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アラーニャ出待ち
<23rd Nov Fri>
今朝はROHサポートフレンズ予約開始。カウフマンやフローレスも希望の(安い)席を無事ゲットできてハッピー。帰宅したのは12時過ぎですが、手短に出待ちの様子をレポートを。クリックで写真は拡大します。
愛の妙薬、アラーニャが出る日は全て押さえておいたのですが、あれこれ用事ができて行けない日も多く、今日がやっと2度目(公演自体は4回目)。
アラーニャの出来はまあまあってとこでしょうかね。
明日は土曜日で寝坊しても大丈夫なので、ステージドアで出待ちしてみました。
なんと今日は中に入れてもらえず、ずっと外で待たされました。こんなことは初めて
雨じゃないし暖かい日なので気になりませんでしたが、暗くてフラッシュ無しでは写真が撮れないのが嫌だわ。
クルチャクは舞台で見るより綺麗で、意外に背も高い。
30分ほど待ったでしょうか、最後にスター然としてアラーニャが登場
20、30人が待ってる中で「さあ、サインしてあげるよ~」
「喉冷やしちゃいけないから、ほら、マフラー巻きな!」
首は温めても、胸毛が見えてるよ~
狭いところでひしめきあっているのですが、強引にツーショット。アラーニャは、「ハーイ!」、と大袈裟に喜んで抱きしめてくれて、頬にキスしてくれました
何度か着物で会ったことある私のこと、覚えててくれたのかな?
と、思わせるところはさすが愛嬌ふりまきのプロだ。
もし覚えててくれたとしたら、それは着物の威力ですけどね。
記憶はないけど、私ったら、しっかりロベルトの手を触ってる~
ホロ妻(ホロストフスキーの奥さん)もなぜかずっとそこにいましたが、やがてENOのカルメンが終わったリュクサンドラ・ドノセ嬢が到着。近いから歩いてきたのでしょうが、舞台よりプライベートの方がずっと美しいです。(ちょっと前にバービカンの「スペインの時間」で聴いた上手なメゾです→こちら )
ここで待ち合わせて、これからアラーニャとディナーにでも行く仲良しの雰囲気でしたよ
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白鳥の湖
<25th Nov Sun>
バルトリ、キーシン、ミュンヘン旅行、ローエングリンと書くことが溜まりに溜まっているというのに、なぜか昨夜観た白鳥の湖のことを書く私。バレエは疎いので観にいっても書かないことが多いし、これも今日やらないと記録に残せず終いになるし、色々な思いがよぎった公演だったんです。
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ドル箱のSwan Lake、ROHでの公演回数を見たら、なんとこれが984回目。バレエは演目が少ないとは言っても、オペラは全く敵わない凄い数だし、いつものように今回も全パフォーマンス売り切れです
(cast listはクリックで拡大してご覧下さい)
バレエにまで行きだしたら毎日ROHに通う羽目になるわけで、そちらのアリ地獄には引きずり込まれないように水際で踏ん張ってるんですが、
でも折角だし、ROHの白鳥を見たことがないトーチャンにも見せてあげようと思って、一回分だけ買いました。いつかタマラ・ロッホでと思っていたところ彼女が退団してしまったので、アリーナ・コジョカル組にしました。(尚、タマラの代役はなんと結局ナタリア・オシポワだったので、タマラの日を買っておけばよかったと後悔したけど後の祭り)
アリーナ・コジョカルのスワンは5年前に怪我でキャンセルされ、代役が私の嫌いなロベルト・マルケスになってしまい、ドタ足で観るに耐えないオデット姫で我慢したことがあるので(→こちら
)、今回はどうかコジョカルが出てくれますようにと祈ってました。
その甲斐あってか、元気に踊ってくれたのですが、でも、最近のコジョカルは見る度に筋肉が立派になり、服着てればわからないけど、この衣装では隠すこともできず、もちろん胸もぺたんこだし、頬もこけて角張ってき顔にけばい化粧で、まるで男性で、男性パロディ版に出てきても違和感ないくらい。
他の皆さんの女性らしい体型の中で、ビジュアル的に主役が肌もきれいじゃなくて一番魅力ないというのも問題じゃないですか?オペラと違って、バレエはひたすら美しくあるべきなんですから。
マシュマロみたいに体中やわらかそうで、ふっくらほっぺの笑顔が可憐だった、あのアリーナちゃんはどこに行ってしまったの
踊りはもちろん余裕で充分上手だったけど、でも、白鳥と黒鳥でもっと表情も体も動きも変化を付けて欲しかったような気もするし、ROHスワンでは数年前に観た吉田都さんの方が技術的には上だったかな。
もっとも、この日のコジョカルは、例の32回転も(数えてなかったけど)音楽よりも早く着地してなんだか短かったので、コンディションが完璧ではなかったのかもしれません。それでも、前回観たスワンの産休明けザナイダ・ヤノウスキーが最初から32回転などやろうともしなかったよりはうんとましでしたけど。
私生活でもコジョカルとは婚約中のヨハン・コボルグの王子様がまたビジュアル的にちょっと問題で・・・
カツラ被ってて遠目には若々しくみえるでしょうが、近くで見ると(私は舞台横の席からさらに双眼鏡使用)、化粧のせいかもしれないけど不気味なくらい目が異常に吊り上ってて不自然。
元々小柄で見掛けはぱっとしないコボルグだけど、実は私はかつての彼のシャープな回転やジャンプのファンだったんです。今でもまだ立派に踊れるとは言え(一回だけちょっとよろけたけど)、やっぱり切れ味は薄れたコボルグを見ながら、前日観たオペラ「愛の妙薬」のロベルト・アラーニャにも思いが馳せたことでした。トップだった二人に年齢ゆえ(でしょう)の蔭りがみえはじめたのを目撃するのは哀しさと感動とその他もろもろで複雑な気持ち
脇役の中では、その他大勢のスワンの中では中心的存在の小林ひかるさんが光ってました。長年ウォッチしてますが、最近上手になったという専らのうわさ。優雅でしっとりとして素敵だし、ご主人でプリンシパルのフェデリコ・ボネリは男性ダンサーの中では今私が容貌も踊りも惹かれるダンサーなんです。いつか二人が主役のバレエを見たいです。(あ、でも、そんな日が来たら、バレエ地獄にはまってしまうわ)
日本人ダンサーにどうしても目が行ってしまうわけですが、長身の平野亮一さんは酔っ払う役もやったし、違う意味で目立ってました。 他には蔵健太さんと金子ふみさんが出演。
尚、バレエの舞台は奥に広がってて、いつもの横から眺める席からは舞台の半分以下しか見えず、これでは観た事にならないでしょうが、私は(オペラも同様)張りぼてセットを観るために行くわけではないのし、やはりこの近い席が好き。ダンサーの表情はよく見えるし、どんな小さなトゥシューズの足音も聞えて時には呼吸の音すら感じることもでき、努力すれば人間ってこんな凄いことができるんだという感動を身近に感じるのが魅力 これからもたまに行ってみましょうかね。
この日は珍しくオケが上手だったのも特筆すべきかしら。さすがROHのバレエ指揮者ではピカ一のバリー・ワーズワース。
さて、この後リアルタイムと思い出しい記事を交互に書いていく予定ですが、どれどれ来週はどんな予定かというと、ウィグモア・ホール2回(両方ともCTのイエスティン君)と愛の妙薬の3回。風邪ひかずにあれこれ(仕事も)頑張りましょう。
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ミュンヘン旅行その1 絶景! オーストリアとの国境近くの山と湖
<26th Nov Mon>
大雨で洪水の被害がイギリスのあちこちで発生してます。ロンドンは今のところ大丈夫ですが、なんせ天災に弱いこの国のこと、どうなるかわかったこっちゃないですから、明日のウィグモア・ホールは着物の予定でしたが、やめとこ。カウンターテナーのイエスティン君を最前列でかぶりつくんですが、着物でなくても彼は気付いてくれる筈
お待たせしました。やっとミュンヘン旅行記のスタートです。写真を選ぶのが一番手間なんですが、週末に頑張ったので、どんどん行きま~す
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写真はクリックで拡大します
11月17日から19日までの2泊3日のミュンヘン旅行、まずはオペラ鑑賞と並んでこの旅のハイライトだった最初の日のことを書きましょう。
前の晩はスタンステッド空港のホテルに泊り、朝4時半起床、7時10分のイージージェット便で出発。飛行時間1時間半でミュンヘン空港に到着し、意外に入国検査で手間取った後(私は質問すらされずスムーズに入れたけど、引っ掛かってた人がいたので)、遠いのに空港まで車で迎えに来て下さったミュンヘン在住のブログ仲間のお二人と会えたのは現地時間の10時過ぎ(時差1時間)。
3年前にオペラ遠征でロンドンにいらした時に初めてお二人にお会いしたのですが、sarahoctavianさん(→こちら
)とはそれ以来、Zwinkerさん(→こちら
)は今年9月にイギリスでお会いしたばかり。ブログでお互いの近況はわかっているし、すぐに話が弾みます。
Zwinkerさんの運転で、ロンドンからご一緒した翻訳家の高月園子さん(ドレスデンとヴェローナにもご一緒しましたが、とても面白いエッセイ本も出版してらっしゃいます)と4人、ミュンヘンの横を通り過ぎ、スイス風コテッジをすっきりさせたような可愛い家ばかりのバイエルンの美しい田園風景の中、楽しくお喋りして、あっという間に2時間近くたち、保養地バート・テルツ近くのヴァルヒェン湖(Walchensee 800m 水深190m)に到着。
お二人の予想通り、平地は霧だったけど、ここまで来るとピッカピカの快晴で最高の遠足日和
まずロープウェイでヘルツォークシュタント(Herzogstand1731m)の中腹まで行き、そこから歩いて頂上まで軽く登山するというスケジュールなんですが、その前にまず腹ごしらえしましょう
お二人が選んで下さった4種類の郷土料理をシェアしてあれこれ少しづつ頂けたのもありがたいことで、白ソーセージ、ウィーン風カツレツ、ローストポーク、パスタのチーズ焼きでしたが、全て美味しかったです。名物の白ビールも冷たくてグー
この気楽な山登りはミュンヘンっ子に人気だそうで、こんなお天気の良い週末ですから当然混んでるんですが、山小屋風のレストランの野外テラス席に運よく座れました。優しい秋の太陽を浴びながら、山と湖を見下ろしながらランチできるなんて、ラッキ~、ヤッホ~
白ソーセージは湯に浸かったお風呂状態で登場 ちょっとカマボコみたいな歯ごたえでした
さあ、てっぺんまで登りましょう
暖かくて風もなく、これ以上は望めない快適なハイキング日和。でも、ビールだから大したことないとは言え、アルコールを飲んだ直後に標高1700m以上で山登りするのはややり良くなかったのか、登りはじめる前から異常なほど激しい胸の動悸がして、頂上までの30分、心臓バクバクでハアハア
レストランから見えてた十字架(教会の十字架ではないけど)
空気が澄んでいれば見渡せる北方50、60キロのミュンヘンは残念ながら見えませんでしたが、頂上からの360度のパノラマは素晴らしいの一言で、特に南方向の雪を頂くオーストリアのアルプスは山の無いイングランドに住む私には眩しいばかりの絶景
この深い湖は充分青くて美しいですが、春秋にはコバルトブルーでもっと綺麗なんですって。いいなあ、こんな所が近くにあって。
聞こえてくるのはドイツ語ばかりという地元の穴場ですから、地元の方に連れてきて頂かなくては来られませんよ、とても。
と思ってたら、なんとドイツには何度かいらしたことのある高月さんが
「あっ、私、ここに来たことあるわ!」、と。
登ったのはすぐ隣に見えてる山だったのですが、さすが旅の大ベテラン!
