<15th Sept Sun>
昨日のフィガロも今日のリゴレットも日本で買った着物と帯で行きましたよ、風邪気味なのに。日本で3週間のんびりしてゆるんだネジを巻かなくちゃね。
温泉編に続きブダペストの記事はほぼ全部準備したので、あと三つですが、どんどんアップします。
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ブダペストに行くきっかけとなったのは、伝説的ソプラノであるエディタ・グルベローヴァ様主演のアンア・ボレーナのコンサートオペラ。
会場については、到着するまで全く知りませんでしたが、到着してびっくり
街の中心からトラムで数駅行った荒れ果てた地域に、こんなモダンでどでかいコンサートホールがあるなんて!
Bartók National Concert Hall. Művészetek Palotája (→こちら )
この立派なハンガリーの国立コンサートホールは5年くらい前にオープンしたそうですが(コンサートホール以外にもなにかある芸術複合施設らしいです)、木のぬくもりと斬新なデザインと広々としたスペースが印象的。 建物の後ろに素晴らしいテラスがあるのを後で知ったのですが、時間がなくて行けずに残念。
ところどころの真紅がアクセントになっていて、特に大階段は夢見心地にさせてくれます。あちこちにある小さな休憩スペースも洒落たデザインでした。
Primroseさんの知り合いのブダペスト人の男性が案内して下さったのですが、屋上から眺める夕暮れのドナウ川。
内部も木を強調した設えで、壁も天井も温かみがあり、私が訪れたことのある中では最も美しいコンサートホールではないかしら。セーチェニ温泉も大規模で美しかったし、ハンガリー、なかなかやるじゃん。さすがかつて中欧の中心だった大都市だ。
有名な音響デザイナーが関わったとのことで、アコースティックもとても良いそうです。私は前から6列目の真ん中だったので主にストレートな音しか聴こえませんでしたが。
聴いたのは、ドニゼッティのアンナ・ボレーナのコンサート形式オペラ。キャストは上の電光掲示板の写真をクリックして下さい。
スロバキア人ソプラノのグルベローヴァ御大はロンドンにはほとんど来てくれず、生で聴くのはこれが3度目。老けたし、さすがに高音が苦しそうでしたが、60台後半でまだこれだけ歌えるなんて凄い
コンサート形式だったけど、勿論暗譜で感情たっぷりに歌い上げて、魂のこもった気迫のパフォーマンスでした。伝説的なソプラノを数メートルの距離から、しかもこんな素晴らしいホールで聴けるなんて、なんて恵まれてるんでしょう。
グルベ様を生で聴くのはこれが最後になるかもしれないけど、張りのある美声とコロラチューラを堪能しました。
しかし、楽しみにしてた他の二人(ハンサムで上手なテノールのパヴォル・ブレスリクと、去年ROHのオネーギンで彼と共演してとても素敵だったエレーナ・マキシモワ)がキャンセルしたのはとても残念
代役メゾソプラノのRegina Richter嬢はルックスも役にぴったりな上に歌も上手だったので文句ないけど、ブレスリク君の抜けた穴は大き過ぎた・・ 代役のベトナム系フランス人のPhilippe Do、暗譜で熱演してくれて、声量はあるし声が特に悪いわけじゃないんだけど力不足で、高音はひっくり返るは、かなり散々な出来。録画してたのにこれではグルベ様はおかんむりだったかも・・
ヘンリー8世も大事な役なんだからもうちょっとレベルの高いバリトンに歌ってもらいたかったけど、お兄さん役のKrisztian Cserは上手だったし、なによりもグルベ様を近くで聴けたというだけでよしとしましょう。カーテンコールは当然大変な盛り上がりで、何度も何度も出てきてくれたグルベ様自身もとても感極まって嬉しそうでした。
こんな素晴らしいホールなのに切符代はとてもリーズナブルで、良い席を確保するために先に販売された3つのコンサートのマルチ切符を買ったのですが、それでも1万円以下。ブダペストは特に物価が安いわけではないのに、芸術には手厚い国なんでしょうか。次回は是非オペラハウスにも行かねば。
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