<24th March Sat>
さあ、今朝は、先週末テレビを録画したのを昨晩観たNYメトのオリー伯爵Le Compt Oryを、もう一度今度はBGMで聴くだけにして、ブログでも書きましょう。かなり前に観たポルーニンのバレエのことが書きかけだから。
だけど、ああ、やっぱりつい観てしまうわ。フローレス王子の顔芸がめちゃ面白いんだもん。これ、一年近く前にバービカンのHD生中継で観たんだけど、ダムラウもディドナートもすごく上手で、何度観ても楽しい! でも毎回全部観るヒマはないので、いつもペトルージの出番だけは早送りだ。
どれどれ、今日はテレビでなにか面白い番組あるかしら?
あら、午後に、先月ロイヤル・アルバート・ホールでやってたアイーダがあるわ。
でも、その前に、F1レースの予選をテレビで観て、それから1時間あるから、急いでトーチャンと散歩に行こう。近所の水仙の群生が見頃だし、こんなピカピカの快晴、家にばかりいてはもったいないわ。
道路の両側に800メートルくらいびっしり咲いてるんですが、なかなか見事でしょ?
あ、バスに映画Wrath of the Titansの広告が!
サム・ワージントンが着てる衣装の一部は実はうちのムスメが作ったんです。来週公開だから観に行かなくちゃ。
しかし、暑いわ、今日は。20度は越してるだろうから、これはもう夏よ、イギリスでは。明日から夏時間だしね。
アイーダは、どでかいロイヤル・アルバート・ホールだから勿論マイク使用だし、大した歌手は出ないし、切符代も高いので行かなかったけど、ちょっと観てみましょう。ビクトリア時代に実存した女性がエジプトで発掘してるときに古代エジプトに迷い込むという設定のようだけど、発想は面白いけどやり方がいまいちで、その女性がずっと舞台をうろうろしてるのも邪魔だ。ヴェルディがアイーダを書いたのとアルバート・ホールが造られた1850年代をこじつけてるらしいけど、セットは19世紀の発掘現場なので、アイーダたちは幽霊ってこと?
それでも良いけど、せっかく広いアルバート・ホールでやるんなら巨大なセットか人海作戦のスペクタクルを期待したのにどちらもなくて、スケールのちっちゃい貧相なプロダクション。10年前にここで観た先回のアイーダは巨大な像が倒れたりしてオーっという迫力だったのに。でも、一般大衆向けをめざすRaymond Gubbay氏、今回はイタリア語でやってくれたのは評価します。歌手のレベルはROHと比べちゃいけないけど、ENOでよく主役してるClare Rutterのアイーダだけは上手だったのが救い。
でも、アイーダの最後30分間は音を消して映像だけチラチラ観ざるを得ないわ。
だって、6時からは楽しみにしてたミュンヘンのオペラハウスからのライブ中継のオネーギンがあるんだもの。
Larina: Heike Groetzinger
Tatiana: Ekaterina Scherbachenko
Olga ; Alisa Kolosova
Onegin: Simon Keenlyside
Lenski: Pavol Breslik
Gremin / Saretzki: Ain Anger
Triquet: Ulrich Ress
Conductor: Pietari Inkinen
Bayerische Staatsoper
すっ飛んだ演出で、オネーギンとレンスキーはホモだし(チャイコ先生はそういうつもりだったのかも)、他にもかなりひねくりまわしてあるので初めてこのオペラを観る人にはお勧めしないけど、私はたくさん観てるのでどんなに崩されても平気。イメージは壊れないし、チャイコフスキーの素晴らしい音楽も汚されません。カーディフの優勝者Ekaterina Scherbachenkoは今最高のタチアナでしょう(ROHで観たときも素晴らしかった)。端正なブレスリク君はROHのドン・オッタヴィオはあまりにクール過ぎたけど今日は適度に熱くて良かったし、サイモンはサイモン、と歌手は皆さん上手だったので、こんなのが家で観られるなんて、良い時代になったものだわ
でも、音は良いけど画質はお粗末だし、しょっちゅうフリーズしてしまうのには閉口で、「一番素敵なレンスキーのアリアの時に固まるなんて!」とか、「あーん、一番肝心なブレスリク君が決闘の前にシャツ脱ぎはじめたところで止まっちゃったよ~。何秒かしていきなり上半身裸にジャンプしちゃったじゃないの」、とか苛々し通し。我が家のパソコンがボロいせいかしら?
というわけで、思いがけず、一日に3つもオペラを観ることができたハッピーな土曜日