<8th Oct Sun>
今日は教会でROH若手アーチスト達のパフォーマンスを聴きました。新顔には、ここ数年いつもいる韓国人が二人(テノールとソプラノ)いて、ルックスは東洋人としても残念なレベルだけど、歌はなかなか。 一番の掘り出し物はロシア人メゾ・ソプラノで、低音が凄い迫力。容姿も端麗。
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7日(土)はHackney Empireというかつてのミュージック・ホール(労働者階級の人たちの娯楽場)でオペラを観ました。
English Touring Operaが国中を回るヘンデルのジュリオ・チェーザレ(=ジュリアス・シーザー。以下シーザー)の初日で、少々長いので半分に分けてパート1とパート2を別売りして、途中で1時間ちょっとのギャップを挟んでの上演。 両方買うと20割引だし、全部観たいので両方買いましたが、これがなんと一部重なるという妙なことをして、始まってから終わりまで通しで6時間半も掛かりました。ワーグナーじゃあるまいし・・。 せこいことしないで最初から一つにまとめて上演しろ!、 或いは分けるなら重ねないで時間短縮しろ、と呆れたのは私だけではありますまい。 ただでさえ歌が多くて大変なのに歌手たちも可哀相だ。
あちこち持ち運びできるように舞台セットはうんとシンプルだけど、ヘンデル時代に読み替えた衣装はまともで豪華。私はシンプルな舞台と凝った衣装というコンセプトが一番好きです。 経費節約のためにコーラスの人たちは普段着の私服で、舞台には上がらず客席で立って歌うという涙ぐましい努力までして衣装代につぎ込んだのでしょう。
Giulio Cesare
The Death of Pompey
Cleopatra's Needle
- Director James Conway
- Conductor Jonathan Peter Kenny
- Designer Cordelia Chisholm
- Lighting Designer Mark Howland
役柄と歌手の容貌もぴったりで、ってことは精悍なシーザーと美しいクレオパトラですが、美男美女のカップルをビジュアル的に愛でるというオペラでは滅多に起こらない楽しみ方も出来ました シーザー役はメゾソプラノがやることも多いけど、こんな素敵なカップルだとラブシーンがサマになります。
シーザー役は南アフリカ出身のカウンターテナー、クリストファー・エインズリーで、(若ハゲを除けば)長身でハンサムでマッチョな体で(上半身脱いでくれました)、見目麗しい青年です。 個性的な声で、私は何度も聴いてるので正直ちょっと飽きてますが、もう一人のCTであるトロメオ役が低い音はすぐに地声になってしまうという不味さだったので、それに比べるとクリスのテクニックの立派さが際立ちました。声量はあるし、コロラチュールもそこそこ転がって、長丁場を難なく乗り切りました
めっけものはラブリーなクレオパトラ。 ソラヤ・マフィという聞いたことのない名前の若いイギリス人ソプラノでしたが、張りのあるピュアな美声と小柄で可憐な容姿でとてもチャーミングで、彼女が歌う場面が一番わくわくしました
他の人たちもなかなか上手で、(トロメオ役以外は)ENOくらいならこのまま出しても遜色はないでしょう。 特にセスト役のキティ・ワットリーが上手。中年バリトンのベンジャミン・ビーヴァンはソフィー&メアリー・ビーヴァンの叔父さんですね、きっと。
オケは、アッパー・サークルからだとぼやけた音に聴こえましたが、パート2で座ったストール席だとうんとシャープに聞えて、やはり場所によって全然音が違うことを再確認。 歌手だって近くでストレートに聴く方が好きです。
このオペラ、有名な割にはイギリスではやってくれないので、5年前にENOの英語版で観て以来ですが、その時は超ヘンテコリンなプロダクションだったので(→こちら)、今回初めてちゃんとイタリア語で聴くことが出来て、しかもクラシックで美しい舞台だったので大満足。
今回は気付くのが遅かったのでかぶりつき席が買えず、前半は上から、後半は横の隅っこから観ましたが、やっぱりちゃんとアンテナを張り巡らせて売り出したらすぐに買わないとね! と思ってチェックしたら、ETOの来年春の切符がもう売ってたので、早速買いました。最前列ど真ん中だよーん!(→こちらとこちら)。ロッシーニ・ハイライトとプッチーニ二部作です。 3演目のうち「フィガロの結婚」は英語上演なのでパス。