でも、いらしたのは随分前で季節も違うし、懐かしさで更に喜んで頂けたようです。
晩秋で日が短いので夕方は早く来て、黄昏の景色も風情あるでしょ。 あちこちに像のあるルードヴィック2世。ワーグナーがお世話になった色々問題ありの王様です。
ミュンヘン旧市街のホテルまで車で送って下さったのですが、6時過ぎにはもう真っ暗。
夕食のお店を探しながら歩いて、結局、ホテルの隣にあるバイエルン料理屋さんハクセンバウアーHaxenbauerへ。地元のお二人のお勧めレストランで、私たちのような観光客にはどんぴしゃ。
お昼に食べた白ソーセージとは全く違う普通のぷりぷりソーセージにしましょうか。たっぷりザワークラウトを添えて。
ミュンヘン旅行記、次はホテル編です。
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イエスティン君がスピノジ指揮でヘンデル尽くし
<28th Nov Wed>
寒波が来ました。これからもっと寒くなるんですって。やだやだ。
今夜は愛の妙薬を観に行ってたので(えっ、又? はい、3回目でした)帰宅が遅かったんですが、頑張って、昨夜のイエスティン君のコンサートのことを大急ぎで書いてしまいましょう。彼はこのブログのことも知ってて、写真を楽しみにしてくれてるかもしれないしね。
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Photos will be enlarged by clicking
11月27日、ウィグモア・ホールにイギリス人カウンターテナー(以下CT)のイエスティン・デイヴィスを聴きに行きました。
最近人気が出てきたので売り切れでしたが、今シーズンはウィグモアに4回出てくれる彼のために100ポンドもするウィグモアのサポートフレンズになった甲斐あって、最前列が取れました。
CTを生で聴いたことがないというトーチャンも連れてってあげたら、amazingと感動したようで、昨夜BBCラジオ3で生放送されてたんですが、今日早速iPlayerでまた全部聴いて、更にイエスティン君のTwitterまでチェックしたら、インターバルにペチペチやってたんですって。ネット狂のイエスティン君らしいわ。
こないだまでメトのテンペストで共演してたサイモン・キーンリーサイドも聴きにきてましたよ(前日にサイモンはマスタークラスやったんですが、都合がつかなくて聞きにいけず残念)。
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ミュンヘン旅行その2 ホテル2軒
<29th Nov Thus>
相変わらず寒いですが、今日は青空で気分よし。
一昨日のイエスティン君のコンサートのラジオ放送をiPlayerで聴きながらブログ書いてますl
もうすぐはじまる年末恒例のROHのバレエ「くるみ割り人形」で、日本人ダンサー金子ふみさんが代役で金平糖役に大抜擢!(1月15日) ふみさんの成長振りは最初からウォッチしてて将来有望なのは明らかでしたが、それにしても入団3年目にしてこの快挙! 小林ひかるさんも最近躍進目覚しいし、日本人が大活躍してるロイヤルバレエです。大晦日には高田茜ちゃんのくるみを観にいく予定。
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3泊旅行(空港1泊&ミュンヘン2泊)のホテル2軒はこちらですが、どちらも快適で満足でした
スタンステッド空港
格安イージージェット便は翌朝7時過ぎ発なので、前夜はスタンステッド空港のホテルに泊りました。フライト購入時に予約支払いするとうんと安くしてくれるみたいで、往復航空券と4つ星ホテル一泊込みで£121.56だったのはお得で、これからはトーチャンと旅行する時もこの手が使えるかも。
4ツ星ホテルラディソン・ブルーRadisson Bluはスタンステッド空港に隣接してて、空港から歩いて行けるというのが不可欠ポイントです。3年前ベルリンに行った時の悪夢(→こちら
)。ホリディインのシャトルバス満員事件)を繰り返したくないですから、絶対に
リバプールストリート駅からバスで1時間半。会社のすぐ前が乗り場なので私にはとても便利で、バス代も格安オファー(二人で£10.55)。
ご一緒した高月園子さんとはいつもお互いリラックスできるようにお部屋は別々。なので、ダブルベッドで手足を伸ばして贅沢気分を味わいながら、ベッドで一人、テレビ観てました(大好きなジェームス・マカヴォイがアンジェリーナ・ジョリーと共演する超能力SF映画Wanted)。明日は4時半起床だから、早く寝なくちゃいけないのに・・・。
時間がなくて、プールやスパを利用できなかったのは残念だけど、仕事の都合で休暇取れなかったから仕方ない
夕食は二人でホテル内のイタリアンレストランで。特に美味しいわけではなかったけど、二人で明日からの旅にワクワクしながらゆっくり食事できて良かったです。
ミュンヘン
ロケーション重視で選んだ4ツ星のプラッツル・ホテル(スーペリア)はPlatzl Hotel (Superior)、オペラハウスとマリエン広場の間にあり、どちらにも徒歩2分。
詳しくは日本語サイトで(→こちら )でご覧下さいですが、 167室の中型ホテルで、従業員も民族衣装を着てるし、バイエルン風が売り物のようです(民族衣装店も併設)。
ロビーでWiFiも使えるし、無料で使用できるパソコンもあり一台ありました。私は時間がなくて利用しませんでしたが。
ちょっと贅沢して、一泊132ユーロの朝食付きシングルルーム(305号室)。
イギリスみたいに部屋で暖かいティーが飲めないのが残念ですが、通りに面してても静かで満足。
シャワーだけで、バスタブがないのですが、ご心配なく、スパがあるので、レジャー気分は味わえます
私たちは最初の夜に行ってみましたが、他には誰もいなくて貸切状態。そうと知ってたらカメラ持ってったのに、残念。
ホテル全体はバイエルン風なのに、スパだけはなぜかのアラビア風でとても可愛いかったのに(ホテルのサイトに少し写真があります)。
ここではゆったりリラックスすべきなんでしょうが、せっかちな私はサウナ、スチームバス、足湯、休憩スペースとフルコースを短い時間に全て慌しく利用 ったく、貧乏性でいやになります。
窓から見えるお隣の建物(パブかな?)の屋根が可愛いでしょ。立ってる像はなんの職業かしら?
