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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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キーシンのピアノ・リサイタル@バービカン 久し振りに絶好調

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3月20日、バービカンでエフゲニー・キーシンのリサイタルがありました。


1年以上も前に最前列の席(値段は上から2番目)が買ってありましたが、先回は65ポンド、先々回は70ポンドだった同じ席が、今回は48ポンドに値下がり。あまり高いと結局ダンピングしなくては天下のキーシンも売れないことがわかったのでしょう、年々値下げになるのが嬉しいです。因みに次回(来年3月10日)は今回と同じ48ポンド。


下がったとは言っても、数年前に比べたらうんと高いので、今回も最初はさっぱりでしたが、途中でプログラムをラフマニノフのプレリュードからショパンとリストにに変更したのも一因か、売れ行きは上々となり、1週間くらい前には舞台上に追加席まで売り出されました(以前の例からすると、値段はおそらく30ポンド前後)。去年6月はガラガラだったのに比べれると偉い違いで雰囲気自体も最初からマッチベター。


カメラ以下の写真はクリックで拡大)



Beethoven Sonata No 21 in C, Waldstein
Prokofiev Sonata No 4 in C minor
Chopin
Nocturnes Op 9 No 1 and No 3, Op 48 No 1
Mazurkas Op 6 No 1, No 2 and No 3, Op 7 No 2 and No 3, Op 41 No 1
Liszt Hungarian Rhapsody No 15, Rákóczi March

Evgeny Kissin piano



先回はえらく地味な演目の上にキーシンも絶好調とは言えず、次の切符をまだ買ってなかったら、value for moneyを考えたらそろそろキーシンも卒業かな・・、と思ったでしょうが、


幸い、今回は久し振りに素晴らしい演奏を聴かせてくれて、さすが天才キーシン、と感激クラッカー、横顔と鍵盤がばっちり見える抜群の席に座れた喜びを噛み締めました。


エンジンが掛かるのにいつもは少し時間が掛かるのに、今回は最初からこよなく美しい音色とタッチで、すぐに「良かった~、今夜は素晴らしいコンサートになるぞ」、と誰しもが思ったに違いないです。


前半のベートーベンとプロコフィエフは馴染みのない曲ですが、両方ともキーシンの良さ(左手の強さと華麗な超技巧)がよくわかる興味深い曲で、最初からこんなに華麗に飛ばして大サービスしてもらったような気分。絶好調のキーシンはまだ素晴らしい筈だからと見捨てずに毎回気合を入れてベストな切符をゲットし続けた努力が実ったことが嬉しいです。


後半は打って変わってショパンのノクターンで静かに始まったのですが、それがまた叙情的で麗しい音色で、シンプルな曲でも好調の時はタッチの一つ一つが神掛り。すぐ目の前なのでキーシンの唸り声や去年から始まった歯をカタカタ鳴らす癖はやはり多少気になりましたが、こうして静かな部分こそ肩に力が入って思い切り苦しむ姿も毎度お馴染みの彼らしさ。


そしてマズルカで徐々に激しを増して、最後はリストを彼の独壇場である神業テクニックで華やかで締めくくり、やっぱり凄~い、凄~い!、これをこれだけ興奮して聞かせるピアノニスは他にはいないわ、と心臓バクバクラブラブ


アンコールは3曲で、最初はショパン、次は不明だけどリストかしら、最後はプロコフィエフ。


その日の出来によって彼自身のカーテンコールの表情が違うのですが、今回は嬉しそうなキーシンでした。インターバルに見掛けたお母さんと年配の先生もとても喜んでるようだったし、次回もまた皆さん元気で彼を見守って下さればと願ったことでした。


    


ブーケ1私の斜め後ろに座ってたマダムが放り投げた赤いバラの束を見つけて嬉しそうなキーシン。2列目なんだから手を伸ばせば彼に手渡せるのにね。って、私こそ彼から一番近い位置にいるんだから、ブーケでも持ってくればよかったかしらん? キーシンのリサイタルにはたいてい着物で行ってるので、なんとなく「あ、又キモノの人がかぶりつきにいる」、というキーシンの視線も感じたわけだし。


     

     

メモそして、これは自分でもなかなかの記録だと自負してもいいのではないかと思うのですが、この17年間のロンドン公演を見逃したことはほとんどない筈の私、10年近く前にブログをはじめてからのコンサート記事をリストアップしておきましょう。日付をクリックすると記事に飛びます。


<リサイタル>いずれもバービカン

2006年3月  写真もないしあまり覚えてない  

2007年3月  ショパンが素晴らしかった

2009年6月  カーテンコールの憂鬱な表情が痛ましかった

2011年2月  生誕二百年のリスト尽くしは大迫力

2012年3月  なんか精彩がなかった

2012年11月 重い演奏でぱっとせず
2014年6月  地味な演目で彼の良さも出せず、席もガラガラ


<with オーケストラ>

キーシン&LSO 2006年9月 バービカン

キーシン & LSO 2007年9月 バービカン

キーシン & Philharmonia  2008年1月 RFH

キーシン& LSO 2013年12月 バービカン


<番外>

歌の伴奏  2008年10月 バービカン なんとキーシンがロシア人バリトン、ディミトリ・ホロストフスキーの歌の伴奏を! カーテンコールで珍しく大はしゃぎだったキーシン。




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