<30th Nov Sat>
11月ももう終わり・・・。中旬から会社に行かなくてもいい日が増えましたが、一昨日は半日友人とジムで過ごしました。久し振りにヨガクラスに参加して、たっぷり水泳もできたし、お喋りしながらのんびりお喋りできた贅沢な時間。ジムの近所の枯葉の公園も雰囲気良かった。
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ROHの今シーズンの目玉の一つであるパルジファルの新プロダクションは今日(土曜日)が初日。切符争奪戦に負けて希望の席が買えなかったので、本番で行くのは明後日の2回目ですが、11月27日のリハーサルには行ったので、こっそりレポートしますね。
1幕と2幕はlower slipという斜め上から見下ろす席で、3幕は途中で帰った友人に譲ってもらっていつもの舞台横のストールサークルに座ったおかげで、観る角度による違いがよくわかり、離れた所から舞台セットがほぼ把握できたのは収穫でした。
Director Stephen Langridge
舞台セット
10日ほど前、ROHの地下小劇場であったinsightイベントで、演出家のスティーヴン・ラングリッジ(テノールの故フィリップ・ラングリッジの息子)とデザイナー女史が絵コンテを見せてくれて大体想像がついていた通り、セットは箱と柱で、衣装は現代風。
そのイベントではパッパーノ指揮者が喋り捲ったせいでこの二人の話があまり聴けなかったのが残念ですが、まあ白紙の状態で接するほうがいいかもしれないし、先回のプロダクションより悪い筈ないので、楽しみにしてました。
パルジファルをROHで先回観たのは2007年12月で(それが最後の筈)、天井から鮫の張りぼてがぶら下がっていたりというあまりに陳腐なセットで、衣装もひどかったんです(→こちら )。
これ以外に生でパルジファルを観たのはクラウス君(クラウス・フロリアン・フォークト)を追っかけたバルセロナで、それもクラウス君の軍服姿にはクラクラしたけど、なんだかなあ、という感想でした。
写真でしか見たことないですが、ちょっと前にNYメトでカウフマンが出たちょっとおどろおどろしいプロダクションもなかなか良さそうだと思いましたが、今回のROHはすっきりシャープで結構気に入りました。
特に印象深かったのは、スマートガラス(smart glass或いはswitchable glass)の効果的な利用。物理オタクのトーチャンが説明してくれたけど私にはうまく説明できないので原理は→こちら
でご覧下さいですが、要するに窓ガラスが一瞬で透明になったり白濁色になったりするので、曇っているうちに箱の中で地下連絡口から人や物を入れて次のシーンの準備ができて超便利。私が舞台演出をすることになったら是非使いたい優れものです。
新鮮だったのは、聖杯が生身の人間だったことで、最初は13、4歳の少年、最後は20代の青年がキリストが張り付けになった時の腰布だけで登場。異存もあるでしょうが、キリスト教に疎い私のような者にもストレートに宗教を感じさせてくれて感動的だったし、アブナイ雰囲気もありました。
衣装
騎士団は背広、パルジファルはカジュアルなジャケット姿で、色目もシックだし、このまま外に出てもおかしくないような現代風。パルジファルを誘惑する竜宮城のオネーチャンたちのスパンコールのミニドレスはもっと上品にできなかったのかしらと思うけど、ヒロインのクンドリーの時代を超越したスリップドレスや長ジャケットは素敵。デザイナーによると、アンゲラ・デノケと相談しながら決めたそうです。
でも、そのクンドリーの衣装には大きな問題があり、今回のドレス・リハーサルで気付いたことでしょうけど、細い肩紐が滑り落ちてデノケの両オッパイが丸出し~ッ
クンドリーは這いつくばったりするんだから、本番では肩紐にテープ貼っときましょうね
パフォーマンスについては、力抜いてるのかなと思う人もいたし(リハーサルだからそれでもいいんですよ)、明後日もう一度聴いてから、過去の歌手たちとも比べてみるつもりですが、なんと言っても、パルジファルがサイモン・オニールってのが残念・・。明後日までにYoutubeでクラウス君のを何度か聴いたらサイモンの声が掻き消されるかしらん?
オーケストラが特に素晴らしくて、ワーグナーはこれが一番好きですが、全身とろけてしまいました、私。いつもと同じメンバーの男声コーラスも今まででベストだったかも。
ワーグナーの中ではパルジファルが一番好きという人も多いのですが、私にもその気持ちが初めてわかるような気もしたので、明後日が楽しみ。流れるような美しい音楽にもう一度身をゆだねてきますね
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