PR: 正社員の転職情報ならマイナビ転職
椿姫速報、グリゴーロの今夜の相手は代役のボブロ嬢(誰?)
さっき、ロイヤルオペラハウスから帰ってきたところですが、今週は毎晩出掛けて帰りが遅いので、感動を今夜のうちに書き殴っておきます。今回の椿姫シリーズのベスト・カップルですから。
グリゴーロ君はまさに予想通り。
汗だくで唾を大量にはきちらしながら、顔も体もエネルギッシュに動き回り、ぬーぼーと立ってるだけのコステロ君との違いがあまりに大きくて笑いました(私はどっちも好き)。
グリゴーロ君はちょっとでもじっとしてられないタチのようで、第二幕で暖炉の扉まで開けようとしたアルフレードははじめてです(開くわけねえだろ!)
もちろん軽々と美声の出る素晴らしいグリゴーロ君、何度も観てるので新鮮な驚きはないものの、熱くて濃いグリゴーロ君を舞台近くから堪能しました。カーテンコールもいつも通りのはしゃぎぶり。
ウィルスにやられたヤホ嬢は今日も欠場。
代役はスロベニア人のBernarda Bobroという名前も聞いたことのないソプラノだったのですが、こちらは大いなる驚きでとても素晴らしく、クリアで張りのある美声は私好みで、特に高音がきれい。
ウィーンのVolksoperで活躍してる人らしいですが、いきなりROHに無縁の人を引っ張ってきたわけではなく、開演前のアナウンスによると、10月のトラヴィアータのために稽古をしたそうです。ということは、ポプラフスカヤの代役要員だったということでしょうか?
だとしたら、ったく、折角こんな上手な人が控えてるのに、なぜあんな不快なポプラフスカヤを吐き気を抑えながら我慢して聴かなきゃいけなかったんだよ 毒でも盛って欲しかった。
ボブロ嬢はちょっと前にバービカンでやった(私は行かなかったのですが)、オペラと芝居のコラボ作品で米俳優ジョン・マルコヴィッチと共演したんだそうですが、このプロダクションに馴染みがあるかどうかは別として、バルトリを細目の東欧風にしたような容貌で、ちょっと大袈裟気味の演技ながら自信たっぷりで落ち着き払い、かよわいというよりはガッツのあるヴィオレッタでした。
22回の椿姫マラソンもついに明後日で幕が下り、もちろんグリゴーロ君詣でしますが、是非もう一度ボブロ嬢で聴きたいものです。
ロンドンアメブロ新年会に着物で
<26th January Thus>
今週は月曜から金曜までオペラ、コンサート、食事会で毎晩お出掛けで、しかも今日まで3日連続で着物
とても楽しいのですが、さすがにパンクしそうなので今日は午前中だけ休暇を取ってちょっと休憩。出勤前にブログを書く予定でしたが、寝坊してしまった上、ムスメが急に遊びに来たのでできず。夜も余裕はないですが、ブロガー新年会に着物で行ったときのことを取り急ぎアップします。
----------------------------------------------
1月24日、Soho Japanというレストランでロンドン・アメブロ新年会がありました
詳しいことは幹事の海外在住女性サポーター@ロンドン 平田智子さんがブログ(→こちら )で書いて下さっているのでご覧頂くことにして、
11人が集まり、初対面同士が多かったのですが、色んな分野の方とお話することができてとても新鮮でした。これが第一回目ですが、この楽しい会が定期的に続き、さらに音楽鑑賞や着物お出掛けにご一緒できる機会もあるといいなと思います。
アレンジして下さった平田智子さんは、17日にROH椿姫でオペラ初体験をして頂いた方ですが、細かいところにまで気配りのある素晴らしい幹事ぶり。きっと又楽しいイベントを企画して下さるでしょうから、楽しみです。ありがとうございました。
私は着物で行きました。着物もこのブログの大事な柱の一つですもんね。
お天気もあやしかったし、飲み食いする時にも安心の化繊の無地に、コーヒー染の梅柄の袋帯でお正月らしくして、椿姫ならぬ梅姫に。
オペラ椿姫に着物で6回目
<28th January Sat>
月曜から金曜までの連チャンお出掛けを全部無事に楽しくこなしました。週末は家でブログ三昧したいところですが、トーチャンが映画に行きたいという言うので、罪滅ぼしのためにも一緒に行かないわけにはいかず、午後から行ってきます。その前に急いで着物お出掛けをアップしとこ。
---------------------------------------------
1月25日の椿姫マラソン最終日は、又しつこく椿に因んだ装いで最後のとどめ
あまりにも色鮮やかな真っ赤な小紋も、母のお下がりの黒い羽織でちょっと落ち着いた感じになったでしょうか。
この翌日は午前中休暇も取ってあったし、この日はグリゴーロの出待ちに行こうと張り切っていたんですが、当日になって彼にがドタキャンされ、あわよくば若くてハンサムなグリゴーロ君に抱きついて着物でツーショットと目論んでいたのに、がっくり、がっかり
