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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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マダム・バタフライ by Puccini 蝶々さん(オポライス)にブラボー!

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<5th Apr Sun>

イースター4連休をのんびり楽しんでますが、昨日はムスメが遊びに来てくれて、友人から借りてる紅白歌合戦の録画を、早送りしながら2年分一緒に観ました。大人数女性グループと数人の男性グループやけに多いのにびっくりでしたが、同じよう見える中でやっぱりキムタクが一番素敵ね。

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3月31日はマダムバタフライMadama Butterflyに。


カーテンコール写真でおわかりの通り真正面の立見席ですが、値段が安いだけじゃなくて(13ポンド)、良い写真が撮れるのも利点。



2003年からやってるこのプロダクションは嫌と言うほど観てるし、障子で囲まれた四角い空間のあっさりし過ぎて凄くつまらない舞台セットなんですが、美人のクリスティーヌ・オポライスが出るからやっぱり観に行きましょうってことでしたが、実はオポライスが2011年に代役出演したのは観てるんです。


その時はまだ無名だったオポライス、おそらく指揮してた夫君のネルソンスが「代役が必要なら僕の妻はどう?」、とか言ったのが出演に結びついたのではないかしらと思うのですが、その後めきめき売り出し、去年夏はROHでも近マノン・レスコーでヨナス・カウフマンと堂々渡り合って(→こちら )オーラが出てた彼女を今回は目玉として招いたわけですから、きっと準備万端で素敵な蝶々さん像を作りあげてくれるだろうと期待は高かったです。


マダム・バタフライってどんな女性か実は知らないわ、と仰る方は過去の記事のうちどちらかをご覧下さい。女中のスズキさんが涙ながらに説明してくれてます。


2007年2月(→こちら )   2011年6、7月(→こちら


Music Giacomo Puccini

Libretto Giuseppe Giacosa
Libretto Luigi Illica
Director Moshe Leiser
Director Patrice Caurier
Set designs Christian Fenouillat
Costume designs Agostino Cavalca
Lighting design Christophe Forey
Conductor Nicola Luisotti
Cio-Cio-San Kristine Opolais
Pinkerton Brian Jagde
Sharpless Gabriele Viviani
Goro Carlo Bosi
Suzuki Enkelejda Shkosa
Bonze Jeremy White
Yamadori Yuriy Yurchuk
Imperial Commissioner Samuel Dale Johnson
Kate Pinkerton Anush Hovhannisyan


   

カメラプロダクション写真もクリックで拡大しますので、キモノ姿もじっくりご覧あそばせ。

   



プロダクションについては、評判だったENOのプロダクション(NYメトも同じ)と比べると味気なくてつまらないわ~、と思っていたのが、


何度も見てるうちに、こういうベタで当たり前過ぎるのがストーリーを追うのには結局ベストなのかも、とすら思うようになりました。


日本人から見たら多少陳腐であっても、キモノ衣装はそんなに崩してないしね。


それに、今回は真正面から見たので、障子が開いたり閉まったりして表れる違う背景の意図や照明の使い方も理解できて、なかなか良いかもとすら思い始めました。


今回見直したのは、オポライス嬢の好演によるところが大きかったに違いありません。


何度も出た小柄な中国人ソプラノのLiping Zhangが素のままで蝶々さんに見えたのに比べると、大柄な西洋人であるオポライスは明らかに不利なわけですが、それを充分承知のオポライスはエレガントでゆったりとした身のこなしと真摯な演技でハンデを克服。レビューで絶賛だったのも当然です。特に、ピンカートンを待ちながら正座して座ってるだけの長いシーンで、顔の表情だけで切ない女心を表現した見事な女優ぶりには感心。  先回も素敵だったけど、うんと成長して、しかもオペラ歌手の中でも1、2を争う美人でもあり、本当に魅力的な蝶々さんでした。


演技だけできても歌が駄目ならお呼びじゃないですが、特に美声ではなくても私は彼女の歌唱に惹かれるものがあり、今回の丁寧で細やかな歌唱は例え目を閉じててもぐっと胸に迫るものがあったでしょう。


       


ピンカートンは無名のアメリカ人テノール、ブライアン・ジャッジ

大した経歴はないので全く期待してませんでしたが、長身なのがオポライスの相手役に選ばれた大きな理由の一つだったとしても、歌もなかなか良くて、一枚看板のスター歌手にはなれないかもしれないけど、一流の歌手に囲まれても足を引っ張ることはなさそうです。


     


と言うことで、蝶々さんとピンカートンは二人とも、聴くに耐えなかった先回のLiping Zhangとジェームス・ヴァレンティとは比べ物にならないくらい素晴らしかったですが、シャープレス領事と女中のスズキも達者な歌手で脇を固め、レベルの高いパフォーマンスになりました。ちょい役のゴローですら上手だったし。

     

ガブリエレ・ヴィヴィアーニは、2年前のラ・ボエームでも立派なマルチェロでした(→こちら )。


指揮はニコラ・ルイゾッテイで、この席からは指揮者が見えないのが残念ですが、粒揃いの歌手の良さを引き出すゆったりめの指揮ぶりが良かったです。

    


ENOプロダクションでは蝶々さんの息子は黒子が操作する文楽の人形で、それが新鮮で魅力なんですが、生身の子供も良いですね。


「よーし、この子は上手に演じてくれたから、おじさん達が高い高いしてあげるからな~アップ


・・・蝶々さんは心配顔ガーン




    


ところで、


皆さんのキモノ衣装はそれ程おかしくないとは言ってもやっぱりそりゃ変ですから、日本人としてはちゃんとした着物姿を見て頂きたいじゃないですか?DASH!


なので、来週もう一度行きます、着物で。 蝶々柄の帯にしようっと。



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