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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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カルメンは3人目、ドンホセはガラガラ声

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<8th Jan Wed>

最悪の歌手交代がROHで発表されました。7月のラ・ボエームの全公演に大嫌いなチャールズ・カストロノーヴォが出るんだと・・・プンプン(→こちら )。ロドルフォを歌える若いテノールはわんさといるだろうに、なんでロンドンのオペラファンはこのバリトンもどきの最悪テノールばっかり聴かなくちゃならんのだ? 最近やり過ぎてええ加減うんざりのラ・ボエーム、グリゴーロも出ないし、行くのやめようかな。(追記;すみません、グリゴーロが出ないというのは私の誤解で、彼は出ます。ホッ! それなら行くわ、もちろん)

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1月6日、又カルメンのAチームに行ってきました。これでアラーニャ組3度目ですが、年が明けると違うカルメンになるわけで、そりゃ行きますとも。


カルメンってどんなお話なの?と首をかしげる方は以前の記事(→こちら )をご覧下さい。


で、他の歌手についてはすでに書いたし(→こちら )、カルメンだけについて書こうと思っていたのですが、そこはナマ物のオペラ歌手たち、前回とは違う展開になったので、又ドンホセと闘牛士についても書いちゃいます。


ブーケ1Carmen


Director Francesca Zambello

Designs Tanya McCallin
Lighting design Paule Constable
Choreography Arthur Pita
Fight director Mike Loades

Conductor Daniel Oren
Carmen Anna Caterina Antonacci
Don José Roberto Alagna
Escamillo Vito Priante
Micaëla Veronica Cangemi
Frasquita Simona Mihai
Mercédès Nadezhda Karyazina


男の子ドン・ホセ

アラーニャはよく鼻をクシュンクシュンさせるのですが、それは近くにいる人にしかわからないくらいくらい小さなアクションだし咳払いと言うほどのこともないので、気付いた人は「あら、風邪引いてるの?」、と思うかもしれませんが、それはいつももことですから心配には及ばず、歌に影響はありません。
だけど、この日は最初のいつものかわゆいクシュンクシュンが徐々に本当の咳になり、あーん、2幕目には一番後ろの席の人でもはっきりわかるくらいのゲホゲホ咳になっちゃいましたよ~~叫び 

「うわっ、こんなんで最後まで歌えるのかしら?」、と心配しましたが、激しく咳しながらも幕が終わるまでの長い間ちゃんと声は出てたので、インターバル後も代役にバトンタッチはせず、3幕目も出てきました。

しかし、3幕目は高らかに歌い上げるアリアはなくて、「カルメン~!もうおいらのこと愛してないのかよぉ?」、という頭に血が上ったストーカー男が最後に元カノに迫るだけなので演技力でなんとかなるとは言っても、いつ声がつぶれるかとハラハラしてるうちに、あーあ、ついにひどいガラガラ声に・・・ショック!
あんなアラーニャは聴いたことないし、舞台と客席に緊張感がみなぎりましたがガーン、だからこそ、「こんな時になってこった!でも、全力出して最後まで歌いきってやるぜ!」、という彼の気迫が感じられて、皆が固唾を呑んで見守る中、最後の最後はなんとか持ち直してサマになった時には感動シーンとなり、カーテンコールは安堵感か、いつもにも増して嬉しそうだったので、彼と観客に一体感も生まれたし、却ってよかったんじゃないかしらねにひひ ガラガラ声もほんの短い間だったし。

明日(9日)もう一回あるのですが、今のところ降板と発表されてないので、回復したのでしょうか? それとも出番を終えたヨン様が代役に控えているのでしょうか? 


       
           ゴホゴホゴホカゼ

むっちょっと~、私に風邪移さないでよね。離れてよっと。
   

 
      
あら、誰にウィンクしてんの?べーっだ!

    

おとめ座カルメン
出産のために降りたガランチャの代役は二人でシェアすることになり、Aチーム前半の無名カルメンAnita Rachvelishviliのあまりのはまり役ぶりに割を食ってしまったアントナッチ
知名度はうんと勝る彼女ですが、この日は調子が悪かったのか、声が薄くて艶もなく、Bチームのクリスティン・ライスにも負けてしまったような。近くで見ると年増ぶりもばれちゃいますしね。とは言っても実力のあるアントナッチのこと、要所は押さえてベテランの底力を示してくれました。でも、映像にもなってるカウフマンとのROHカルメン(→こちら )の時と比べると年増ぶりがばれてしまうし、元々相応しくないカルメン役はもう卒業すべきでは? 私が感動したパリのユダヤの女とか2012年7月のトロイヤ人(→こちら )とか、良さを発揮できる知的な役があるでしょうに。

でも、演技的には熱いアラーニャとは良いマッチで、Anita Rachvelishviliの時のようにアラーニャの熱演が空回りせずに済んでアラーニャも嬉しかっただろうし、なんと言ってもこぼれそうなオッパイは今までのROHカルメンの中ではダントツラブラブ

しかし、この日はイマイチだったと言っても、一回だけで判断してはいけないのがオペラ歌手。調子良ければまだまだROHカルメン代表として立派にやっていけるかもしれません。

    

一度だけで評価してはいけない、と言えば、びっくりする程の変身を遂げた人がいました。

おうし座闘牛士エスカミーリョ

2チーム比較では雲泥の差で負けたヴィート・プリアンテですが、この日は声もよく出たし、人気闘牛士らしい派手なアクションも颯爽と披露して、まるで別人アップ ダニエル・オレン指揮者に渇を入れられたんでしょうかね? これだけ歌えるのなら、最初からそうすればいいのに、大事な時に足引っ張ってアホなやっちゃ。うんとましになったと言っても一流からは程遠いしね。
今ちょうどリセウのカルメンをテレビで観てるんですが、シュロットの伊達男ぶりはさすがだ。こうでなくちゃね。

しし座ミカエラ
3度聴いた中でこの日が最悪の出来だったヴェロニカ・カンジェミ。合わない役を一生懸命やり過ぎて疲れたのではないかしら。可憐な風情はミカエラにぴったりで素敵だけど、バロックオペラを得意とする人が必死で声を張り上げるのは痛ましい・・・

かさ指揮者

指揮台の上でジャンプして張り切ってる割にはなぜか毎回テンポが遅かったオレン指揮者、この日は何度か歌手とずれてしまい、これまでで最悪。どうしちゃったんだろう?


というわけで、これにてカルメンは4回で終了。
この役ならまだアラーニャは健在だし、なんと言っても今回の収穫はグルジア人メゾの  。凄いカルメンが現れたものです。こんな聴いたら、ガランチャも「彼女には敵わないから、アタシ、もうカルメンやーめた」、と思うに決まってます。

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