で、
口惜しいので、泣きながら、椿姫着物シリーズをまとめておきます。
10月から1月までの22回のトラヴィアータには結局8回行ったわけですが、そのうち6回、椿柄の着物か帯で参上しました。
これ以外にも実はまだ持っていて、椿柄一緒裏といもいえるお気に入りのその一枚が登場したなかったのは我ながら残念ですが、それはあまりに派手なのと、お天気があやしい日が多かったし、目玉のソプラノ(ネトレプコ)が降板して一気にお祭り気分がそがれたしまいましたからね
椿姫マラソン最終日、主役二人が代役という番狂わせ
昨日はトーチャンと映画The Iron Ladyを観に行きました。主演女優賞総なめに違いないメリル・ストリープの名演技はもちろん抜群でしたが、サッチャー夫人が1979年に首相になったすぐ後に渡英した私にとっては、映画に出てくる出来事はリアルタイムで覚えているニュースばかりだし、「あ、あの閣僚役にはあの俳優ね」と納得したり意外に思ったり等々、とても楽しめました。信念の女マギー・サッチャーは(末期は残念でしたが)尊敬してたし。映画としての出来もなかなか良くて、先週観たThe Artistも面白かったけど、こちらの方が個人的にはずっしり来ました。
先週終わったトラヴィアータ最終日の失望を書いておきましょう。
-------------------------------------
1月23日は待ちに待ったグリゴーロ君が出てくれて万歳でしたが(→こちら )、実はほんのちょっとだけですが、「あら、鼻声みたい。もしかして風邪引きかけてる?」、と一抹の不安が走ったんです
2回しか出ない予定なのに実際には1回だけでグリゴーロ君が降板したら、それはメチャ悲しいですよ。でも、代役ヴィオレッタのボブロ嬢同様、もしかしたら若くて上手なテノールを控えとして準備してるかもしれないし、無名の若い代役コンビが世界に羽ばたくビッグイベントになるならそれも良いかも・・・。
などとほぼあり得ない妄想に耽っていたバチでしょうか、なんとグリゴーロ君の降板は現実となってしまい、インフルエンザなんだそうですが、当日になって発表がありました。
で、代役は誰? 知らないテノールだったら楽しみだけど
Revival Director (January) Paul Higgins
Designs Bob Crowley
Lighting design Jean Kalman
Director of Movement Jane Gibson
Conductor Maurizio Benini
Violetta Valéry Bernarda Bobro (Ermonela Jahoの代役)
Alfredo Germont Charles Castronovo (Vittorio Grigoloの代役)
Giorgio Germont Paolo Gavanelli
Baron Douphol David Stout
Doctor Grenvil Robert Lloyd
Flora Bervoix Justina Gringyte
Marquis D'Obigny Jeremy White
Gastone de Letorières Ji Hyun Kim
Annina Hanna Hipp
・・・・・ま、そりゃ、そんな夢みたいはことは起こらないわよね、やっぱり。チャールズ・カステルノーヴォですって。二日後にはじまるコジ・ファン・トゥッテのリハーサルでロンドンにいる彼がやってくれると言えば、そりゃROHには一番都合が良いでしょうよ。ここでこの役やったこともあるし。
しかし、カステルノーヴォは、ROHではちょっと前のコジ・ファン・トゥッテや2005年と2006年のトラヴィアータに出たんですが、一度も良いと思ったことがないので、一気に期待は萎みまくり 来週行くコジだって、他のテノールに変更になりますようにと祈り続けてたんだから・・・
で、どうだったかと言うと、期待があまりに低かったせいか、怖れていた程ひどくはなくて、一応知名度はあるわけだし、技術的にはなかなか立派で文句のつけようはありません。でも、声の魅力が全く無いのが致命的。グリゴーロ君を2日前とは逆方向から観られる筈だったのに、代わりがこいつか・・・ 私はまだ一回見たからラッキーだけど、今日の切符しか買ってない人があまりにも気の毒だ
今日の苦しみはもう一つあり、それは勿論ジェルモン・パパのパウロ・ガヴァネッリ爺で、先週ほどひどくはなかったけど、でも大嫌いなのに4回目よ、私は。彼が歌ってる間は寝ようと努力したけど駄目で、こんなに長く退屈だったオペラはないわ。頭痛まではじまりましたもんね。一緒に座った友人も同じ感想でしたが、なんとカーテンコールで一番拍手が大きかったのが彼。絶対に間違ってる!
