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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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フィリアノーティ(テノール )のリサイタル @Wigmore Hall

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<13th Mar Thus>

今日は、5連ちゃんになっても、ロデリンダ3回目の予定だったけど、良いレビューのせいで強気になったENO、今日は当日叩き売り切符を売ってくれませんでしたしょぼん。安い切符を額面で買うことはできたので迷ったけど、良い席で2回観た印象を大切にしたいので、諦めてトボトボ帰宅。

イエスティン君をもう一度聴けるのを楽しみにしてたのにがっかりだけど、泣いてても仕方ないので、ブログ記事でも書いてようっと。

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3月10日の月曜の夕方、BBCラジオ3からおそろしく下手くそなテノールの歌が聴こえてきたので、「ぎえーっ! 誰、これっ?! 格調高いBBC3でこんなの流すわけ?叫び」、とびっくりしたら、これがなんとイタリア人テノールのジョゼッペ・フィリアノーティ


録音ではなく(そりゃそうだ)、スタジオでの生歌唱らしく、高音はひっくり返るは、まったくひどいったらむっ


あと数日iPlayerで聴けますので、こわいもの聴きたさで是非どうぞ(→こちら )。27分あたりから一番凄い最後の歌がはじまります。


ガーンこれを聴いて私が真っ青になった理由は、その翌日に彼のリサイタルに行くことになってたからですが、「あ~、これだったらキャンセルしてくれればいいのに。そしたらENOのロデリンダに行ける・・」、と怒りの気持すら沸いて来てむかっ(ローゼンブラット氏もこれ聴いて暗澹たる気持ちになったに違いない汗)、翌日ウィグモア・ホールに向かう足取りの重かったこと。ダムラウと共演したROHの5年前の「愛の妙薬」ではとても素敵だったのにさ・・・(→こちら )。



Giuseppe Filianoti tenor

Iain Burnside piano


Cilea

Serenata – Mormorante di tenero desio
Bionda larva
Serenata – L'aere imbruna
Il mio canto
Lontananza!
Una mattina m'apriron nella stanza from L'Arlesiana
Serenata in E minor
Romanza in A

Boito
Giunto sul passo estremo from Mefistofele

Massnet
La dernière letter de Werther from Expressions lyriques No.5
Pourquoi me réveiller from Werther

Tosti
Seconda Mattinata
Tristezza
Non t'amo più
L'alba separa dalla luce l'ombra

Respighi
Sopra un' aria antica Nebbie

Cilea
È la solita storia del pastore from L'arlesiana

アンコールはNon ti scorda di me(忘れな草)


張り切って買った切符は最前列のほぼ真ん中でしたが、あまりに期待が低かったせいか、実際には怖れたほどはひどくなかったのはラジオのおかげで、ここぞという高音はことごとく無残に崩れたけど、中音低音は生で聞くと決して悪くなくて、野太い声はなかなか素敵。声量も立派だし、要するに、バリトンに転向すればいいのではないかと。 

これでは、高音が出てなんぼのテノールとしては全く使い物にならないから、7月のROHのラ・ボエームから降りた(降ろされた?)のは大正解(→こちら )。笑いものにならなくてよかった(代役が嫌いなチャールズ・カルトロノーヴォなので私はパス)。


曲目はローゼンブラット歌シリーズらしく、わかりやすい軽い曲が多く、フランス語のマスネの以外はイタリアの雰囲気がよく出てたし、私の好きな曲をたくさん歌ってくれました。
切符の売れ具合の悪いこのシリーズ、例の如くサクラとして駆り出された法律事務所で働くローゼンブラット氏の部下たちで溢れ、いつもの渋い客層とは全く違ってましたが、最後は盛大な拍手だったし、なによりもフィリアノーティ自身がとても嬉しそうだったのが印象的でした。そりゃ、そうよね、数年前に甲状腺ガンを克服し、以前のようには歌えなくても、こうしてリサイタルができるだけで幸せよね。ラジオでも病気のことを話してたし、私も胸が熱くなりましたメラメラ

アンコールの「忘れな草」は私の大好きな曲で、「私のことを忘れないでね」という美しいメロディですが、高音がないので上手くいったし、色んな意味で「忘れないとも!」、というコンサートでした。

    
さすがイタリアン、花束を渡したおばあちゃんに膝づいてほっぺにチュッキスマーク 




終了後はグリーンルームで写真を撮らせてもらいました。舞台で見上げるより小柄で貧弱だったけど、舞台では大きくてハンサムに見えるのも芸のうちってものです。



ところで、

癌から蘇ったテノールと言えば、ご存知、喉頭がんから復活したトビー・スペンスですが4月28日(ウィグモアのランチタイム→こちら )(一律12.5ポンド)と5月2日のミルトン・コート(→こちら )(一律15ポンド)でシューベルト等を歌いますので、おヒマな方は行ってあげて下さいませね(地元なのになぜか人気のないトビー君、少しでもお客さんの多い所で歌わせてあげたいという母心ラブラブ)。長年のご贔屓ですから、私はもちろんかぶりつき席を確保してありますDASH!

しかし、やっぱり病気後は不安定なのか、先月のミュンヘンでのティトー皇帝の慈悲では、ラジオで聴いた初日は耳を覆いたくなるほどグラグラだったし、数日後にネット生配信ではなんとかなったけど、出来については実は不安・・。でも、頑張れ!

ついでにもう一つ、ご贔屓テノールのリサイタルの宣伝をさせて頂きますが、4月2日にウィグモア・ホールでこないだドン・ジョヴァンニにも出たアントニオ・ポリ君がこれまたローゼンブラットシリーズに出演します(→こちら )。今ならまだ最前列が買えますので、私と一緒にかぶりつきましょう。


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