<14th Nov Wed>
週末に行くミュンヘンのオペラハウスには洋服でと思い、全て支度してあったのですが、急に着物にしようかしらという気にもなって、荷物のスペースを作るために無駄なものは一切取り除いて作業し直して試してみました。まだどっちにするか決めてないけど。
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昨日、待ちに待った「愛の妙薬」の初日を観ました。
オペラについては、以前の記事(→こちら )をご覧下さい、なのですが、一言で言うと、明るく楽しいラブ・コメディで、オペラには珍しいハッピー・エンド。ドニゼッティの美しいメロディがぎっしり詰まった名作ですが、重くてシリアスなワーグナーのリングサイクルの次にやるには理想的です。ご贔屓ロベルト・アラーニャですから、あと2、3回行く予定ですが(彼が出る日は全部押さえておいたのですが、諸事情で行けない日が結構あるのが残念)、今日は初日のパフォーマンスをざっくりと。
(以下の写真はクリックで拡大します)
L'elisir d'amore
10月30日のROHガラ公演(→こちら )では、なんと女王様が舞台に登場して下さったのにカーテンコールをボイコットまでしたロベルト・アラーニャ、愛の妙薬に本当に出てくれるのかしらと心配だったけど、ああ、良かった~、ちゃんと回復して、さすがの実力と貫禄とスター性を見せてくれました
実は何度か小さくクシュンクシュンと咳をして、一度ハイCで大失敗しでかしたのですが、それ以外は声にも甘さが戻り、コメディ演技も大袈裟でありながら細やかで、いつものアラーニャ節をまじかから堪能しました。
おやっ!と思ったのは衣装で、今までのネモリーノは薄汚れて穴のあいたストライプのだぶだぶTシャーツにズック靴といういでたちだったんですが、今回は全く違い、ランニングシャツとつなぎの作業ズボンにゴム長靴。特にグレードアップしたわけではないですが、肌の露出が増えたのはたしかで、ウッフーン 遺産が転がり込んで急に女性たちにモテモテになる場面ではパンツ一丁でしたしね
49歳くらいにしては悪くない体だという自信があるからこそできるわけで、おそらく彼自身が「おいらがアンジェラと共演した愛の妙薬を真似しようぜ!」、とか提案したのではないかしら? 私は何度か彼に抱きついたことがあるのですが(キャッ)、胸が厚くてしっかり身が詰まってる上半身なのよ~ん
ともあれ、ハラハラしましたが、概ね上出来だったので一安心。彼が誰だか知らないで聴いたとしても、「んまああっ、上手なノールじゃないの。好きだわ~」、ときっとぞっこんになったでしょう。次は完全に元気になってね。心配せずに耽溺したいから。
アディーナ役のアレクサンドラ・クルザック(クルジャックというのが一番近い発音かしら?)、ROHにはよく出てくれて、この役でも何度も聴いてるのですが、彼女の心地よい滑らかな声は大好きなので、何度聴いても聴き飽きません。アラーニャとの相性も良くて、主役二人がこんなに歌も演技も上手で且つチャーミングだと、ワクワクします
主役二人が有名歌手であれば御の字と思わなければいけないROHですが、脇役であっても大切なキザ軍曹とインチキ薬売りのバリトン二人は、「なんだ、今回はこんな奴らしかゲットできなかったのかよ・・」とがっかりでした
でも、意外なヒットは、頭の弱いネモリーノの恋心につけこんで惚れ薬を売りつけるドゥルカマーラ役のアンブロージョ・マエストリ。この縦横ともとてつもなくでっかい人は、こないだのファルスタッフもパリで観たリゴレットも声はヘナヘナで全然良くなかったのに、今日はえらく元気で、特に芝居が上手なわけでもなく一本調子なんだけど、あれだけの凄い声量だとそれだけで「おおぉ~~っ」。すっかり見直しました。
アディナーに言い寄る横柄で傲慢な伊達男のベルコーレ軍曹は、決して悪くないのですが、他の3人と比べると存在感なくて地味な感じ。他ので見た事があるような気もするけど印象が薄い。ルードヴィック・テジエが出てくれたこのもあって、この役が素晴らしい歌手だと一段とオペラの魅力も上がるのですが、ま、そこまで贅沢は言うまい・・
反対側からご覧になったPrimroseさんがカーテンコール動画をYoutubeにアップして下さいました(→こちら )
尚、この日はPrimroseさんがついにオペラハウス着物デビューなさって、賞賛の嵐だったんですよ。その様子はまたあらためて。
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