<2nd Feb Sat>
寒いので、ずっと家にいられるのが嬉しい週末。
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1月30日、サウスバンクの中サイズのQueen Elizabeth Hallで、盲目のピアニスト、辻井伸行さんのリサイタルがありました(Southbank→こちら)。
過去2回のロンドン公演がWigmore Hallのシリーズではなく場所を借りただったのと違い、これはInternational Piano Seriesですからロンドンでも認められた証拠です。このシリーズは大きいRoyal Festival Hallと中サイズのQueen Elizabeth Hallが会場で、切符の売れ具合の予想によってどちらか決まり、英国在住で長年の功績が認められてる内田光子さんがRFHなのに対し、初登場の辻井君はQEHというのも仕方ないですが、今回ずっと売れ切れ状態だったので、次回はRFHに昇進するかもしれませんね。そうしないと、日本人以外の音楽ファンに聴いてもらえないので、是非そうなって欲しいものです。
一番後ろからではなく、真ん中からの眺めです。
この日も観客の大半は日本人でしたが、彼のお母様のインスタグラムで会場の様子から演奏後の舞台裏やレビューまで、全てがよくわかります(→こちら)。
ロンドンで辻井君を聴いたのはこれで4回目ですが、過去3回のブログ記事はこちら。
2013年の7月プロムス (→こちら)
2016年4月のWigmore Hall (→こちら)
2017年4月のWigmore Hall (→こちら)
お辞儀が深くて長くて写真を撮るのが誰よりも難しいので、最前列から連写で100枚以上撮りましたよ。
小さい写真はクリックで拡大します。
上向いてくれるのはほんの一瞬。それ、今だ!
曲目:
Debussy: Images, Set 1
Ravel: Sonatine
Interval
Chopin: Scherzo No.1 in B minor, Op.20; Scherzo No.2 in B flat minor, Op.31; Scherzo No.3 in C sharp minor, Op.39; Scherzo No.4 in E, Op.54
アンコール
ドビュッシー「月の光」 Debussy Clair de lune
カプースチン「エチュード1」 Kapustin Concert Etude no. 1
ショパン「別れの曲」 Chopin “Tristesse” Étude
手を引かれて何度もカーテンコールに出てくれるのもお馴染みの光景。
で、演奏はどうだったかというと、・・・うーん、ちょっとがっかりだったかな・・。
2017年のWigmore Hallのかぶりつきで聴いて、音色の美しさと心が伝わってくる演奏に感激して涙が止まらなかったのと比べると、今回は涙は出ませんでした。 最前列でもピアノから少し距離があったせいなのか、後ろの大きな空間に音が散ってしまったのか・・。
期待が高過ぎのはたしかで、どんな天才だって毎回奇跡のような演奏は出来ないわけですが、最初のエリック・サティの演奏はやけにぎこちなくて固かったし、ドビュッシーもラヴェルもピンと来ませんでした。
後半のショパンのスケルツォは流れるように素晴らしい演奏でやっと本領発揮といったところでしたが、所々弾き急いでる感じがしたのはっと残念。これが彼のスタイルかもしれないけど。
アンコールは「月の光」で優しく始まり、ジャズ風の楽しい曲で盛り上がり、「別れの曲」で再びしっとり。でも、最後にラ・カンパネラを期待してたのに、これであっさり終わってしまって、拍子抜け。最後の盛り上がりに欠けましたねえ。
勿論、この日がイマイチだったからと言って、これでファンでなくなるわけでは全くなく、又ロンドンに来てくれたら勿論行きますけどね。
ところで、つい「キーシンはどんなに速く弾いても急いでる感じはしないよね」とか、「キーシンは力強い左手でもっと迫力よね」とか、ついキーシンのことを思い浮かべたのは、来週(6日の水曜日)にバービカンに聴きに行くからかも(→こちら)。売切れですけどね。
そして、なんと同じにロイヤル・フェスティバル・ホールで内田光子さんがモーツァルトのコンチェルトを2曲弾いてくれるコンサートもあるんです(→こちら)。こちらは大きなホールなので切符は充分残ってます。