40年以上も愛された正統派プロダクションが最後はネトコちゃん主演で2年前に大騒ぎで幕を閉じて以来(→こちら)、期待よりも心配の方が大きかった新プロダクションでシーズンの幕開けとなり、9月11日、早速初日に行ってきました。 着物で行けたのも嬉しくて(→こちら)、幸先の良い新シーズン開始となりました。
ストーリーは過去記事でご覧下さい→こちら)。
写真はトーチャンと二人で違う角度から撮ったので、正面と脇のが混じってます。 小さいのはクリックで拡大。
演出はリチャード・ジョーンズですから(ROHではAnna Nicole, プッチーニ三部作他)、そんなに突飛もないヘンテコなことにはならないだろうとは思ってましたが、オーソドックスでありながらモダンで明るい色調のとても美しいプロダクションで、シーンが変わる度に「ホーッ」、と見惚れました。 よかった、トスカみたいなことにならなくて。トスカはマリア・カラスも出た重厚で麗しい舞台セットだったのにチープなのに変わっちゃいましたからね。
屋根裏部屋のセットはシンプル過ぎてつまらなかったですが、パリの街角やカフェは豪華でした。マルチェロだけカツラなしだったのは何故だかわかりませんが。
子供に至るまで衣装がとっても素敵でしょ? 特に色が綺麗。
新プロダクションには珍しくブーイングが起こらなかったのは当然。
↓以下、クリックでROHの人物紹介頁に飛びます。
Music Giacomo Puccini
Libretto Giuseppe Giacosa and Luigi Illica
Director Richard Jones
Designer Stewart Laing
Lighting designer Mimi Jordan Sherin
Movement director Sarah Fahie
- Conductor Antonio Pappano
- Mimì Nicole Car
- Rodolfo Michael Fabiano
- Marcello Mariusz Kwiecień
- Musetta Simona Mihai
- Schaunard Florian Sempey
- Colline Luca Tittoto
- Benoît Jeremy White
- Alcindoro Wyn Pencarreg
パフォーマンスも素晴らしかったです。 パッパーノがこれを指揮するのはROHでは初めてかもしれないけど細やかでさすがだし、歌手も役柄にルックスも合ってるし皆さん大熱演。
ロンドンでもお馴染みのマイケル・ファビアーノは期待通りの立派な歌唱で、この日は一番拍手が多く、スタンディング・オベーションも。 しかし、歌は上手くて背丈もそこそこあるのに、カツラで誤魔化しても顔だけが残念。
ミミのニコール・カーはミカエラやタチアナでここでは大活躍の若いオーストラリア人。 最初緊張したのか声が硬かったけど、徐々にほぐれて、真摯な演技はミミそのもの。ネトコちゃんやゲオルギューではこんな素朴さや可憐さは出せませんもんね。
嫌というほど見てるラ・ボエームですが、二人のケミストリーもぴったりで、この私が涙をちょっと流したくらい
- マルチェロ役のマリューシュ・クヴィエチェンは無名の時にもこの役で出てて(それで初めて彼を聴いた)、脇役としては光ってたけど、スター歌手となった今では貫禄たっぷりな上に歌も演技もツボを心得てて、まるで彼が主役みたいでした
- お相手のムゼッタが良かったのも、こちらのカップルの方が華があって目立った理由でしょう。格下で足を引っ張るかと思われたルーマニア人のシモーナ・ミハイは数年前にROH若手アーチスト時代からちょい役でしょっちゅう出てるけど、小柄なせいもありなんかぱっとしなかったのに、急にどうしたかと思うくらい今回は歌もコメディ演技もばっちり決まって、どの批評でも絶賛されてました
- 他の歌手たちも地味だけどしっくりはまって、レベルの高いパフォーマンスでした。
- ↓レビューはこちら(クリックで記事に飛びます)
Independent ★★★★★
Telegraph ★★★★
Evening Standard ★★★★
Express ★★★★
The Stage ★★★★
WhatsOnStage ★★★★
Guardian ★★★
Times (£) ★★★
Financial Times ★★★
Arts Desk ★★★
Bachtrack ★★★
5ツ星から3ツ星と分かれましたが、4ツ星は当然のこと、5ツ星も然りと私は思うわけで、3ツ星ってことはない筈。 前のプロダクションに余程愛着がある人の評かしらん?
来週また行きます 3度目もありかも ああ、又始ったオペラ三昧の日々