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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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シューマンのオラトリオをラトル指揮のLSOで 

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<14th Jan Wed>

昨日までのコンサート&オペラ3連ちゃんが終わって一段落。

映画今日はトーチャンと映画館へ。The Theory of Everythingは、スティーヴン・ホーキングの半生を描いた作品で、すでにゴールデン・グローブ賞をモノにしたエディ・レッドメインがこれから男優賞を総なめすることが期待されてます。今や彼はイギリスでカンバーバッチと並んで(この映画のおかげで勝ってるかな)ホットな俳優です。邦題の「博士と彼女のセオリー」(→こちら )は全く頂けない題名ですが、日本では3月に公開だそうです。良く出来た映画で、なぜか涙が止まりませんでした。尚、トーチャンは大学時代、すでにサイエンス界では有名だったホーキング博士を他の人のノーベル賞祝い学内イベントで見掛けたことがあるんですって。それなのに、この映画より「パディントン・ベア」が観たいって言うんだもん。 今日は二人で行くと一人分無料ということで一緒に行く必要があり、エディを見たい私が勝ったけど。

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1月11日の日曜日はまずバービカンでシューマンの世俗オラトリオDas Paradies und die Peri(Paradise and the Peri)。


ケーキ19日に60歳になるSirサイモン・ラトルのお祝いということですが、実はトーチャンはラトルとは一日違いで60歳になるので(18日)、指揮台のすぐ後ろの最前列から彼の姿を拝めたのも何かの縁でしょう宝石ブルー。 「ラトルと僕とどっちが若く見える?」、なんて質問されても答えに困るんですけどね(笑)。


BBCラジオ3で生放送してて、1ケ月近くはiPlayerで聴けますよ(→こちら )。


  


パラダイスに入れて欲しい妖精ペリは、なにか特別なモノを持って来たら入れてあげるからと言われ、インド、エジプト、シリアを回ってやっと3度目の提出物「罪人の懺悔の涙」で合格するというアイルランドの詩人Thomas Mooreの作品に基づいたオラトリオですが、こんなにたくさんの人が舞台にいるのを見た事がない程の大スケールアップ(舞台を下から見上げる席からは後ろにいるコーラスの人たちはほとんどよく見えないので何人いたのかわかりませんが)。


エキゾチックな所が舞台の割には音楽には反映されてないのが意外&期待外れでしたが、忘れられたシューマンの名作であるとラトルは熱く語っている通り(ラジオで聴けます)、ロマンチックで壮大でこよなく美しい音楽で、誰でもシューマンを見直すでしょうメラメラ



カメラ以下の写真はクリックで拡大)


Schumann: Das Paradies und die Peri


Sally Matthews: soprano (Peri)
Mark Padmore: tenor (Narrator)
Kate Royal: soprano
Bernarda Fink: alto
Andrew Staples: tenor
Florian Boesch: bass
Soloists from the Guildhall School
London Symphony Chorus
London Symphony Orchestra
Sir Simon Rattle (conductor)



    


ワンピースまずは女性のドレスについて。


主役のサリー・マシューズの緑のドレスは既にバービカンで見たことあるのよね。美人の彼女がどんなドレスをご披露してくれるのか楽しみにしてたのにがっかりだわ。似合ってるけど、できれば同じ所では違う衣装にして欲しいです。


すらっと長身のケイト・ロイヤルは、こういう体型の人しか着られないデザインの紫色のレースのドレスでしたが、透けて見えるアンダーが黒だったのがちょっと・・。同系色の方が上品では?


他の二人に比べれば年は食ってるしプロポーション良いわけではないベルナルダ・フィンクの紺色のドレスが一番エレガントで素敵だと思いました。


    


ラトルのリードの元、全体的には素晴らしいパフォーマンスだったんですが、私が最大限に楽したかと言うと、これが色々不満ありで・・むっ


ペリ役のサリー・マシューズがたくさん歌うのですが、大健闘して細やかで文句のつけようはないのですが、残念ながら私は彼女のくぐもった声が苦手なので、うっとり聴き惚れる喜びからは程遠くて。トーチャンは「彼女のどこが嫌なんだ?!」って首かしげてたけど、これは好みの問題ですから仕方ないですね。


ナレーター役のマーク・パドモアは、ここ数年でまるで仙人のように枯れた容貌になってしまったけど、清々しい歌声は変わらず、美しく響き渡りました。でも、私からは遠い所に立ってて(って5メートルくらいですけど)、横から聴くしかなかったのは残念。正面で美声を浴びたかったのに。



          
フィンクもロイヤルもフロリアン・ボッシュも知名度に値する素晴らしいパフォーマンスでしたが、最大の失望は、ご贔屓テノールのアンドリュー・ステイプルズの出番がうんと少なかったことしょぼん


折角パドモアとは対照的な若々しくて澄んだ声が素晴らしかったのに、僅か数分だけだったもんね。パドモアとマシューズ程でなくても他の歌手は皆さんちょっとした聞かせどころがあったのにさ。

それでもこんなちょい役に最近躍進中の彼を出してくれたのは嬉しいけど、すぐ目の前にいるのに(歌わない時は座ってる)声が聴けないってのはフラストレーションよ。プログラムを見たら歌う場面が少ないのが最初から明らかで、ずっと出番を待ちわびてたわけじゃないのは救いでしたけどね。


ということで、主役が違うソプラノだったらもっと良かったのに、ということだけが残念なコンサートでしたが、この人数が生み出すド迫力は感動的でした。


翌日またバービカンに行ったのですが、打って変わって二人だけのシューベルトの冬の旅でした。



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