにして、「バレエって夢の世界に誘ってくれるのね、素晴らしい」、と溜息させてもらえるのかと思いきや、
セット無しでがらーんとだだっ広く見える空間で、二人だけで踊る演目が6つもあり、それも舞台狭しとくるくるぴょんぴょんしてくれるのであればまだしも、ほとんどが新作の抽象的なモダンバレエで大きな動きはないので、上手だから少しであれば見応えあるけど、延々と続くので退屈で退屈で。こういうのをフルにやりたいのであればせいぜい2、3にすべきだし、いや「どうしても6つやるんだ!」という場合は、途中で暗転してちょん切ればよかったのに。
女王様の正面席も舞台から遠いので、あれを我慢してご覧になったのかと思うとお気の毒でたまりません。恩を仇で返すという言い回しは英語にはないですが、まさにそれ。
「もう二度とここのガラ公演には来るものか」、と思ったのは女王様だけではなく、ROHを助けるために大枚はたいて下さったお金持ちもそういう人がたくさんいたにちがいない(高い切符はディナー付きとは言っても、やっぱりパフォーマンス自体が楽しめないと本末転倒でしょ?)
演目のつなぎにスライドして現れるスクリーンの映像でたくさんの人(出演者や裏方さん)が口を揃えて「いかにROHが素晴らしいか」をいやと言うほど繰り返すのですが、実際に見せてもらえたのがあれでは白けてしまい、関係者の自己満足度だけじゃんって感じ。
休憩がやけに短くて正味3時間、長くてしんどい夜でした。最後に舞台に女王様とフィリップ殿下が登場して下さらなかったら、救いようがなかったかも。私の切符は18ポンドだから「金返せ~っ」とは言いませんが、折角のジュビリー祝いだったのに、残念無念
因みに、「誰が演目を決めたんだ!」の答えは、Kasper Holten(オペラ)とKevin O'Hara(バレエ)の新しいdirector達に違いないです。従来とは違うスタイルの新鮮なガラを企画しよう!と張り切ったんでしょうが、間違った方向に進んでしまいましたね。馬鹿!
歌手も指揮者(パッパーノ大将がキャンセルして代役がダニエル・オレン)も大口開けて国家God Save the Queenを合唱しましょう 疲労困憊に違いない女王様の表情は硬いですが
アンジェラ 「あら、私よりもっと胸出してる人がいるわ」
左:つまんない衣装のアリーナ・コジョカルと手をつないでる背広の男性が振付のニューマイヤーでしょうか? どうってことない踊りでしたが。
右:せっかくナタリア・オシポアが出てくれたんだから、ドンキホーテのジャンプ場面とかご披露して欲しかった。
一番得したのは、小林ひかるさんと平野亮一さんだったかも。唯一大勢で踊って華やかだったLa Valseの中心的存在だったし、カーテンコールでもアンジェラやブリンのすぐ後ろに立って目立ってました
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