<31st Oct Fri>
20度を越す異常な暖かさのハロウィーン、誰か子供が我が家にもお来てくれるのでしょうか? 私はこれからレストランに行ってしまうのですが、トーチャンはお菓子を準備してスタンバイしてます。でも、インド人の多いこの辺り、ディヴァリというインドのフェスティバルシーズンで充分じゃないのかな。毎晩花火ドンパチで賑やかです。
旅行記事ばかりではなんでしょうから、時々オペラやコンサートについて挟みます。
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10月10日、日本に行く前日の夜にバービカンでヘンデルのアルチーナのコンサート形式オペラに行きました。慌しかったですが、今シーズンのハイライトの一つですから、これを聴かずに旅立つことはあり得ませんもんね。期待通りの素晴らしいコンサートでした。
で、その勢いで頑張って写真だけはその夜のうちに選んでおき、できれば日本滞在中に記事に仕上げたかったのですが、忙しくて全くネットにアクセスする時間がありませんでした。かなり時間が経ってしまいましが、覚えていることだけざっと記録に残しておきます。
アルチーナはオペラでは有名な魔女で、彼女に翻弄されながら繰り広げられる他愛ない恋愛ごっこのストーリーですが、魔女や魔法使いの島とか、ヘンデル時代にはきっとスペクタクルな舞台セットが大受けだったことでしょう。
Handel Alcina
English Concert
Harry Bicket director/harpsichord
Joyce DiDonato Alcina
Alice Coote Ruggiero
Anna Christy Morgana
Christine Rice Bradamante
Ben Johnson Oronte
Wojtek Gierlach Melisso
Anna Devin Oberto
まず、衣装についてですが、
ジョイス姐さんはいつもセンスが良くて、しかもあっと驚かせてくれるドレスをお召しになってくれるので楽しみなのですが、今回も一生懸命工夫して魔女の雰囲気を出してくれました。
← 実はこの写真だけは私が撮ったものではなく、よそからパクッったのですが、まさかインターバルの後に上着(?)とスカートの下を脱いでしまうとは思わなかったので、前半の終わりに自分では撮りませんでした。サービス満点の彼女のこと、それも充分ありだったのに迂闊。
出演者女性全員がカラーコーディネートしてたようで、オーケストラはパープル系、歌手は黒で統一されてましたが、その中でもディドナートの気合の入れ方は他を圧倒し、ヘビのうろこ柄でしょうか、おどろおどろしくてまるでハロウィーンのコスチューム。
大袈裟なリーゼントヘアとゴシック風の化粧も、ごく普通の感じだった他の女性歌手たちよりうんと目立って、タイトルロールの心意気を見せ付けてくれました
もちろん衣装だけでなく、ジョイス姐さんはいつものように細やかな演技でも唸られてくれてさすが大スターの貫禄でしたが、歌唱的には彼女だけが突出していたかというと、そうではありませんでした。
いや、決してジョイス姐さんが不調だったわけではなく、(男性は全く影が薄かったのですが)他の女性歌手たちが全員素晴らしかったからです
ズボン役が板に付いたアリス・クート、地味だけど堅実なクリスティン・ライスというイギリスの一流メゾソプラノがジョイス姐さんとメゾ争いで互角に戦ってましたが、私が特に惹かれたのは若い二人のアンナちゃんたちで、二人とも鈴のように軽やかなご贔屓のソプラノです。
ENOでよく主演するのでお馴染みの日米ハーフのアンナ・クリスティは、妊娠中にも拘わらずキュートで、コミカルな儲け役だったので大きな拍手もらったし、ROHのヤングアーチストを経て順調に躍進中のアイルランド人のアンナ・デヴィンも小さな役ながら光ってて、颯爽としたスーツ姿も素敵でした。
写真はクリックで拡大しますので、お好きなのじっくりご覧下さい。
男性陣に魅力がなかったのが残念ですが、女性軍の頑張りで素晴らしいコンサートになりました。
セミ・ステージでちょっとした演出もあった10月4日のポッペアの戴冠(→こちら )に比べると、こちらはただ突っ立って歌うだけの普通の方式でしたが、歌さえ良ければ決して感動は劣るものではありませんね。
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