<26th Dec Fri>
曇りで寒い日だったようですが、ずっと家でぬくぬくとテレビを観たりブログ用の写真選んだりして過ごそうかと。でも、「今日は久し振りにYoutubeで大好きな西城秀樹でも聴きながら写真選ぼうっと」、と思ったのが間違いで、かっこ良いヒデキはやっぱり観ないわけにはいかなくて、半日も専念してしまいました。 長時間の鑑賞に耐えられるヒデキの歌唱力はやっぱり凄い。病気の後ですら。そういうわけで、時間の掛かる日本旅行の写真選びが捗らなかったので、今日は他に変更。
カウンターテナー祭もやっと最終回となりましたが、カウンターテナーと言えば、こないだラジオを聴いてたら、すごく私好みのCTがヴィヴァルディを歌ってて、一体誰なんだろうと思ったら、なんとアンドレアス・ショル。かなり昔の録音できっと私はこのCDも持ってるんでしょうけど、今のショル兄を思い浮かべるとCTのはかなさあらためて感じたことでした。そして、それはこのチェンチッチにも通じるに違いないです。
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12月5日から12日までの8日間で5回もカウンターテナー出演のコンサートを聴きに行ったという私にとってはお祭り騒ぎも、12月12日のウィグモア・ホールのマックス・エマニュエル・チェンチッチで最後。
Max Emanuel Cencic, countertenor
Il Pomo d'Oro
Riccardo Minasi director, violin
Vivaldi Concerto in C for violin RV181a
Albinoni Pianta bella from Il nascimento dell’Aurora
Caldara Barbaro, non comprendo from Adriano in Siria
Brescianello Sinfonia in F Op. 1 No. 5
Gasparini Dolce mio ben from Flavio Anicio Olibrio
Vivaldi Mi vuoi tradir from La verità in cimento
Galuppi Concerto a quattro No. 1 in G minor
Porta Mormorando quelle fronde from La Costanza Combattuta in Amore
Giacomelli Sposa, non mi conosci from La Merope
Vivaldi Concerto in E minor for violin RV277 Il favorito/A piedi miei svenato from Argippo/Anche in mezzo aperigliosa from L’odio vinto dalla constanza
生チェンチッチは2009年にバービカンで聴いたコンサート形式のヘンデル「スザンナ」一回だけですが(→こちら )、その時は声量が乏しくて声に魅力もなかったのでたいそうがっかりしたし、最近は他のCTたちと共演することの多いチェンチッチを高く評価してる人も少ないので、このウィグモアのコンサートも心待ちにはしてたけど、歌唱面での期待は低かったです。
一番楽しみだったのは彼のファッションで、お洒落には気合が入ってるチェンチッチが一体どんな格好で登場するのかワクワクでしたが、期待を上回るど派手さで、覚悟してた私ですら目がパチクリり
チェンチッチはロンドンでは知名度が低いので(この日の切符も最後まで売れ切れず)、皆さん何を期待していいのかわからなかっただろうけど、この頃はイエスティン君とかの貢献でCTに対する偏見はなくなったとは言え、さすがにこのオレンジと金色のキンキンキラキラのジャケットはコンサバなウィグモアの常連にはびっくりだったでしょう。というか、クラシックコンサートであればどこだってこのジャケットはオー・マイ・ゴッドでしょうけど・・
見てるだけで眩しいこのジャケット、仏壇の三角打敷が思い浮かんでしまいましたが、こういうのが好きなチェンチッチには是非是非日本のアンチック着物屋さんがお勧めですよね! 派手で斬新な柄もあるから、是非ジャケットしてして欲しいわあ。
しかし、いでたちよりももっとショッキングだったのは、チェンチッチのいかにもウッフーンという身のこなしでしょうねえ。街にはクネクネ男が溢れているといっても、ここはウィグモア・ホール・・。
だからこそ、それを承知でこの衣装を選んだチェンチッチの快挙に拍手を送らないわけにはいかないでしょう
なんか、衣装ばっかりが注目されたけど、肝心の歌はどうだったかと言うと、さすが天下のウィーン少年合唱団で名ボーイソプラノのソリストだった頃からの長いキャリアを持つチェンチッチ、テクニックは最高級
でも、声に魅力がないのが致命的で、これではファジョーリやジャルスキーと一緒と出たらそりゃ影が薄いでしょう。このレベルまで来ると結局は声の好き嫌いなんですが、特徴も艶もないチェンチッチの声が好きな人が果たして何人いるでしょうか? 声変わり後は男性ソプラノとして高い声がきれいに出たのでしょうが、カウンターテナーに転向後も段々太くなってる声に対して38歳のチェンチッチ自身とまどっているのかもしれませんね。
ほんと、CTの絶頂期の短くはかないことを身をもって示しているかのような、華やかでそれなりに盛り上がったけど(オケはテンポ良くて素晴らしかったし)、私はなんだか哀しいコンサートでした
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