ち<15 Aug Sat>
爽やかな良いお天気だったので、ロンドン南の高級住宅地ダリッチDulwichまで足を伸ばしてたっぷり歩いて来ました。絵画鑑賞もできて一石二鳥。
オペラもコンサートも夏枯れの今日この頃、2週間前に観たオペラを思い出しながら書いておきましょう。
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写真はクリックで拡大
Longborough Festival Opera
イギリスには田園風景の中でのオペラ・フェスティバルがいくつかあり、今年はグラインドボーンとグレンジ・ヒルに行ったわけですが、私が知らないのもきっといくつかあり、その中の一つであるロングバラ・フェスティバル・オペラ(→こちら )がロンドンで一回だけ引越公演をやってくれました。
ロングバラはコッツウォルズにあり、その近くに住んでるムスメのボーイフレンド君のお母さんにちょっと前に会った時、「今年はロングバラにトリスタンとイゾルデを観に行くんだけど、出演歌手で知ってる人いる?」、と聞かれたので全ての演目の出演者をチェックしたところ、案の定知らない歌手ばかりでした。
なので、レベルは大して期待できないとは思いつつ、しかも、これは若手歌手による特別扱いの演目だったので更に期待度が下げりましたが、7月30日、ウィリアム・モリスの家(→こちら )に行った後にロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックに行ってみました。
なんせ、大好きなヘンデルだし、カウンターテナーなら誰でも気になる私にとって、オンラインブッキングにこんな写真が載ってちゃ、「お~っ、これは見逃してなるものか」、ってことになるのは当然でしょ?
Jake Ardittiって聞いたことない名前だけど、目付きが色っぽいじゃないの
でも、行ったことのない劇場のせいか、はたまたトーチャンもCTが気になるのか(決して嫌いではなさそう)、行きたいと言うので、二人分では高い切符は買えず、一番安い10ポンドで妥協 (一番高いのは40ポンド)
Royal College of Musicはロイヤル・アルバート・ホールから通りを隔てた所にあり、折りしもプロムスの真っ最中ですから賑やかで活気ありました。
でも、大したアーチストも出ないのに、当日アリーナ券を求めて思ったよりも早くから並んで待ってる人がすごく沢山いたのにはびっくりで、機会があれば私も思ってましたが、これ見てメゲてしまい、今年もまたラジオとテレビで楽しむだけになりそうです。
とても素敵な建物であるRCMの中に入ると、これ又クラシックで良い雰囲気。4年前に東北震災チャリティコンサートが行われたホールもこんな感じで立派でした(→こちら )。
しかし、残念ながら今日は1980年代に建てられた離れであるブリテン・ホールBritten Hallで、ロビーは狭苦しくてぎゅうぎゅう詰め・・
中はまあまあの感じですが。
パフォーマンス
セルセXerxesは古代ペルシャのクセルクセス王のことで、婚約者がいるのに弟の恋人に恋をして回りを引っ掻き回すというコメディ仕立てのオペラで、今回の演出はコパカパーナ風のキャバレーが舞台
Jeremy Silver conductor
Jenny Miller director
Faye Bradley designer
Dan Saggars and Andy Bird lighting designers
Michael Spenceley choreographer
Rebecca Hanbury assistant director
Tim Hawken repetiteur
Jake Arditti Xerxes
Tai Oney Arsamenes
Lucinda Stuart Grant Amastris
Jon Stainsby Ariodate
Abbi Temple Atalanta
Alice Privett Romilda
Matthew Durkan Elviro
ブログ記事にはしてないけど、去年か一昨年ENOで、そして今年春にハイゲートのパブでハムステッド・ガーデン・オペラ版を聴いてるんですが、その両方とも英語翻訳だったので、今回やっとイタリア語で聴けたのが嬉しかったです。
ENOはアリス・クートとアンドリュー・ワッツ(CT)だったのでそりゃレベルは高くて、それと比べちゃ可哀相ですが、ハイゲートの経費超節約演出の英語版の方が全体としては楽しめた気がします。ハイゲートの女性歌手は皆さん上手だったけど、このロングバラ版はひどかったので・・。
カウンターテナー二人はなかなか上手だったのが救いでした。
弟王子のタイ・オネイ君は声量もあって黒人らしい特徴ある声なので、それを個性として売り物にできるでしょう。私の好きな声ではないですが。
そして、肝心のジェイク・アルディッティ君はどうだったかと言うと、
高音が低音までむらなく出て声量も立派、コロラチュールもちゃんとできて、テクニック的にはかなり立派だったので、「ワーイ、先月のピーター・パンのイエスティン・モリス君(→こちら )に続いてまた有望なイギリス人カウンターテナーをめっけ~っ」、と嬉しくなりました
ジェイク君の声質はフィリップ・ジャルスキー系で、私の好きなタイプとは言えないのでイエスティン・モリス君の方が好きですが、期待通りの色っぽい目付きで傲慢な王様をセクシーに自信たっぷりで演じた見事な主役ぶりには拍手です。
経歴によると(→こちら )、ギルドホールとRCMで勉強したジェイク君は、ロングバラとアン・デル・ウィーンでリナルドの主役もしたこともあるそうで、後者は代役だったのかもしれませんが、華があるので大きな劇場でも舞台映えはするでしょう。前半はランニングシャツ姿でしたが、ちょっとした筋肉マンでしたよ。名前からいくとイタリア系なのかもしれないのが色気のある理由かもしれませんね。
アイシャドウも濃くてカーテンコール写真だとなんかオネエ風にも見えますが、女装させたら綺麗に決まってるし、清潔な好青年揃いのイギリスCT界にもこういう妖しい色気を持った若い子が出てきたのは刺激的
ご興味ある方は、生とはかなり違う声にしか聞えないけど、ジェイク君はこちらのyoutubeでお聞きください(→ こちら )。
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