Quantcast
Channel: 着物でオペラ in ロンドン
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3001

カプリッチョ by R Strauss  ルネ・フレミング主演のコンサート

$
0
0

<5th Aug Mon>

明日から3週間留守にする前に、あらよっ!、と大急ぎでもう一丁、オペラ記事をアップしときましょ。

------------------------------------------


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


7月19日、ロイヤルオペラハウスでリヒャルト・シュトラウスのカプリッチョのコンサート・オペラを聴いてきました。2回あったのですが、2回続けて聴くのはちとしんどい作品ですから、初日のみ。


どんな内容かは、以前の記事でご覧下さい(→こちら ですが、一部コピペすると、


1942年初演のリヒャルト・シュトラウス最後の作品であるこのカプリッチョ、オペラではなく「音楽会話劇」なんだそうで、たしかに最後のヒロインの長い独り言シーンや歌手が歌うシーン以外は、歌というよりオケ伴奏のついた会話シーンがほとんど。


「音楽と言葉」、どちらが重要かというのが会話の内容で、同時に若い未亡人の伯爵夫人をめぐって詩人オリィヴェエと作曲家フラマンが恋のさやあてをし、彼女がどちらの男(すなわち音楽か言葉か)を選ぶかがテーマなのですが、結局どちらが選ばれたのかは私たちにはわからず、というなりゆき。


7年前にパリのガルニエで観た時の記事ですが、フランス語の字幕は勿論全く理解できず、台詞が全てとも言えるこの作品を観るには最悪の状況で(ガルニエに着物で行きたいという夢が初めて叶ったので、それだけで満足でしたけど)、そのために苦手なオペラになってしまったのでした。



London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
Conductor Andrew Davis
Countess Madeleine Renée Fleming
Olivier Christian Gerhaher
Flamand Andrew Staples
La Roche Peter Rose
The Count Bo Skovhus
Clairon Tanja Ariane Baumgartner
Italian Singer Mary Plazas
Italian Singer Barry Banks
6th Servant Simon Gfeller
7th Servant Jeremy Budd
8th Servant Charbel Mattar


 

でも、今回しっかり字幕を読みながら聴いたら、オペラについてなかなか面白いことを言ってて興味深く、楽しめました。で、この演目に限って言えば、音楽よりも言葉がうんと大切なのは明らかで、ちょっと音楽は前衛的でもあり、主流のイタリアンオペラのように、「意味はわからないけど美しい旋律にうっとり」、というわけにはいきません。


しかし、楽しめたと言っても、休憩なしで2時間半も大量の字幕を読み続けるのはしんどくて、安いベンチ席でお尻が痛くなりましたが、パフォーマンスの水準は高くて満足。



London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)    London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


コンサートではいつもエレガントで洒落たドレス姿のルネ・フレミングですが、今日は役柄に合わせてるんでしょう、上品とは言い難い金と銀の渋派手。


音符見てる人たちもいる中、彼女は音符も置かなくて全くの暗譜で、芝居っ気も充分。あのねっとり甘い声はいささか聞き飽きたのですが、彼女のオハコのカプリッチョをやっと生で聴くことができて嬉しいし、この役が全てのようなこの作品で立派な牽引力を示し、さすがと感心。


因みに、21日の日曜日にもう一回あり、その日は私が観たマチネがゲオルギューの「つばめ」だったので、一日のうちにゲオルギューとフレミングを聴くことができたわけです。ロンドンにしては豪華な顔ぶれで、しかも貫禄たっぷりな大御所ソプラノは二人とも素晴らしくて、両方聴いた人は充実した一日だったことでしょう。

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

伯爵夫人をめぐって恋のさやあてをするライバル二人はテノールのアンドリュー・ステイプルズととバリトンのクリスチャン・ゲルハーヘル


若い英国人のステイプルズ君は、数日前に発表になったのですが、ジョセフ・カイザーの代役で、あまり準備の時間がなかったのか、楽譜に頼って一生懸命という感じでしたが、そうそうたるメンバーの中でひけを取らず立派に歌えて、ファンとしては一安心。こないだの魔笛も素晴らしかったですが(→こちら )、この難しいRシュトラウスをドイツ語で堂々と歌ったステイプルズ君に再び惚れ直しましたラブラブ!

降板したジョセフ・カイザーも大好きなので、この交代には複雑な気持ちですが、ここはイギリス人のアンドリュー君に機会が与えられたということで、よかれと思いましょう。


これで、実力を示してROHで充分認められたアンドリュー君、ここでどんどん大役を歌わせてもらえますように・・・。

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


燕尾服でスマートなクリスチャン・ゲルハーゲルは、母国語なので余裕あるし、テノールっぽいいつもの甘い声で期待通り。控えめな態度も彼らしくて好感持てましたが、椅子にちょっと腰掛けてることが多かったのは、腰でも痛めたのかしら?


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


控え目にはできそうもない熱いボー・スコウフスは、私の知る限り、ROHには初登場で、タフガイっぽい態度と張り切った歌唱の上に坊主頭の異様な雰囲気で、脇役にしては存在感あり過ぎ。ルネ・フレミング同様、彼も楽譜は見ずにすっかり役になりきって熱演してくれました。私は4月にハンブルグのマイスタージンガーで観たばかりなんですが、ロンドンにも来てくれてありがとう。きっと個性的で魅力的なドン・ジョヴァンニでしょうねえ。


赤いドレスの大柄美人のTanja Ariane Baumgartnerは歌も容姿も素敵で、スコウフスとは似合いのカップル。クリスティーナ・ライスの代役でしたが、声量もあってとても立派な歌唱でした。


イギリス人なのに、ドイツ語で勝負することが多いのでしょうか、これまたハンブルグでも出てたピーター・ローズおじさんも奮闘。最近急に良い味出すようになって、乗ってますね。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)



London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)




人気ブログランキングへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3001

Trending Articles