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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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愛の妙薬 by Donizetti 涙のさよなら公演

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<14th Dec Sun>

忙しい一週間が終わって書きたいことがどんどん増えるばかり。でも、マイナーな好みであるカウンターテナー記事ばかりでは申し訳ないし、カと言って日本旅行記事用の写真選んでるヒマもなかったので、昨日のオペラを先に。むしろ席についてですけど。

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12月13日の土曜日、愛の妙薬の最終日に行きました。これで5回目(正確に言うと4回半)ですが、この日はパフォーマンスが素晴らしかったゆえに悲しさが更に増した ことがありました。



       



私がいつも狙う舞台横のストールサークル席、見切れるけど近くから観られるので大好きなんですが、このセクションが本日を以て廃止になるんです叫び



お金持ちではないオペラファンにとってロンドンが世界一恵まれた街であり得たのはこのセクションのお陰であり、私が同じオペラに何度も行けたのもやけに安かったからで、演目によって少々幅はありますが、私の定席とも言える硬いベンチ席の3列目は僅か11ポンドから17ポンド(2列目は倍ちょっと、1列目はちゃんとした椅子なので更にその2倍強)。


ここ数年間、何百回超一流の歌手を数メートルのところから聴けて幸福感を味わったことでしょうニコニコ。 それが私の私生活の中心だったわけですから、大袈裟ではなく、私の人生は変わらざるを得ないわけです。安い席は他のセクションにもたくさんあるけれど、遠くからだったら何度も観たいと思わないし、かと言って舞台に近い高い席を複数回買うほどの経済力は無しがま口財布



     


廃止の理由は、ROHによると、オーケストラ団員の耳の保護のようで、このセクションを取っ払って音を拡散させるのが目的なんだそうです。それなら、人数減らせばいいじゃん、経済的にも楽になるわけだし、とケチつけたくもなりますよ。ROHは「完全廃止ではなく、オケの音が小さい演目は直前に販売する可能性もあります」と言い訳してるけど、一回だけの音量ではなく1週間の合計ということなので、まず実現しないでしょう。



もちろん超人気だったこのセクション、切符ゲットは激戦で、年間360ポンドも払ってサポートフレンズになってるのもここを買うためであり、これが無くなったらもう価値はありません。平フレンズは90ポンドくらいなのでそのレベルに落としてお金が浮いた分を切符代に回そうかしら、とか今後の対策はこれから考えますが、今はとにかく悲しい気持ちで一杯ですしょぼん


一気にではなく、ここ1年くらいで徐々に廃止が実行され、以前はこの席を買えたオペラやバレエがどんどん減っていったので、きっといつか全面廃止になる日が来るかもという覚悟はしてて、だからこそここに座れるうちに座っておこうと欲張って、今回イドメネオと愛の妙薬に5回づつ行ったわけですDASH!



    







Music Gaetano Donizetti
Libretto Felice Romani
Director Laurent Pelly
Set designs Chantal Thomas
Costume designs Laurent Pelly
Associate costume designer Donate Marchand
Lighting design Joël Adam
Conductor Daniele Rustioni
Adina Lucy Crowe
Nemorino Vittorio Grigolo
Dulcamara Bryn Terfel
Belcore Levente Molnár
Giannetta Kiandra Howarth


で、その最後の愛の妙薬ですが、千秋楽ということで歌手のはしゃぎ度も更に増し、細かい演技を5回目であってもすごく楽しめましたクラッカー それでますます悲しさも募ったわけですが・・あせる


4日前は風邪気味だったというヴィットリオ・グリゴーロはすっかり回復したようで、多くのオペラで今までここで観たグリ君の中でも一番エネルギッシュではなかったかしら。今回大受けだった酔っ払いダンスも膝の震えを加えて更にレベルアップし、とてつもない声量も感傷に耽るf私には更に大きく聞こえました。嗚呼、もう席でストレートの声を浴びることができないなんて・・・しょぼん  でも、又来てね。そしたら高い席を奮発するから。一回だけだけど。



          



ルーシー・クロウ
とのケミストリーは最後まで感じられませんでしたが、それは先回のアラーニャとクルチャクの「ちょっとお、あんたたち、デキてるんじゃないのぉ?恋の矢」、と感じた本物のいちゃつき方と比べてしまうからであり、決して悪い組み合わせではありませんでした。


アディナ役は、声のパワーのないルーシーではなく、以前のダムラウとかクルチャクのような超一流ソプラノにグリ君と互角に競って欲しかったですが、ルーシーは充分可愛いし大奮闘してこれまでの彼女の歌唱の中ではベストだし、重大な責任は果たしたのではないかしら。


そう言えば、12月4日に一度だけルーシーがキャンセルしたことがあり、その日の切符も持ってたのに譲ってしまったので、代役のキアンドラ・ハワースを聴き損ねたことがとても残念。今回のジャンネッタ役ではどうってことないけど、若手アーチスト公演ではとても上手だったキアンドラちゃんのアディナ聴きたかったな。


そうなんです、こうしてキャンセルに対応するために予備切符をたくさん買っておくこともこれからはできなくなるので不便むっ(すみません、話がどうしてもそっちに行っちゃうんですが)。


ブリン・ターフェルは、リハーサルではやけにおとなしかったけどそれは手を抜いてだけでしょうか、本番では大袈裟にやってくれて「さすが我ががブリン!」とヤンヤの喝采浴びてました。離婚後若い美人の恋人ができて幸せ一杯なんでしょう。出待ちでも一緒に出てきました。彼女はチャールズ皇太子に雇われてる王室ハープ奏者)。


     


グリゴーロと並んで賞賛されたのが若い指揮者で、エネルギッシュなアクションと嬉しそうに一緒に歌う姿を真横からたっぷり楽しませてもらいました。そうなんです、この席は指揮者がよく見えるのも大きなポイントなんです。もうそれもお終いか・・・プンプン



というわけで、11ポンドで最大に楽しめましたが、つい今までこの席から観た歌手達をが思い浮かべてしまって、切なさ一杯の夜でした。



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