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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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ジョイス・ディドナート @バービカン

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<9th Feb Sat>

NYメトの愛の妙薬のライブ中継を「いいなあ、ニューヨークは。ネトレプコ、ポレンザーニ、キフィエチェン、シュロットという豪華顔ぶれなんて」、とジェラシーを感じながらも楽しんでいたら、なぜか後半になったら説明もなく歌手が皆ちがう人になってしまい、レレレのレ~ショック!  パヴァロッティが出てきてやっとどの録音なのがわかりましたが、かなり経ってから説明が入り、おそらくニューヨークの大雪が原因でしょう、とのこと。特にポレンザーニのネモリーノに聴き惚れていたのにガッカリガックリ  愛の妙薬は何度聴いても飽きないオペラで、こないだROHで何度も観たけど、来月はベルリンでまた観るのが楽しみ。ネモリーノはこないだROHのオテロのカッシオ役で気に入ったアントニオ・ポリ君。

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


2月6日のジョイス・ディドナートのコンサートで、なんと彼女から花束をプレゼントしてもらったことはその日のうちに書きましたが(→こちら )、肝心のコンサートについても書いておきましょう。


ワンピースまずは、女性歌手の場合は気になる衣装ですが、ディドナートのドレスセンスを私は高く評価しているのでこの日も楽しみでした。今回は、CDのカバー写真にもなってて言わばプロジェクトの一部であるコスチュームだったのですが、期待を裏切らず、印象に残るどころか、度肝を抜かれた楽しいドレス演出でした。


ヴィヴィアン・ウエストウッドのデザインなのですが、なんと一着のドレスで4通りの着こなしをご披露してくれて、サービス満点。引っ込む度に少しづつ変わり、残念ながら途中で写真に撮ることはさすがにできなかったので前半の終わりと後半の終わりの着姿だけですが、クリックで拡大しますので、細かいところもご覧頂けます。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
まずは、玉葱柄(だと思います)の光沢のある細いシルエットのドレスには共布のショールが肩から背中にかけて縫い付けてあり、「へえ、ちょっとバロック風だしスカートのドレープがウエストウッドらしいドレープのボリュームのあるデザインだわ」、とうっとりラブラブ(これは写真がありません)。


次に出てきた時にはショールが取り外されて、胸の部分の立体感が際立ちました。


そして、おお~っ叫びというどよめきが起こったのは、インターバルの後に再登場した時。

なんと、さっきの一応現代風のドレスの下にマリーアントワネット風の横に広がる型を着込んで、コンサートのテーマであるバロック音楽の女王様然としたシルエットに様変わり。なるほど、だからこういうヘアスタイルだったのね。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


実は後半の最初は、CDジャケットの写真(下をご覧下さい)にも出てる長手袋風の袖も付いてたんですが、これも写真がありません。CDジャケットと同じドレスだとすると、色がかなり違ってて、ジャケット写真では真紅に見えますが、実際は濃い朱色です。


コンサートが盛り上がったのは、衣装によるところも大きいと思うのですが、ちょっと残念だったのは、靴とイヤリング。こんなゴージャスなドレスにはそれに見合う派手な靴であるべきなのに、ベージュ色のシンプルで普通の形ってのはナンですよね。(と思ったら、これはやっぱりあり合わせで、ニューヨークでご覧になった方のレポートで、本来は赤い靴だったことがわかりました。歩きにくいのでギブアップしたようです)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
イヤリングも、後半は18世紀風にするとか、ドレスの拡大に伴って大きいのに変えるとかした方が良かったではないかしらね?


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


でも、美人じゃないけど、最大限に綺麗に見せようとする姿勢は尊敬で、ちゃんとマニキュアもしてるし(してない人多いです)、お顔もばっちりメークして、目の周りはラメでかすかにキラキラキラキラ


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)       London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


王冠1Drama Queens

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
Cesti
‘Intorno all'idol mio’ from Orontea
Scarlatti Sinfonia from Tolomeo ed Alessandro
Monteverdi ‘Disprezzata regina’ from L’Incoronazione di Poppea
Giacomelli ‘Sposa, son disprezzata’ from Merope
Vivaldi Concerto for violin and strings RV 242 “per Pisendel”
Orlandini ‘Da torbida procella’ from Berenice
Hasse ‘Morte col fiero aspetto’ from Antonio e Cleopatra
Handel ‘Piangerò la sorte mia’ from Giulio Cesare
Handel Passacaglia from Radamisto
Porta ‘Madre diletta, abbracciami’ from Ifigenia in Aulide
Gluck Ballet music from Armide
Handel ‘Brilla nell'alma’ from Alessandro

Joyce DiDonato mezzo-soprano
Il Complesso Barocco
Dmitry Sinkovsky
violin/director
Alan Curtis
artistic consultant


ディドナートは生でかなりの回数聴いたことがあり、実力があるのは充分承知してますが、見るたび聴くたびに貫禄も出て、絶好調のこの日は、オペラに登場する女王様たちをを時には気高く時には哀しく、静かに激しく感情豊かに歌い上げて、コロラチューラも上出来。

こういう演目だと、どうしてもチェチリア・バルトリと比べてしまうわけですが、コロラチューラはバルトリの人間離れした軽やかさには適わないものの、声量はディドナートの方が優れてるし、声がはっきりしてるので、遠くの席の観客の軍配はディドナートに上がるでしょうね。私はバルトリの声の方が好きですが、これはもう好みの問題ですから。


アンコールは3曲だったかしら、しっとりと声だけで聴かせる曲と、めくるめくコロラチューラ転がしの曲と両方やってくれて、バルトリにも劣らないヤンヤの喝采クラッカー


ともあれ、カーテンコールでは気さくにお喋りもしてくれて、「埋もれた曲を掘り出すこのプロジェクトは2年掛かったけど、バロック音楽にとって重要なロンドンで歌えて光栄です。」、と嬉しいことを言ってくれました。5月にROHの湖上の美人でフローレスと共演してくれるのが楽しみです。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


水増しとして、彼女が歌わない曲も何曲かあり、その中でヴァイオリンの超技巧を要するヴィヴァルディの華やかなコンチェルトがあったのですが、この古曲オケのリーダーでまだ若いドドミトリ・シンコフスキーのテクニックはかなりのもので、これならソロのヴァイロリニストにもなれるだろう彼はなんとカウンターテナーでもあるんですって。多彩な才能の彼は要注目かも。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

ブーケ2この花束、私が家に持ち帰ったときには百合は全部まだつぼみでしたが、あれから半分近くの花が開いて更にゴージャスになり、殺風景な我が家に彩りを添えてます。香りもむせかえる程。



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