<26th July Sun>
先週はフルに出勤。日中空いてる時間に何するのか考えてなくてもいい分、ある意味楽でいいわ。そういう忙しい週の後は家でごろごろしてても罪悪感ないのも良いし、今週末はどうせ天気も悪くて、うちが使う地下鉄は不通だし、ちょうどよかった。
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ロイヤルオペラのシーズン終了後、去年と同じくウェールズからWelsh National Operaが引越公演に来てくれました。
演目がピーター・パンということで子供もたくさん来てましたが、オペラのことは次の記事で書くことにして、今日はタイトルロールのカウンターテナー君についてだけアップします。
7月24日のピーター・パンには予備知識ゼロで臨み、大した期待もしてませんでしたが、嬉しい驚きがありました。
主役がイギリス人のカウンターテナー(以下CT)で、しかも名前がイエスティンってのがまず驚き
だって、Iestynなんて滅多にない珍しい名前の人が、まさか大のご贔屓CTのイエスティン・デイヴィスと同じくCTになるなんて、確率からいったらメチャ低いでしょ?
フルネームはIestyn Morrisイエスティン・モリスなので、ここではとりあえずモリス君って呼ぶことにして、
うんと若く見えるけど、経歴からすると30代かもしれないモリス君は、子供の頃から歌っていたけど、一時は歌の道を諦めたのか大学で機械工学を勉強(イギリスのオペラ歌手には他のことを勉強した人が多い)。でも、やくざな道でもやっぱり音楽で身を立てようと、ギルドホール音楽学校で先輩CTアンドリュー・ワッツ(去年ENOのセルセで見たけど、歌もルックスもグーでした)の指導で研鑽。
モリス君の少年っぽいルックスがピーター・パン役にぴったりなのが採用された理由の一つでしょうが(「子供のためのオペラ」ってことなのでこれは大事)、歌も演技も大健闘して立派に主役を務めました
CTは下手をすると女の腐ったような声になってしまうのですが、幸い彼はそっち系ではなく、ふくよかで嫌悪感を感じさせない私好みの声質で、低音が何回か地声になってしまったのはテクニック不足なのかCTには無理な低すぎる音域のせいかはわかりませんが、ROHのような大きな劇場はCTにとって難関でしょうにそう無理しなくても大丈夫だったし、将来有望でしかもこんなカワイイ子がイギリスCT界にいたのはCT好きの私にとってはビッグニュース
3年前にポーランドで歌ったヴィヴァルディの有名な"Cessate, omai cessate" がYoutubeにあるので、興味ある方はご覧下さい (→こちら )。
現代オペラであるピーター・パンは少々前衛的なので、いつかこういう古典でモリス君を生で聴いてみたいものですが、しばらくはピーター・パンで忙しそうなモリス君、今年暮れにシュトゥットガルトでこのオペラの別のプロダクションにドイツ語で出演しますよ。
尚、ROHで見たウェールズ版ピーター・パンは、今年5月のウェールズでのオペラ全体の録音がYoutubeにあり(→こちら )、動画ではないですが、場面ごとの写真もたくさん付いててわかりやすいので、ご興味ある方はどうぞ。宙釣り場面もたくさんあるし、子供も喜ぶ楽しいプロダクションです。
というわけで、こんな可愛いカウンターテナーがイギリスにいたなんて新発見でホクホクの私! これでロンドンでも認められたでしょうから、まずはイギリス国内で歌いまくって欲しいものです。
ところで、元祖イェスティン君(Iestyn Davies)は先週グラインドボーンのヘンデルのSaulの新プロダクションがオープンし、評判上々 来週末に観に行きま~す
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