朝食は充実してて、ここでしっかり毎朝頂いたのでちゃんとしたランチは不要でした。
ウエイトレスのお姉さん方はここでも可愛い民族衣装。
最初の日は(日曜日でしたが)、8時15分に行ったら早すぎたのか、いたのは日本人だけでした
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再びイエスティン君、Bブリテン生誕百年記念コンサート
<1st Dec Sat>
うわっ、早くも12月 今週末はブログ書きに精を出したいところですが、今夜は又しつこく「愛の妙薬」、明日はムスメが遊びに来るので、あまり捗らないかも。溜まってる中で、まずは、イエスティンついでということで、昨夜のコンサートのことから。
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11月30日、ウィグモア・ホールにトーチャンと行ってきました。
来年生誕100年を迎えるベンジャミン・ブリテン記念コンサート・シリーズの第一弾で、ブリテン自身が多数回出演もし、ここで世界プレミエされた作品も多いウィグモアがきっと一番張り切っているに違いなくて、昨夜は招待客も多いのか、特別の雰囲気がありました。
切符入手も困難で、サポートフレンズ枠で「なるべく舞台に近い席を頂戴!」と強くリクエストしたにも拘わらず、取れたのは10列目
イギリスのみならず世界的にも20世紀を代表する作曲家であるブリテンは尊敬するもののちょっと苦手と思うことも多いので、全5回のシリーズは豪華出演者なんですが、私が行くのはこれのみ(お目当ては勿論ブリテンじゃなくてイエスティン君ですから)。
カンティクル 第1番《愛する人は私のもの》作品40 Canticle I: My Beloved Is Mine(1947)
カンティクル 第2番《アブラハムとイサク》作品51 Canticle II: Abraham and Isaac(1952)
カンティクル 第5番《聖ナルキッソスの死》作品89 Canticle V: The Death of St. Narcissus(1975)
カンティクル 第4番《東方の博士の旅》作品86 Canticle IV: The Journey of the Magi(1971)
カンティクル 第3番《なおも雨は降る》作品55 Canticle III: Still Falls the Rain(1954)
Iestyn Davies countertenor
Mark Padmore tenor
Marcus Farnsworth baritone
Lucy Wakeford harp
Richard Watkins horn
Julius Drake piano
今日のプログラムはカンティクル全5曲。この連作聖歌は作曲された時代も背景もスタイルも様々ですが、広い意味で宗教的な色合いの濃いのが共通点のようです。
ブリテンですから当然テノール中心で、カウンターテナーのバートはそれほど多くない上に重唱がほとんどだったのが、イエスティン君詣での私には不満でしたが、CD録音もされた記念コンサートに相応しい素晴らしいパフォーマンスでした。かぶりつきで生の音をストレートに聴くのが好きな私にとっては、狭いホールの壁に音が跳ね返って響き過ぎたきらいはありますが。
テノールのマーク・パドモアも好きだし、ちょっと鼻に掛かった声が魅了のパドモア、見る度に白髪が増えて、今では初老の哲学者という渋すぎる風情ですが、このコンサートの主役に値する思慮深く立派な歌唱でした。
3曲しか歌わないけどイエスティン君も好調で、年長者と並ぶと殊更若さが匂い立つようでフレッシュそのもの。裏声でもバリトンやテノールに負けない声量の彼がこのプロジェクトに参加できてウィグモアも喜んでいるでしょう。今年4月にミドル・テンプル・ホールでカンティクル第2番は聴いており(→こちら )、その時の方がホールの雰囲気も含め良かったような気はしますが、パドモアの声とも美しくブレンドして、テノールとカウンターテナーのデュエットはやはり良いわと再確認。2番はお馴染みなのでしょう、この日もイエスティン君はこれだけは暗譜。
マーカス・ファーンズワースというバリトン君は若いイギリス人で、出番が少な過ぎるので評価できませんが、ふてぶてしい重い声ではなく、私には好印象。ピアノ伴奏もおジュリアス・ドレイクで、我が英国の文化を誇りに感じるムードが漂ってました。
私はイエスティン君をうっとり眺めるのに忙しくかったけど、トーチャンはプログラムで歌詞をじっくり追いながら聴き、後で「時々、歌詞の順序が違ってて、あれでは韻を踏まない」、などとオタクってました
休憩なしで1時間ちょっととなので(そのせいか切符代は安くて12ポンド)えらく早く終了した後、出演者が少ないから舞台裏の控え室でイエスティン君に会えるかもと思い、歴代の出演者の写真が飾ってあるグリーンルームに行ってみました。
着物でなくても覚えてくれてるようで、私を見るなり笑顔で手を差し伸べてくれました
混んでたのであまり話はできませんでしたが、トーチャンを紹介して、「このハズバンドは子供の時にブリテン指揮で戦争レクイエムを 歌ったこともあるのよ」と言ったら(今日に相応しい話題でしょ?)、「おお、そんな人に会えて光栄です」と握手を求めてくれました。(そう、トーチャンはそんなブリテン経験もあり、苦手と言いながらも結構詳しいの)。
写真にポーズするために他の人を退けてちょっと離れてくれました。寒いのでスカーフ巻いてましたが、カンティクルの譜面も抱えて、なかなか良いショットになり、コンサートとしては火曜日ほど楽しめませんでしたが、行った甲斐はありました
さて、
次のイエスティン君詣では12月13日のバービカンのコンサートオペラ(→こちら )。クリスティ指揮でヘンデルのBelshazzarですが、あっ!、いつのまにかサラ・コノリーが消えてるじゃないの
その他、St. John's Smith Squireの12月22日(バッハのクリスマス・オラトリオ)と23日(ヘンデルのメサイア)にもイエスティン君が出るんですが、彼の出番が少ない割にチケットが高いので迷っているうちに好みの席が売れてしまいました。まあこれはおそらくラジオで生放送するでしょうから、それはしっかり録音もすることにしましょう。
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ミュンヘン旅行その2 日曜日の観光(王宮界隈)
<2nd Dec Sun>
ムスメが遊びに来ましたが、先月末で映画Thor - The Dark Worldの仕事が終わってオフ期間に突入。数ヶ月間毎朝5時起床で働き詰めだったので、今月はのんびりするようです。私も休暇消化しなくちゃならず、親子3人で何度か遊びに行けそうなのは楽しみ。まずはハリポタ撮影所見学を予約しました。
ぼちぼちミュンヘン旅行記を続けます。
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写真はクリックで拡大します
最初の日(11月17日)は、ピカピカの快晴の中、ミュンヘン在住のお二人にアルプスを彼方に臨む湖に連れてって頂いて雄大な自然を堪能しましたが(→こちら )、翌日の日曜日はミュンヘンの旧市街を楽しむことにいたしましょう。
王宮とオペラハウスのある街が大好きな私、今年春のストックホルム、去年のナポリとマドリッドと楽しみましたが、ミュンヘンもそのテーマに沿う美しい街ですから、たくさん見所がある中で真っ先に行ってみました。
ホテルから歩いて2分、オペラハウスの隣です。
レジデンツResidenzと呼ばれるバイエルン王国のヴィッテルバッハ家の宮殿は14世紀末に建築され、その後の度重なる増改築により、ロココ、バロック、新古典主義が混じりある興味深い様式で、1918年にバイエルン王政が崩壊して2年後に一般公開。
第二次世界戦で大きな被害を受け、瓦礫を拾い集めて修復したとのことで、ドレスデンの街もそうでしたが、そういう住民の街に対する愛情と努力は感動的で、ますます美しく見えますよねえ
特に回廊が素晴らしい
この季節、観光客は少ないのか日曜日なのにガラーンとした静けさの中で、写真OKなのでたくさん撮りました。
宝物館の展示数はそんなに多くないですが、ロマンチックな御伽話に出てきそうな王冠や騎士像等が陳列されてた中で私が気に入ったのは、淡い色調の大きな冠。
たしか15世紀と書いてあったと思うのですが、どんな美しい王女様がお被りになったのか。
こんなのがワーグナーのオペラに登場したらどんなに素敵でしょうねえ。
ま、それは、ヘンテコリンなプロダクションの多い今の傾向では所詮無理でしょうけど(この日観たローエングリンだって、白鳥の騎士は現代の大工さんに読み替えてありましたもんね)、この冠はいつかオペラ鑑賞する際に想像の中で使わせてもらいます。
王宮の敷地内にこぶりで優雅なオペラハウスもありました(別料金)。
麗しい深紅のCuvillies-Theaterは現役の劇場ですが、頻繁に使われていないようです。
バロックオペラには理想的なサイズと雰囲気なのに、勿体ないったら・・。
王宮を出たら素晴らしい教会があったので入ってみました。中は真っ白。すっきり見えていいですね、こういうの。
Theatinerkircheという名前らしいですが、ドイツ語は長いから綴るのが大変。
その向かいにある下の写真のオープンな建物は、うわ~っ、もっと長くて、Welser-Kuche im Feldherrnkeller。
どこに急ぐのか、近衛兵風お兄さんたち。 ドイツ系男も実は好み。きっとハンサムだろうに、顔が見えなくてチェッ
ホテルで朝食をたらふく食べたけど、昼過ぎたらちょっとお腹が空いてきて、今日は4時からオペラなんですが、長いワーグナーが終わるまで何も食べないわけにはいかないから、日本のガイドブックに載ってたクロイツカムというバームクーヘン屋さんに行ってみましょう
でも、こんな薄切りのバームクーヘンじゃあ食べた気がしないわよね
空腹でワーグナー聴くのも辛いから、この後すぐにホテル近くのスナック屋でロールパンやピザで腹ごしらえして、オペラは4時スタートですが、着物に着替えなくちゃいけないので、2時前にはホテルに戻りました。
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ケイト妃、ご懐妊!
