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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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魔笛 by Mozart 素敵な二人の王子様と今まででベストなパパゲーノ

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<17th Mar Tue>

昨日からフル出勤。明日からも休むわけにはいかないけど、まだ完全に風邪が治ってはいないような気もするので、働いてる以外の時間はなるべく休養するようにしないとね。ブログ書くのだって実は結構疲れるということがわかったのですが、いい加減に魔笛を片付けたいので、だらだらとですが書き殴ってみました。

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2003年からやってて見飽きたプロダクションの魔笛ですが、今回は3回半行ってみました。久し振りにマクヴィッカーが演出し直してリフレッシュしたせいか、コメディとして出来の良いパフォーマンスとなり、初日のカーテンコールでマクヴィッカーもとても嬉しそうでした。


尚、「半」というのは、風邪で体調悪いのを甘くみて一応行ってはみたものの、3月9日はやっぱりしんどいので途中で帰ったからですが、でも、実は思わぬボーナスもあって、結局はなかなか楽しいオペラ通いになったんです。


なぜかと言うと、カーテンコール写真でおわかりかどうか、ほら、ちょっと前まで定番だったストールサークルの舞台脇の席

からの角度でしょ?

そうなんです、安い値段でまじかに観られる理想的なこの席は、今シーズンから廃止になってがっかりしてたんですが、実はオーケストラ人が小さくて音量で問題ない場合は売り出すかもしれないという但し書きがあり、早速それが実行されたんです。やり方が妙だったので混乱しましたが。


まず、2月20日のリハーサルに行って見たら、なんとそのセクションに以前通りに椅子が並べられてて、切符を持ってる人はいないのですが、徐々に観客が移ってきました。私の元々の席はそこから近いストールサークルだったんですが、やっぱり近くで観たいので、後半は反対側のB列に移動したのでした。


ふーん、それならば、本番はここを売り出すのかな、と思ったけど、放出されず。でも、2月23日の初日もやっぱり椅子が並べられてたので、私はなんと元々60ポンド奮発してストールサークルB列の舞台にもっとも近い席を確保してあったのだけれど、折角だから直前に幻の脇席のA列にささっと移動。2メートルくらい舞台により近いだけじゃなく、A列は独立したふかふか椅子だからお尻が痛まないのもポイント。でも、元の硬いベンチ席が60ポンドもするのに、A列ソフト席は46ポンドって、やっぱりこのセクションは費用対効果抜群だ。廃止されたこごがあらためて悲しいわ。


ひらめき電球でも、そうか、じゃあ、本番はずっときっとこのまま空席のままだろうから、遠くの席を持ってる日はここの移動すればいいんだわ、と図々しく目論んでたら、なんと残りの公演の分はちゃっかり売り出されたのでした。初日過ぎてからそんなことするなんて前代未聞よ。 で、舞台脇席に変更できた日もあれば、タイミング悪く駄目だった日もありましたが、またここに座れて嬉しかったです。



Die Zauberflöte


Music Wolfgang Amadeus Mozart

Libretto Emanuel Schikaneder
Director David McVicar
Set designs John Macfarlane
Lighting design Paule Constable
Movement director Leah Hausman
Conductor Cornelius Meister
Tamino Toby Spence /Pavol Breslik
Pamina Janai Brugger /Christiane Karg
Papageno Markus Werba
Sarastro Georg Zeppenfeld
Queen of the Night Anna Siminska
First Lady Sinéad Mulhern
Second Lady Nadezhda Karyazina
Third Lady Claudia Huckle
Monostatos Colin Judson
Papagena Rhian Lois
Speaker of the Temple Benjamin Bevan
First Priest Harry Nicoll
Second Priest Donald Maxwell
First Man in Armour Andrew Macnair
Second Man in Armour James Platt


魔笛ってどんな話なの?ということは以前の記事をご覧下さいですが(→こちら )、わけわからない展開なので、子供もたくさん来てましたが、子供が可哀相ですから避けましょうね。


