<25th June Wed>
質量共に素晴らしかったTate Modernの特別展アンリ・マチスの切り絵展を午前中に観てから午後は出勤。一昨日からウィンブルドン・テニスも始まってますが、テレビで観る機会もほとんどないうちにもうすぐ6月が終わりそう・・。男子シングルス優勝という長年の悲願を昨年達成してしまったし、まさか又優勝できるとは誰も思ってないので、今年はのんびり観戦できそうなのに。
-------------------------------------------
6月14日の土曜日、スパ一泊旅行から帰った夜にウィグモア・ホールのリサイタルに行きました。
アンナ・プロハスカは、最近やっと初めてROHで聴くことができたドイツ生まれのオーストリア人で、カルメル派修道女の対話(→こちら
)の並み居る実力派女性の中で私が一番気に入った1983年生まれのソプラノ。
バロックを歌うことが多いらしいですが、この日は戦争が主題或いは背景の歌ばかりで、色んな時代の色んな作曲家の色んな言語でしたが、一貫したテーマでユニークな統一感がありました。
Anna Prohaska soprano
Eric Schneider piano
Traditional (German) Dunkle Wolken
Beethoven Die Trommel gerühret
Eisler Kriegslied eines Kindes
Wolf Der Tambour/Der Soldat II
Rachmaninov I have Grown Fond of Sorrow (The Soldier’s Wife)/Traill/My Luve's in Germanie
Ives In Flanders Fields/‘1, 2, 3’/Tom Sails Away
Eisler From Hollywood Liederbook:/Panzerschlacht/Die letzte Elegie/Die Heimkehr
Cavendish Wandring in this place
Schubert Kriegers Ahnung/Ellens Gesang I
Rihm Untergang
Liszt Jeanne d'Arc au bûcher
Schumann Die beiden Grenadiere
Poulenc Le retour du sergent from Chansons villageoises
Quilter Fear no more the heat o' the sun
Schumann Der Soldat
Mahler Wo die schönen Trompeten blasen from Des Knaben Wunderhorn
Weill Beat! Beat! Drums!/Dirge for two veterans
明るい曲調であってももちろん悲しい内容ばかりなのですが、プロハスカ嬢の温かみのある若々しい美声と、細やかだけど感傷的になり過ぎない素晴らしい歌唱で、とても感動的なコンサートになりました。原語歌詞と英語訳を追いながら聴いていたら美しさと切なさでぐっと来て、何度も涙が出てしまったのは私だけではないでしょう
今年は第一次世界大戦勃発百年であり、ノルマンディ上陸作戦70周年セレモニーもあったばかりで戦争が話題がなることが多いのでとてもタイムリーなこのプログラム、凝ったミリタリー調のズボンスーツ姿のプロハスカ嬢はきっとヨーロッパを何箇所か巡業するのでしょうが、どこでも静かな感動を与えてくれるに違いないです。
訛りのない英語もとてもきれいで、美人ではないけど、チャーミングなアンナちゃんに会いたくて、終了後はいつものように舞台裏のグリーンルームに行ってみました。
カルメル派~では他の女性たちと比べて一番小柄で少女みたいだったプロハスカ嬢ですが、ハイヒールを履くとそこそこの背丈だし、しっとりとした大人の雰囲気でファンに接してたのですが、
列の中で私のすぐ後ろにいた若い男性を見つけるや、「きゃーッ! ティム、来てくれたのね~。嬉しい~~」、と抱き合って大喜び。
誰かというと、イギリス人カウンターテナーのティム・ミードで、きっとバロックオペラで共演したことがあるのでしょう、彼女の表情ががらっと変わって本当に嬉しそうな笑顔になりました。
コンサートの前にTim Meadとは話をしたし、私が「はーい、じゃあ二人一緒の写真撮らせてね~」、とカメラ向けたら、興奮状態のままポーズしてくれて、楽しい写真が撮れました。 FB経由で二人に写真を送ってあげたら喜んでくれましたよ。
一人で来てたティム君を見つけたのでコンサートの前に声掛けて写真撮らせてもらいました。FB友達だしね。夏に彼の出るグラインドボーンのリナルドを聴きに行くのですが(第一目的はイエスティン君だけど、最近躍進目覚しいティム君も楽しみ)、もうすぐリハーサルが始るんだよと言ってました。でも、「明日はここでイエスティン君のリサイタルあるけど、また来る?」、と聞いたら、素っ気無く「No」ですって・・