<3rd Dec Mon>
やっと、待ちわびたケイト妃ご懐妊のニュース
つわりがひどくて入院したので、安定期に入ってから発表する予定だったところ、仕方なく早めたようですが、まあ、予定通りにはいかないですよね、こういうことは。
在英33年になる私は、チャールズ皇太子がいつ結婚するんだろうという時からウォッチしてて、首が長~くなりましたが、ご高齢でもお元気な女王様が一番お喜びになってらっしゃるでしょうから、ダイアモンド・ジュビリーの年の終わりに最高のプレゼントですね。でかした、でかした
タイミングも理想的で、今年は女王様が主役でお祝いイベントが続いたわけですが、来年は視点を変えて王室の将来を見据える年になりそうなのは目出度い限り
実は、例のトップレス写真事件があってからあんまり公式行事がないので、「もしかしたらそうなのかな、?」、と思っていたんですが、3日前に母校訪問で久し振りにメディアに登場した時は、なんとハイヒールでホッケーまでしてみせたので、「うーん、こりゃ違うのかな」、とがっかりしてたところでしたのよ。
ご本人はゲーゲー苦しんで可哀相ですが、世継ぎ確保が最も大切なお仕事ですから、ここは踏ん張りましょう。お世継ぎスペアも必要なわけで、3、4人は産んで頂かないと安心できませんから、来年31歳になるケイト妃は出足が遅れてる分、これからはしばらくそれに専念しましょうね、
と、皆でプレッシャー掛けましょう
プレッシャーということでは、もし女の子でも第一子が王位継承権を得るように現行ルールを変更する合意はできてるそうですので、男の子を産まなきゃならない!と思う必要がないだけでも気が楽のはいいですね。
尚、今夜はテレビで長々とロイヤル・ヴァラエティ・ショーをつい観てしまったんですが(ドミンゴ先生も出てましたよ)、この毎年恒例イベントが女王様はお好きではないらしく、我慢して座ってなくちゃならないなんてお気の毒です(こないだのROHの退屈なガラ公演よりはましでしょうけど)。
で、実は明後日、バービカンで女王様ご臨席のコンサートがあり、私とトーチャンも行くのですが、これは指揮者で85歳のコリン・デイヴィス爺が女王様からメダルを授与された記念コンサートで、コリン爺がLSOを指揮する予定だったんです。
でも、85歳祝いのコンサートも具合悪くて降板したコリン爺ですから、やっぱりこれもキャンセル。主役不在コンサートでも女王様がいらして下さるのはありがたいですが、クラシック音楽にご興味なさそうだし、いや~職務のための自己犠牲、実にご立派
せめて、久し振りに復活するヴァイオリンのマキシム・ヴェンゲロフの弾くチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が素晴らしいものでありますよう・・・。
でも、嬉しいニュースでお喜びの女王様をじかで見られるのは凄く楽しみ。そんなに遠い席ではないですから。インターバルにシャンペンも頂けるそうで、ロイヤル・ベイビーの話題を肴にすればさらに美味しいでしょう。
上の写真はROHのガラで私が撮ったものですが、も、もしかして、明後日も女王様が舞台に出てきて下さると、最前列の私はめちゃくちゃ近いですよ。主役もいないから、ま、それは期待できませんけど
やだ~、
やっと起動に乗ってきたミュンヘン旅行のことを書くつもりだったのに、今日は突然のご懐妊ニュースでコースから外れちゃったじゃないのよ。明日からは3連ちゃんで出掛けるのでまた伸びてしまうし・・・。
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女王陛下 @バービカン
<6th Dec Thus>
昨日はロンドン周辺のあちこちで少し雪が降ったようです。我が家の近くでは降りませんでしたが。今日は
休暇消化のために午前中オフ。昨夜の女王様のことだけ書いてから会社に行きましょう。
あ、重いつわりで入院してたケイト妃は退院なさったそうです。
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写真はクリックで拡大します12月5日のバービカンのコンサートは女王陛下ご臨席ということで開演15分前には着席するようにというお達しがあり、(仕事の都合で)結構ギリギリに着いたら入り口はものものしい雰囲気。外には報道陣、中にはシティ市長はじめお偉いさんたちがずらっと並んで女王様をお迎えするために待機中。
一年前近くに切符を買ったときは女王様ご臨席ということは知りませんでしたが、バイオリンのマキシム・ベンゲロフを久し振りに聴けると張り切って最前列ど真ん中を確保してあったんです。
でも、なんと、私たちの席まで舞台が拡張。こういうことは時折あるのですが、当日までわからないのは初めて。幸いなことに、いつもののようにうんと後ろや隅っこに移動させられたではなく、舞台近くの通路のすぐ後ろという一番高くてベストな席をあてがわれました。きっと、そういうこともあるだろうと空けてあったのでしょう。
後ろを振り返ると女王様の席がよく見え、全員で起立して国歌斉唱
The Queen's Medal for Musicってなんなのかすら知らなかったのでこの夜何が起こるかわかりませんでしたが、インターバル後に、今年の受賞者にメダル授与するために女王様が舞台に登場して下さいました
少し後ろの席に移動させられたとは言え、舞台からは5、6メートルの上、女王様は私たちのほぼ正面に長い間立って下さってので、この特別な年にこんなに近くでじっくり拝見することができてラッキーなことと、感激で体が震えました
遠くの席に移されなくて本当に良かったです。元の席であればもっとうんと近かったのと思うと口惜しいけど
ほとんど横顔なのがちょっと残念ですが、
カメラを構える私の手が興奮で震えていたのが見えたのか、途中でトーチャンが「俺に写真撮らせろ!」、とばかりに私のカメラをひったくって、クロースアップ写真を撮ってくれました。見事な銀髪に小さな黒いなにか(ゴミ?虫?)がひっかってるのが見えます
やはり体調がすぐれないのかエジンバラ公がご一緒でないのは残念ですが、今日の女王様は、ケイト妃のグッド・ニュースに喜ばれてるせいもあるのでしょうか、こないだのこわばってたROHの時よりはずっとリラックスした表情で、特に受賞者代表の5人の若い演奏者にメダルを授与するときはとても素敵な笑顔を見せて下さいました。
受賞者は1948年創設のThe National Yourh Orchestra of Great Britainで、OBにはサイモン・ラトル、トーマス・アデスなどがいます。
尚、The Queen Medal for Musicというのは、2005年からはじまったようで、これまでの受賞者はCharles Mackerras, Bryn Terfel, Judith Weir, Kathryn Tickell, Clin Davis, Emma Kirkby, Nicholas Daniel。
誰それ?って人もいて、どういう基準で選んでいるか首をかしげてしまいますが、女王様が毎回直接授与して下さるわけでもなさそうですから、今年は特にお忙しいでしょうにいらして下さって、バービカン観客一同大喜び。インターバルにシャンペンもふんだんに振舞われ、特別なイベントになりました。
終了後バービカン駅へ歩く途中、女王様のお車ベントレーに遭遇。周りにいた数人と思わず手を振ってしまいました。(翌日の木曜日にはROHでオペラ終了後にデンマークの女王様がお車に乗り込むところも目撃しました)
LSOのコンサートについてはあらためて書きますが、3年前の受賞サー・コリン・デーヴィスはキャンセルしたけど、若くて素敵な上に将来有望な指揮者Robin Ticciatiグラインドボーンオペラの音楽監督就任も決定して将来有望です。今回受賞のThe National Youth Orchestra出身ということで抜擢されたのでしょうね。
ロビン君とヴェンゲロフの写真だけ貼っときましょう。
さて、
3連ちゃんの最後で今夜はROHのRobert le diableの新プロダクションの初日。なんと3日前になって主役ソプラノ交代劇があり、一体どうなるやらなんですが、マイヤベールのオペラは初めてなので色んな意味で楽しみ。
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ミュンヘン旅行その4 バイエルン国立歌劇場に着物で
<7th Dec Fri>
昨日までの3連ちゃんが終わってやれやれ。さすがに疲れていたのか、昨日のマイヤベールのオペラではついうとうと・・・。しかし、週末でゆっくりできるかと思いきや、明日の土曜日はまた大変で、お昼にバレエを観にいって、一旦家に戻って着替え、夜は会社のパーティへ。
こんな毎日、書くことは溜まりこそすれ一向に減りませんが、焦りながらもぼちぼち片付けていくことにして、今日はミュンヘンのオペラハウスについて。
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11月18日の日曜日はミュンヘン国立歌劇場(州立という場合もあり)Bayerische Staatsoperに行きました。
最初は、やっぱり一応オペラハウスにも行ってみなくちゃね、というくらいの軽い気持ちだったのが、この時に愛するクラウス君(Klaus Florian Vogt)が出るというので一気に一大イベントに昇格し、 ROHなら軽く10回は観られるというお値段の一番高い席を大奮発しましたことよ。
滅多に座れないオーケストラストールであるだけでなく、聞くところによると、このミュンヘンの歌劇場は観客のドレスアップがとても高いとのことなので、さて折角のこの機会に何を着ればいいのかしらん?
お洒落はしたい、でも、格安便だから追加料金を避けるために手荷物だけで済ませたいから洋服にしようとワンピースとジャケットをスーツケースに詰めたんです。
嗚呼、でも、直前に着物を着たいような気もしてきた・・・。だけど、小さなスーツケースじゃスペース的に無理かな?
