<28th July Tue>
さることがきっかけで「世界の日本人妻は見た」、をYoutubeで見まくってる今日この頃。同じヨーロッパでも「ヘー、そうなんだ!」と思うこともあって興味深いTV番組です。
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ロイヤルオペラが夏休みに入った後、去年に引き続き又今年もウェールズからWelsh National Operaが来てくれたので、7月24日、ピーター・パンを観に行きました。
Richard Ayres作曲の現代ものですが、「8歳以上の子供のためのオペラ」という謳い文句のオペラって、一体なんなの? ミュージカルみたいで、マイク使うのかしら?
とかなんとか、敢えて予備知識ゼロで観に行ったところ、
ちゃんとしたオペラ歌手が歌うなかなか本格的なオペラで、子供役も全て大人が歌い演じます。一回でぽしゃってしまう新作オペラも多い中、これはすでに二つのプロダクションってことは成功してるってことでしょうが、不協和音とか出てこなくて小難しい感じはしないものの、やっぱりちょっと前衛的ですから、子供にはどうなんでしょうか?
初めてオペラを観る子供に「こういうのがオペラなのか・・」、と思われてしまうと、一体次にいつオペラを観ようと思ってくれのかしら、と心配になります。
今年5月のウェールズでのオペラ全体の録音Youtubeにあり(→こちら)、映像ではないですが、場面ごとの写真もたくさん付いててわかりやすいので、ご興味ある方はざっと聴いてみて下さい。
プロダクション
演出はまるでディズニー映画を観てるようにまともで楽しくて、ビジュアル的にはたくさん来てた子供も喜んでたし、ヘンテコリンな読み替え演出ばかりでうんざりしてる大人にとっても却って新鮮で楽しめました。
なんかずっと暗かったのが残念ですが、空を飛ぶ宙釣り場面も多く、仕掛けが見えてしまうのもまずいので背景を明るくするわけにはいかないんでしょうし、ダークな色調がROHのリングサイクルの演出家でもあるキース・ウォーナーの好みなのかな。
子供たちの中では一番お姉さんのウェンディのマリー・アーネットは遠くから見れば少女に見えるし、はっきりしたよく通る声で、私はこの日ベストな歌手だと思いました。
末弟役の小柄なソプラノ、レベッカ・ボトンは何度か聴いてますが、私の好きな突き抜ける細い声が今回も冴えてました。
海賊の手下役は久し振りのマーク・ル・ブロックじゃないですか。私、このテノール好きです。もっと下手なテノールがROHでしょっちゅう良い役やってるのに、地方中心でしか活躍してないのは勿体ないし、運が悪いのかしらね。来年のWelsh National Operaの引越公演にも出てくれるようなので楽しみ。
お父さんと海賊キャプテン・フック二役のアシュリー・ホランド、名前聞いたことあるけど、バリトンに興味ないので覚えてませんが、漫画チックな芝居となかなか立派な歌唱力がなかなか良かったです。
唯一残念だったのは、お母さんとタイガー・リリー二役のアルト、ヒラリー・サマーズが不調だったことで、この人バービカンで聴いた時は凄いで迫力だったのに、この日は情けないくらい細い声でした。
2回だけの公演だったのですが、短い上に歌の部分が少ないオペラとは言え連夜だったので歌手たちは大変だったでしょうが、切符はほぼ売れ行れてて、ROHにしてはうんと低めの設定だった値段(最高で75ポンド、但し子供割引はなし)だったので子供たちもたくさん来てくれて大成功
カウンターテナー好きの私はチャーミングなもう一人のイエスティン君が大収穫のウェールズからのお客様御一行でした。
来年も楽しみにしてますね(→こちら )。
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