さっき、ウィグモア・ホールから帰ってきました。、明日からROHで愛の妙薬がはじまるし、今夜無理して書かないといつになるやら、或いはボツになるかもなので、手短に書き殴っておきましょう
今シーズンから会場をウィグモア・ホールに移したローゼンブラット・シリーズ。弁護士であるローゼンブラット氏が趣味でやってる赤字リサイタル・シリーズなんですが、私が行くのはウィグモアに引越し以来これがはじめてですが、最前列のど真ん中を首尾よくゲットして楽しみにしてました。
オペラ歌手でも地味な歌曲を渋く歌うのがウィグモア・ホールのお約束事みたいなものですが、これはローゼンブラット氏が場所を借りてるだけで、いわば治外法権。ベテランのギリシャ人ソプラノ、ディミトラ・テオドゥッシュウが華やかなオペラアリアをこれでもかこれでもかと言うくらいたっぷり歌ってくれて大サービス(たまにピアノのソロが入りましたが)。
イギリスでは知名度の低い彼女のことを知ってる人は少なくて、客席を埋めるために動員されたシティのビジネスマンや弁護士さんたちも多かっただろうと思いますが、「おお、凄いじゃないか、この人」と誰しもが思うに違いないも立派な歌唱力とドラマチックな表現力でやんやの喝采を浴び、大いに盛り上がりました。
私は、彼女が日本でちょっと前に椿姫とかやって評判良かったのを知っているので期待は高かったのですが、超高音だけはちょっとだけ苦しそうだったものの、ムラなく美しい声が気持ちよく伸びて、聞惚れました
ドニゼッティにはちょっと彼女は重過ぎてイマイチでしたが、ヴェルディとプッチーニは彼女に合ってて、仮面舞踏会や運命の力、マクベス、トスカはフルオペラでもきっと素晴らしいでしょうから、是非聴いてみたいです。
特にトスカは、ROHで我が物顔でやってるゲオルギューみたいなか細い声より、テオドゥッシュウのしっかり身が詰まって低音に迫力のある歌手の方が絶対向いてて、Vissi d'arteは今まで聴いた中でベストと言えるほど。
貫禄と余裕の態度も堂々としてて立派な彼女は、こんな狭いホールで歌わせるには勿体ないスケールの大きなソプラノですから、是非是非ROHで主役をやってもらいものです。
尚、ドレスは予想通り(ウィグモアでは珍しいことに)、途中で着替えてくれましたが、まるで「体型の欠点をカバーするためにはどちらのドレスがお利口さんでしょうか?」、という冗談質問みたいですね 「もうちょっと痩せましょう」、というのが正解でしょうけど
でも、精一杯お洒落してくれて、目の前の私には、髪や肌も細かいラメでキラキラしてるのが見えました。
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