<12th Sep Sat>
音楽シーズン開幕で急に忙しくなり、昨日はROH、今日はウィグモア・ホールのオープニング。イエスティン君を聴きに行く前に昨夜のオペラをフライング批評してしまいましょう。
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ROHの新シーズン開始は昨夜の「オルフェオとエウリディーチェ」新プロダクションのドレスリハーサル。
舞台が奥に深くて正面から見ないと良さがわからないこの新プロダクションを、横の見切れ席から見た私がつべこべ言うのも公平ではないでしょうが、走り書きメモとして。
セットは、オケが乗ってるせり上がり舞台と証明用の穴がたくさんある傾斜天井。照明は効果的だったし、すっきりモダンでシンプルで照明も効果的で気に入りました。衣装はぱっとしないけど。
主役はオケってことで、オケピットではなく舞台の上で演奏してたのですが(上がったり下がったりして)、指揮者の指揮振りや興味深い古楽器がよく見えなくて残念。舞台横から見るのは指揮者の横顔を見るのが楽しみなのに、ガーディナーの背中しか見えなくてがっかり。
フローレスはさすがの歌唱力で演技も大熱演。だけど、他の歌手には出来ない彼の良さが出る役とは思えず、彼の声には負担が掛かり過ぎるこの役で果たして予定通り全部出てくれるのかしら? (彼が降板したら、一回だけ出る予定のご贔屓ミケーレ・アンジェリーニ君がカバーしてくれるでしょうから、ご安心を)。
ルーシー・クロウは相変わらずのスカスカ声で魅力なし。出番は少ないと言っても、折角フローレス王子が出てくれるんだから、釣り合うソプラノを出さないと失礼なのでは? 金ぴかスーツのアマンダ・フォーサイスの方が素敵でした。
一番の問題はダンスで、振付師シェクターが演出に名を連ねているのでどうしてもダンス中心になってしまうわけですが、ダンサーの足音がうるさくて、折角の素晴らしいオーケストラ演奏を邪魔してたのが残念。
嫌という程出てくるダンスはワンパターンですぐ退屈に。今年3月にシェクター振り付けのアンタッチャブル(→こちら )は似たような踊りだったけどロイヤルバレエのダンサーたちのしなやかな身のこなしが素晴らしかったけど、このストリートダンスに毛が生えたくらいくらいのダンサーたちでは・・。バレエダンサーに踊ってもらいたかった。
コーラスは、いつものROHコーラス団よりもうんと上手。個々の歌手の質が高いんでしょう。
批評は、そうですねえ、テノールに頼るところが大きいのでフローレス王子の初日の出来次第とダンスの好き嫌いによって評価が分かれるでしょうが、総合点だと4ツ星主流で3ツ星混じりってとこでしょうか。
私の好きなストールサークル舞台横席が出たので数回分買ってありますが、さてどうしよう? グルックの美しい音楽は何度も聴きたいけど、ダンスの時は目を閉じてても足音が聞えて苛々するだろうし・・。
とりあえず、14日の初日はもちろん絶対に行きます。
因みに、今回は初の試み(私の知る限り)で、オケピットの立見が売り出されました。でも、当然ですが、すごく見難いんでしょう、リハーサルの前に「インターバル後はちゃんと元の場所に戻って下さい!」、としつこく言われたのに、またそこに立った人は凄く少なくて、空いてるオーケストラストールに移って注意されてる人とかいました。本番では、売られてないストールサークル立見席に移ることをお勧めします。
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