<29th Oct Sat>
穏やかな秋の日、近くの公園を散歩。我が家のもみじも少し赤くなり始めました。 これで夏時間が終わるけど、一気に冬にならないで、もう暫く秋の風情を楽しめますように。 毎晩にぎやかな花火の音もインド人が多いこの辺りの年中行事
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10月20日、ショスタコーヴィッチの鼻の初日に行きました。 1930年初演のこのオペラ、長年禁止されてたこともあり、この日がROH初上演。 英語翻訳で休憩無しの2時間。
朝気付いたら鼻がないことにびっくりしたロシアの役人コワチョフ。 前日ヒゲを剃った床屋がパンの中で発見するも、鼻は逃げ出して、人間の大きさになって服まで着て我が物顔であちこち徘徊。警察に届けたり新聞広告を出して鼻を取り戻そうとするコワチョフが周りの人たちと繰り広げる大騒ぎ。
と言う奇想天外な内容ですが、なにかを象徴して体制批判にもなっているんでしょうし、ショスタコーヴィッチが21歳で完成した音楽はジャズを取り入れたりして前衛的で野心的。
こういうのは歴史的背景を調べたり、何度も聴いたりしないと理解できませんが、そんな余裕のない私はいきあたりばったりで一回だけ鑑賞。 登場人物も多い上に複数役の歌手もいて、よくわからなかったとしか言いようがないのですが、深い楽しみ方はできなくても、とても面白いプロダクションでビジュアル的には大いに楽しめました。演出家がブーイングされるのが当たり前になってるこの頃にしては珍しく、カーテンコールでは大喝采
ROHデビューの演出家バリー・コスキー、その時は気付きませんでしたが、去年グラインドボーンで素晴らしかった「サウル」(→こちら)も彼の演出で、カラフルで洒落た衣装と明るいダンスが共通。 どちらもダンスが大受けで(特に女装のタップダンスが面白いったら)、私も一番気に入りました。
大きな鼻を被って上手にタップダンスするのは13歳でミュージカルでも活躍してるアイラン・ガルコフIlan Galkoff君。カーテンコールでは彼が当然ながら大きな拍手をもらってました。 こないだのグラインドボーンの少年俳優と言い、この子と言い、英国エンタメ界は才能ある子供も豊富だわ。尚、ロイヤルバレエ・ダンサーのヨハネス・ステパネックも絡んでて、ばりっとした背広姿で客席に座ってました。
Music Dimitry Shostakovich
Libretto Dimitry Shostakovich, Evgeny Zamyatin, Georgy Ionin and Alexander Preys
Director Barrie Kosky
Set and lighting designer Klaus Grünberg
- Costume designer Buki Shiff
- Choreographer Otto Pichler
- Translator David Pountney
- Conductor Ingo Metzmacher
- Platon Kuzmitch Kovalov Martin Winkler
- Ivan Iakovlevitch/Clerk/Doctor John Tomlinson
- Ossipovna/Vendor Rosie Aldridge
- District Inspector Alexander Kravets
- Angry Man in the Cathedral Alexander Lewis
- Ivan Wolfgang Ablinger-Sperrhacke
- Iaryshkin Peter Bronder
- Old Countess Susan Bickley
- Pelageya Podtotshina Helene Schneiderman
- Podtotshina's daughter Ailish Tynan
- EnsembleDaniel Auchincloss/Paul Carey Jones/Alasdair Elliott/Alan Ewing/Hubert Francis/Sion Goronwy/Njabulo Madlala/Charbel Mattar/Samuel Sakker/Michael J. Scott/Nicholas Sharratt/David Shipley/Jeremy White,Simon Wilding/Yuriy Yurchuk
- 全く知らないオペラなので英語翻訳でも気にならなかったし、皆さん歌も演技も上手で、時間を掛けてしっかり準備したのがよくわかります。 Jトムリンソン始めここではお馴染みの英人歌手もちょい役でたくさん出ててなかなか豪華な顔ぶれの中、ROHデビューで主役のマーティン・ウィンクラーが抜群の演技でしっかり主役として光ってました。
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- Bachtrack ★★★★★
Times (£) ★★★★★
Evening Standard ★★★★
Music OMH ★★★★
The Stage ★★★★
The Arts Desk ★★★
Financial Times ★★★
Guardian ★★★
Telegraph ★★★ - 初日の反応だと5ツ星と4ツ星だけかなと思ったのですが、作品自体の好き嫌いも入るとこうなっちゃうんですかねえ。 たしかに、とても楽しめたけど、あの手の音楽を続けて聴くのはちと辛くて一回で充分かなと私も思ったわけで。
- 11月9日の最終日はライブストリーミングされますので、ビジュアル面だけでも見る価値ありと思います。