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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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アンドレアス・ショル 若いCTにはまだ負けへんで~ 

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昨夜(4月7日)、ウィグモア・ホールにドイツ人カウンターテナーのアンドレアス・ショルを聴きに行きました。


私は長年のファンなのですが、2010年12月にバービカンでジャルスキーと共演した時は風邪ひいてたので全く精彩なかったのは仕方ないとしても(→こちら )、去年1月のバービカン(→こちら )は声しょぼかったし、「もう過去の人になっちゃったのかな。辛いから行くの辞めて、同じ日に間違って買ってしまった高田茜ちゃん主役の白鳥の湖の切符も持ってるからそっちに行こうかしら・・」、と直前まで迷ったのですが、結局、せっかく最前列の切符が買えたからやっぱり行ってみよう、と。


そんなわけで、期待はうんと低かったのですが、これがなんと、嬉しい驚きで、素晴らしかったんですよアップ

切符代は40ポンドもしたけど(最高は50ポンド)、その価値は十二分にありました。

2、3度醜い地声が出たりもしたし、全盛期の完璧さには及ばないけど、それでもかつての甘い声が9割方は戻ったのではないかしら。 

声量もたっぷりで、こじんまりしたウィグモア・ホールでは後ろまで充分届いた筈だし、私は最前列で彼の声を全身に浴びて、うっとり聴き惚れましたラブラブ!


後頭部は薄くなり、顔は丸くなりお腹はしっかり中年太りたけど、かつての私のダーリンだった長身美男子の面影は充分残ってるのも胸キュンだし、なによりも久しぶりに好調のショル節を聴くことができて幸せドキドキ

たっぷり歌ってくれたし、つくづく行ってよかった、と。 これなら、11月19日にここでイエスティン君と共演しても、そう無残な負け方はしないで済みそうだ。


プログラムはイタリアン一色だったのもロマンチックで素敵だったし、彼の優しい声にぴったり。 CTで対照的なファジョーリの声量や超技巧と比べるのは意味ないですしね。



Andreas Scholl countertenor
Avi Avital mandolin
Marco Frezzato cello
Tiziano Bagnati lute
Tamar Halperin piano


Salvatore Lanzetti (c.1710-1780)

12 sonatas Op. 1 No. 7
Sonata in G major for cello and basso continuo

Antonio Vivaldi (1678-1741)

Trio Sonata in C major RV82

Alessandro Scarlatti (1660-1725)

Cantata: M’ha diviso il cor dal core

不明

L'occasion delle mei pene

La biondino in gondoleta

La farfalle

Antonio Caldara (1671-1736)

Cantata: Da tuoi lumi

Antonio Vivaldi

Trio Sonata in G minor RV85

George Frideric Handel (1685-1759)

Cantata: Sento là che ristretto HWV161

Antonio Caldara

Cantata: Vaghe luci

アンコールは作曲者不明のLa biondino in gondoleta、金髪娘がゴンドラで居眠りするという曲の繰り返し。

一番良かったのは、ヘンデルとこのゴンドラソングでした。


メガネ

いつものように眼鏡掛けて登場したんですが、「いやー、(年のせいで)眼鏡だと音符が読めなくなっちゃってね」、と笑いながら眼鏡を外したショルおじさん、インターバルの後に又ついうっかり眼鏡で表れて、笑いを誘ってました。


小柄でほっそりしてるけど胸が立派なハープシコード奏者はイスラエル人のショル夫人、彼女が彼を励ましてる様子がよくわかったし、しょっちゅう二人で見つめ合って幸せそうラブラブ


曲はイタリアものばでも、暗いウィグモア・ホールで年寄りがほとんどの観客に向かってドイツ人のショルが歌ってもいまいち雰囲気出ませんが、このマンドリンのお兄ちゃんが出ると一気にイタリアンになりました(イスラエル人だけど)。ウクレレと大して変わらないサイズの小さいマンドリンだけどその音色を聴くと地中海の明るい陽光が感じられるようで、彼を仲間にしたのはこのコンサートにとって大正解。トレモロもほとんどなく一人で弾くマンドリンは音もウクレレみたいだったけど・・。


終了後、舞台裏のグリーンルームに行こうかと思ってたんですが、席でコート着てたら出遅れて一番乗りできなかった上、ウィグモア・ホールの前支配人のお爺ちゃんがすでに並んで待ってたので、私は遠慮しました。ここではまだ神様みたいな彼がいたら他の人の相手はできませんもんね。舞台のうんと近くからしっかり見たし、嬉しそうなショルのカーテンコール写真も撮れたのでよしとしましょう。


尚、これも含め今月はウィグモアで3人のCTを聴ける筈だったのに、4月14日はダニエル・テイラーがキャンセルしてメゾソプラノに変更され、私も行くのを止めました。

4月2日のテリー・ウェイは最前列で聴いたのに、テクニックはしっかりして声も端正だけど声量も華もなくてがっかりだったし、出番が少ない上にその他大勢扱いされて、カーテンコールで彼の顔すら見えず。この日も白鳥の湖と重なってたので、そっちに行けばよかったと後悔(茜ちゃんが代役でオデット姫だったのに)。



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