PR: パソコンをセキュリティ対策はXPサポート終了前に
リッチモンドでランチ
<4th Jan Sat>
ジブリ映画が好きなムスメから借りたDVD「コクリコ坂から」を観ました(→こちら )。ジブリ作品の中ではベストの出来ではないですが、1963年設定というのが私にとってはツボで、懐かしさで涙が出そうになりました。で、宮崎吾郎監督はこれを「時代劇」だと・・・。仕方ないか、50年も前だもんね。
-------------------------------------------
ちょっと前のことになりますが、12月20日、リッチモンドに半日行ってきました。
ロンドンからは南西にあたるリッチモンドへは北西の我が家から都心を通って地下鉄undergroundを乗り継ぐと2時間近く掛かるのですが、途中から停車駅が少ないovergroudという地上線に乗り換えると1時間で着いてとても便利。
そんなに簡単に行ける所でも何か用事がないと行かないわけですが、この日はブログで知り合ったアメリさん(→こちら )と初めてお会いしましょうということで、ランチをご一緒しました。アメリさんはツアーコンダクターとして世界中を回ってらっしゃる私とは別世界の華やかなお仕事をなさっている方ですが、初対面でもすぐに打解けることができるのがブログ仲間の良い点ですが、おまけにリッチモンドにお詳しいので案内して頂けたのもラッキー。ありがとうございました。
リッチモンドは高級住宅街で、我が家とはまるで別世界
洒落たお店もたくさんあるし、中心から路地に抜けるとこんな素敵な街角と公園があり、もちろん素敵なカフェもあるし、なによりも歩いているのがほとんど白人というのが私には珍しい光景。
はあ~っ、夢のようです
リッチモンド・ブリッジもこんなピカピカの青空の下だと更に美しくて絵のようだし。
ランチは、アメリさんお勧めの河べりにあるビンガム・ホテルBingham Hotel(→こちら )というこじんまりとしたホテルのレストランに行ってみましょう。
人気レストランだそうですが、クリスマス直前のかきいれ時にも拘わらず、早く着いたせいか、幸いなことにテーブルが取れました。これも、平日のおかげでしょうから、パートタイム勤務になってこういうことができる幸せを再確認。
誰もいないので、バーの写真も撮っちゃいましょう。 窓の外はテムズ河ですから、夏は夕涼み(遅くまで明るいけど)しながらドリンクしたら最高でしょうねぇ。
シックで洒落てるけど明るくて重厚過ぎない内装が素敵。長いテーブル席は結婚式グループが座り、ウエディングドレス姿の花嫁さんもいてうんと華やかでした。
そして、なによりも素晴らしかったのは、こんな高級なお店でしかも手の込んだお料理が3コースで25ポンドととてもリーズナブルだったこと
選択の余地は少ないけど、とても美味しかったし、見た目も上品。種類の多い割には量はそこそこなのもマル印
ランチの後は丘に向かってお散歩しましょう。
冬でも緑なのがイギリスらしいですが、穏やかな陽だまりの中でリッチモンド・ヒルから見下ろす景色は絶景かな、絶景かな
この景色を見下ろす家に住める人は大金持ちですが、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーもリッチモンドの有名な住民で、上左の写真の白いのが彼の家だそうです。ミックはああ見えても案外良い家柄出身でコンサバ趣味らしいですから、きっと内装もすっ飛んだ芸能人風ではなくて、オーソドックスに違いないです。サーの称号も持ってますしね。
ミックの家からほんとちょっと離れた通りの向かい側にあるのが、60年代の人気バンド、ザ・フーThe Who
のピート・タウンゼントの家で、ミック邸よりも更に良い景色が望める最高のロケーション。さすがだ。
というわけで、好天気の平日に高級住宅と素晴らしい景色を拝めた贅沢な一日でした。
人気ブログランキングへ
今年初めての着物
<7th Jan Tue>
晴れてると思ったら、突然ザーッと強い雨が降ったり、ビュービュー風が吹いたりして、不安定な天気が続いているイギリス。海岸地帯では洪水の被害も連日ニュースになってて、心配なことです。
-------------------------------------------
昨日もそんなわけわからん天気でしたが、今年初めて着物で出掛けました。又ロイヤルオペラハウスのカルメン。
今回は、長い間着てない着物に袖を通してみましょう。
そんな時はブログの着物年間まとめ記事が便利で(→こちら )、「持っていることすら忘れてる着物があるかも」、と思って写真をスクロールしてみたら、
はい、ちょうど良いのが見つかりました。
お正月らしい訪問着
長い間着てないということはお気に入りではないからですが、この濃い青色の着物の一体どこが悪いの? と思われることでしょう。こういう色が大好きな私なのに・・。
7、8年前になるでしょうか、着物を着始めた頃に運よくロンドンで着物を何枚か手放したいという方がいて、売り手の方とは直接お会いしてませんが、とてもリーズナブルなお値段で着物数枚と帯数本を譲って頂きました。選んだのは着物は全て化繊でしたが、ちゃんとしたお手入れが不可能なロンドンではとてもありがたいことでした。
でも、他のは自分で洗っても大丈夫だったのに、この着物は地色がかなり落ちてしまったのでした
それ自体は構わないのですが、真っ白だった花柄が青く染まってしまったせいで、ぼんやりした印象の着物になってしまったような気がして、敬遠していたのです。
今回も、地味になってしまった着物を少しでも華やかに引き立てようと、帯を金々キラキラにしてみましたが、写真写りはなかなか良いですね~(私ではなくて着物がよ)
グレーになってしまった花柄も、見ようによっては落ち着いて品良くなったと言えるかもしれないし、そんなに嫌わないで、これからは時々登場させてあげようかしらね。
でも、地色が濃い着物は夜のお出掛けには映えませんねぇ、やっぱり・・・。 日中のお出掛けの方が向いてる着物でしょう。
それとも、何度か洗えば薄い水色になる?
