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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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連隊の娘 by Donizetti ROHでは前代未聞のアンコール!

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<11th July Thus>

耳が少し詰まってたのを薬で散らして午前中だけ働き、その後親子三人でランチとギャラリー、ショッピングしたら、やっぱりちょっと疲れたかな、夕食後はムスメがいるのに居眠り。それで回復したので、ブログ書きましょ。

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ROHでは5年ぶりの連帯の娘に2回行きました(7月6日のリハーサルと8日の初日)。

 

メモストーリー

赤ん坊の時に戦場で拾われたマリーは、連隊全員の娘として育てられ幸せに暮らしていて、トニオという恋人もいましたが、実は貴族の娘とわかったので館に連れて行かれ、公爵の息子と結婚させられそうになったけど、連隊の助けで結局恋人との結婚を許されてめでたしめでたし。
 

家ワンピース舞台と衣装

オリジナルは1810年のナポレオン時代という設定ですが、今回は第一次世界大戦時に読み替えてあり、戦車も登場。いつもスタイリッシュなローラン・ペリーの演出の一幕目は床一面大きなヨーロッパ地図が3枚敷いてあり、折り目も付いているのでセットとして様々に利用可だし洒落てて素敵。ニ幕目の貴族の屋敷は平凡。衣装デザインも演出家ペリー

。NYメトとウィーン国立歌劇場との共同制作ですが、ロンドンで最初にやってくれて、初日は「うわー、素敵」という反応は今でも覚えてます。

 

 

La Fille du régiment

Music Gaetano Donizetti

LibrettoJules-Henri Vernoy de Saint-Georges and Jean-François Alfred Bayard

Director Laurent Pelly

Dialogue Agathe Mélinand

Set designer Chantal Thomas

Costume designer Laurent Pelly

Lighting designer Joël Adam

Choreographer Laura Scozzi

Revival Choreographer Karine Girard

まず、ROHで観たこのオペラの過去記事はこちら。2007年にプレミエ、2010年、2012年、2014年とリバイバルされ、今回が5回目のお目見えですが、まあ似たようなキャストですね(って、フローレスがこれだけ出てくれたら御の字ですが)。

2007年1月 1回目 Nデッセー、JDフロレース、Aコルベッリ、Fパーマー

2007年1月2回目 Nデッセー、JDフロレース、Aコルベッリ、Fパーマー
2007年1月 3回目  Nデッセー、JDフロレース、Aコルベッリ、Fパーマー
2010年5月 Nデッセー、JDフロレース、Aコルベッリ、Aマレー

2012年4月  Pチョーフィ、Cリー、Aオーピー、Aマレー、Aウィドカム

2014年3月リハーサル   FDフロレース、Pチョーフィ/Aデヴィン、Pスパニョーリ、Kテカワ

2014年3月 Fアントゥーン、Pチョーフィ、Pスパニョーリ、Kテカワ

2014年3月  FDフロレース、Pチョーフィ、Pスパニョーリ、Kテカワ

 

では、過去の人たちと比べながらの今回の感想はと言うと、

 

トニオ役はフローレス王子が2012年以外はいつも出てくれたし、コリン・リーもフレデリック・アントゥーンも良かったんですが、今回はNYメトのこの役で大喝采を浴びたメキシコ人テノールのハヴィエル・カマレナ。リサイタルに行ったこともあるし、セヴィリアの理髪師(→)も良かったので期待は高かったですが、既に声が太くなり始めてるのが細い声が好みの私はほんのちょっとだけ残念だったかも、なんて言っちゃバチが当たるくらい迫力のハイC連続がばっちり決まって、彼が誰だか知らない人も「おお~っ」、とびっくりしたに違いないです(私はやっぱりフローレスのトニオの方が好きですが)。

そして、なんと、初日、ROHでは(私が知る限り)前代未聞のアンコールをやってくれました。勿論ハイライトである有名アリアのサワリの繰り返しですが、指揮者とカマレナが「どうしよね。やる?」、と相談した上でのことで、カマレナの方が「うん、やろう、やりたい」、と積極的だったように見えました。一度やったら他の日もやらないとお客が満足しないでしょうから、毎回やるんでしょうね。2回目である今日(11日)はやってくれたそうです。

でも、今までフローレス、コリン・リー、アントゥーム(彼も良かったです)、カマレナとちゃんと上手な人を揃えてきたのに、今回カマレナが出ない最後の2回は下手くそな若手アーチストにやらせるんですか? ROHの恥さらし、オペラ界の笑いもの・・。

このプロダクションのマリーはナタリー・デッセーをイメージして演出されたに違いないのですが、先回のチョーフィーは必死でナタリーの真似をしてもキャラが違うので痛ましかったです。でも、今回のサビーヌちゃんは声も姿も仕草もまさにナタリーの再来。透き通った細い声は一昨年の魔笛の夜の女王(→こちら)で素晴らしかったので楽しみでしたが、お転婆マリーも期待通りの出来でうっとり。声量がないのを不満に思う人もいるかもしれませんが、私は彼女の声が大好き。

 

   

スパニョーリは前と同じで又かという感じでしたが(もちろん達者なんですけどね)、マリーのお母さんは歌も演技もとても上手で楽しめました。

 

歌わない公爵夫人はイギリスではBlack Adder等テレビでお馴染みのミランダ・リチャードソンでしたが、これは失望。声がかすれてたし、間の取り方も初代のドーン・フレンチに遠く及びません。少し歌ってくれたけ演技は下手なキリ・テ・カナワやひど過ぎて怒りを感じたアン・ウィドカム(政治家)よりは、そりゃ女優さんだからうんとましですけどね。

デッセーとフローレスのオリジナル・コンビの時と比べたらやっぱり劣るとは言え、水準は充分高いパフォーマンスなのに、切符がたくさん余ってるのは勿体ないことです。

 

   

 

 

 


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