よ~し、見えないところは徹底的に省いて、どれだけ少なくできるかチャレンジしてみようじゃないの。今後のこともあるしね。
ということで、一番薄い着物と帯を選び、ホテルから近いから走っていけば羽織もコートも無しでもなんとかなるだろう。一番無駄な帯枕はスカートを丸めて代用し、二部式襦袢は上だけで下は実は寝巻きのスパッツ(内緒ね)
もしも「興味深い民族衣装、ここで脱いで見せて下さいな」、と言われたら、とんでもない誤解を与えてしまう滅茶苦茶着付けですが、楽に収まりました。
いつもとちょっと違うので結構苦労して着付けしてホテルのロビーに下りてきたら、あら、ここにも民族衣装の女性たちが バイエルン風を売り物にするこのプラッツルホテルの従業員のおねえさんたちです。
幸い暖かい日だったので、ショールだけで走らずにゆっくり歩いても寒いと思わず歩いて2分、王宮のすぐ隣のオペラハウスにすぐ到着。
入り口を入ったすぐの階段の下で「さあ、写真撮りまくろ~っ」と張り切ったら、「マダム、ここでは写真はご遠慮下さい」、ですって。
え~っ、こんなゴージャスなのにそんな殺生な・・
でも、何言ってんのよ、わたしゃ苦労して遠くから着物までかついで来たんだし、高月園子さんのこのシックで素敵なシルクのドレス姿を撮らいでか、とめげずにあちこちでこっそり。・・・・内緒ね
パウダーブルーのネオクラシックで統一されてる優しい優雅さはとても素敵
でも、麗しくても延々とこればかりでワンパターンなのはちょっとつまらないし、それに、折角こんなゴージャスな空間があるのに、ここではドリンクしなくて、地下の天井の低い狭苦しい所でひしめきあってガヤガヤしてるって勿体なさ過ぎませんか?
オペラハウスの客席はやっぱり赤と金でなくっちゃね、というわけでもないのですが、ロビーの淡い色調とはがらっと違う重厚で華やかな雰囲気が良いですね。理想的なサイズで、ゆったりとしたカーヴと繊細なシャンデリアもまばゆ過ぎずパーフェクト
前から2列目でしたが、ローエングリンは中世の白鳥の騎士ならぬ現代の大工さんで、徐々に家が建っていきます。下の写真、左ははじまる前、右はインターバル後です。
4時にはじまって、終わったら9時ちょっと。
お腹の空き具合がビミョーなところなんですが、結局ホテルの向かいのイタリアンレストランで「フルには食べられないのでスープとパンだけでもいいかしら?」と言って、嫌がられながら隅っこに座らされたけど、美味しそうな香りがしてきたら急にお腹が空いて、「やっぱりパスタ頂戴」と気が変わったら、席もメインセクションに変えてくれて、エビやらイカやらのスパゲッティを食べました。
素晴らしいオペラを観た後に食べる食事って美味しいわあ
ホテルに帰って後姿を撮ったんですが、帯枕がないとやっぱり帯がずるずる下がっちゃいましたね でも、この着物は(実は化繊。内緒ね)軽いし汚れても気にならないので旅行向きで、パリもミラノもウィーンもこれでした。
部屋に戻って着物を脱いだら、あら、やだ、又お腹が空いてきちゃった。でも、ご心配なく、お昼にデパ地下で夜食用に買っておいたキーシュと果物があるんです
満腹で寝るのがなによりも幸せな私、さっきまでのクラウス君の清らかな声にまだ浸りながら、また充実の一日を過ごせてラッキーと感謝しながら、おやすみなさい
これでドライブ観光とオペラ鑑賞というビッグイベントは大成功に終了。明日はなにするか決まってませんが、夕方の帰国便まで街を散歩したりしてのんびり過ごそうかな。と思ったけど、結局いつもの癖でたくさん歩いてしまいました)。
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くるみ割り人形とクリスマス・パーティ
<9th Dec Sun>
思い出し記事は追々頑張るとして、リアルタイムの昨日のお出掛けをまずさっさと片付けましょう。
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12月8日、ちょっと寒いけれど青空の広がる気持ちの良い土曜日、
白い大きな建物がロイヤルオペラハウスですが、広場にはでっかいトーピアリーのトナカイさん。
そして、立派な角の本物のトナカイも2頭、柵の中にいたんですが、押すな押すなで近寄れず。
それなら、ROHのテラスから広場を見下ろしてみましょう。
今日ここに来たのは、くるみ割り人形のリハーサルを観るためですが、
おおぉ~っ、珍しく正面じゃないの
そうよ~、一番高いグランドティアよ。 夜の本公演だったら110ポンドもする席よ
もちろん、リハーサルだから出来ることで、運よく手に入った普段は全く縁のないこの席、今日は僅か15ポンド。
今までにくるみは何度か観たことがあるけど(トーチャンははじめて)、安い席で横や上からばかりだったので、やっと全体像が掴め、納得でした。
すぐ横が関係者席で、テクニカルなことであーだこーだと言い合ってたり、やけに子供が多くて親が説明したりしてて「うるせえなあ~」、とずっと思ってましたが、こんな素晴らしい席にこの値段で座らせて頂けるだけでこの上なくありがたいわけですから、文句を言うんじゃねえ!、なのは充分承知しておりますです。
バレエーのリハーサルは数チームあるうち誰が出るのか事前にわからないところがお楽しみなわけですが、今日はローラ・モレラとフェデリコ・ボネリのコンビ。
フェデリコは男性ダンサーの中では今一番好きなので嬉しかったけど、いつものようにモレラはやっぱり全く魅力がなく、準主役のバラの精の小林ひかるさんの方がずっと上手で優雅で素敵でしたよ。
尚、プロダクションの良さがよくわかる正面席はたしかに素晴らしいのですが、やっぱり私は(トーチャンも)近くから観るのが好きなので、大晦日にもう一度くるみを舞台横で観ます。思い切り見切れる席ですが、しばらく怪我で休んでた高田あかねちゃんが金平糖役なので楽しみ。
尚、この超金持席の欠点はまだあり、それはカーテンコールですぐ後ろに係員が立ってたことで、写真が少ないのはそれが理由です。いつもの貧乏人席の辺りにはまず誰もいませんが、ここはしっかり面倒みてくれるんですね。
12時半スタートのリハーサルは3時前に終了。
一旦すぐに帰宅し、着物に着替えて、ムスメと一緒に会社のクリスマスパーティに行きました
大英博物館のすぐ近くにあるRaddison Blu Edwardian、行ってから思い出しましたが、2年前にも来たことがありましたわ。ジェームスボンドがテーマのクリスマス・パーティ(→こちら
)でしたが、恥ずかしいくらい派手な着物を着ましたっけね。
会社のパーティには去年(→こちら )と一昨年(→こちら )はドレスで行きましたが、今年はドレス買いに行ってるヒマがなく、私にとっては一番安上がりで簡単な手抜きである着物になりました。着物を着るチャンスは他にもあるわけで、本当はドレス着たかったんですけどね。
手抜きは手抜きなんですが、なんせ着物はたくさん持ってるので迷います。今日は日本人も多いわけで、年齢相応に落ち着いた着物にすべきかしらとも思いましたが、えーい、クリスマス・パーティだから多少派手でもいいことにしよう。
それなら、日本では私の年齢では着られない鮮やかなグリーンの付け下げではどうだ!