いずれにしても、その気になれば、今月は着物で出掛ける機会が多く、今はその気になってるので、面倒臭がらず、積極的に着物を選んでみましょう。日本から帰って以来体重が減らなくて、着られる手持ちの洋服があまりないという好都合な理由もあることですしね
でも、だからと言って、この体型に合う洋服を今あちこちでやってるバーゲンセールとかで決して買うまいぞ、と固く決心しようとしているので(まだしてないけど)、着物回数は増えそうです。イエーイ
尚、ダイエットは2月になってからスタートの予定でございます。・・・・おそらく・・・自信はないので宣言はしませんが・・・やる気あんのか?・・・
やる気はあっても、なかなか難しいわけよ。だって、やっと食べ歩きできる時間ができたんだもんね。今夜も友人と二人で居酒屋(Nambu-Tei)に行って、美味しかった~
人気ブログランキングへ
PR: あなたの善意が命をつなぐ 骨髄バンク-政府ネットTV
カルメンは3人目、ドンホセはガラガラ声
<8th Jan Wed>
最悪の歌手交代がROHで発表されました。7月のラ・ボエームの全公演に大嫌いなチャールズ・カストロノーヴォが出るんだと・・・(→こちら )。ロドルフォを歌える若いテノールはわんさといるだろうに、なんでロンドンのオペラファンはこのバリトンもどきの最悪テノールばっかり聴かなくちゃならんのだ? 最近やり過ぎてええ加減うんざりのラ・ボエーム、グリゴーロも出ないし、行くのやめようかな。(追記;すみません、グリゴーロが出ないというのは私の誤解で、彼は出ます。ホッ! それなら行くわ、もちろん)
-------------------------------------------
1月6日、又カルメンのAチームに行ってきました。これでアラーニャ組3度目ですが、年が明けると違うカルメンになるわけで、そりゃ行きますとも。
カルメンってどんなお話なの?と首をかしげる方は以前の記事(→こちら )をご覧下さい。
で、他の歌手についてはすでに書いたし(→こちら )、カルメンだけについて書こうと思っていたのですが、そこはナマ物のオペラ歌手たち、前回とは違う展開になったので、又ドンホセと闘牛士についても書いちゃいます。
Carmen
Director Francesca Zambello
ちょっと~、私に風邪移さないでよね。離れてよっと。
カルメン
でも、演技的には熱いアラーニャとは良いマッチで、Anita Rachvelishviliの時のようにアラーニャの熱演が空回りせずに済んでアラーニャも嬉しかっただろうし、なんと言ってもこぼれそうなオッパイは今までのROHカルメンの中ではダントツ
しかし、この日はイマイチだったと言っても、一回だけで判断してはいけないのがオペラ歌手。調子良ければまだまだROHカルメン代表として立派にやっていけるかもしれません。
闘牛士エスカミーリョ
2チーム比較では雲泥の差で負けたヴィート・プリアンテですが、この日は声もよく出たし、人気闘牛士らしい派手なアクションも颯爽と披露して、まるで別人 ダニエル・オレン指揮者に渇を入れられたんでしょうかね? これだけ歌えるのなら、最初からそうすればいいのに、大事な時に足引っ張ってアホなやっちゃ。うんとましになったと言っても一流からは程遠いしね。
指揮台の上でジャンプして張り切ってる割にはなぜか毎回テンポが遅かったオレン指揮者、この日は何度か歌手とずれてしまい、これまでで最悪。どうしちゃったんだろう?
カーテン帯でレストランへ
<10th Jan Fri>
今日、今年3回目の着物お出掛けしました。
えっ? 3回目?
2回目はなんだったの? まだアップしてないよね?
はい、そうなんですが、昨夜の着物お出掛けはちょっとしたイベントだったので、時間にある時にちゃんとやりますね。
今日は、午前中働いて、帰りにジムで泳ぎ、一旦帰宅して、着物に着替えるという慌しさでしたが、
行った所はNagoyaというレストラン(当然ジャパニーズです→こちら )、イベントは名古屋弁の会の新年会。
参加16名で、お馴染みメンバーと新しい方が混じって楽しかったんですが、食べ物は量が少なくてがっかり 名前からお察しの通り、オーナーは愛知県出身であることから、最近はいつもここでやってるのですが、「やる度に落ちとるがね~」、と皆でブツブツ 味噌煮込みうどんも食べれーせんかったし。
でも、まあ、私は着物回数も稼げたことだし、いいことにしましょう。
実は昨夜は訪問着の背中と帯にシャンペンぶっちゃけてしまって真っ青になったので、今日は安全を期して、着物も帯も洗える化繊にしよまい、ということです。雨だったしね。
光沢のある格子柄の着物は、紬みたいですが、プリントです。
帯はカーテン地。
ロンドンで10年近く前に着物を着始めた時は帯をほとんど持ってなくて、もちろんロンドンでは買えませんから、それなら自分で作ってしまおうという苦肉の策。ミシンでガーっと縫って裏返しただけの文字通りの袋帯
これがカーテン帯の第一号ですが、この後もう2本作ったものの、やっぱり締め心地が悪いので、あまり登場しませんね。でも、裁縫が大嫌いな私が布地が浮いてこないように透明の細い糸で押えてたりして苦労した代物ですから、たまには皆さんにご披露しないとね。
帯締めも優しい色にして、私にしては珍しい地味な中間色コーディネートとなりましたが、「着物も帯もチェックというのもナンだわよね」、と思って、帯揚げは花柄の飛び絞りにしてみました。
ビジネス新年会でお琴弾きました
<12th Jan Sun>
昨日はオニーサンのコネの毎年恒例無料映画鑑賞ご招待でWalter Mittyを観ました。評判は大して良くないけれど、よく出来てて楽しめました。その後オニーサン夫婦と友達、ムスメと彼氏、私たち夫婦7人で長いランチをし、ムスメと3人で買い物してから私とトーチャンはバービカンのコンサートへ、という忙しい土曜日でした。
最近は曜日の感覚がないのだけれど、今日(日曜日だったんだ)は超高級ホテルでランチ、明日の月曜日も郊外のマナーハウスでランチの予定と、すっかり有閑マダムみたいな生活だわ~
-------------------------------------------
1月9日(木)は、英国商工会議所の新年会でお琴を弾きました。
パーティ会場に入る前の控えの間で出席者がドリンク受け取って通り過ぎる時にBGMとして弾くだけで、いわば正月の門松代わりなんですが、歴史のある立派な空間にいられるだけでなんだか嬉しいし、1時間の演奏のために合奏のリハーサルしたのが有意義且つ楽しかったわけですから、
人がたくさんい過ぎて目の前で数人で歓談してるおじさんたちの中で「うるせーなー。音が聴こえないから合奏できねーじゃん、早くどっか行ってくれ」、とイライラしたり、反対に人の波が途切れて、「ちぇっ、折角弾いてんのに、誰も聴いてねーな」、とやる気がなくなったりもしたけれど、まあ仕方ないですね。大体は程よく人がいて、まあまあだったし。
先月、大使館でのクリスマス・パーティで着たばかりですが(→こちら )、華やかにするのも役目のうちでしょうから、訪問着にしましょう。茶金の帯は先回のキラキラ帯(→こちら )の裏側です。
ドレイパーズ・ホールDrapers' Hallは、名前から察するに、シティにたくさんあるかつての職業ギルドの建物に違いないのですが、今ではビジネスパーティ、結婚パーテイと色んなイベントに使われているようです(→こちら
)。
うちの琴グループが毎年やってるイベントで、熱心にお稽古に通ってるレギュラーの人たちが都合悪かったので、せいぜい年に2、3回しかお稽古に行かない私にお鉢が回ってきたわけですが、こういうことでもないと全く練習しない私には貴重でありがたい機会で、3年前にも助っ人しました(→こちら )。
今年は先生も初参加で、盲目のヴィオラ奏者の高橋さんもご一緒して下さって、4人で合奏。私が弾いたのは六段(古曲)、北海民謡調(宮城道雄)、こ手鞠(沢井忠夫)。他には春の海、惜別の春、古今の調べ。
運転手兼楽器運搬&写真係のトーチャンにも一応ちゃんとした格好させないとね。
↑ ここが日本大使のスピーチもあったメイン会場で、演奏終了後は私たちもジョインして下さいと言って頂いたのですが、今年は参加者が多くて、部屋に入ることすらできませんでした。
でも、大丈夫、私たちはドリンク配給所にいたわけですから、シャンペン放題で、皆で乾杯しましょう
このシャンペンが仇になって、ヴィオラ奏者の方の前を通った時にぶつかってしまい、彼のシャンペンで私の着物の背中と帯がびしょびしょに(彼のタキシードにも少し)なってしまったんですけどね・・・
大きなシミができてしまい、もちろんロンドンには悉皆屋さんもいないので、この訪問着はもう駄目かな・・。名古屋のコメ兵でうんとお安く買った古着だしどうせサイズも合わないので構わないんですけどね。 また、違うの買う言い訳にもなるし
draperって「優雅なひだのある掛け布を扱う人」って意味なのに、どこにもドレープがなくて、窓もむき出しのガラスだけなのが不思議だ
しかし、勤務時間が半減してお琴弾く時間が少しは増えるかと思ったけど、やりたいことがたくさんあって、そこまで手が回りません。
それどころか、時間があったらいっそ何か新しい楽器をやってみたい気がしてます、実は。だって、ゼロから始めたら上達が実感できるけど、お琴は中学生の頃の腕前に戻ることすら無理みたいなんだもん
人気ブログランキングへ
おめでたコジェナのモーツァルト @バービカン
1月11日(土)、バービカンに、チェコの歌姫、メゾソプラノのマグダレーナ・コジェナを聴きに行きました。
3ケ月前にコジェナがROHで5月末から始まるプーランクのオペラ「カルメル派修道女の対話」Dialogues des Carmélitesから降板すると発表されて(→こちら )、「えーっ!それはがっかりだ!でも、本当の理由は何かしら? もしかしたら夫婦の不仲?」、とか思ったけど、そうではないことが、コジェナが舞台に登場した途端にわかりました
不仲どころか、その反対で、おめでた (ご主人はベルリン・フィル常任指揮者のサー・サイモン・ラトル)
妊娠5、6ケ月ってとこかしら?
