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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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Bブリテン縁の元醸造所でオペラ鑑賞@Aldeburgh Festival

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<29th June Sun>

おぉ~っ、早くも今年は半分終わりか、と焦りながらも旅行の支度とブログ書きで家にいました。

最近(遊びで)たてこんでたのでネタがあり過ぎて、全てを書くわけにはいきませんが、イギリス在住オペラファンとしてはベンジャミン・ブリテンが創始者であるこの音楽祭を省くわけにはいきません。

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20世紀最大のイギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンがはじめた音楽祭Aldeburgh Festival(こちら )にはいつか行ってみたいとずっと思ってましたが、オランダからのお客様レイネさんも興味を示して下さったので、6月16日に行ってみました。今年で67回目だそうです。


サフォークの海岸沿いにあるAldeburgh(オルデバラと呼ぶことにします)はロンドン西北郊外の我が家から車で2時間半。



        


6月とはとても思えない肌寒い日だったのですが、まずはオルデバラの小石のビーチを震えながらお散歩。海に因んだ作品の多いブリテンもきっとここを幾度となく歩いたのだろうと思うと感慨深いです。 海岸には街で一番古い建物(街の集会所で今は博物館)がポツンと建っていす。



グレーの空と風が吹く海岸はまるでブリテンのオペラ「ピーター・クライムス」(問題ありの漁師が主役のうんと暗い内容)の世界。


ここにこの天気の日に来られてよかったと思ったことでした。


去年の6月にここでピーター・グライムスの野外オペラ上演があったそうです。どんなお天気だったのか知りませんが、潮の香りの中でオペラ観ながら徐々に日暮れていくって雰囲気あっていいでしょうねえ。



    


次は街の真ん中にある教会へ。

ここSt. Peter and St. Paul's Churchにブリテンと公私共のパートナーであったテノールのピーター・ピアースのお墓があるのです。


    


広い墓場には何百年も経った古~いお墓もあり、緑の多い素敵な雰囲気ですが、彼らのお墓は比較的新しいお墓が立ち並ぶエリアにあるのですが、予想に反してえらくあっさりして質素な墓碑でした。私が立っているのがブリテン、レイネさんの前がピアースですが、真っ黒なので写真写りが悪いったら・・。


    


実はトーチャンは子供の頃にブリテン自ら指揮した「戦争レクイエム」に少年コーラスで出演したこともあり、特に彼の音楽が好きなわけではないけれど、やはり気になる存在のようで、こうしてお墓参りができて嬉しそうでした。


      




イギリスでは有名なコンサートホールであスネイプ・モルティングズSnape Maltingsは、アルデバラから少し車で行ったところのSnapeという湿地帯にあります。


こんなどんよりした日は荒涼とした雰囲気が漂い、6月とは思えない寒さの中、だだっ広い草っぱらの所々にアート作品などが置かれていて(グレーの彫像はバーバラ・ヘップワース作)、自然とカルチャーの融合がこのド田舎のコンサートホールらしい環境です。




     


      


クラフトショップ数軒とちっちゃなギャラリーもあり、もちろんレストランもあるのですが、夕食はセルフサービスのカフェで済ませました。 あれだけ海を見てたらやっぱりシーフードが食べたい気分なのでフィッシュケーキナイフとフォークうお座


      Snape Malringsは醸造所を改造したコンサートホールで、ロビーもホールもレンガと木で趣ありキラキラ



    


Owen Wingraveは、兵役拒否者であったブリテンがベトナム戦争時代に作ったオペラで、軍人一家に生まれながら軍人になりたくないOwen青年が家族に責められながら幽霊にとりつかれて死んでしまうらしい、よくわからないストーリー。



キャスト等はこちらを拡大してご覧下さいですが、変化のない暗いセットで数人が言い争いしてるばかりで、字幕がないので英語で歌ってはいてもよく聞き取れず、進展についていけませんでした。歌手のレベルはなかなかなかだったのに残念。

私たちは舞台前の傾斜のない安い平土間席だったので(18ポンド)、前の人の頭が邪魔だったし、カーテンコール写真も撮りにくかったけど、オペラ鑑賞よりも場所の見学が主目的でしたから、いいことにしましょう。


イギリスではお馴染みのJanis KellyJonathan Summersという実力派も出てて、悪くない顔ぶれの中、最も知名度があるのはROHのブリュンヒルデでもあり昨年はプロムスのラストナイトにも出たソプラノのSusan Bullockですが、私は彼女の声が好きではないので・・。


     
     


タイトルロールは若いインド系バリトンRoss Ramgobinでしたが、歌は悪くないけど地味過ぎて主役としてもカリスマ性不足。脇役では光れる人でしょうけど。


    

気に入ったのは若くてハンサムなテノール君isiah Bellと金髪のソプラノSamantha Crawford。歌も上手で容貌も美しいこの二人の名前、覚えておこう。



7時半開演のオペラが終わってもまだほんのり明るい北国の夏。


こんなに遠くては、余程のオペラ公演でもない限り二度と行くことはなさそうですが(近くに見所もないし)、長い運転で疲れただろうにトーチャンも喜んだし、やっと行けて、しかもピーター・グライムスを思い起こさせる灰色の日でラッキーでした。



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