パープルのムスメと並んでも、赤一色の絵画の前に立ってもどぎつい印象ですが、どぎつさでは、赤いトナカイの横に座るムスメも負けてませんね
11月23日のROHの愛の妙薬ですが、この日は出待ちをする予定だったので、そのまま待てるように羽織で。
出待ちの様子はすでにご紹介しましたが(→こちら )、「あ、俺のファンのロンドンにいるキモノ女が又来た」、と認識してもらえたようです。
尚、これで今年の着物お出掛けは39回目(まとめは→こちら )。
ブログはじまって以来の少ない回数ですが、これは主にトーチャンのせいであり、最近はオペラやコンサートに一緒に来ることが多くて彼が駅まで車で迎えに来られないので、つい私が面倒くさくなってしまうんです。(注:迎えに来てくれるのは着物の時だけ)
こんなことでは、たくさん溜まってしまった着物が可哀相ですから、来年はもうちょっと機会を増やさないと。まだ今年もうちょっと頑張るかもしれないけど、寒くてね。
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チェチリア・バルトリ @バービカン
<9th Dec Sun>
今日は休暇。今から親子3人でハリーポッターのセットが見学できる撮影所に行ってきます。
ミュンヘン旅行記を楽しみにしてて下さる方には申し訳ないのですが、その前に急いで片付けたいコンサートレポートを先にします。ミュンヘンに行く直前に行ったチェチリア・バルトリ、やっぱり彼女はすっ飛ばすわけにはいきませんもんね。
尚、ミュンヘン記事はあと2つの予定ですが(オペラと日曜の観光)、一番手間の掛かる写真選びは終わったので(クラウス君のは迷って大変だった)、あと一息です。
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バービカンのGreat Performersシリーズの中でも一番人気に違いないバルトリ姐のコンサートはフレンズ予約が始まったら真っ先にゲットしに行くんですが、今回(今年初めですが)も首尾よくかぶりつき席を確保。まだ良い席が残っていたので、誰か行きたい人がいるだろうと、ついでにに買っておきました(←出た、椿姫お節介エージェンシー)。
しかし、最近値上がりの著しいバービカン、天下のバルトリでも切符が売り切れるまでには随分時間が掛かったのでのリターンするわけにもいかず、「高くても行きたいけど都合がつかなくて残念」、或いは「行きたいし行けるけど、85ポンドはちょっと・・・」、という知り合いばかりで焦ってしまい、その上、コンサートの翌日からミュンヘンに行くことになって(正確に言うと空港泊ですが)余裕がないので、ああ、もういっそキャンセルしてくれたほうがいいかも、バルトリはかなり何度も聴いてるから新鮮味はないし、とすら思ってました。
幸い、余分の切符を買って下さる超初心者の方も見つかったのですが、当日まで、楽しみというよりますます余裕がなくなるからなあ、とグダグダ言ってた私
でも、バルトリが歌うのなら行かないわけにはいかないし、こんな良い席をギブアップするのはあまりにも口惜しい・・・、と思いながら、着物で出掛けたら、なんと「彼女は体調が悪いですが、歌います」というアナウンス
うわーっ、それって最悪じゃない? 具合悪くてベストの歌唱ができないのならキャンセルする方が誠意ある行為ではないでしょうか?今まで、苦しそうに無理やり歌った歌手は何度も聴いてて、努力には頭が下がるし、ある意味感動するのですが、でも、やっぱりねえ、と複雑な気持ちで聴き始めました
で、のっけから機関銃のようなコロラチューラで始まり、いつものような滑らかさはないものの、おおぉ、いつもより凄いバルトリ節だとびっくり&安心したら、なんと、たしか2曲目とかでゲホゲホになってしまい、彼女が「気管支炎なのよ!」と叫びました。
その後は何度か小さく咳をしながら苦しそうな場面も何度かあり、いつ又崩れるかはらはらしながら聴きましたが、さすが声楽界に特別な地位を確立したスター歌手、聴く人を唖然とさせる人間離れした見事な転がしテクニックをご披露してくれて、いつも通りのヤンヤの喝采
結局、値段は高いし、忙しかった私だけど、やっぱり行って良かったと思えた感動コンサートでした
で、出し物はなんだったかと言うと、毎回興味深いテーマがあるバルトリのコンサート、今回はアゴイスト・ステファーニという初期バロックの埋もれた作曲家の発掘。
彼女が歌えばなんでも話題になるという知名度を生かして、忘れられてる音楽を世に出すのをミッションにしてる尊敬すべきバルトリ姐、でもそうは言っても過去にはサリエリ(映画アマデウスに出てきた)みたいにつまんないのもあったしなあ、とあまりステファーニにはあまり期待してなかったのですが(MissionというCDも聴くヒマがなく)、わかりやすい上に変化に富み、なによりも凄いコロラチューラの曲が目白押しで、これを発見した時のバルトリはさぞや嬉しかっただろうし、彼女にぴったりの大成功プロジェクトに拍手です
バルトリ自身が英語で紹介してるYoutubeもありますので、→こちら でどうぞ。
Agostino Steffani (1654–1728)
Ouverture to Henrico Leone (1689)
'Schiere invitte' from Alarico il Baltha (1687)
'Sposa, mancar mi sento… Deh, non far colle tue lagrime' from Tassilone (1709)
'Non prendo consiglio' from La superbia d’Alessandro (1690)
Ouverture to I trionfi del fato (1695)
'Amami, e vederai' from Niobe, regina di Tebe (1688)
'Aires pour les nymphes de la rivière' from La lotta d’Hercole con Acheloo (1689)
'Sì, sì, riposa o caro… Palpitanti sfere belle' from Alarico il Baltha
'Notte amica al cieco dio' from La libertà contenta (1693)
'Più non v’ascondo' from Tassilone
'A facile vittoria' from Tassilone
Introduzione to Amor vien dal destino (1709)
'Foschi crepuscoli' from La libertà contenta
'Morirò fra strazi e scempi' from Henrico Leone
'Dal tuo labbro amor v’invita' from Tassilone
Ouverture to Orlando generoso (1691)
'Ove son?… Dal mio petto' from Niobe, regina di Tebe
Ouverture to La libertà contenta
'Dell’alma stanca… Sfere amiche' from Niobe, regina di Tebe
'Mie fide schiere, all’armi' from I trionfi del fato
'Suoni, tuoni, il suolo scuota' from Arminio (1707)
Cecilia Bartoli mezzo-soprano
Kammerorchester Basel
Diego Fasolis Harpsichord / leader
Julia Schröder Concertmaster
ステファーニは、音楽家であっただけでなく外交官、政治家、僧侶として幅広く活躍したなかなかの人物らしいのですが、どっかで聴いた名前だけど、と思ったら、そう、ニオベというオペラを2年前にROHでやってくれて(→こちら
)、そこではじめて生で聴いたCTのイエスティン君を見初めるきっかけとなったんでした。
MissionのCDで共演してる人気CTのジャル君(フィリップ・ジャルスキー)は、今CTファンの間で話題沸騰のアルタセルセ公演で忙しくてコンサートに出てくれないのは仕方ないですが、バルトリ姐だけでも充分中身のある素晴らしいコンサートとなり、少々不調でも聴けてよかったです。無理して歌ってくれてありがとう
お隣の席のPrimroseさんが撮影したカーテンコール動画は→こちら です。オケは女性が多かったですが、皆さんスタイルが良くて素敵ですよ。
クラシックなデザインの光沢のあるドレスも素敵で、もっと(うんと)細かったら、ヘアスタイルと言い、ジュリエットみたいね。古楽オケ演奏だけの時もバルトリは舞台裏に引っ込まず、ソファに座って彼女自身が楽しんでいるようだったのも好印象。
アンコールはヘンデルばかり3曲。ヘンデルはステファーニより少しの時代で、ステファーニにも影響受けたらしいですが、名人ヘンデルと比べたらステファーニが可哀相かもと思うくらい完成度がまるで違う。最後はオペラ「リナルド」の超有名アリアLachia chi'o piangaはお馴染み過ぎて聞き飽きてるのでウヘッーと思ったのですが、優しいピアニッシモに惹きこまれれました
ブログをはじめて以来のバルトリのバービカンでのコンサートはこちらですが、
Dec 2010 、 Dec 2009 、 Dec 2008 、 Dec 2007(2回目) 、 Dec 2007(1回目) 、 Dec 2005
驚愕の声のアクロバットという面では今回が一番凄まじかったかもです
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ハリー・ポッター映画のセット見学
<10th Dec Mon>
ムスメがヒマなので私も会社を休み、いつもヒマなトーチャンに運転してもらって、我が家から車で30分足らずのWatfordにある映画撮影所の敷地に一年程前にオープンしたWarner Brothers Studio Tour The Making of Harry Potterを見学しました。
全て実際に撮影で使われたもので、映画にはたとえ一瞬しか出てこなくても細部まで精巧に出来てるので感心しっ放し。ムスメは映画のモノ作りを職業にして主に撮影所で働いてるわけですから、特に興味深かったことでしょう。
詳しくは→こちら をご覧下さいですが、
入場料は大人28ポンドと少々高めですが、期待以上に充実した展示で、3時間余たっぷり楽しめました
平日なので子供は学校からの団体だけであとは大人グループばかりという大人のテーマパークで、車がなくてもWatford Junction駅からシャトルバスも出てますから、事前にネット予約して是非行って下さい。映画をご覧になった方には絶対お勧めです。
興味ある方は見ただけで「ハハーン、あれね」、とピンと来るでしょうし、ハリポタ映画をご覧になってない方には説明してもわかって頂けないわけですから、写真だけ並べておきますね。
クリックで拡大しますので、お好きなのをじっくり見てくださいませ。
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ミュンヘンで観たローエングリン
<13th Dec Thus>
昨夜はROHで再びRobert le diable、今夜はバービカンでヘンデルのコンサートオペラに行ってて(またイエスティン君だよ~ん)、ますますネタは増える一方なんですが、帰宅は遅くても今日は意地にでもローエングリンを片付けるんじゃ~! でも、ご心配なく、明日は休暇を取るので夜更かししても大丈夫なんです。明日ムスメとショッピングに行くのも楽しみ