お腹の膨らみを隠すようなデザインのドレスで現れたコジェナ奥様は、金髪を少し茶色に染めて、ドレスのセンスの悪さは相変わらずで、生地が安物のぺらぺらな上に仕立ての悪いドレスは、縫製が雑なので縫い目がところどころ波打ってますよぉ・・
折角の美貌を最大限に見せる術を知らないのが歯がゆいコジェナ、すっぴんでも(この日もほとんど化粧っ気なし)綺麗とは言っても、髪の毛もボサボサで、身のこなしもなんか洗練されてないのよね。
ほんと、勿体ないったらありゃしない。
Mozart Symphony No 33
Haydn Arianna a Naxos
Mozart ‘Non più di fiori’ from La clemenza di Tito
Haydn Symphony No 85 in B flat La Reine
Mozart ‘Deh per questo istante solo’ from La clemenza di Tito
Mozart ‘Parto, ma tu ben mio' from La clemenza di Tito
Les Violons du Roy
Magdalena Kožená mezzo-soprano
Bernard Labadie conductor
歌は、芝居っ気たっぷりに熱演してくれて、盛り上がりました
彼女が歌ったのはモーツァルトのオペラアリアばかりだったけど、最前列ど真ん中という一番近い席から見上げながら、「そんなに頑張って、お腹の赤ちゃんは大丈夫なんだろうか?」、と心配になるくらい熱いコジェナ奥様でした
あらよっ! ほらよっ!
アンコール以外は皇帝ティトの慈悲ばかりだったけど、これをこないだのブリュッセルで聴きたかったわ(→こちら
)。これまた長身美人のヴェロニク・ジャンスとなら理想的なカップルですもんね。コジェナのズボン役は生で観たことないけど、きっとチャーミングな美青年に違いない。
モーツァルトの男役て徹底することにしたのか、アンコールはフィガロの結婚から恋とはどんなものかしらで、青筋立てて歌った苦悩のセストとは打って変わって、ほんわかと爽やかなケルビーノの少年ぶりが魅力的でした
春にROHで夫婦共演してもらえないのは残念だけど、そういう理由なら仕方ないし、こんな近くでたっぷり聴けたから満足で、キャンセルしないで歌ってくれてありがとう 一緒に連れてってあげたトーチャンも彼女がj気に入ったようです。
人気ブログランキングへ
PR: パソコンをセキュリティ対策はXPサポート終了前に
サボイ・ホテルでランチ(着物で)
<15th Jan Wed>
勤務時間半減により、皮肉にもジムに行く回数がぐっと減ってしまったのですが、今日はそのリベンジで午後たっぷり3時間、ピラティス、ランニングマシン、水泳と頑張りました!
今日はバービカンの来シーズンの発表がありましたが(→こちら )、オペラ・コンサートはまあまあのラインナップだけど、ソロアーチストやオケはぱっとしませんね。毎年悪化してて、これではもうロンドンはクラシック音楽ファンにとって天国とは言えないわ。時間があれば、昨年のように買うものを決めたら一覧にします。
-------------------------------------------
1月12日の日曜日、友人4人でサボイ・ホテルに行きました。
折角の機会ですから着物にしよ。今年はペースが早くて、これですでに4回目よ。
新年会だから華やかに光モノでというのがドレスコードだったので、鮮やかなグリーン地に亀甲柄がピカピカの袋帯にしましょ。帯も雲柄色無地も娘時代のだからド派手だけど、きっとその方がいいでしょ。
コベントガーデンにも近いストランドにあるサボイ・ホテルThe Savoy(→こちら )は、ギルバート&サリバンのオペラを観に何度か行ったことがありますが、そのG&Sのオペラ公演の儲けで1889年に建ったのがこのホテル。隣接のサボイ・シアターはアール・デコの素敵な内装で、今はLet It Beというミュージカルを上演中。
改装後に入るのは初めてだけど、勿論それ以前だってほとんど縁のない私にとっては敷居の高い超高級ホテル。
でも、幸いご一緒した方がよくご存知だったので、びびることなく行動できました。
それに、入ってみれば、とてつもない金持ちばかり闊歩していたわけではなく、意外に気軽。あちこちではしゃいで記念写真撮ってるグループもたくさんいました。
クラシックでありながら最近修復してモダンになったサボイホテルの雰囲気に、自分で言うのもナンですが、古典過ぎない着物と帯はなかなか合ってるのではないでしょうか クリスマスだったらもっとぴったりだったけどね。
ロビーを抜けるとシャンデリアとお花がきれいなつなぎの間があり、その先がティールームとカジュアルレストラン。
予約なしでどちらも大丈夫でしたが、フィッシュ・レストランにしましょう
その前にトイレに寄って、ここでも写真撮っちゃえ!
ホテルのサイトにもトイレの写真は出てこないでしょうからね。
お茶を頂くなら、ピアノの生演奏もあるこのThames Foyerが良いですね。
私たちがランチしたのは、Kaspar's Seafood Bar & Grill。(別にサボイ・グリルというフォーマルなレストランもあり)。
シャンペンで新年の乾杯!
私が頂いたのはレモン・ソールというカレイでしたが、想像とは違いパン粉で揚げてありました。胆嚢摘出してからなるべく油モノは避けてるんですけどね・・。
アメリカン・バーに移動
yokoさんが主催する美容グループの集まりなので、美の探求をテーマに今年の抱負なども語り合いましたが、全員子持ちでもあり、子供のことやらあれこれ話が飛んで、6時半近くまで楽しくお喋り。
カクテルで有名なバーなのに、お茶ってのもなんですが・・。
有名人がたくさん来たことがあることで知られてるバーで、あちこちに有名人のサイン入り写真が飾られ、なんと隣の部屋はこのバーのミュージアムでしたよ。
というわけで、有名人には遭遇しなかったけど、夢のような別世界で優雅に過ごせた日曜の午後。今月は新年会と称して外食が多いのですが、その中でもゴージャスさではそりゃここが一番でしょう。
実はこの翌日もまた郊外の素敵なマナーハウスでランチしたし、来月はクラリッジス・ホテルでアフタヌーンティも予約済み。贅沢し過ぎてバチが当たりそう・・?
