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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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顔美人ガランチャ @バービカン

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<6th October Sat>

仕事も遊びも忙しかった一週間を無事乗り越えました。今日は折角の晴天でトラファルガー広場でジャパン祭もやってるけど、最寄の地下鉄が2路線とも工事で不通だし、家でゆっくり一休みしながらテレビとブログ三昧でもしてましょう。明日は不便でも出掛けなくちゃいけないし。

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


10月2日、バービカンにラトヴィア人の人気メゾ・ソプラノのエリーナ・ガランチャを聴きに行きました。LSOとの共演で指揮はご亭主。


カメラ以下の写真はクリックで拡大します。私が慣れないカメラで撮った下手な写真ですが、前のカメラよりは鮮明です。


ガランチャはロンドンであまり出てくれなくて(ROHではコジ・ファン・トゥッテ、カプレッティとモンテッキ、カルメンだけ)知名度がイマイチなせいか、今日のコンサートも、値段は最高45ポンドと、例えばバルトリの85ポンドとかと比べるととても良心的なのにも拘わらず、当日の午後の時点で5分の3くらいしか売れてませんでした。舞台近くの私の周りはほぼぎっしりで盛り上がりましたが、二階席ではどうだったのかしら?


私の席は最前列のほぼど真ん中の近過ぎて安い席(19.5ポンド)。足元から見上げるような角度なので写真撮るのは苦労だったんですが、ご存知の通り、私はなんでも近くから観るのが好きなので(映画ですら)、満足チョキ


目でも、これだけ近いとアラも全て見えてしまい、疲れていたのか、顔にブツブツできてたし、白目は充血してピンクだったし、ほっそりした顔に似合わない太い腕には小さなホクロがたくさん(最初は緊張のせいか鳥肌立ってましたし)。手の指にはマニキュアもしてなくて、同じ東欧系の美女のコジェナ同様、素朴というか垢抜けない印象です。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
   London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


最初の砂色のドレスは、遠くから見ると素敵でしょうけど、素材がゴースなので、例えばルネ・フレミングの有名デザイナーの衣装みたいなゴージャス感には乏しいかも。

それでも、ガランチャは(36歳の割には皺があるけど)大きなパーツが整った凛々しい美人だし、長身なので舞台映えするのはさすが美貌と形容される花形メゾキラキラ


と、褒めながらも、やっぱり、「太い腕だな~」、と・・・ガーン


カプレッティとモンテッキのタイツ姿やカルメンのスカートめくりでガランチャがが実は下半身デブで足は太いのは知ってたので釣り合い取れてるし、出産後で更に腕も逞しくなるのは仕方ないんでしょうけど、できれば腕を隠すドレスの方がいいんじゃないのかな~?

などと、ビジュアル的には、「もっと美しく見せられるのに、惜しい・・・」、という感じでしたが、でも、そんなことはどうでもいいんです。歌は絶好調で素晴らしかったですからクラッカー

ルックスに似つかわしい凛として芯のある美声にはうっとり聞惚れたし、特に声量が立派。私はこの席によく座りますが、これほどビンビン響く女性歌手ははじめてで、耳がおかしくなりそうでしたショック!アップ


クリップ

Glinka Overture to Ruslan and Ludmila
Tchaikovsky Aria of Johanna from The Maid of Orleans
Massenet Meditation from Thaïs
Saint-Saëns Mon coeur s’ouvre à ta voix from Samson et Dalila
Saint-Saëns Bacchanale from Samson et Dalila
Gounod Plus grand, dans son obscurité from La Reine de Saba
Marquina España Cañí
Lope Gerona
Penella Pasodoble from El gato montés
Bizet Extracts from Carmen
i. L'amour est un enfant de Bohême (Act I - First version)
ii. Prélude (Act I)
iii. Habanera (Act I)
iv. Entr’acte (Act III)
v. Séguedille (Act I)
v. Entr’acte (Act IV)
v. En vain, pour éviter (Act III)
vi. Entr’acte (Act II)
vii. Chanson bohème (Act II)

Elina Garanča mezzo-soprano
Karel Mark Chichon conductor
London Symphony Orchestra

クリップ



チャイコフスキーで渋くはじまり、サンサーンスのサムソンとデリラの有名な誘惑アリアが私にとっては前半のハイライト。是非フルオペラで(腕も足も見えないデザインの)豪華な衣装を纏ったガランチャの妖艶なデリラを観てみたいものです。

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)



後半はカルメンだから、きっとそれらしい衣装に着替えるに違いないと確信してましたが、たしかに期待通り着替えてはくれたものの、なんだか安物の黒いピラピラドレスで、うーん、かなり失望むっ


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
せめて真っ赤なベルトでもして、情熱的なカルメン風にすればよかったのに。口紅だけは真っ赤になりましたが、それだけではこの大ホールでは効果不足じゃないの?


     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)



でも、ガランチャ・カルメンは、衣装の助けを借りなくても充分魅力的で、アリアの間奏曲を交互にやってくれたのですが、曲だけの間はl椅子に座って、私にはお馴染みのカルメン表情と仕草をしてくれて、目つきがすっかり役になりきってました。


3年前、ROHではじめて彼女のカルメンを聴いたときは「なんか硬くてクールで、汗臭いセクシーなカルメンのイメージとは違うわあ」、と思ったのですが、アラーニャとの共演で6回も観てるうちに彼女も段々役にはまってきたし、聴きなれた結果、私にとってはすっかりカルメン=ガランチャになってしまったので、久し振りに、しかもこれだけ近くで又彼女のカルメンを聴けて、素晴らしかった大スター二人の熱演を思い出してドキドキラブラブ(その時の様子は→こちら )。


しかし、勝手なもので、同時に、「あーあ、又カルメンかあ。できれば今日は全く違うのを聴きたかった」、とも思いました。去年、出産を理由にキャンセルしたバービカンの「皇帝ティートの慈悲」とか聴きたかったです。もうすぐメトで歌うんだし、アンコールででも歌ってくれたらよかったのに。 


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

アンコールは3曲で、最初は「このままスパニッシュで続けます」、と言って、馴染みのない曲をまず歌い、それは初めて聴くのでそれなりによかったけど、2曲目は誰もがアンコールで歌うのでヘドが出るほど聞き飽きたグラナダかよプンプン 


最後のナポリ民謡「マキアーレ」は結構好きですが、東欧人の歌うナポリ民謡というのもちょっと・・・。やっぱり、浮気女カルメンにどっぷり浸かった後はがらっと雰囲気を変えて、ティートの男役セストを歌って、「ほら、私は色々歌えるのよ」と自慢して欲しかったです。



London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


あまりに切符の売れ行きが悪いから拗ねてキャンセルしちゃうんじゃないかと心配したけど、一生懸命歌ってくれたし、とて楽しめたコンサートでした。オペラのカーテンコールではクールなガランチャが今日は嬉しそうな笑顔を見せてくれたので、きっと彼女自身も満足の出来だったんでしょう。ロンドンでオペラでもっと出てくれたら、もっと切符代を高くしても切飛ぶように売れるでしょうから、近いうちにROHに出て下さいね。


カチンコPrimroseさんが、私より2列後ろの席から撮って下さったカーテンコールをどうぞ(→こちら





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