<31st Mar Sun>
夏時間開始で1時間短い日曜日。このまましばらく食欲ない方が努力しないでダイエットできていいなあと思っていたんだけど、そうはうまくいかず、元気になってしまいました。その代わり、今度はトーチャンが「お前の病菌が移って、胃腸が変だし、なんだかぐったり」、とか言い出して、まるで一昨日の私みたいな症状・・。ストレスが原因かもしれない胃痛ってうつるものなの? テムズ河のボートレースは、母校ケンブリッジがオックスフォードに負けたし、今日はろくなことなかったね、トーチャン
ベルリン旅行から2週間も経ってしまいましたが、時系列に書いてきて、やっときっかけとなったクラウス君(クラウス・フロリアン・フォークト)のオペラの番が来ました。4日前には東京で歌曲リサイタルもあったんですよね。羨ましい~ Wigmore Hallでも歌ってくれないかな、シューベルトの「水車小屋の娘」(細かいテクニックより、まっすぐな美声で勝負する彼に向いてるとは思えないけど)。
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3月16日、ベルリンのドイチェオーパーにワーグナーのローエングリンを観に行きました(劇場の様子は→こちら
をご覧下さい)。
1月に切符を買った時には私の好きなかぶりつきは残ってなかったので、前から11列目で妥協。そのおかげで、カーテンコールの全体像はばっちり良い写真が撮れましたけどね。
以下の写真はクリックで拡大
Director: Kasper Holten
Design/costume: Steffen Aarfing
Lighting: Jesper Kongshaug
Conductor: Donald Runnicles
Lohengrin: Klaus Florian Vogt
Elsa: Ricarda Merbeth
Telramund: Gordon Hawkins
Ortrud: Christine Goerke
Heinrich: Gunther Groissbock
King's Herald : Bastiaan Everink
でも、やっぱりもうちょっと近くでクラウス君の透明感のある清らかでまっすぐな美声を浴びたかったというのが本音。去年秋のミュンヘン(→こちら )ではかなり隅っこだったけど前から2列目だったので、私たちの側で歌ってくれた時は目の前からストレートに響いてきて身震いしちゃいましたけどね。
とは言え、それは私がいつもあまりに近い距離から聴くのに慣れているのでちょっと物足りないと感じるだけで、決して悪い席ではなく、立派な声量のクラウス君はもちろんしっかり聴けたわけですから、満足しないとね。
実はこの日のクラウス君は、最初1、2度あやうい箇所があり、声がひっくり返ってしまって、ほんの2秒くらいですが、とても醜い音を出してしまい、ドキっとしたのですが、でもそういう珍しい声が聴けるのも生の醍醐味だし(4日前の東京のリサイタルでも、途中で途切れてやり直したそうですね)、そんな一瞬があると、上手く歌えている部分が尚更すばらしく聴こえたりもするわけですよ(←アバタもえくぼ状態)
進むにつれて調子が出てきたクラウス君、最後は見事な熱演と熱唱で、ほとんどずっと双眼鏡でうっとり見惚れていたのですが、「ああ、私は本当にベルリンまでこれを観るために来たんだわ。キャンセルされなくて本当によかった・・・」、と安堵&感謝。日本人もたくさんいらしてましたが、皆さんは余計にそう思われたことでしょう。
近かった分ミュンヘンの方が音的には感激したけど、ビジュアル的には完全にベルリン版の圧勝
そりゃ、Tシャツにトレーナーズボンの大工さんだったミュンヘンと比べたら、ご覧の通り、白鳥の翼がとてもよく出来ているおかげでそれは麗しい白鳥の騎士でしたもの
特に、結婚式の祭壇でエルサ嬢が待っているところに、舞台奥から現れて、真正面の私の方にゆっくり近づいてくる花婿は金髪の美青年 これはもう結婚式の究極の女の憧れそのものよね。隣に座るくたびれた初老男が私には似合っているのはわかっているけど、しばし花嫁になったつもりでドキドキしながら美しい夢を見させてもらえました
このプロダクションは、その他大勢は死人という想定みたいでちょっと気味悪いのですが、そんなことは全く気にならないくらいまともでロマンチックに見えたのもクラウス君の美貌が一役買ってるのはたしかで、これがROHのローエングリンである百貫デブのヨハン・ボータだったら、漫画だわ
しかし、残念ながら、素晴らしかったのはローエングリンだけで、他に上手な人が誰もいなかったので、ミュンヘン版と比べると全体的にはうんとレベルの低いパフォーマンスでした
それがすぐにわかったので、クラウス君が出ない場面は居眠りしてよっと。朝から美術館やコンサートホールの見学で歩きっぱなしで疲れてたしね。おかげで、えらく短く感じたローエングリンでしたが、こんな良い席でも切符代は僅か71ユーロでしたから、惜しいとも思わず。
悪役夫婦に大失望で、特に久し振りに見たChristine Goerkeはえらく太ってて、おまけにえらくぼやけた声になってたのでがっかり。来シーズンのエレクトラが彼女なんだけど、これではあんまりだ。
というわけで、全体の出来は前日のシラー劇場の愛の妙薬に負けましたが、クラウス君のピュアな声が聴けただけでも、ベルリンまで行った甲斐は充分あり、とりあえずめでたしめでたし、ってとこでしょうか。4月下旬のハンブルグのマイスタージンガーも楽しみ
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