人気ブログランキングへ
カニザロ・ハウス(ウィンブルドン)でランチ(また着物で)
<16th Jan Thus>
今日は木曜日だったのか。会社に行かないと曜日の感覚がなくなるし、結局家でごろごろして一日が過ぎてしまったわ。「着物でランチ」記事が続いて恐縮ですが、有閑マダム気分を味えるのが新鮮で、ついはしゃいでしまうわけです。
-------------------------------------------
前日のサボイホテルに続き、1月13日の月曜日はウィンブルドンにある元貴族のお屋敷に着物で行き、友人3人でランチしました。
カニザロ・ハウスCannizaro House(→こちら )は、シチリア出身のカニザロ伯爵によって19世紀に建てられ、ヘンリー・ジェイムスやオスカー・ワイルドも滞在したことがあるというかつての社交の場。1980年代に瀟洒なホテル(今は部屋数46)になり、広いお庭付きですが、目の前にウィンブルドン・コモンという公園もあり、ゆったりとした緑に囲まれた素敵な環境です
先日行ったリッチモンドもそうですが、ロンドンの南の郊外って、北西の我が家とは違い、ほんとに良い雰囲気なので羨ましい限り。
近くのお住まいの方が車で連れてって下さったのですが、まずは宿泊者でなくても入れる所を見学。
イタリア人によって建てられただけあって、素朴なイギリスのカントリーハウスとは違う色気のある雰囲気ですね。
最近出来たオランジェリーで朝食やランチが頂けますが、お屋敷を後ろから眺めると、そこだけモダンなガラス張りでちょっと違和感もあるかな・・。
アヒルの泳ぐ池までお散歩した後、レストランに向かいます。
シャンデリアのあるグレーのシックなお部屋で頂くこともできるのですが、
こんなお天気の良い日は、明るい日差しが眩しいガラスのテラス席にしましょう。
お庭の緑がきれい! 犬が数匹、楽しそうに走り回ってたのも絵になる風景で、月曜日なので空いてたし、とても贅沢で気持ちのよいランチでした。
他の方がお酒を飲まない時は私もお水で。 前菜の雉(キジ)サラダが陽光の中でさらに美味しそうに見えるでしょ。実際に美味しかったし。
メインは魚。なんだったか忘れたけど。フルーツ添えのパンナコットはぷりんぷりん。
この後、案内して下さった友人のお宅にお邪魔して、お茶を頂きながら、着物についてもあれこれ説明し、実際に着付けを見て頂きました。今日はそのために着物着てきたんですが、これで着物仲間が増えるといいな。
椿柄の赤い着物は数年前に、今は故人となられた方が「椿姫さんに椿の着物を」と仰って譲って下さった形見の一枚ですが、そう言えば、その方のウィンブルドンのお宅で頂いた着物ですから、私が意識してそうしたわけではないのに懐かしい街に戻ってきたというわけですね。正月らしい柄のオリーブ色の帯を合わせてみました。久し振りに髪もアップにして。
今年に入って2週間以内に5回目の着物お出掛けって、我ながらようやると思います。
明日もオペラハウスに着物で行くつもりですしね
人気ブログランキングへ
トーチャンの誕生日にムスメの手描きカード
<18th Jan Sat>
今日はトーチャンの誕生日。
59歳になりましたが、早く私に追いついて60歳になれるといいね。あれこれシルバー割引があるし、なんと言っても60プラスというオイスターカードが無料で貰えのが一番ありがたい。但し、これはロンドン市長の鶴の一声で始まったものらしく、いつまで続くかわからないのが心配だけど。
そう言えば、トーチャンの40歳の誕生日の前日にあの神戸大震災が起こったのでした。私が40歳になる前日はロンドンのシティでIRAによる大きなテロ爆破もあったな・・・
などど言う悲しい事件をつい思い出してしまいましたが、
それはさておき、
今日はムスメとボーイフレンド君も一緒に4人でレストランでお祝いしました
日本大使館近くにある菊という老舗ジャパニーズレストランで(→こちら
)、値段は結構高いのですが、ムスメと行った私の会社のクリスマスパーティで当たった食事券を一部に充当できるのは助かります
ところで、ハイライトはいつもの通りムスメの手描きのバースデーカードですが、今年のはこちら。
お馴染みのカエル君が必死で蝶々をキャッチしようとしているのは、トーチャンがこの数ケ月、いい年して夢中になってやってるどうぶつの森という任天堂のDSゲーム(英語ではAminal Crossing)にかこつけてるらしいです。
今、ムスメは冬季オリンピック関連の仕事で毎日忙しいのに、細かいところまで丁寧に描いてくれて、よかったね~、トーチャン
今日は昼から私とトーチャンでロンドンのさる有名観光地に行ってたんですが、その時のことは又あらためて。
人気ブログランキングへ
グリニッジでターナー展
<20th Jan Mon>
5連休でゆったりできましたが、明日からは仕事。今夜はバレエ(ジゼル)をトーチャンと観に行きますが、その前にちょっとだけロンドン観光しましょうかね。一昨日もロンドン観光客して楽しかったですから。
-------------------------------------------
1月18日のトーチャンの誕生日、夜はムスメたちとレストランに行きましたが(→こちら )、それまで家でごろごろしてるのも可哀相なので、二人で久し振りにグリニッジに行ってみました。
世界遺産にもなってるMaritime Greenwichについては日本語ウィキ(→こちら )でご覧下さい。
まずは有名なカティ・サーク号を外から見学。火災でダメージを受けた後2012年に復興修理が完了しましたが、ホバークラフトみたいになっちゃっいましたね
焼失した部分が多いのに入場料が13.5ポンドもするので、前に入ったことあるし、今回はガラスケースの中を覗くだけ。
毛糸の帽子は去年ムスメが編んでくれたもので、彼女の帽子第一作。
半分レンガのドームは、テムズ河の歩行者トンネル。これも歩いて渡ったことがあるので今日はパス。
でも、この辺りの眺めは随分変わったこと。
ドックランドの高層ビル群と、カモメの向こうには高さ約300メートルの新しいThe Shard。シャードには私の誕生日に展望台に上りました(→こちら )。
旧王立海軍大学The Old Royal Naval Collegeの広場は、最近、映画「レ・ミゼラブル」や「マイティ・ソー」のロケに使われました(レミゼではパリという想定で)。
そうだ、マイティ・ソー/ダークワールドは日本では2月1日に公開ですね(→こちら 。ハンサムでマッチョなクリス・ヘムズワースが着てるヨロイはムスメが製作に携わったものですから、おヒマな方は観に行って下さいね。
ジェームス1世の奥方であったアン王妃が17世紀初頭に建てた白いクイーンズ・ハウスThe Queen's Houseも一般公開されてて、随分前に行ったことありますが、今回は時間がないのでパス。その向こうの丘にある有名なグリニッジ天文台も、公園の桜が満開になった時にでも又行ってみましょう。
海軍学校が、不便でしょうに、なぜ二つの建物に分かれているかというと、
アン王妃が、「ちょっと、そんな所にでっかいの建てたら、私の邸からテムズ河が見えなくなっちゃうじゃないの」、と文句言ったからだというのはイギリスでは有名なエピソードです。
グリニッジは、我が家からは1時間ちょっとで着けるのでいつでも行けるのに、そうなるとなかなか行きませんよね。
で、今回行ったのは、クイーンズ・ハウスの隣にある国立海事博物館National Maritime Museumで開催中のTurner & the Seaという絵画展がお目当て。世界中から借りてきたターナーの海の絵が多数展示されて評判も良い展覧会ですから、ターナー好きの私には見逃せません
海がテーマの建物が立ち並ぶ中で海の絵を鑑賞するのは雰囲気ぴったりだし、作品も充実してて楽しめました。4月12日まで開催(入場料10ポンド)→こちら 。
海運国イギリスでは海を描いた絵画は伝統芸で、ターナーが特に好んだ題材でもあり、他の画家とも比較しながら、ターナーの進化がよくわかる展示になってます
無料の常設展もざっと見て、外に出たら、あら、さっきは曇ってたのに、良いお天気になってるじゃないの 日も長くなって、5時過ぎでもまだ明るいし、もう一度広いスペースに行ってみましょう。
