<30th May Thus>
今年はこの50年で最も気温の低い春だと発表になりましたが、ほんとに寒い。明日は20度くらいになるという予報だけど、あてになるもんか。先週も同じこと言われて、薄着で出掛けたら、風邪ひいちゃいましたもんね(すっかり治りました)。
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昨日からトップに載せてるハンサムな男性は誰だろうと思ってらっしゃる方も多いでしょうが、昨日、バービカンであったヘンデルのイメネオのコンサート・オペラでタイトルロールを歌ったイタリア人バリトンのヴィットリオ・プラートです。
オペラファンでもきっと知らない無名のバリトンでしょうけど、背も高いし、ご覧の通り、オペラ歌手というよりもモデル系の容貌の彼(私の好みではないけど)、これで歌が上手なら鬼に金棒なんですが、そうは上手くいく筈がないですよね、信じられないくらい下手くそでした
ったく、どうしてこんな人がこの役で出られるの?
これだけの容姿なんだし、オペラは諦めて、他の道で頑張ったほうがいいのではないでしょうか?
もう一人のバリトンも劣らず下手だったので、指揮者クリストファー・ホッグウッドの趣味を疑うわ。その上、カウンターテノールのDavid Danielsも出る予定だったんですよ、実は。それが避けられたのは幸いだったけど、この二人が思い切り足を引っ張って、私がここで聴いたコンサート・オペラの中では最低の水準
イメネオは、ヘンデル最後のイタリアン・オペラで、ヘンデルらしい美しく華やかなアリアがわんさか。
古代ギリシャが舞台で、海賊にさらわれた巫女さんRosmereを勇者イメネオが救出し、そのご褒美に嫁にくれと言い、彼女の父親も賛成するが、彼女にはティリントという恋人が。こういう場合、最後は愛し合う二人(ソプラノとカストラート)が結ばれるのが当たり前なんだけど、なんとこのオペラでは、普通は横恋慕しても振られてしまうバリトンを彼女自信が婿に選ぶんですね、これが。どういう経緯で変心したのか、その部分で居眠りしちゃったのでわからないけど、この手の話にありがちなゼウスとかの神様の干渉もなく、彼女なりに考えたのかしら?
Handel Imeneo
Academy of Ancient Music
Christopher Hogwood conductor
Rebecca Bottone Rosmene
Lucy Crowe Clomiri
Renata Pokupić (David Danielsの代役) Tirinto
Vittorio Prato Imeneo
Stephan Loges Argenio
Choir of the AAM
女性軍も、本当は上手なのに、実力を出せない人が二人。
大躍進中の金髪イギリス人ソプラノのルーシー・クロウは、風邪ひいてたのか、いつもの清らかさがなく、声がちょっとかすれてたのが残念。
ダニエルズの代役でメゾ・ソプラノのズボン役のレナータ・ポクピックも、3年前のROHのタメルラーノ(→こちら )では脇役で光ってたのに、今日は、テクニックはなかなかだけど、輪郭のはっきりしない声に聴こえてしまい、ちょっと失望。
黒いスーツ姿は素敵でしたけどね。コンサートオペラのズボン役では皆さんそれなりに工夫して男っぽい衣装なんですが、レナータ嬢は靴にまで気を配り、細かい所まで洒落てました
そんな中で、唯一人、高らかに響き渡った声は、二人の男性から求愛されて板ばさみになるヒロイン役のレベッカ・ボトン。
イギリス人ソプラノの彼女、何度か主に新作オペラのちょい役で聴いたことがあるのですが、細いけど立派な声量と、きれいに付き抜けるユニークな声の持ち主だといつも思ってました。その実力が認められて、最近は色んな分野で活躍してるようですが、こんな素晴らしいヒロインぶりを聴けて嬉しいです。貴女がいなかったら惨めなコンサートになってたでしょうから、救ってくれてありがとう。いつもはボーイッシュな雰囲気だけど、今日は紫色のドレスでフェミニンでチャーミングだったし。
歌はナンでも、ホッグウッド指揮の弾けるようなオケ演奏は素晴らしくて、これならヘンデル先生もそうお怒りにはなりますまい。
最前列だったので、譜面で顔が隠れたりしてろくな写真が撮れなかったけど、やっぱり至近距離から聴くのが好き。
さあ、明日は、またしつこく湖上の美人だ。最後だから気合を入れて聴いてきましょう。
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