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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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サムソンとデリラ by Saint-Saëns @Grange Park Opera

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<11th July Sat>

ウィンブルドンテニス中はどうしてもカウチポテトにどうしてもなってしまうのよね。折角ラブリーなお天気なのに、勿体ないけど。明日の男子シングルス決勝、アンディが出ないのでどうでもいいんだけど、私の胸キュンテニス選手ナンバー1のステファン・エドベリがフェデラーのコーチだから、やっぱりテレビ観戦しよう。明日は彼がサングラス外してくれるよう曇りになって頂戴。私が一度だけウィンブルドンテニスに行ったのはお腹が大きかった28年前なんですが、それまでも好みだったエドベリ(英語ではエドバーグ)をその時目の前で見て心臓バクバクだったんですラブラブ! そろそろ50歳だけど、相変わらずハンサムね~恋の矢 (はい、イギリス人以外のテニス選手は容姿で選ぶ私です)

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7月4日(土)に初めてGrange Park Operaに着物で行き、素敵なガーデンやレストランのことは既にアップしましたが(→こちら )、オペラはどうだったかと言うと、


今回は場所の見学が言わば目的だった上に、どうせ大した歌手は出ないだろうと思って期待もせず歌手の経歴なども知らずに敢えて白紙で臨みました。


サムソンとデリラは、旧約聖書に出てきますが、ヘブライ人の腕腕男サムソンが異教の美女デリラに誘惑されて弱点を教えてしまい、ヘアカットされて力がなくなってしまうが、最後は神の力で回復して異教徒をやっつけるというキリスト教世界では超有名なストーリーで、サン・サーンスのオペラ代表作。



恋の矢Samson et Dalila


Conductor: Gianluca Marciano
Director: Patrick Mason
Designer: Francis O'Connor
Lighting Designer:


Samson: Carl Tanner
Dalila: Sara Fulgoni
Abimelech: Nicholas Folwell
An Old Hebrew: Christophoros Stamboglis
High Priest of Dagon: Michel de Souza

Bournemouth Symphony Orchestra


家ワンピース

プロダクションは、うへーっ、又か・・むっ、と思う20世紀前半への読み替えで、悪者はナチス風の制服というありふれ過ぎた演出。 セットも衣装もそこそこ美しい舞台だけど、オリジナリティ欠如。




カラオケ

パフォーマンスに対する期待は低かったですが、主役の二人がなかなか素晴らしくて、思いのほか楽しめました。


特にサムソンのテノールのカール・タナー、名前聞いたこともないけど、こんな小さなホールでは勿体ない声量と力強さで凄い迫力爆弾

これだけ歌唱力がありながら、チビデブという典型的なテノール体型のせいもあってこの年になっても(1962年生まれ)芽が出ないのであれば気の毒だと思ったら、私が知らなかっただけでなかなか立派な経歴の持ち主でした(出演記録と予定→ こちら )。 アメリカ人の彼は、なんとメトロポリタン・オペラのアイーダで主役のラダメスを歌ったこともあるそうですよ! 


レパートリーは、タイプが同じホセ・クーラやアントネンコと被って、オテロ、アイーダ、トゥーランドット等ですが、昨年のグレンジ・オペラでのピーター・グライムスは適役だったに違いないです。

来年2月、3月にROHでプッチーニの外套に出るので(→こちら )、彼のマッチョな声がたからかに響き渡るのが楽しみにです。 


デリラ役のサラ・フルゴニはイギリス人なのにやっぱり聞いたこともないメゾ・ソプラノ。 出だしは声が割れ気味でちょっと不快ですらあったけど、徐々に声が温まってきたら、厚味と艶のある素晴らしい声じゃないですか! 色気不足の衣装と慎ましやか過ぎる演技でデリラに必要なセクシーさには欠けましたが、サムソンとはダイナミックでスケールの大きなカップルでした。



ところで、


ここには有名歌手なんか出ないでしょ、と見くびってましたが、失礼致しました、なんと超人気歌手も出てて、今年はブリン・ターフェル!、そして来年はなんとサイモン・キーンリーサイド


ブリンは「屋根の上のヴァイオリン弾き」、サイモンは「オリヴァー」で、こんな田舎でイギリスを代表するバリトン二人はこっそり楽ちんなアルバイトしてるのか!、ってびっくりよ。(ブリンのFiddler on the Roofは7月25日にプロムスでやるので内緒ってわけにはいかないけど) ※サイモン情報は、レストランのテーブルに置いてあった小冊子に書いてありました。


切符代は当然吊り上り、今年のブリン特別価格の最高はなんと250ポンド叫び

ROHだって滅多にない価格よ。因みに通常価格は最高で180ポンド(週末)/170ポンド(平日)で、私の席は80ポンドでした。


というわけで、車がないと不便なんですが、来年のラインアップが出たらチェックしないとね!


余談ですが、ROHで最後にサムソンとデリラをやったのは11年前。ホセ・クーラとデニス・グレーブスでしたが、デリラが臨月のお腹でサムソンを誘惑してたのが笑えましたべーっだ!




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