双子ドームの一つにはPainted Hallという晩餐会ホール、もう一つにはチャペルがあり、どちらも無料で見学できます。
↑ 天井が凝ってるチャペル
シャードも灯りがともって綺麗ね
再び母の着物でオペラに
<20th Jan Mon>
クラシック音楽ファンにとっての今日のニュースは指揮者クラウディオ・アバドの死。80歳。数年前に最後に生で聴いた時はすでに胃癌でやせこけてたけど、それから意外に長く生きて、ベルリンフィル時代の印象が強いので、イタリア人という感じがしない人でした。合掌。
-------------------------------------------
1月17日、ロイヤルオペラハウスにマスネのオペラマノンを着物で観に行きました。
夏に実家から持ってきた薄い藤色の木目柄の小紋は、母の一番のお気に入りの一枚で、秋に着たときは菊柄の黒い帯を合わせました(→こちら )。
私は着物と帯の意外な色の組み合わせが好きなのですが、藤色にはモノトーンか同系色しかしっくりこないような気がするので、今回は濃い紫色の帯にして、全体を藤色と緑色だけの二色であっさりまとめてみました。
手持ちの帯ではこれが一番無難でしょうが、次回はちょっと冒険してみたいかな。
こういう薄い着物は、暗い所の方が映えますね。
引き続き頑張ってるでしょ。すでにこれが今年6回目の着物お出掛けですよ
今日のバレエ(ジゼル)はトーチャンと一緒だったので洋服でしたが、今月は少なくともあと2回は着る予定ですしね。
でも、あと1ケ月すると、私にとっては最重要な地下鉄コベントガーデン駅がエレベーター(イギリスではリフトと言います)の取替えのためなんと11月まで出口専用となってしまい、とても不便。隣の駅まで歩かなくてはならないので、着物で行く回数がぐっと減るかも・・。折角波に乗ってるのに、残念だ
って、レスタースクエア駅は歩いてほんのちょっとなんだから、言い訳にせずに歩け 草履はハイヒールより楽なんだし。
人気ブログランキングへ
ヘンデルの英語オラトリオ Jephtha
<22nd Jan Wed>
ROHから夏のフレンズ予約案内が届きました。話題の新プロダクション2つ、カウフマンのマノン・レスコーとディドナートのマリア・スチュアーダは一体切符を何枚買わせてもらえるのかしらと心配でしたが、全部で4枚ということで、いつも2枚だけのワーグナーよりましだ。トーチャン、良かったね、これなら一緒に連れてってあげるわ(ワーグナーは2枚だけでも連れてってあげたけどね)。因みに、「又か、しつこい!」のラ・ボエームも、ゲオルギューとグリゴーロ共演なので全部で4枚ですって。
-------------------------------------------
1月14日、バービカンでヘンデル最後のオラトリオJephthaを聴きました。歌手陣は地味ですが、ヘンデル好き、コンサート・オペラ好きの私がこれを聞き逃す筈はなく、抜かりなくかぶりつき(2列目だけど)ど真ん中を確保。
旧約聖書に出てくるお話で、古代イスラエルの武将ジェフサは「この戦いに勝てたら、帰還して最初に出迎えてくれた人を生贄にするから」、と無責任に神に誓ったところ、あちゃーっ!現れたのは「お父さん、お帰りなさ~い」、と喜ぶ自分の娘・・・。
って、これじゃあモーツァルトのイドメネオとそっくりな悲劇的シチュエーションですが、オペラにしたのはヘンデルの方が30年先ですからね。
で、聖書では娘は殺されてしまうのだけど、このオラトリオでは最後に天使に救われるんです。でも、一生を神に捧げるという条件付きなので、恋人もいるのに、それじゃあ幸せになれないかもですね。
でも、ドラマチックな設定の割にはドラマ的には盛り上がらない作品なのでそんなことは気にしないで、歌合戦として楽しみましょう。
晩年のヘンデルが視力の衰えに苦しみながら作曲したこの最後のオラトリオは1751年にヘンデル自らの指揮でロンドンで初演され、ヒット・アリアはないけど、いわゆる軽やかで華やかなヘンデル節とはちょっと違う深みのあるしっとりした名作で、珍しく四重唱もあり、いわば次の時代への橋渡しとなったのではないかしら。
今年からバービカンはプログラムが有料になり、(おそらく)僅か2ポンドなので買ってもいいんですが、一緒に行ったトーチャンがオンラインで全リブレットを見つけたので今回はそれで済まそうと2部プリントアウトして持って行き、英語なのでしっかり読みながら聴きました(少し省略してすっ飛ばした箇所も2、3あり)。
ハリー・クリストファーズ率いるThe SixteenはこのオラトリオのCD録音を予定してそうで、いわば今回はそれに向けての準備なんでしょう。どうもまだキャストは決まってないみたいなんですが、果たしてこの日の歌手たちが適役だったでしょうか?
The Sixteen
まず、カウンターテノール好きの私にとって一番興味深いのは当然ロビン・ブレーズ。
名門音大Royal College of Musicの教授になった今では舞台に立つことは少ないようで、私は2011年5月にイエスティン君とウィグモアホールで共演したコンサート以来(→こちら )。その時は伸び盛りのイエスティン君にすっかりお株を取られて世代交代があからさまになり、私も以前は好きだったけど中年になって衰えたブレーズを棄てて、若いピチピチCTに乗り換えたわけです。
この日のブレーズは、決して悪くはなかったけど、観客の多くはきっと先月のメサイヤでイエスティン君を聴いてるので、「うーん、やっぱり声量面と中低音の美しさと安定度ではイエスティン君に大きく差を付けられて負けてるなあ。イエスティン君がここにいたらいいのに・・」、と思ったに違いないです。
でも、コロラチューラはブレーズの方が上手だし、童顔の割には長身で颯爽と格好よく、オツムは薄くなりかけてるけど(以前はもっと禿げてたような気もするけどな・・・)、まだまだチャーミングで目が離せないブレーズ教授でした
でも、やっぱりCDはイエスティン君に歌って欲しいですよね、クリストファーズさん。
しかし、きっとカウンターテナーって賞味期間が短いんでしょうね。ブレーズだって、まだ42歳よ
盛りを過ぎたカウンターテナーと言えば、来週バービカンにアンドレアス・ショルが来るんです。腐っても鯛(?)のショル兄、まだまだ人気は高く、バービカンにしては珍しく切符の売れ行きも上々(→こちら )。もちろん私も行きます。この頃不調の時が多いけど、もし絶好調であればまだうっとりさせてもらえるという期待で最前列のど真ん中からかぶりつきます ショル兄、頑張れ~っ! まだ(完全には)見棄ててないからね。
今日のベスト・シンガーは誰だった?と知名度とか知らないので偏見なく判断できるトーチャンに質問したところ、Jephtha役のジェームス・ギルクライストだと。
これには私も賛成。ラジオではお馴染みの彼を生で聴くのは初めてだけど、声量も充分で深みのある声がよく伸びる端正な歌唱は素晴らしく、この手のテノールではイギリスでベストでしょう 最後にやっと盛り上がった父親の苦悩を真摯に歌い上げた時は、途中で拍手をしてはいけないのは知ってても喝采されました
生贄にされてしまうことになった悲劇の娘役のソフィー・ビーヴァン、何度か聴いてますが、その度に上手になてて、今イギリスの若手ソプラノではトップでしょう。世界的にはルーシー・クロウの方がもてはやされてるけど、一本調子気味のルーシーより、色んなニュアンスを聴かせてくれるソフィーの方が実力は上だと思います。
小柄だけどグラマーな体型を生かした青いドレスに金髪が映えて素敵だけど、ポイントになる共布のベルト部分がへしゃげてしまって残念でしたね。
The Sixteenの演奏はまあこんなものでしょうという感じでしたが、コーラスは抜群で、特に6人しかいない女性陣はオケの後ろにいたのに個々の声がちゃんと判別できるほど立派な声量の人もいて、その中で一番上手な人が最後に前に進み出て天使役になりました 上手だし、グレーのドレスと黒ジャケットも洒落てます。
PR: 1年間、毎日1万円もらえる毎日がBIGキャンペーン!
