<28th May Tue>
昨日までの3連休は良いお天気だったのに、一回オペラに行っただけで、あとはひきこもっていたのは勿体なかったかな。今日から又冬に逆戻りで寒いったら。
今月はオペラだけでも忙しいのに、コンサートもあって充実。
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5月22日、バービカンのLondon Symphony Orchestraのコンサートに行きました。
一年以上も前に買った切符ですが、「あら、ゲルギエフ指揮者の祝60歳バースデー・ガラ・コンサートですって。私の60歳の誕生日も近いから便乗しちゃおうっと」、という魂胆でした。手の平をひらひらさせる指揮は嫌いなんだけど。
1ケ月前にバービカンから連絡があって、「舞台を拡張するので、あなたがお持ちの最前列から移動して頂きます」、と言われ、前から6列目の一番高い席に座られてもらえたのもラッキー(最前列が定番席の私は、時々同じ理由で移されちゃうけど、時にはうんと後ろにされて憤慨することもあり)
本当の誕生日であった5月2日にサンクトペテルブルグで行われたマリリンスキー第二劇場のグランド・オープンの超豪華メンバーのガラに敵う筈がないのはわかってますが、それにしても、ここまで差を付けられたら、やる気のないのがばれちゃいましたね。LSOが企画したんでしょうか、お世話になってる常任指揮者であるゲルギエフ先生のめでたいイベントの割に、ロシア人を中心とした出演者が実にしょぼかった
でも、一人だけ上手な人がいたので、そのめっけものを忘れないためにも記録しておきます。
Shostakovich Piano Concerto No 2
Paganini Violin Concerto No 2, Third Movement (‘La Campanella’)
Ravel Tzigane
Sarasate Zigeunerweisen
Berlioz Act Five from ‘The Trojans’
Valery Gergiev conductor
Leonidas Kavakos violin
Alexander Toradze piano
Ekaterina Semenchuk Didon
Sergei Semishkur Aeneas
Ed Lyon Hylas / Iopas
Lukas Jakobski Panthee / Narbal
Claudia Huckle Anna
Duncan Rock 1st soldier
Gary Griffiths 2nd soldier
Grace Durham Ghost of Cassandre
James Platt Ghost of Priam
Szymon Komasa Ghost of Chorebus
Rick Zwart Ghost of Hector
London Symphony Chorus
London Symphony Orchestra
前半は、ガラらしく、ピアノとヴァイオリンによる華やかでお馴染みの曲ばかりを集めて、それなりにわかりやすい盛り上がり方となりました。
ショスタコーヴィッチのピアノコンチェルトを弾いたのはAlexander Toradzeという禿げ頭のおじさんで、私はこの人でラフマニノフ3番を聴いたことがあるのですが、安定した職人芸で手堅いけど、なんか力が入ってない感じでぱっとせず。
ヴァイオリンのレオニダス・カヴァコスはロンドンではしょっちゅう出てるので、いつか聴きたいとずっと思ってるけど、そういうのに限って行かないじゃないですか? なので、やっと生で聴くことができて嬉しいです。特に、これだけの腕前の人が弾くチゴイネルワイゼンは聴き応え充分。
カヴァコス、写真から想像してた容貌とは違い、長身で意外にすっきりして整った顔つきなんだから、すっきり散髪してヒゲそって、ばりっとしたスーツを着ればなかなか良い男だろうに、わざと格好悪く見せようとしてるみたいな時代遅れの長髪にださい眼鏡と無精ひげにだぶだぶのチャイナ柄のシャツ、、。
演奏も、細かい動くが上手ですごいテクニックを持っているのに、惜しいことにショーマンシップ不足で、ひょろっと突っ立って淡々と弾くだけ。あまり派手なアクションするのも嫌いだけど、これでは顔も体も表情が乏し過ぎ。ビジュアル面も大事よね。
後半はコンサート形式のオペラで、ベルリオーズの大作トロイヤ人の第五幕。
有名歌手は全く出てないので一流のパフォーマンスは望めないだろうと期待は低かったのですが、
案の定、エネアス役のテノールSergei Semishkur は響かない硬い声で聴いてるのが辛いくらいひどくて・・・。
でも、ダイドー役のメゾソプラノEkaterina Semenchuk が登場したら、一気に水準が上がり、艶のある美声にうっとり。しっかりものにしてる役のようで、彼女だけ暗譜で余裕の演技付き。彼女を聴けただけでも行った甲斐がありました。彼女のアムネリスやエボリ、さぞや素敵でしょうねえ
終盤うんと盛り上がったのは彼女のおかげです。
最後は全員からお決まりのハッピーバースデートゥーユーと花束がマエストロに捧げられましたが、ゲルギエフ先生ったら、もっと嬉しそうな顔で大袈裟にしゃしゃり出てもいいのに、やけに謙虚だったこと。あちこちでお祝いガラやってもらってうんざりしたんだろうか?
代わりに、誕生日が9日しか違わない私がご相伴にあずかって気分良かったので良いんですけどね。ありがとうございました。
出演者はぱっとしなくても、客席は身なりも立派な招待客が多くて、いつもとは違うおハイソな雰囲気が漂ってました。音楽界に貢献なさってる富豪チェスキーナ洋子さんも久し振りにお見掛けしました。
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