<25th Apr Mon>
相変わらずの寒さで、雹(ひょう)も降りました
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4月23日は、ロイヤルフェスティバルホールのシェークスピア没後400年ガラコンサートに行きました。
SHAKESPEARE400 - Anniversary Gala concert
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski conductor
Simon Callow director
Chahine Yavroyan lighting designer
Kate Royal soprano
Allison Bell soprano
Gabriela Istoc soprano
Catherine Wyn-Rogers (Dame Felicity Palmerの代役)mezzo-soprano
Rachael Lloyd mezzo-soprano
Iestyn Davies countertenor
Toby Spence tenor
Ronald Samm tenor
Alasdair Elliott tenor
Andrew Shore baritone
Simon Keenlyside baritone
Lukas Jakobski bass
Anna Chancellor actor
Dominic West actor
The Glyndebourne Chorus
Trinity Boys Choir
Giuseppe Verdi: Excerpts from Otello
Peter Ilyich Tchaikovsky: Excerpts from Hamlet
Ralph Vaughan Williams: Serenade to Music
Benjamin Britten: A Midsummer Night's Dream, Act 1, Scene 1
Felix Mendelssohn: Excerpts from the Incidental Music to A Midsummer Night's Dream
Hector Berlioz: Roméo et Juliette, Part 1
Sergey Prokofiev: Excerpts from Romeo and Juliet, Op.64
Thomas Adès: Excerpts from The Tempest
William Walton: Excerpts from Henry V Suite
Giuseppe Verdi: Falstaff, Act 3, Scene 2
楽しめました?
と聞かれたら、答えはノーかも・・
俳優が仕切るイベントですから、芝居が多いのは覚悟してたわけで、それは文句言えないけど、でもねえ、なにも芝居は舞台の前で、歌はオケの後ろでってのもあんまりじゃないですか? 最前列の私からは歌手たちは遠くてよく聞えないだけじゃなく、ろくに顔も見えませんでしたよ。
いや、それも実はそういうことになるのかなって気もしてたんですけどね。だって、フェスティバルホールではそういう設置にすることがよくあるので。
なんだ、じゃあ、予想通りだったわけだから、ツベコベ言うんじゃないぜ
はい、そうですね・・
ま、シェークスピアの誕生日に便乗することの多い私としては(注:この日は私もシェークスピアも誕生日)、やっぱりこの日はシェークスピア騒ぎに身を置かないと淋しいと思ったわけですよ。 なので、「う~ん、これだったらタンホイザーのリハーサル観に行けばよかったかな」、とも思ったけど、まあとりあえずお祝い気分を味わえたのでいいことにしましょう。
と言うわけで、折角ご贔屓のイエスティン君やトビー君が出てくれたのに歌を聞いた気がしないのは残念だった中、唯一「お~っ!」と感激したのは、これは舞台の前でやってくれたサイモン・キーンリーサイドの演技
オテロを陥れるイアーゴ役としてヴェルディのオペラをちょっと歌う前に台詞を喋ってくれたのですが、かねてから俳優並の演技力を持つと歌手と私が信じるサイモン、朗々とクリアな声で聞惚れました。ちょうど私の目の前でやってくれたので表情がよく見えたのですが、ちゃんと目を据えて、大袈裟ではないけれど素晴らしかったです。
歌えなくなってもは役者として充分通用するサイモンのシェークスピアをもっと聴きたかったです。サイモン・ウェストの濁った声のハムレットよりもサイモンの方が絶対素敵だ。ロボコップみたいに頑丈なギブス姿の写真も上手く撮れなかったしね・・。
濁った声と言えば、しゃがれた声の女優アン・チャンセラー(映画Four Weddings and A Funeralでヒュー・グランドに結婚式でフラれるダック・フェイス役)がオフィリアと言われてもねえ・・・。
どうせならもっと上手な人を出せってことですが、この日は名だたる役者さんたちは引っ張りだこだから、仕方ないか・・。
イエスティン君のソロは真夏の夜の夢だけ。
嬉しいこともありました。
コンサートの前にテームズ河沿いでやってたシェークスピア作品の短編フィルムをいくつか観ようと思ったのですが、もの凄く寒かったので切り上げてうんと早めにフェスティバル・ホールに着いてしまい、いくつかあるロビーの一つでトーチャンと退屈しながら座っていたら、長年のご贔屓テノールのトビー・スペンスが通り掛ったんです
誕生日に記念写真をと思ってあちこちで撮ったんですが、これに決まりだ
今日のトビー君は調子が悪くてハラハラしましたが、いくつか歌ったうち一番大事なテンペストのカリバン(舞台で歌ったフェルディナンドではなく)の難しいアリアはそう悪くなくて、ボストリッジ博士とは違う味出してて嬉しかったです。
そして、喉頭がんを克服したトビー君がこうした元気な姿をみられたのがなにより
尚、この日のガラならではの薄っぺらさとは正反対の深く感動的なコンサートが翌日あり、あらためてどういうコンサートに行くべきかを考えさせられました。