2014年の着物
<24th Jan Fri>
来週はバービカンの来シーズンの予約なので何買うか考えなきゃ、と焦っているのに、昨日はサウスバンクからインターナショナル・オーケストラ・シリーズ とバレンボイムのピアノ・リサイタル・シリーズ(シューベルトのソナタばかりで4回)のお知らせが来た。サウスバンクはいつも予約直前に連絡来るのが不親切。詳細は→こちら をご参照。しかし、バレンボイムのピアノかあ・・・。どうしようかな? 上手だった人が段々衰えるのを見るのは辛いもの。ま、週末に考えよっと。
-------------------------------------------
毎年恒例の着物お出掛け一覧です。
「しばらく着てない着物はどれだろう?」、とかいう際に自分のメモとしてとても役立つし、今年はすでに6回も着てるので(正確には7回。今日も着たので) 、いつもより早くスタートしちゃいましょう
①毎回違う感じにする、②同じ着物でも違う帯や小物と組み合わせるのを目標にしてます。顔が同じだから変化と言っても多いに限りありですけどね。
収納の関係で枚数はもうあまり増やせないのですが(少しなら、なんとか・・・なるかな)、手持ちの中でなるべく変化を付けるように、今年も知恵をしぼりましょう。
都度更新しながら、年末にまとめて再投稿しますので、それまではコメントなしで進みます。タイトルをクリックすると記事に飛びます。
<January>
人気ブログランキングへ
マノン by Massnet 前回と比べたら、そりゃ勝てないけど
<25th Jan Sat>
健康のためにお肉を減らして野菜をたくさん食べようとしてるのに、何度言ってもトーチャンはスーパーで肉をどっさり買ってくるので、今日は私も一緒に買出しに行きました。今後はいつもそうしようかな。「そんなら、時間もできたんだし、久し振りに掃除もしろ~っ」、とトーチャンに言われそうですが、長年しなかったから掃除の仕方忘れちゃったもんね
-------------------------------------------
3年半前のプレミエ以来初めてのローラン・ペリーのマノン、先回はネトレプコとグリゴーロという美男美女の大スターで盛り上がったのですが(→こちら )、今回はぐっと落ちる顔ぶれのため切符の売れ行きは悪く、オペラ仲間でも今回はパスという人が何人もいました。私は大好きなテノールのマシュー・ポレンザーニが出るので楽しみにしてましたけどね。
マノン役だけ二人いて、両方観に行きますが、まず一人目のマノンで2度、1月17日と24日に左右それぞれから観たので、ざっと感想を書いておきます。
オペラとプロダクションについては以前の記事をご覧下さいですが(→こちら )、文章一つでまとめると、
享楽的な性格を心配した親に修道院にぶちこまれる直前に逢ったばかりの騎士デグリューとパリに駆け落ちしたマノン嬢、金持ちの愛人になって贅沢しても激怒する父親に連れ戻されて神父になったデグリューを忘れられず教会に押し掛けて復縁を果たし、二人で賭博で金儲けを目論むが、ソデにした男の復讐でイカサマの罪で逮捕され、デグリューは父伯爵のコネで釈放されるが、哀れマノンは流刑地に発つ前にデグリューの腕の中で力尽きて息絶える。
若い恋人がいるのに贅沢好きな美女マノンは金持ちの愛人になり、哀れな青年を振り回し、最後はいかさま賭博の疑いで逮捕され、島流しになるというお話ですが、このマスネ版は、島流しになる前に死んでしまいます
日本でもROH引越公演でやったので、このプロダクションをご覧になった方はいらっしゃると思いますが、セットは全くつまんないですよね。私の安い舞台横の席からは庇(ひさし)に隠れて上の方が見えなかったので尚更殺風景に見えました。
でも、衣装は素敵だし、ドガの踊り子の絵から抜け出したような可愛いバレリーナもたくさん出てきて、楽しめます。マスネの音楽は華やかで官能的で大好きだし。
マノン役はアルバニア人ソプラノのエルモネラ・ヤホ。
ROHには何度も出てお馴染みですが、手堅くはあっても華やかな魅力に欠けるので、「おお、ヤホが出るなら観に行こう!」、と思う人はまずいないでしょう。うんと小柄なので貧弱だし、中身の詰まってないスカスカの薄い声というのが決定的な欠点。
「3年前のあの大輪の花のような声もふくよかで艶っぽいネトコちゃんには逆立ちしたってヤホが敵う筈はないどころか、目の当てられない貧弱なマノンになりそう・・・」、と私も思ったので、ポレンザーニじゃなくて下手なテノールだったらパスしたわ、きっと。
でも、ヤホ・マノンは予想に反してなかなか良かったです。芝居上手なのは知ってたけど(プッチーニ三部作の修道尼アンジェリカの苦悩ぶりにはぐっと来ました)、今回の長丁場を一瞬たりとも手を抜かず、表情から体の仕草まで若くて無垢な少女から妖艶な美女、そして力尽きて死んでしまう哀れな女を変化に富んだ真摯な演技で見事に表現。悲しい役だと毎回ちゃんと涙も出るし、優れた演技力にはあらためて舌を巻きました。はじまる前に「地味でぱっとしないからこの役には合わない人よ」、と言っといたのに、トーチャンは「そんなことはない、美人じゃないか」、と反論。たしかに、演技力で美しく見えてしまうところがすごい
声もよく出て、不快とは全く思わないけど特に好きではないのに、時折「まあ、美しい声だこと」と思わせてくれたし、演技同様、細かい所にまで始終気を配って、ネトコちゃんのチャーミングではあっても大雑把な(スケールが大きいとも言える)歌と演技とは対照的で、偏見なしで聴いたらちゃんと上手に聴こえるでしょう。
でも、努力賞は差し上げますが、彼女を何度も聴きたいかと言われると答えはノーで、夏のラ・ボエームのミミ役でもきっと迫真の演技で泣かせてくれるに違いないけど、相手役が大嫌いなカステルノーヴォということもあり、おそらくパス。来週から登場の二人目のマノンのうんと愛らしいアイリーン・ペレズを楽しみにしてるので、もしアイリーンが病気にでもなって又ヤホと言われたらがっかりだしね。
というわけで、褒めてるんだかけなしてるんだかわからないヤホ・マノンですが、 要するに、イマイチの素材を努力で最大限以上にしてるってことです。
NYメトの花形テノールとも言えるアメリカ人テノールのマシュー・ポレンザーニ。日本でネトコちゃんと共演しましたよね。
ROHではこれまでにコジ・ファン・トゥッテとドン・ジョバンニに登場し、私はメロメロになりましたが、今回はほんのちょっとだけど声が濁ったし、役に合わないのか、実は少々失望。
まあ、先回初めて生で接したグリゴーロのセンセーショナルな迫力歌唱とハンサムでフレッシュな若者ぶりが耳と目に焼きついているので、どうしても比べてしまい、そうするとポレンザーニの太目の体とおっさんっぽいヘアスタイルはちょっとナンだわよね。
それでも、世界的なテノールですから勿論とても上手だし、彼なら何度でも聴きたいです。2度目はグリゴーロの面影も薄れてポレンザーニ・デグリューに徐々に慣れたばかりでなく、彼も上がり調子で、より楽しめました。
というわけで、歌唱的にはなかなか良かった主役カップルですが、そりゃネトコちゃんとグリゴーロと比べたらスターのパワーに欠けるし、太いおっさんと貧弱な女の教会で誘惑する場面も全くセクシーではありませんでした
ま、それは最初から期待していないので、誘惑に負けたグリゴーロは情熱的に法衣をはだけて上半身裸になったけど、ポレンザーニはもちろんそんなことせず。誰も見たくないですしね
マノンの親戚でヒモ的存在のレスコー役のAudun Iversenは、トーマス・ハンプソンを薄くしたような印象で、いまいち魅力に欠けるバリトン。
マノンに見向きもされないハゲ茶瓶のヒヒ爺のクリストフ・モンターニュが前回同様、響き渡る美声とコミカルな演技で大受け
マノンのパトロンで先回も出たウィリアム・シメル、なかなか素敵なおじ様ぶりではあるけど、今回は歌が全くぱっとせず。どうしちゃったの?
