<27th June Sat>
夏! 晴天! 日向にいるとジリジリ暑いなんて日は滅多にないですよ、イギリスでは。 友人のお庭でのバースデー・パーティーも楽しかったし、夜行ったオペラ(また椿姫)も素晴らしくて、良い一日でした。
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6月24日は待ちに待ったマシュー・ポレンザーニのリサイタル ロンドンにはたま~に来てくれるポレンザーニをROHで聴いたのはたしかコジ・ファン・トゥッテ、ドン・ジョバンニ、マノン、イドメネオですが、大ファンなんです
かぶりつき席持ってた先回のリサイタルはキャンセルされちゃってがっかりしたけど、今回も首尾よく最前列ど真ん中を確保。と言っても、希望通りの席をあてがってもらうのは簡単だったのではないかしら(ここのフレンズ予約は席が選べないので文面でリクエスト)。
小さなホールなのに空席が目立った程切符の売れ行きが悪かったのは地味な選曲だけではなく、Wigmore Hallの常連客はあまりオペラに行かないのか、アメリカでは花形テノールであるポレンザーニのことを知らないんでしょうね。勿体無い。この1週間前に行ったここの主のようなイギリス人テノールのマーク・パドモのアのリサイタルはもっととっつきにくい曲だったのにほぼ満席でしたけどねぇ。
Julius Drake piano
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Adelaide Op. 46
Franz Liszt (1811-1886)
Wie singt die Lerche schön S312
Der Glückliche S334
Die stille Wasserrose S321
Im Rhein, im schönen Strome S272/1
Es rauschen die Winde S294
S'il est un charmant gazon S284/1
Enfant, si j’étais roi S283
Comment, disaient-ils S276
Oh! quand je dors S282
<interval>
Erik Satie (1866-1925)
Trois Mélodies
Maurice Ravel (1875-1937)
Cinq Mélodies populaires grecques
Samuel Barber (1910-1981)
Hermit Songs Op. 29
ポレンザーニのコントロールの素晴らしさは相変わらずだけど、彼の甘い声にドイツ語は向かないと思うし、ドイツ語の発音も下手に聞えちゃったような。大きな声で張り上げるベートーベンは小さなWigmore Hallでは響き過ぎだったし。 リストもドイツ語よりもフランス語の歌の方がずっと良かったし、優しい裏声は私にはツボでした
アンコールは2曲で、最初はおそらくReynaldo HahnのLa Biondina in Gondoleta。金髪娘がゴンドラで居眠りするこの唄、たしかここで割と最近誰かが唄ってくれたなあ、と思ったら、今年4月のアンドレアス・ショルでした(→こちら )。イタリア民謡とかカンツォーネが大好きな私はショルの時もそれが一番良かったと書いてあるけど、ポレンザーニもこれに一番うっとりでした。ポレンザーニの甘い声はやっぱりイタリア語がしっくり来るんですよね。
「やっぱりイギリス人作曲のを歌わなきゃ」、と言ってFrank Bridge作曲のを最後に歌ってくれましたが、そんなのよりもイタリアンなヤツで更にうっとりさせて欲しかったわ。
曲の間に説明やお喋りもしてくれたユーモア溢れるポレンザーニのおかげで、ウィグモアにしては明るいムードのリサイタルになり、とても楽しめました。
終了後は舞台裏のグリーン・ルームに押し掛けて(誰でもウエルカムですから)、「イドメネオの貴方は素晴らしかった、7回も行ったのよ~」、と言いながら密着写真
4月の来シーズン説明会でパッパーノ大将が「ポレンザーニはクシェイの演出が嫌いで怒ってた」と言ってたので、それは本当かと聞いたら、きっぱりイエスと そのせいでキャンセルしないでくれてよかった・・。
プロダクションと言えば、他の人に「今やってるROHのドンジョバンニは素晴らしい。今まで観た中でベスト」、と言ってたのを聞いてびっくり。そうかなあ・・・
ドン・ジョバンニ、彼は先プロダクションで出たことがあるのですが(2013年→こちら )、その時ドンジョバンニだったジェラルド・フィンリーもいました(フィンリーは来週始まるギョーム・テルに主演)。