<28th Oct Sun>
急に冷え込んだ週末、夏時間も終わって日も一気に短くなり、早くも冬到来という気分ですが、今日は久し振りに着物でコンサートに行きました。ドニゼッティの珍しいオペラ「ベリサリオ」ですが、これもワーグナーとは対照的なベルカントもので、美しいメロディにうっとり。
でも、まだ頭の中はワーグナー漬けで、ブログを書き終えるまでは脱することはできないかもしれないので、こないだ既にちょっと書いたジークフリートについて補足します。これで、残すは一つだけ。今、最後の4サイクル目がはじまり、それが終わるまでにはなんとか終えたいところですが、来週は忙しいしなぁ・・
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10月21日の日曜日、ROHのリングサイクル3つ目のジークフリートにトーチャンと行きました。
どんなお話かは、以前の記事(→こちら )をご覧下さいですが、要するに、指輪奪回のために神様ヴォータンが孫として産み出したヒーローがいよいよ登場。怪物から指輪を横取りするためには「恐れを知らぬ純粋な若者」が必要ということで、腕力はあるけれど難しいことは何も考えないアンポンタンな単純男ジークフリートがオーダーメイドされたわけです。
なので、タイトルロールは、あっけらかんと力強く明るく高らかに歌い上げて欲しい役なんですが、それを見事に表現してくれたドイツ人テノール君(ステファン・ヴィンク)のことはオペラを観たその日のうちに速報しましたよね(→こちら )。
Conductor Antonio Pappano
飛行機や大蛇が出てきたりして、4つの中でこのセットが一番大掛かりになのではないかしら? うねるように動く大きな板の上でヴォータンが歌う場面は特に迫力あります(近くで見るとちょっと車酔いみたいに感じになりそうだけど)。
今回サイクルを見終わって、結局一番良かったと思ったのがサイクル3つ目のジークフリートだったのはジークフリート役によるところが大きいのですが、テノール好きの私はもう一人のミーメとのテノール二人のやりとり場面に一番ワクワクしました。
ジークフリートを赤ん坊の時から育てた(目的は金欲)ミーメ役はこれまでと同じゲルハルト・シーゲルなので聴くのは3回目なんですが、何度聴いてもよく通る声と達者な演技が素晴らしいです。と言いながら、次は他の人で聴いてみたいですけどね、実は。
ブリン・ターフェルは、今回はさすらい人役(実はヴォータン)なので、神々のボスの威厳は必要ではなく、ボロ着でそこはかとないペーソスを醸し出して、なかなか良かったです。
これで、ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリートと今回はちゃんと無事に3つとも出演して(先回は怖気ついてキャンセル)、声量は相変わらず物足りなかったけど、ブリンらしい余裕というかふてぶてしさも出て、彼としては上出来。お疲れ様でした。
でも、最近痩せたという評判だったけど、あまり変わってなかったね。頭のてっぺんが薄くなってたけど。
それに、カーテンコールでは顔に貼った絆創膏が、ほれ、剥がれかけてるよ。出番が終わったら不快だから剥がしておいて、カーテンコールの前に慌てて付け直したのかな?
まるで美女と野獣の二人
ブリュンヒルデの出番が少ないのも、このジークフリートを楽しめた大きな理由のひとつだったに違いない、とこの後の神々の黄昏を観ながらしみじみ思ったことでした。
イギリス人がこの大役であちこちで活躍してるのは喜ばしいし、一生懸命なのはよくわかるので努力賞は差し上げますが、すみません、スーザン・ブロックに全く魅力は感じられません・・
パッパーノ大将率いるオケも健闘ですが、かなり慣れたとは云え、やっぱりホルンとチューバがうるさくてたまりません。上手ならまだいいけど、プゥゥーッという小さいスカ音も全て聞えてしまうのは辛いものがあります。
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