<5th Dec Thus>
ROHの来年のランメルモールのルチアからヴィットリオ・グリゴーロの名前が消えているのを最近発見して、「あー、やっぱり降りたんだ。9月に東京であんなこと(→こちら)があったから覚悟はしてたけど、グリゴーロ自身が嫌気が差して降りたのかなと思ってたのに、今日になって、グリゴーロ自身のサイトにROHと彼自身の声明なるものが載ってました。
グリゴーロ自身のサイトは→ こちらですが、全文コピペしときます。黄色がROH、水色がグリゴーロの声明です。
それを踏まえてニューヨークタイムス(→こちら)とOperawire(→ こちら)が記事にしてましたが、ROHのサイトには載ってないし、どこにも見つからないので、グリゴーロに送られたメッセージとか?
The Royal Opera House has concluded its internal investigation into the maters regarding the curtain call after Mr. Grigolo’s performance of Faust earlier this year.
Their official press statement is as follows:
“Following an independent investigation into an incident involving Vittorio Grigolo in Tokyo in September, the ROH has concluded that his inappropriate and aggressive behaviour at a curtain call and afterwards fell below the standards we expect of our staff and performers…”
「第三者の調査により、グリゴーロのあの日のカーテンコールとその後の不適切で攻撃的な態度はROHの期待を裏切るものであるとの結論に達した」、ですって。だからルチアから降ろしたとは書いてないけど、グリゴーロが出たいって言ってるのに降ろしたってこと?
ダンサーの張りぼてのお腹をつんつんしただけではこんなことにはならない筈なので、彼のなにかと派手な行動が以前からコーラス連中にヒンシュク買ってたんでしょうね。それは私の勝手な推測ですが、理由はどうあれ、一応声明を出した(とグリゴーロが言ってる)ことは評価します。あのままうやむやにしてしまうのだろうと思ってたので(突然降ろされる歌手は時々いるけど、説明なんてしないもの)。コーラスが拗ねてストライキなんかしたら困るけど、テノールの代わりはたくさんいるから、こういう形で収めるしかなかったというのも理解できるし。
My statement is the following:
“My friends, in the past few months, I have had a lot of time to reflect on what happened in Tokyo on the 18th of September. While I was worrying about recounting my version of the facts, I neglected to express how sorry I am that this episode clouded the effort, passion and love of art that every single one of my colleagues invested in this production.
I’m aware that, even though it was never my intention to offend anyone, the situation deteriorated unexpectedly due to a brawl between colleagues.
I’m truly saddened that my behaviour towards everyone in the cast, people whom I have always respected and continue to respect from the bottom of my heart, was perceived to be below Royal Opera House standards.
I recognise that my personality can be very exuberant at times, and I am willing to make sure that what happened will not happen again in the future.
However, I’m relieved to learn that the accusations made against me by several journalists and tabloids in the past weeks have been contradicted by the results of this investigation.
This affair has deeply affected me and all of my loved ones and has allowed me to learn a precious life lessons. I’m truly sorry for all of this, and I can’t wait to continue to share my art with all of you”.
Vittorio
グリゴーロは反省してるようだし、これで全ての一流歌劇場からボイコットされたらあまりに可哀相なだけでなくオペラ界の損失ですが、彼を干すのはROHとメトロポリタンオペラの英米系だけで、大陸の歌劇場は全然気にしてなくて、それどころか人気のある彼の出番が増えるので得したと思ってるんでしょうね。
真相はわからないし、こんなことになったら仕方ないとは諦めつつ、おそらくもう二度とロンドンには来てくれないでしょうから、それはファンとしては凄く悲しいです。
個性のある彼の歌唱を好まない人がいるのもわかりますが、私は声も好きだし、エネルギッシュでストレートに飛んで来る力強い直球声はテノールの醍醐味です
ROHでしか生で聴いたことはないですが、これまでのブログ記事を時系列でリストアップしておきます。少し抜けてるかもしれませんが、彼が出た演目は全てカバーしてる筈。写真も一杯撮りましたが、はしゃぎ過ぎる彼のカーテンコールは絵になりました。
マノン 2010年6/7月 Aネトレプコ、Vグリゴーロ、Rブラウン
椿姫 2011年1月 Vグリゴーロ、Bボブロ、Pガヴァネリ
ファウスト (初日) 2011年9月 Vグリゴーロ、Aゲオルギュー、Rパーペ
ファウスト (2回目) 2011年9月 Vグリゴーロ、Aゲオルギュー、Rパーペ
ファウスト (グリゴーロのTシャツ) 2011年9月 Vグリゴーロ、Aゲオルギュー、Rパーペ
ファウスト (中継日) 2011年9月 Vグリゴーロ、Aゲオルギュー、Rパーペ
リゴレット (ジルダ代役) 2012年4月 Vグリゴーロ、Lクロウ、Dプラタニアス、Cライス
リゴレット(リハーサル) 2012年3月 Vグリゴーロ、Eシウリーナ、Dプラタニアス、Cライス
リゴレット 2012年3、4月 Vグリゴーロ、Eシウリーナ、Dプラタニアス、Cライス
ラ・ボエーム 2013年3月 Gグリゴーロ、Hゲルツマワ、Sヨンケヴァ、Gヴィヴィアーニ
ラ・ボエーム(初日) 2014年7月 Vグリゴーロ、Aゲオルギュー、Iラング
ラ・ボエーム(2回目) 2014年7月 Vグリゴーロ、Aゲオルギュー、Iラング
ラ・ボエーム(3回目) 2014年7月 Vグリゴーロ、Aゲオルギュー、Iラング
愛の妙薬(リハーサル) 2014年11月 Vグリゴーロ、Lクロウ、Bターフェル
愛の妙薬 2014年11、12月 Vグリゴーロ、Lクロウ、Bターフェル
ウェルテル 2016年6月 Vグリゴーロ、Jディドナート、Eエンゲルベストン
ホフマン物語 (リハーサル) 2016年11月 Vグリゴーロ、Tハンプソン、Sヨンチェバ、Cライス、Kリンゼー
ホフマン物語 (初日) 2016年11月 Vグリゴーロ、Tハンプソン、Sヨンチェバ、Cライス、Kリンゼー
10年近くロンドンにたくさん来てくれてありがとう。全て楽しみました
楽しみにしてたルチアがロンドンで聴けないのは口惜しいですが、ヨーロッパ大陸に観に行けばいいんですもんね。
というわけで、東京とロンドンが舞台となった後味の悪いグリゴーロ事件でしたが、これをバネにして彼の一層の活躍を心から祈ります。
椿姫さん、今まで応援してくれてありがとうよ。これからは大陸に観に来てくんな!
はーい