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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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トリプル・ビルのバレエの初日(大地の歌、新作「アンタッチャブル」他)

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<28th Mar Sat>

仕事で忙しい一週間がやっと終わって週末になったのに、ぱっとしない曇り空なので、家でもパソコンに貼り付くのは嫌だけど、ブログでも書いて過ごしましょう。まずは、昨日のバレエ。

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カメラ写真はクリックで拡大。見切れ席のため、カーテンコールで死角になってしまう人もいて、偏ってますけど。


3月27日、ロイヤルバレエのトリプル・ビルに行きました。The Four Temperaments / Untouchable / Song of the Earthの初日。 こういうミックス演目はたくさんのプリンシパル・ダンサーが揃うのがお得だし、日本勢も大活躍でした。


ジョージ・バランシンとケネス・マクミランという20世紀を代表する2人の振付家の作品と、現役の振付家/ダンサー/作曲家/のホフェッシュ・シェクターの新作という組み合わせでしたが、こういうミックスものは値段が安いのもありがたしくて、私のlower slipなんて僅か6ポンド。それならもっと良い席を買えばいいのに、なんとなくオペラより良い席に座るのもオペラに申し訳ない気がして・・。



1 The Four Temperaments

Choreography George Balanchine
Music Paul Hindemith
Lighting design John B. Read

バランシンの抽象バレエ「フォー・テンペラメント」は、4人のプリンシパル・ダンサー(マックレー、ワトソン、ボネリ、ヤノウスキー)という豪華な顔ぶれでしたが、崔由姫さん、高田茜ちゃん、平野亮一さんの日本人トリオも劣ることなく中心メンバーとして立派に踊ってくれました。

舞台映えする大柄なザナイダも素晴らしかったですが、こういうモダンなのが大得意のエド・ワトソンが抜きん出てて、途中で彼だけに拍手が起こり、カーテンコールでもやっぱり一番人気クラッカー


     


        
                                    クラッカーアンタが一番!のワトソン

     

    



2Untouchable
Choreography Hofesh Shechter
Music Hofesh Shechter
Music Nell Catchpole
Designs Holly Waddington
Lighting design Lee Curran

個人の踊り合戦だったフォー・テンパラメントとは対照的に、このアンタッチャブルはランクの低いダンサーたちによる群舞で、スピーカーでまるで心臓の鼓動のようなビートがズンズンズンと鳴り響き、映画「ブレードランナー」のような世紀末的雰囲気の中でダイナミックに跳ね回る様はバレエというよりストリート・ダンスですが、これをしなやかなバレエ・ダンサーが踊るところがミソで、あらためてどんなダンスでもグレードアップしてしまうバレエダンサーの身体能力がいかに優れているかがわかりました。

若いダンサーたちが「ヤッホー、俺たちが主役だぜ!」(女の子もいるけど男っぽいカッコなので)、と大張り切りでエネルギッシュに楽しんでいるのを見るのは嬉しいですが、中でも私のご贔屓のジェームス・ヘイ君の軽やかさに惹かれました。中心的なルカ・アクリ君も大活躍。

   


イスラエル出身で現在は英国を拠点とする若いシェクターの初めてのロイヤル・バレエ団への新作は新鮮で、混沌とした音楽の融合も面白くて、30分全く飽きずに楽しめました。私にとってはこれが今夜のハイライト。私の席からはフォーメーションもよくわかったのもグー。

     


       

  立役者である振付&作曲のシェクター   




3大地の歌 Song of the Earth

Choreography Kenneth MacMillan
Music Gustav Mahler
Designs Nicholas Georgiadis
Lighting design John B. Read
Principal Marianela Nuñez
Principal Thiago Soares
Principal Carlos Acosta
Mezzo-soprano Catherine Wyn-Rogers
Tenor Samuel Sakker

忙しくて知識ゼロで臨んだ私が悪いのですが、特にストーリーはなくても1時間以上もある長い踊りをなにも知らずに見たのは失敗。3年前に観たこともあるけど何も覚えてないし、退屈で退屈で・・。ソプラノとテノールが交互にほとんど出ずっぱりで舞台で歌ってても字幕出ないから歌ってる意味もわからないし、こういう奥に深い舞台だと半分ちょいしか見えないのも不利。

     


テノールのサミュエル・サッカーは、私の席からは全く見えなくて声もブロックされてしまっているのも一因かもしれないけど、聴くに耐えないくらいひどかった・・。3年前はトビー・スペンスが素晴らしかったのに。トビー君、たしか私が行かなかった他の日に大きな花束をもらったとのことで、男性にはまず起こらないことですが、それはきっと喉頭ガンの手術を控えてたからでしょうね。私が見た日の写真を最後に載せておきます。

ソプラノもひどかったら目も当てられないけど、キャサリン・ウィン・ロジャースは、やけに太目になったけど、立派な歌唱で救われました。


カルロス・アコスタ扮する「死の使い」は踊り見せ場もなくて思わせぶりに徘徊してるだけだし、ニュネツとソアレス夫妻は上手だとは思うけどなぜか魅力を感じないのです。

崔由姫さんと平野亮一さんが再び重要な役を踊ってましたが、フォー・テンパラメントではその他大勢だった金子扶美ちゃんの存在が光ってました。

     

    
                                 3年前のタマラ・ロッホとトビー君


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