<24th Sept Wed>
音楽シーズン夏枯れの間、オペラやコンサートがほとんどなくても特に淋しいとも思いませんでしたが、昨夜まで3夜連続でオペラやコンサートに行き、しかもどれも素晴らしかったので、やっぱり良いわ~、と幸せを噛み締めてます 昨日は特別な事情でドラマチックでしたよ~
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9月23日はウィグモア・ホールでローゼンブラット・シリーズの幕開けで、大好きなテノールのスティーヴン・コステロをかぶりつきで聴くのをずっと楽しみにしてたんです
だけど、嗚呼、なんてこと、3日前になってコステロ君がキャンセルしたというあまりにも悲しい知らせ
でも、さすが、去年1月にはファビオ・アルミリアートの代役になんとアントニーノ・シラグーサを急遽代役に引っ張ってきた実績のあるローゼンブラット氏(→こちら )、今回も素晴らしい代役を呼んでくれたのでした。
(その日のうちに彼にカーテンコール写真を何枚か送ってあげたらすぐに2枚をFBにアップしてくれて、特にこのの笑顔満開写真が気に入ってみたいで、FBのカバー写真になってます)
メキシコ人テノールのハビエル・カマレナは、今年の春にNYメトでフローレス王子の代役でチェネレントラに出た時のあまりの素晴らしさに、メトで過去70年でアリア・アンコールを歌った3人目(パバロッティ、フローレスに続く)になったという凄い人で、他にも一流オペラハウスに軒並み出演の快進撃中のテノール。
でも、ロンドンでは知名度が低いので切符の売れ行きは悪く、直前に音楽学生向けに5ポンドで叩き売ってたそうです。おかげで、そこそこの入りとなり、ウィグモアにしては若い人が多かったし、ゲイ男性が押し寄せた2日前のCTファジョーリとも全く違う雰囲気でした。
このシリーズ、いつもは前半に軽い歌、後半がオペラのアリアというパターンなんですが、今日はロンドンでは彼がどんな歌手か知らない人が多いだろうからまずはお得意のアリアで度肝を抜こうという作戦でしょうか、逆の構成でした。
Enrico Cacciari piano
Mozart Ich baue ganz auf deine Stärke from Die Entführung aus dem Serail
Bellini È serbato, a questo acciaro from I Capuleti ed i Montecchi
Rossini Sì, ritorvarla io giuro from La Cenerentola
Gounod Ah! lève toi soleil from Roméo et Juliette
Donizetti Ah! mes amis, quel jour de fête! from La Fille du Régiment
<interval>
Crescenzo Rondine al nido
Tosti Ideale/L'ultima canzone
Gastaldon Musica proibita
Sorozábal No puede ser from La tabernera del puerto
Guastavino La rosa y el sauce
Grever Despedida
Lara Granada
アンコールは、カタリカタリ、ネッスンドルマ等3曲。
うんと小柄で東洋的な顔つきで、なんか日本の農村か漁村にでもいそうな素朴な雰囲気のカマレナさん、華やかなオペラ歌手には見えませんが、ニコニコ笑顔で癒されます。
しかし、いやー、のんびりした雰囲気からは想像できないほどのド迫力でぶったまげました 特に売り物の超高音があまりにも楽々と出るのは驚愕で、観客は大興奮して カーテンコールは最後ほぼ総立ち状態
だけど、こんなスケールの大きな人はウィグモア・ホールで聴くもんじゃないですね、最前列ど真ん中の私から彼の口まで約3メートルといのはあまりにも近過ぎて、震動で心臓バクバク、しばらく耳がおかしくなってしまいましたよ
彼の強みは、低い声も力強いので、フローレス王子と被る軽めの役だけでなく、高音に頼らない重厚なヴェルディなんかも立派に歌えそうなパバロッティ系ですね。
でも、私の好みの声かと言うとそうでもなくて、確かに高らかに突き抜ける高音には感動してクラクラしたけど、甘さがうんと不足してるので、高音以外ではあまり惹かれなくて、ひたすらハイCを待ったというのが正直なところ。コロラチューラはまるでスタッカートみたいだったし・・。 やっぱり、コステロ君の甘い声に浸ってみたかったわあ
とは言え、カマレナは稀にみる素質の持ち主ですから、大きなオペラハウスで是非聴いてみたいです。
終了後は舞台裏のグリーン・ルームへ。最前列なので一番乗りでカマレナとハグしてスリーショット。
弁護士のお道楽でやってる(感謝!)ローゼンブラット氏にも挨拶したら、顔見知りの胡蝶蘭さんのロンドン着物デビューに喜んで、お雇いフォトグラファーにスリーショットを撮るように命令。ついでトーチャンに私のカメラでも撮ってもらおっと。
実はそのフォトグラファーはカマレナとのスリーショットも撮ってくれたんですが、今日の私の着物姿は最悪なので(鏡なしで慌てたので衿が充分出てないし、帯もよれよれ、帯揚げもぐしゃぐしゃ、帯締めは緩んでる・・・)、どうかそんな写真が公になりませんように・・。
グリーンルームは盛況でしたが、前夜ROHのセヴィリアの理髪師で素晴らしいロジーナだったSerena Malfiも来てました。カマレナとはお友達なんだそうで、4年前にローゼンブラット・シリーズにも出たことがある彼女とも胡蝶蘭さんは顔見知りなんです。
大ファンでこれまた知り合いのコステロ君が出ないなら着物で行ってもねえ、と消極的だった胡蝶蘭さんを説得して着物でいらして頂いてよかったです。
尚、胡蝶蘭さんの帯はお太鼓の部分が素晴らしいのですが、それは「着物編」でご紹介しますね。また一つ広がったロンドンの着物の輪 近いうちにもっと華やかな着物でオペラハウスにご一緒するのが楽しみです。
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