<4th Feb Sun>
今週末でパリ旅行記を終える目標は達せられなかったですが、二つ目のオペラ記事は出来ました。あとは観光編を残すのみ。
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バスチーユのモダンな歌劇場については→こちらをご覧下さい。
1月22日にパリで観たヴェルディの仮面舞踏会は、ロンドンにちっとも来てくれなくなった丸ちゃん(Mアルバレス)の追っ掛けだったのに、切符売ってすぐに「僕はもうこの役はやらないことにしましたので、あしからず」、と無責任極まりないことを言って降りてしまいました(難しくないし、向いてる役なのに、何故?)。
だったらパリ行き自体を辞めようかと迷った末に結局行くことにし、色々と楽しかったので充分元は取れたのですが、やっぱりオペラを観てる間は悲しくて悲しくて・・。
どんなお話かと言うのは、過去記事でどうぞですが(→こちら)、実はこれはブログ記事第一号。ハート印丸ちゃんがブログを始めたきっかけになったわけですが、思い出しながら、これがもう聴けないと思うと更に悲しみが募ります
因みに、主役二人は2キャストで丸ちゃんがアーニャ・ハルテロスと共演する日もあったのですが、どうせ彼女は出ないだろうと最初から踏んで外したら、案の定、間近に降板。 夢のカップルがもし実現してたら私は口惜しくて地団太踏むところだったので、私にとっては救いなのですが、本当に色んな理由で一喜一憂しなくちゃならないオペラファンは辛いです。
↓こちらはハルテロスがキャンセルする前のキャスト表。 今は→こちら。
で、144ユーロで前から2列目を奮発したオペラがどうだったかと言うと、まずプロダクションには少々失望。セットも衣装も動きもあっさりし過ぎで斬新さがなく、地方の歌劇場だったら充分立派でしょうが、今やヨーロッパではミュンヘンと並んで良い歌手を沢山かっさらう天下のパリオペラにしては工夫不足でつまらなかなったかな(考え過ぎのプロダクションも嫌ですが)。
アメリアのソンドラ・ラドバノフスキーはROHでも何度か聞いてますが、実績はハルテロスに決して負けてないし、声量はあるしテクニックもしっかりしてる立派なソプラノなのですが、あのビラビラ~とした歌い方が嫌いなんです。でも、今回はビラビラ感が意外に少なくて、聞惚れはしませんでしたが、不快感も感じなかったのは救いでした。この役はソンドラ姐さんに合ってると思います。 ハルテロス降板したら一体どんな無名ソプラノが代役になるんだろうと思ったら、売れっ子で忙しい筈のソンドラ姐さんが穴埋めしてくれるそうで、よかったですね。
丸ちゃんの代役はイタリア人のピエロ・プレッティ。ナポリのサンカルロ歌劇場(→こちら)と去年のエジンバラフェスティバル(→こちら)で聴いたことがあり、きっちり歌える上手なテノールであることは証明済み。 代役が安定株の彼なのがパリ行きを決めた要因の一つですらありました。 個性がないので強い印象は残さないし、「うわ~っ、惚れ惚れする声だわ、ワクワク」、とは思えないけど、安定した歌唱で手堅くまとめたし、文句のつけようはございません。
文句付けたいのはカリスマ性ゼロだったアメリアの夫レナートのシモーネ・ピアツォラ。 輪郭のはっきりしないぼやけた声と地味過ぎる演技で足引っ張ってました。 大事な役なんですけどね。
お小姓オスカル役の小柄なソプラノは澄んだ声で暗い舞台を明るしてくれて良かったけど、ウリカは赤い服だった以外はほとんど記憶に残らなくて・・。
丸ちゃん不在で失望の巻でしたが、思いがけず楽しいこともがありました。コーラスで出演なさってる日本人女性がブログにコメント下さって、終了後にお会いすることが出来たのです。 バスチーユオペラの向いのカフェで、「へえ、そうなんですか」、という興味深いことを色々教えて下さったのは、伊藤真矢子さん。上下2枚のカーテンコール写真で2列目にいらっしゃる美人ソプラノさんで、ブログもなさってます(→こちら)。
ところで、パリ・オペラの来シーズンが発表されましたが(→こちら)、しょぼいROHと比べたら又羨ましくて溜まらない素晴らしいラインアップ。 パリは近いので、少なくともクラウス君のルサルカ(→こちら)には絶対行きますとも