マノンが憧れる3人の美女たちの中では長身のNadezhda Karyazinaがグラマーな美人でゴージャス
音楽 ブログランキングへ
二人のジゼル
<28th Jan Tue>
地元のチャイニーズレストランで初めてお会いする方3名を含む日本女性8人で女子会ランチ。いまだに平日ランチできること自体がやけに嬉しい元フルタイムサラリーマンですが、いやー、すみませんねえ、明日も働きに行きません。なんせドン・ジョバンニ新プロダクションのリハーサルですから。
-------------------------------------------
バレエは全くの門外漢の私。その証拠に、代表作の一つであるジゼルを観るのが今回初めてなんです。
なので、気の利いたことなどはもちろん何にも書けず、カーテンコール写真を貼るくらいしかできませんが、今回は1月20日と27日に違う2チームで2回観て、私なりに比較したくなったので、超初心者の浅い見方ですが、書いておきます。
まず、私よりもっとバレエに疎い方のために、どんなストーリーかと言うと、
村娘ジゼルは、貴族の青年アルブレヒトにたぶらかされてその気になるが、アルブレヒトには婚約者がいることがわかると狂乱状態になり、元々心臓が弱いこともあり、あっさり死んでしまう。
ジゼルが精霊となって徘徊する暗い森で、墓参りにやって来たアルブレヒトと再会。裏切り男は精霊仲間たちによって死ぬまで踊り狂うのであるが、ジゼルが「この人だけは許してあげて」「駄目!」、「そこをなんとか、お願~い」、「拒否!」、ともたもたしている間に夜が明けてしまい、精霊たちは消え、青年は助かる。
話はシンプルで、パフォーマンス時間も正味100分と短いんですが、風変わりで踊りにくそうな振り付けがたくさん出てきて、「お~、こんなに難しいバレエだったのか!」、というのが私の第一印象。
プログラムはクリックで拡大して下さいね。
1月20日は、サラ・ラムとスティーヴン・マックレーのコンビでしたが、実はマックレーは急な代役。
この日にしたのはルーパート・ペンファーザーを見たかったためだったのですが、怪我して見られなかったのは残念だけど、代役がマックレーなら文句は無し。私の嫌いなロベルタ・マルケスと組むことが多いので遠ざかってるだけで、山椒は小粒でピリリと辛いマックレーも大好きですから。
ルーパートにしたのは、どうせジゼルの相手なんて担ぐだけの役でしょ、立ってるだけなら一番私好みのハンサムなダンサーを愛でよう、と思ったからですが、踊りを見たら、「あー、よかった、マックレーに代わってくれて。ジャンプも多いこんな難しい役、ルーパートじゃ無理かも」、と。ルーパートより良いどころか、シャープでジャンプの切れも良いマックレーは、1週間後のアコスタよりも私は上手だと思いましたよ。
そして、ジゼルのサラ・ラムにとってはこの日がロールデビューという特別な日だったんですが、そんな大事な日に急に相手役が変わったりして大丈夫かしらと、ハラハラしちゃいましたが、良い意味で緊張感があり、それはそれで感動的。
サラちゃんは、ほっそりして可愛いけどなんか存在感の薄いダンサーという印象でしたが、バレエ好きの知り合いの皆さんが「サラちゃん、最近良いよ~」、と仰っていたように、難しい大役のロールデビューを立派に果たしました
1週間後のオシポワと比べると、生きてる時の病弱な風情はよく出てたし、幽霊になってからは元々そんな感じのルックスを活かして、身のこなしも表情もぴったり。ジャンプの時は、「オシポワだったらきっとジャンプももっと高くてシャキっと伸び切ってるんだろうな」、と想像したりしましたが、サラちゃんのはかなげでクニャーンとした感じも愛らしくてチャーミングなジゼルでした
たくさん撮ったサラちゃんのカーテン写真はどれもとびきり可愛くて美人
↑
マックレーの奥さんであるエリザベス・ハロッドと高田茜ちゃん。二人とも素敵でした。
1月27日はライブ・シネマ上演だったのですが、そんな大事はイベントにはそりゃトップチームでなきゃいけないわけで、入団したばかりのナタリア・オシポワと一番人気のカルロス・アコスタ登場。
そろそろ引退が囁かれるアコスタは、かつてのジャンプ力はないのでしょうが(私はあまり好きではなくそんなに観てないのでわからないけど)、大スターの貫禄とまだまだいける期待通りの踊りを見せてくれたのはさすが。
他の人と肌の色が違うのでカーテンコールで良い写真が撮れないのがナンですけどね。
しかし、この日のスターはオシポワで、いくつかの新聞批評で5ツ星だったのもベタ褒めされてた彼女のおかげでしょうから、期待は異常に高まるでしょ
オシポワ嬢は、2010年8月にボリショイ引越公演のドンキホーテで驚異的なジャンプを見せて話題になった人で(→こちら )、その後ロメジュリとかモダンバレエでも観ました。でも、やっぱり体操競技のようなエネルギッシュな動きが印象に残っていたのですが、このジゼルで見せたしなやかさにはびっくりで、期待を上回る神業
異常に長い腕が美しく曲がりくねり、お得意のジャンプはもちろん高くぴたっと決まり、もうこれは他の誰と比べても次元の違うレベルでしょう。
初めてのサラちゃんが素のままのジゼルだったのに対し、この役はきっと何度もやっているに違いないオシポワは実にきめ細かい演技で余裕たっぷり。
でも、こんなこと言っちゃ悪いけど、前半は病弱の村娘にしては元気過ぎた上、研ナオコ似のファニーフェイスの彼女の濃過ぎる演技はちょっと気味悪くて、モテモテ可愛い子ちゃんには無理があるような・・・。上手なんですけどね~、やっぱりバレエってビジュアルがモノを言いますよね
で、幽霊になった時はあの顔でどうやってやるんだろう、と思ったら、白塗りにしてずっと伏せ目がちの無表情で通し、「前半との違いをきっぱり表現してさすがだ」、と感心はしたのですが、これもやり過ぎで、やっぱり気味悪かった・・・。サラちゃんは生きてても死んでからもほとんど同じ顔だったけど、そのナチュラルさの方が私は好きだな。
美しく撮れてる写真を選ぶのに苦労したわ・・・
しかし、まだ二十代で、ロッホとコジョカルのスター二人に逃亡されてお先真っ暗だったロイヤルバレエの救世主になってくれたオシポワには大感謝で、私はなるべくバレエ地獄に引きずり込まれないように踏ん張ってるんだけど、こんな凄いダンサーが入ったら観に行かざるを得ないじゃないの。困った、困った・・。
前半は崔由姫ちゃんも出てて、日本人3人娘は重要な役で皆さん素晴らしかったけど、オシポワの凄さの前ではすっかりかすんじゃいましたね・・・
カーテンコールには、演出家及び追加振付師のピーター・ライト氏も登場。
開演前のポール・ハムリン・ホールには、引退したダーシー・バッセルもいました。ライブシネマにコメントしてたんでしょう。
速報! ドン・ジョヴァンニ(新プロダクション)のリハーサル
<29th Jan Wed>
アラーニャとクルチャクに今日、予定より少し早く、女の子が誕生。Malenaちゃん。写真だとパパ似かな?
