<30th Nov Wed>
霜が下りて真っ白の寒い日でしたが、親子3人で話題のアニメ映画「君の名は」を英語吹き替え版で観ました。スケール大きくて良く出来た作品ですが、やっぱり往年の「真知子巻き」すれ違いメロドラマ「君の名は」とちょっと繋がりがあるのですね。まだ子供だったので、知ってはいても観たことはないですが。
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11月28日は又ウィグモア・ホール。又ティム・ミードでしたが、他に聴きたい歌手も何人かいたので、カヴァリのカリストはずっと楽しみにしてました。
ギリシャ神話の星座「おおぐま座」にまつわるお話で、月の女神ダイアナに仕える妖精カリストはご存知色情魔の神々の神ゼウスに見初められて子を孕み、これまたお馴染みの妻シュノーの嫉妬で熊に変身させられてしまうけれど、哀れに思ったゼウスがいずれは神の国に住まわせてあげると約束するというストーリーですが、これだけでは単純過ぎるので、潔癖なはずのダイアナと羊使いの恋愛や、処女のまま死にたくないと男漁りする女装の年増妖精他マイナーなキャラクターがセックスをテーマに賑やかに(上手にまとまってないけれど)入り乱れます。 ゼウスが口説いても頑として拒否したカリストが、ダイアナの姿に変装して求愛するゼウスには喜んで身を捧げ、ってことはレスピアンなの?、とか、ゼウスも女装するわで、性的倒錯かおふざけか、ベニスの華やかさと退廃を感じさせる初期バロック。
フルステージで2008年9月にROHでやったことがあり(→こちら)、遊び心満載の楽しいプロダクションでした。で、その時のブログ記事には「心地よく流れるバロック音楽だけれど盛り上がりに欠けて印象の薄い、いわば超駄作のヘンデルみたいで、これが無名のオペラだという理由はよくわかります。」、なんて書いてあるのですが、今回はまじか(最前列ど真ん中)で聴けたのが良かったのか、とても楽しめました。
Francesco Cavalli (1602-1676)
La Calisto
Calisto ..... Lucy Crowe, soprano
Giove ..... George Humphreys, bass
Diana ..... Jurgita Adamonyté, mezzo-soprano
Endimione ..... Tim Mead, countertenor
Giunone ..... Rachel Kelly, mezzo-soprano
Mercurio ..... James Newby, baritone
Pane ..... Andrew Tortise, tenor
Linfea ..... Sam Furness, tenor
Satirino ..... Jake Arditti, countertenor
Silvano ..... Edward Grint, bass-baritone
La Nuova Musica
David Bates director
ウィグモア・ホールで字幕が壁に投影されるのを見たのは初めてですが、ここでの席選びはうまくいかないもので、最前列ど真ん中が買えて凄く喜んでたのに、歌手や譜面台が邪魔でほとんど見えず。 まあ、どうせ大したこと言ってないだろうし、歌手の表情に集中できるから良かったと思うことにしましょう。一応セミステージ形式と言うことで、舞台でも芝居っ気たっぷりの上、客席を使って芝居もしてくれました。 私とステージの間の狭いスペースを何度か歌手が走り抜けていったので、もし私が意地悪して足出したらひっくり返って大怪我してたかも
BBCラジオ3で生放送してたので、1ケ月近くiPlayerで聴けますが(→こちら)、
22日にもここで聴いたカウンターテナーのティム・ミード(→こちら)はこないだよりはまろやかな声で絶好調。月の女神ダイアナに恋する羊使いをしっとりと歌ってくれました。
もう一人の若いカウンターテナーはジェイク・アルディッティ。 去年RCMでセルセ(→こちら)で主役だった若いジェイク君は小柄ながら華のある容貌と歌い方で、ヨーロッパ大陸のきらびやかなCT仲間に近い雰囲気。好色爺の道化役をお大袈裟に歌い演じて目立ってました
もう一人CTがいるようにラジオでは聴こえるかもしれませんが、これはゼウス役のバスのおふざけの裏声歌唱で、途中女装姿で熱演して受けたそのジョージ・ハンフリーズ、長身美男子なんですが、背が高過ぎるのはいいとしても、いかにも育ちの良さそうなお坊ちゃん容姿なのでバスには多い悪役やっても迫力ないでしょうね・・。ENOでこのオペラやる時に彼も出る予定なので、女装も美しいし舞台映えはするでしょうが。
男性陣で私が一番聞惚れたのはテノールのアンドリュー・トーティス。大好きな声なので大ファンですが、ラジオでは45分あたりから登場します。 残念ながら二枚目役には相応しくないご面相、ハンサム過ぎるバスのハンフリーズと容貌を交換できればお互いのためになるのにね。
女性陣で一番良かったのは浮気な旦那に泣かされる奥方ジュノーのレイチェル・ケリー。ダイアナ役のユルギータ・アダモナイテもいつも通り素敵。 最近はずっと声がかすれてしまってもうお終いと思うのがタイトル・ロールのルーシー・クロウですが、この日はまあまあ。 ゼウスと関係結ぶ前である前半は銀色のドレスで髪もひっつめて雰囲気変えてくれたしね。
と言うことで、やっぱり至近距離から浴びるのように聴くのは素晴らしくて、こんな席はサポートフレンズでなければ買えないでしょうから、年間100ポンド出してこのまま続けようかな。
明日も又ウィグモア・ホールで、人気仏カウンターテナーのPJことフィリップ・ジャルスキーなのですが、満足とは言えないG列とは言え、なぜかリターンがほとんど出なかったし、フレンズじゃななかったら切符取れなかったかもしれないですもんね。