<16th Apr Tue>
ボストン・マラソンの惨事でロンドンは警戒体制をステップアップ。明日のサッチャーさんのお葬式、日曜日のロンドン・マラソンと続きますから。明日は午後だけ休む予定だったけれど、結局丸一日休みを取り、お葬式ウォッチに行こうかとも思うのですが、テロの危険のことはさておいても、やっぱりテレビで観る方が却って臨場感あるかしら?
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4月11日、トーチャンと、私が大好きなエリア及びホールのコンサートに行きました。
テンプル界隈は、王立裁判所を中心に法律関係の事務所などがひしめく独特の雰囲気のある一画で、道路から路地に入るのに扉を開けなくてはならなかったりして閉鎖的なんですが、静かでとても素敵(前回来た時にたくさん写真撮りました→こちら )。
その中心にあるMiddle Temple Hallは、エリザベス1世時代に法律家によって1562年に建てられたホールで、当時は女王様も頻繁に食事に訪れたという由緒正しく美しい歴史的スポット
今では晩餐会等のイベント会場としてでなく、法律関係の人たちによって日常的に集会所として使われているそうです。
木組みの天井が素晴らしく、一般大衆も入れる建物の中では、ロンドンでも最も美しい建物だと思いますので、機会があれば是非どうぞ。
手っ取り早い方法は、ここで時折開かれる歌のリサイタルですが(→こちら
)、元々数が少ない上に、有名歌手が出るのは年に数回のみ。5月20日は、テノールのジョセフ・カレヤの予定だったのですが、「やーん、フローレスの「湖上の美人」と重なってる~!どうしよう」、とちょっとだけ迷っているうちに売り切れてしまいました(その後、このコンサートは延期に)。
値段(最高45ポンド)によってセクションは決まってますが自由席なので、良い席を確保するためには早くから並びます。
私たちの席は15ポンドという安さなので一番人気らしく、左側の壁の硬いベンチ席なのですが、そこだけすでにぎっしり。ど真ん中にすでにトーチャンが座っているのが見えるでしょうか?
そして、もっとお得なのは、ホールを見下ろす5ポンドのギャラリー席。身を乗り出さないと観難いですが、ゆったりしたスペースで一流の歌を聴けて、しかもインターバルにはワイン飲み放題ですからね
コンサートが半分終わって、さあワイン。
ほとんど一番乗り~
天井が素晴らしい豪華なお部屋が2部屋あり、こんな所で頂くワインは安物でも美味しいわ。
右の油絵は、1949年に国王ご夫妻(現女王様のご両親)ご臨席の晩餐会の様子ですが、450年前のエリザベス一世の晩餐会はキャンドルライトでさぞや美しい情景だったことでしょう。
さて、今日のコンサートは、フランス人ソプラノのヴェロニク・ジャンス(ピアノ伴奏はジュリアス・ドレイク)。
Duparc、グノー、ドビュッシー、プーランクでしたが、こんな厳しいイギリス的ホールではなく、もっとふんわりソフトでフランスのエスプリが漂ってくるような場がぴったりの洒落たフランス歌曲でした。あまり変化に富んだプログラムではなかったですが、私はジャンスの声が大好きなので、始終うっとり
長身で気品ある容姿と端正なバロック歌唱が素晴らしいジャンスは、これまでに2度ROHのバロックオペラで聴いたことがありますが(カリストとニオベ)、こういう軽やかな歌曲も素敵。
前半の黒いドレスの方が大人のフランス女性という感じで46歳の彼女にぴったりですが、後半の赤いドレスも、前からだとつまらないけど、背中のドレープが凝ったデザインでした。上半身しか写真撮れなかったのは残念ですが、どちらのドレスも細いシルエットで、軽く180センチはある彼女にはとてもお似合い
オペラでも舞台映えするエレガントな容姿で貴婦人とかぴったりの彼女、ROHの来シーズンのドン・ジョバンニのドンナ・エルヴィラです。
ブリュッセルのモネ劇場にもいつか行きたいと思っているのですが、ジャンスも出る10月の「皇帝ティトの慈悲」が最有力候補。
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