-------------------------------------------
今日は楽しみにしてた新プロダクションのドン・ジョバンニのリハーサル。ざっと感想を殴り書きしておきますが、一言で結論を先に言うと、パフォーマンスは5ツ星、前回の方が良かったプロダクションは3ツ星ってとこでしょうか。
ストーリーや前回プロダクションについては→こちら をご覧下さいですが、要するに、色情魔が女をたらしまくって最後は地獄に堕ちるというお話です。
プロダクション
お喋りな演出家カスパー・ホルテンが事前にヴィデオで、「設定は性が抑制されてたヴィクトリア時代で、セットは人が出入りしたり隠れられるようにドアや柱がある」、と言ってた通り、去年の彼のオネーギンに似たまともなセットでしたが、二階建てってのが気に断然入らなくて、私の舞台横の席からは上階がほとんど見えないので、私的にはこのセットはせいぜい2ツ星。
それだけじゃなくて、回り舞台になってる小さな白い二階建ての家に映像が投影されるんですが、それがしつこくてね。 映像も回転も立体感を出す良いアイデアとは思うけど、しょっちゅうぐるぐるチカチカ、やり過ぎだっちゅうの オネーギンもそうだったけど、ホルテンの演出は説明が多過ぎて邪魔。素晴らしい音楽と歌があればそれで充分だし、観客の想像力を尊重すべき。それに、こんなハイテクにして、故障するんじゃないの?
それに、前回のプロダクションでは最後のクライマックスが炎がぼうぼう燃えて「お~っ」、と盛り上がったけど、今回はな~んにもなくて面白みゼロ。
衣装は、とても素敵で大好きだった前回に比べると当然劣ります。まだ女性は大きく膨らんだスカートがゴージャスでどれも美しかったったけど、男性のは全くつまんなくて、特にドンジョヴァンニは普通のスーツやコートじゃあ魅力が出せないでしょ。まだ今回は上手なドンジョヴァンニだったからいいけど、下手な奴がやる時は衣装で誤魔化さなくちゃならないんだよ。
パフォーマンスは、これだけ粒揃いな歌手陣なのはROHでは珍しいほど、皆さん素晴らしくて、文句を付ける歌手はいません。
ドン・ジョバンニのマリューシュ・キフィエチェンは、これまでのROHのドンジョの中ではすでに私のベストだけど、更に凄みが加わってステップアップ。 だけど、小柄な彼が地味なヴィクトリアン紳士の格好しててもセクシーじゃなくて、そう言えば前プロダクションでは脱いだわよね、と思い浮かべたりしました。
レポレロ役のアレックス・エスポジートも私にとってはベストなレポレロで、前回はカツラ被ってたのでうんと若々しくて明るくてめげない悪戯少年のようだったけど、今回は地のスキンヘッドでぐんと精悍になったけど、こんな仕事をしてるのは嫌だと思いながら中年になりかけてる暗くて哀しいレポレロ。
ダークながらもコミカル演技もいつものように抜群で、トーチャンによると今日のベスト歌手だそうです。
ドンナ・アンナ役はスゥーデン美人のマリーン・バイストロムで、2011年10月のファウスト(→こちら
)と2012月2月のコジ・ファン・トゥッテ(→こちら
)でとても気に入ったソプラノで、リッチなダーク・チョコレートのような太い声がくぐもらずに元気に前に出て声量も立派で迫力があり、彼女が出ると舞台がぱっと華やぎます。容姿も歌も大好き。
ドンナ・エルヴィラ役のヴェロニク・ジャンスは、分別のあるしっとりした大人の雰囲気でこの役にはあまりぴったりしてないので、最初は派手なドンナ・アンナに押されて地味な存在でした。でも、最後はきっちり丁寧な歌唱がさすがで、テクニカルに一番上手な女性歌手は彼女でしょう。
この二人、バイストロムの太い迫力声とジャンスの細い繊細声が対照的で素晴らしかった。
ドン・オッタヴィオ役のアントニオ・ポリ君は、オテロのカッシオ役で注目したテノールで、一年前のベルリンの愛の妙薬(→こちら )がすっごく良かったので、若いテノールの中では私のイチオシとなり、今回は彼が出るのが一番の楽しみでした。
でも、ちょっと残念なことに、今日は絶好調ではなかったのか、いつもより声量がなくて声も少し乾いてたような。それでもうんと上手で聴き惚れましたが、例え絶好調でもこの役にはポリ君の声は既に重過ぎるかもしれないので、ヴェルディの方がいいのでは?
ツェルリーナ役はイギリス人のエリザベス・ワッツ。 かつてのような鈴のようにリンリンした声でなくなってしまったのはその手の声が好きな私としては淋しいけど、誰でも段々重くなるわけだし、今日は高音から低音までよく声が伸びて、元気一杯の村娘をエネルギッシュに好演。
村娘なのにこんな豪華なドレスも着せてもらって(ウエディングドレスはまた別)、よかったね。
最近はルーシー・クロウやソフィー・ビーヴァンに追いあげられてる感じだったけど、まだワッツも健在だ。
マゼット役のデビット・キンバーグは、ちょっと前までROH若手アーチストだったバリトンで、個性がなくて存在感なかったけど、今日はすっきり素直な好青年ぶり。あくどいドン・ジョヴァンニと濃いレポレロとの違いが出て、なかなか良かった。
指揮者はニコラ・ルイゾッティ。ROHでもすっかりお馴染みの彼は、時折チェンバロも弾きながら始終ニコニコ嬉しそうで、舞台の歌手たちの出来にも満足の様子。
というわけで、上の階が見えないのは頭に来たけど、素晴らしいパフォーマンスに大満足。外は冷たい雨の暗い日でしたが、ホカホカと温かい気持ちになりました。あと何度か行けるのが楽しみだけど(まず2月1日の初日)、毎回ストールサークルの3列目なので、誰かが「二階で歌うのは多過ぎないか?」、とか、高所恐怖症の歌手が「怖いから、下で歌いたい」、とか言って、変更になってくれたらいいのになあ。
一緒に行ったトーチャンはなんとドン・ジョヴァンニは初めてだけど(ムスメが家にいた時は連れてってあげなかったもんね)、いきなりこんな素晴らしいパフォーマンスで聴けてよかったね。
音楽 ブログランキングへ