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11月18日にミュンヘンのバイエルン国立歌劇場でワーグナーのローエングリンを観ました。正味4時間、休憩を入れると5時間という中くらいの長丁場ですが、折角の美しいオペラハウスですから着物で前から2列目に座りました(その時の様子は→こちら
)。
オペラについては、以前の記事(→こちら )をご覧下さいですが(3年前はこんなに書く余裕があったんだ・・)、要するに、
白鳥に曳かれた小舟に乗ったハンサムな騎士が、窮地に立つ娘を助けに来るという、想像するだけで美しい絵のような設定で、悪者を退治した後は二人は愛し合いめでたく結婚(有名な結婚行進曲)。でも、なぜか「拙者の身元を決して探るべからず」、と妙なことを言い放つ騎士に、悪巧みにそそのかされた新妻は「やっぱり教えて」、と迫り、正体を明かしたら皆がハハーっと平伏すほど抜群の家柄なのに、「知ったからにはここにはいられぬ」、と言い残して去って行く。
それらしい衣装や白鳥の小舟なんぞ期待しませんが、ここまで崩さなくてもいいのにというくらいこのプロダクションは読み替えてあり、ローエングリンは現代の大工さんで、Tシャツとジャージーのズボン姿。娘も最初はジーンズのつなぎはいてるの。
ConductorLothar Koenigs
ProductionRichard Jones
Set and Costumes Ultz
LightingMimi Jordan Sherin
DramaturgyRainer Karlitschek
ChorusSören Eckhoff
Heinrich der VoglerHans-Peter König
LohengrinKlaus Florian Vogt
Elsa von BrabantEdith Haller
Friedrich von TelramundEvgeny Nikitin
OrtrudMichaela Schuster
Heerrufer des KönigsMarkus Eiche
The Bavarian State Orchestra
The Chorus of the Bavarian State Opera
でも、そんなことはどうでもいいんです。それを知ってて切符買ったわけだし、実際に観てみて、大事なのは衣装やセットじゃなくて、歌手の素質と出来だという当然のことを再確認しました。だって、ROHのまともでクラシックな衣装を着てて歌はまあ上手いけど百貫デブでしかも芝居がど下手なとヨハン・ボータと、このミュンヘンのクラウス君、どっちが素敵かと聞かれたら、私でなくても軍配はクラウス君に上がるでしょう。
クラウス君は期待以上に素晴らしくて(期待も高かったですよ)、日本でちょっと前にローエングリンをご覧になった方はよくおわかりでしょうが、本当に清らかな声で、彼が歌う場面は体が震えっぱなしでしたわ、私
きっとカウフマンのローエングリンも素晴らしいに違いないけど、私は、特にこの役に関しては絶対にクラウス君の声のほうが好き。上手く言えないのが歯がゆいけど、ピュアな美声がストレートに飛んでくる席でメロメロになりながら、「嗚呼、正面席って(普段は縁がないけど)、こんなに素晴らしいのね。ROHでもたまにはそうしようかしら」、と財布の軽さは忘れて本気で思いました(その後、現実に戻って全く実行できてないけど)。
席のせいだけではなく、これほど始終見惚れ聴き惚れた歌手は滅多にいません。クラウス君を聴いてる途中でなぜか「そう言えば、今ROHで愛の妙薬やってて、ミュンヘンに来る前に聴いた時のアラーニャは不調で、あと何度か聴きに行くけど、このまま不調かもしれないし、キャンセルしちゃうかもしれないけど、どうでもいいわ、これより良いわけないから」、とアラーニャ好きの私が思ったくらい、この時はクラウス君しか目に入らず
一体何枚写真を撮ったことやら、ムスメが遊びに来たときにミュンヘンの写真を見せてて、トーチャンに「オペラはカーテンコールは飛ばして見ないとえらく時間が掛かるぞ」と嫌味を言われたくらいで(本当だから仕方ないけど)、
連写で同じようなのがたくさんある中から苦労して(でも、思い出しながらうっとり楽しみながら)選びました
クラウス君以外はどうでもよかったので、ほとんど他には誰が出るか知らなかったくらいですが、
エルサのEdith Hallerは、顔を見て、「あら、ROHのローエングリンでで代役出演してとても良かったソプラノだわ」、と思い出しました。この日も素直な歌唱で良かったんですが、ちょっと太目になっちゃいましたね。2009年のROHの時に「 」私は書いてるんですが、折角その通りかっこ良いローエングリンと共演できたのに、彼女自身がちょっとヨハン・ボータみたいになっちゃうなんて・・・
エルサを陥れて公国を乗っ取ろうとする悪役夫婦はエフゲニー・ニキーチンとミカエラ・シュスター。
二人とも立派な歌唱と演技で文句はないのですが、延々と続く夫婦喧嘩の場面には退屈しました。夫婦喧嘩って面白い筈なのに、ドイツ語の字幕が理解できないから何を言ってるのかわからなきゃつまんないですもんね。
刺青はシャツでなんとか隠しおおせたニキーチンはバリトンにしては細い美声で私好みですが、ちょっと声量が他の人たちに負けてかも。なぜか最初カーテンコールに現れず、先に帰っちゃったのか、或いは舞台に残ってる死体は彼の役なので途中でガバっと起き上がる受け狙いか、と不思議だったけど、結局途中から参加(トイレにでも行ってた?)
シュスターはROHでタンホイザーとアドリアーナ・ルクヴルールに出て、いつも並外れた声量が凄い迫力でしたが、この日はちょっと不調だったか、他の人たちとバランスの取れる普通の声量。もうちょっと声に艶もある筈なのに残念。でも、大袈裟な意地悪演技が上手で笑えました。
というわけで、本場ドイツで観たレベルの高いパフォーマンスに満足で、ワーグナーの中では一番イタリアっぽいローエングリンがやっぱり好き。
ミュンヘンから帰ってもうすぐ1ケ月なんですが、あと一つだけ、最後の日の街歩き記事をアップする予定で、写真はすでに選んであります。
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ローエングリン @ミュンヘン
<13th Dec Thus>
昨夜はROHで再びRobert le diable、今夜はバービカンでヘンデルのコンサートオペラに行ってて(またイエスティン君だよ~ん)、ますますネタは増える一方なんですが、帰宅は遅くても今日は意地にでもローエングリンを片付けるんじゃ~! でも、ご心配なく、明日は休暇を取るので夜更かししても大丈夫なんです。明日ムスメとショッピングに行くのも楽しみ
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11月18日にミュンヘンのバイエルン国立歌劇場でワーグナーのローエングリンを観ました。正味4時間、休憩を入れると5時間という中くらいの長丁場ですが、折角の美しいオペラハウスですから着物で前から2列目に座りました(その時の様子は→こちら
)。
オペラについては、以前の記事(→こちら )をご覧下さいですが(3年前はこんなに書く余裕があったんだ・・)、要するに、
白鳥に曳かれた小舟に乗ったハンサムな騎士が、窮地に立つ娘を助けに来るという、想像するだけで美しい絵のような設定で、悪者を退治した後は二人は愛し合いめでたく結婚(有名な結婚行進曲)。でも、なぜか「拙者の身元を決して探るべからず」、と妙なことを言い放つ騎士に、悪巧みにそそのかされた新妻は「やっぱり教えて」、と迫り、正体を明かしたら皆がハハーっと平伏すほど抜群の家柄なのに、「知ったからにはここにはいられぬ」、と言い残して去って行く。
それらしい衣装や白鳥の小舟なんぞ期待しませんが、ここまで崩さなくてもいいのにというくらいこのプロダクションは読み替えてあり、ローエングリンは現代の大工さんで、Tシャツとジャージーのズボン姿。娘も最初はジーンズのつなぎはいてるの。
ConductorLothar Koenigs
ProductionRichard Jones
Set and Costumes Ultz
LightingMimi Jordan Sherin
DramaturgyRainer Karlitschek
ChorusSören Eckhoff
Heinrich der VoglerHans-Peter König
LohengrinKlaus Florian Vogt
Elsa von BrabantEdith Haller
Friedrich von TelramundEvgeny Nikitin
OrtrudMichaela Schuster
Heerrufer des KönigsMarkus Eiche
The Bavarian State Orchestra
The Chorus of the Bavarian State Opera
でも、そんなことはどうでもいいんです。それを知ってて切符買ったわけだし、実際に観てみて、大事なのは衣装やセットじゃなくて、歌手の素質と出来だという当然のことを再確認しました。だって、ROHのまともでクラシックな衣装を着てて歌はまあ上手いけど百貫デブでしかも芝居がど下手なとヨハン・ボータと、このミュンヘンのクラウス君、どっちが素敵かと聞かれたら、私でなくても軍配はクラウス君に上がるでしょう。
クラウス君は期待以上に素晴らしくて(期待も高かったですよ)、日本でちょっと前にローエングリンをご覧になった方はよくおわかりでしょうが、本当に清らかな声で、彼が歌う場面は体が震えっぱなしでしたわ、私
きっとカウフマンのローエングリンも素晴らしいに違いないけど、私は、特にこの役に関しては絶対にクラウス君の声のほうが好き。上手く言えないのが歯がゆいけど、ピュアな美声がストレートに飛んでくる席でメロメロになりながら、「嗚呼、正面席って(普段は縁がないけど)、こんなに素晴らしいのね。ROHでもたまにはそうしようかしら」、と財布の軽さは忘れて本気で思いました(その後、現実に戻って全く実行できてないけど)。
席のせいだけではなく、これほど始終見惚れ聴き惚れた歌手は滅多にいません。クラウス君を聴いてる途中でなぜか「そう言えば、今ROHで愛の妙薬やってて、ミュンヘンに来る前に聴いた時のアラーニャは不調で、あと何度か聴きに行くけど、このまま不調かもしれないし、キャンセルしちゃうかもしれないけど、どうでもいいわ、これより良いわけないから」、とアラーニャ好きの私が思ったくらい、この時はクラウス君しか目に入らず
一体何枚写真を撮ったことやら、ムスメが遊びに来たときにミュンヘンの写真を見せてて、トーチャンに「オペラはカーテンコールは飛ばして見ないとえらく時間が掛かるぞ」と嫌味を言われたくらいで(本当だから仕方ないけど)、
連写で同じようなのがたくさんある中から苦労して(でも、思い出しながらうっとり楽しみながら)選びました
クラウス君以外はどうでもよかったので、ほとんど他には誰が出るか知らなかったくらいですが、
エルサのEdith Hallerは、顔を見て、「あら、ROHのローエングリンでで代役出演してとても良かったソプラノだわ」、と思い出しました。この日も素直な歌唱で良かったんですが、ちょっと太目になっちゃいましたね。2009年のROHの時に「 」私は書いてるんですが、折角その通りかっこ良いローエングリンと共演できたのに、彼女自身がちょっとヨハン・ボータみたいになっちゃうなんて・・・
エルサを陥れて公国を乗っ取ろうとする悪役夫婦はエフゲニー・ニキーチンとミカエラ・シュスター。
二人とも立派な歌唱と演技で文句はないのですが、延々と続く夫婦喧嘩の場面には退屈しました。夫婦喧嘩って面白い筈なのに、ドイツ語の字幕が理解できないから何を言ってるのかわからなきゃつまんないですもんね。
刺青はシャツでなんとか隠しおおせたニキーチンはバリトンにしては細い美声で私好みですが、ちょっと声量が他の人たちに負けてかも。なぜか最初カーテンコールに現れず、先に帰っちゃったのか、或いは舞台に残ってる死体は彼の役なので途中でガバっと起き上がる受け狙いか、と不思議だったけど、結局途中から参加(トイレにでも行ってた?)