パフォーマンスだけに注目して書くことにしますが、このプロダクション限定でざっと歴代の歌手たちのこともメモしておきます(→こちら に詳しく出てます。ROH最近サボってるみたいでupdateされてませんが)。 


メモ2005年にブログを始めてからの記事は以下3件。

2008年→こちら

2011年→こちら

2013年→こちら


   
男の子タミーノ王子


2003年はウィル・ハートマンとポール・グラヴス、2005年に再びウィル・ハートマン、2008年はクリストフ・ストレールとパヴォル・ブレスリク(彼だけ見逃した)、2011年ジョセフ・カイザー、2013年チャールズ・カステルノーヴォとアンドリュー・ステイプルズで、ここまでで私のお気に入りはグラヴス、カイザー、ステイプルズ。


今回のトビー・スペンスとバヴォル・ブレスリクでしたが、二人ともハンサムで歌も上手でイメージ通りの素晴らしい王子様だったので、お気に入りタミーノに追加。


ご贔屓トビー君のタミーノ王子はうんと前にENOで見た事があり、おそらくそれが生で始めて観た魔笛だったこともあり、私にとっては印象は強烈。その若くて可愛かったトビー君、10年以上経った今、その間に喉頭ガンになったにも拘わらず相変わらず若々しい容姿をキープしてるのは奇跡ではないかしら。声はちょっと重くなってしまったけど、2月4日のROHの公開インタビューでガンとの壮絶な闘いについて語ってくれて感動的だったトビー君のタミーノ王子に再会できただけでもジーンとしましたラブラブ


一方、最近海外遠征で接することの多いブレスリク君は、トビー君よりも声量があって、さすがグルベローヴァ御大に気に入られて共演することも多い今が旬の実力を示しましたクラッカー 但し、ヒゲはない方がさらにチャーミングだと思うんですけどね・・。 3回の出演のうち一回だけしか都合がつかなくて、しかも舞台横から観られなかったのが残念で溜まりません。2008年に見逃したのも今更ながら凄く口惜しい。



      

 


     


女の子パミーナ王女


ドロテア・レシュマン、カミラ・ティリング、レベッカ・エヴァンス、ケイト・ロイヤル、ゲニア・キューマイヤー、エカテリナ・シウリーナ、というのが歴代の顔ぶれですが、その中では今回のダブルキャストの二人は知名度も低いし、どちらも私のイメージには合わなくて、折角素敵なタミーノ王子を二人揃えたのに残念なキャストだったかな。 

    

ペンギンパパゲーノ
鳥刺しのパパゲーノはほぼ毎回イギリス人のサイモン・キーンリーサイドとクリストファー・マルトマンが交互にやってて(一度だけローマン・トレケルで観た記憶はあるけど)、いくら芸達者の彼らだっていい加減うんざりだから違うバリトンで聴きたいわ、と思ってたところ、やっと実現。

ROHではナクスス島のアリアドネのハーレクインとかのちょい役でいつも光ってたのでいつかちゃんと観たいと思ってたドイツ語圏バリトンのマルクス・ウェルバ、去年は日本でドン・ジョバンニもやったし、きっと実力ある人に違いないという期待を大いに上回って、実にチャーミングで面白いパパゲーノでした。ドイツ語はネイティブだからキーンリーサイドやマルトマンよりも流暢でスムーズだし、コメディ演技も抜群。愛い顔に似合わない深い声も魅力的で声量も十分。 魔笛の主人公は実はパパゲーノだったのね。少なくとも今回は誰しもそう思ったのではないかしら。パパゲーノが出てる場面は皆ワクワク&爆笑だった筈だからドキドキ

    

半月夜の女王は、プレミエのディアナ・ダムラウに敵う人は今まで誰もいませんが、今回のアンナ・シミンスカは、濁りのない美声が高らかに響き渡るのに、音程は外れ気味だし、実に惜しい夜の女王でした。


実は私は5月にベルリンで魔笛を観ることになってるんですが、夜の女王が彼女なのでがっかりしてるところなんです。

    

 

    

 

    


                



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