<12th Aug Wed>
今夜はmeteor showerペルセウス座流星群。 私は10分くらい夜空を見上げて一つだけ綺麗な流れ星が見えましたが、もっと田舎だったらもっと空が暗くてよく見えるんでしょうね。今日の記事にも関連しますが、どこに住むかで色んなことが違ってきます。
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グランドボーンのことばかり書き連ねた後はさすがにオペラから離れたいので、2週間以上も前になりますが、ナショナル・トラストのRed Houseに行った時のことを書いておきます。
7月30日に行ったレンガ作りのRed Houseは、ケント州のベクスリーヒースにあるウィリアム・モリス(1834-1896)の家ですが、生活と芸術を一致させようとするモリスのデザイン思想を実践させた建築と内装と家具で、家自体がまるで芸術作品(→こちら )。
植物柄の壁紙等で有名なモダンデザインの父であるモリスが新婚時に友人の建築家フィリップ・ウェッブと協力してデザインしたカントリーハウス風の大きな家ですが、中世に憧れたモリスの趣味が細部に散らばった前ラファエル派趣味を体現したユニークな屋敷で、モリスのファンであれば感激間違いなし。
私は特に興味があるわけではなかったですが、ここを訪れたら俄然親近感が沸いて、モリスのことをもっと知りたくなりました。 アートパスで入場無料なので行ったのですが、きっかけとなったアートパスに感謝です。
写真をご覧頂ければその素晴らしさはわかって頂けると思うのですが、芸術的にも歴史的にもこれだけ重要でありながら、残念な点もある惜しい建物かもしれません。
まず、アトリエ兼住居としてここで一生住むつもりで建てたのに、186年からたった5年間した住まなかったので有効活用できなかったことで、その理由は、いつの時代にもジレンマの原因になるであろう職場と住居の距離。 ロンドン都心に会社があったモリスは通勤地獄に耐えられず、結局便利はロンドンに舞い戻ったようです(今ではロンドン・ブリッジ、ビクトリア駅等から電車で40分)。
モリスがここにずっと住んでいれば、彼の死後もそれなりに保存されたのではないかと思うのですが、すぐに見捨てられたこの家はその後たくさんの人の所有となり、勝手に改装されちゃうんです。 中でもバーン=ジョーンズの壁絵を白い壁にしちゃうって犯罪じゃないですか それを今少しづつ剥がして修復作業中なのですが、時間も費用も大変だし元通りには戻りません。
まあ、解体の危機にさらされながらもなんとかこれまで生き残り、2003年に匿名のお金持ちが買ってナショナルトラストに寄付してくれて安泰なのが救いで、何年か先に再訪問したらきっと修復が進んでいるでしょうから楽しみです。
以下の写真はクリックで拡大
この日の夜は、さる音楽大学でヘンデルのセルセを観たのですが、そこで興味深い若いカウンターターテナーを発見したので、すみません、次の記事は又ヘンデルとカウンターテナーになりそうです。
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