シュスターはROHでタンホイザーとアドリアーナ・ルクヴルールに出て、いつも並外れた声量が凄い迫力でしたが、この日はちょっと不調だったか、他の人たちとバランスの取れる普通の声量。もうちょっと声に艶もある筈なのに残念。でも、大袈裟な意地悪演技が上手で笑えました。
というわけで、本場ドイツで観たレベルの高いパフォーマンスに満足で、ワーグナーの中では一番イタリアっぽいローエングリンがやっぱり好き。
ミュンヘンから帰ってもうすぐ1ケ月なんですが、あと一つだけ、最後の日の街歩き記事をアップする予定で、写真はすでに選んであります。
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Belshazzar( ヘンデルのオラトリオ) この秋3度目のイェスティン君
昨日と今日は休暇取りました。
昨日はムスメが遊びに来てくれて一緒にご飯食べたりDVD観たり。私だけ夕方からコンサートに行ってしまいましたが、夜までトーチャンと二人でゆっくり過ごしたようです。
今日は私とムスメだけで都心に出掛け、知り合いが勤務してるオーダーメイドの由緒ある老舗靴屋さんの工房を見学した後、ショッピング。彼女の誕生日にも行った祭レストランの寿司カウンターで二人だけでちょっと贅沢に。ごめんね、トーチャン。
ムスメはクリスマスとお正月はBF君の親戚付き合いで大忙しの予定で、今年はもう会えないようです。
書く順番に一貫性も計画性も全くなくて滅茶苦茶なこのブログ、溜まってるのをすっ飛ばして、昨夜のコンサートのことを先にしちゃおう。かぶりつきで写真撮り捲ってた常連ファン の私にイェステイン君が気付いて、ブログ待っててくれてるかもしれないしね。
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Photos will be enlarged by clicking
12月13日、バービカンにヘンデルの英語オラトリオ「ベルシャザール」を聴きに行きました。
Handel Belshazzar
Les Arts Florissants
William Christie : conductor
Allan Clayton : Belshazzar
Rosemary Joshua : Nitocris
Caitlin Hulcup : Cyrus (Sarah Connollyの代役)
Iestyn Davies : Daniel
Jonathan Lemalu : Gobrias (Neal Daviesの代役)
実質的にはヘンデルが経費節約のためにコンサート・オペラで、紀元前6世紀のバビロンの陥落というドラマチックで大掛かりなオペラとしても立派に成り立つ内容なので、3、4年後にフルオペラでやりたいとクリスティ指揮者がコンサート前のトークで言ってました。
男性は全員ばりっとしたホワイトタイの燕尾服姿でとても素敵だったんですが、パフォーマンス以外であれっと思ったことが二つありました。
まずは、私の一番のお目当てのカウンターテナーのイェステイン君ですが、なんと電子楽譜を抱えて登場
皆さん、ほとんどは一応楽譜を台に置いてても全く見なかったので暫く気付かなかったのですが、なぜか最後の方でローズマリー・ジョシュアとイェスティン君が絡む場面で二人とも必死で音符を追う羽目になり、彼女は普通の紙の音符をめくりまくっていたのに、その隣でイェスティン君はクールにフリップするだけ。
さすが、ネットにえらく熱心なインテリ青年だこと。でも、メモとかしなくていいわけ?
もう一つは、古楽オケの草分け的存在のクリスティ指揮者の足元で、最前列ど真ん中だったので気付いたのですが、真っ赤というより朱色の派手なソックス。
それだけでなく、もっと驚いたのが、なんとかわゆいリボンが付いたフェミニンな靴
・・・知らなかったけど、クリスティ氏って、そっち方面の人だったの・・・?
いえ、別にそれでも全く構わないし、そういうことがクラシック音楽界でオープンにできることは良いことだと思うんです。
(追記:この靴は、私は知らなかったのですが、オペラパンプスというものらしいです。コメント欄で何人かの方に教えて頂いたのですが、中でもレイネさんが調べて下さった男子礼装のプロトコールは役立ちますよ)
もしかしたら、イェスティン君のこんなフォーマルな正装を見るのは初めてかも。素敵だったけど、ズボンが短過ぎた・・・。ま、それも、お洒落には気を使わない学者タイプのイギリス人男性らしてけどね。それともこの燕尾服は借り物?
イェスティン君と違っていつもお洒落なソプラノのローズマリー・ジョシュアのこの素敵なコートドレスは借り物ではあり得ないですが、渋い光沢のあるブルーグレーの下に紫色のスカートという意外な色の組み合わせがさすが
ズボン役のメゾソプラノ、Caitlin Hulcupも、マッダレーナ・コジェナ似の長身の美貌に黒いベルベットのジャケットとベルバラのオスカル様風の白いブラウス、ブーツがお似合い。
素敵だったのは衣装だけではなく、パフォーマンスの水準も高かったです
特に、イギリス3人組(ローズマリー・ジョシュア、アラン・クレイトン、イェステイン・デーヴィス)が出番も多くて素晴らしかった
タイトルすら知らなかった作品だけど(知ってる人は少ないでしょう)、預言者役のイェステイン君の歌う場面が多かったのも(一番多かったんじゃないかしら、)すごく嬉しかったし、絶好調のイェスティン君には聴き惚れます
11月27日、30日に続いて又聴けてとても幸せ。来週St. Johns Smith Squireで2回歌ってくれるコンサート(22日のクリスマス・オラトリオ、23日メサイア)は残念ながらどちらもパスだけど(彼がちょっとしか歌わない割に高いので)、きっとラジオでやるでしょ。
酔っ払いのバビロンの王様役のアラン・クレイトン、ちょっと前まで童顔のかわいこちゃんだったのに、今では太ってヒゲまで生やして一気におっさん化してしまったけど歌は立派で、何度かキャンセルされたり不調だったりしたけど、やっと絶好調のクレイトン君が聴けて満足。イェスティン君がカウンターテナーとしては声量があると言っても、テノールに高らかに歌われたら、そりゃ迫力は適いません。
対するオセアニア組は、ちょっと負けましたね。
特に残念だったのは、イギリスが誇るメゾソプラノのサラ・コナリーがキャンセルしたこと(健康上の理由だそうです)。
代役のオーストラリア人ケイトリン・ハルカップも充分上手だったけど、サラ様と比べたら声の艶と貫禄は比べ物になりません。ズボン役としてビジュアル的にはほっそり長身の金髪美人のハルコップの勝ちだけですけどね。
これも代役のジョナサン・レマルーは、出番の少ない脇役だし、どうってことなかった。一時は暖かい雰囲気で良い味出してたけど、最近ぱっとしないような。
ヘンデルはなんでも好きだけど、このベルシャザール、有名アリアはないけど良く出来た作品で、カウンターテナーの存在も大きいので気に入りました。クリスティさん、いつも稀で貴重なバロックやって下さって感謝です。
ところで、イェスティン君と言えば俳優のジェームス・マカヴォイ。似てるでしょ? どちらも大好き
そのマカヴォイが2月にロンドンの舞台でシェークスピアのマクベスを演じるんですが、今日が切符発売だったんです。
お芝居には興味のない私ですが、生マカヴォイなら是非見たいと思って切符を狙ってみました。外出してたので出遅れた上に、話題になってるので売れ行きも上々。だけどほんの少し残ってたので(舞台の後ろが)、高いけど一枚だけ買おうとトライしたのになぜかうまくいかず
ま、このコンサートのイェスティン君みたいに2メートル以内で見られるのでなければ行く甲斐がないわけですから(DVDでヨダレ出してりゃいいんですもんね)、と負け惜しみ言いながら断念