男二人が良くないのはわかっていたのに忙しい中行ったのは、ヴィオレッタのベルナルダ・ボブロ嬢をもう一度聴きたかったからですが、2日前にヤホの代役で歌ってすっかり気に入った彼女の声はこの日はさらに自信に満ちてきれいに響き渡り、彼女が歌う場面だけは閉じてた目も耳もがばっと開けて聞惚れました
ヴィオレッタよりもっと軽やかで彼女にぴったりなオペレッタ「こうもり」で5月13日15日にウィーン・フォルクスオーパー日本公演に出演するそうですから(→詳細はこちら )、是非どうぞ。5月18日と20日の「ウィンザーの陽気な女房たち」にも出るようです。東京文化会館で一番高い席は39000円だそうですが、ウィーンに行くことを思えば安いもんではないでしょうか?
というわけで、大物スターのキャンセルが相次いだ波乱万丈の椿姫マラソン、最終日は主役が二人とも代役という情けない尻切れトンボ事態になりましたが、私にとっては今回の大ヒットとなったボブロ嬢が救ってくれました
8回のまとめは準備中ですので、お待ち頂く間、→人気ブログランキング をクリックして下さると嬉しいです。
これでお終い、椿姫(やれやれ、やっと・・)
<29th January Sun evening>
ROHのモーツァルト三昧がはじまる前に椿姫記事を全て終えることができました。これで心置きなくコジることができます。長々しつこく続いた椿姫に付き合って、お互い疲れましたよね~
---------------------------------------------
椿姫さんは、このROHのトラヴィアータを一体何度観たんですか?
そうねえ、この11年くらいで軽く20回は越してると思うけど、さすがに30回には達してないと思うわ。
ってところですが、同じプロダクションを軽く20回以上観てるオペラは他にはないと思うし(もしかしたらラ・ボエームはそうかも)、ROHのドル箱で公演回数自体も最多の筈。
2006年までの歌手の品定めはすでに済んでますが(→ヴィオレッタ 、アルフレード 、ジェルモン )、今までに聴いた歌手を全て採点するとどえらいことになってしまうわけで、今日はとりあえず今回8回観た主役歌手3人だけに絞って順位付けしてみます。
行ったのは、
10月3日(ポプラフスカヤ、ヴェレンティ、ヌッチ)、10月19日((ポプラフスカヤ、ヴェレンティ、ホロストフスキー)、12月6日(ペレス、ベチャラ、キーンリーサイド)、12月20日(ペレス、ベチャラ、キーンリーサイド)、1月17日(ヤホ、コステロ、ガヴァネリ)、1月20日(ペレス、コステロ、ガヴァネリ)、1月23日(ボブロ、グリゴーロ、ガヴァネリ)、1月25日(ボブロ、カストロノーヴォ、ガヴァネリ)で、
キャンセルされたのは、
したのはネトレプコが1月17日と20日、グリゴーロが1月25日、ヤホが1月23日と25日。1月20日にはネトコの代役になったヤホが倒れてペレスが代々役になったこともありましたが、もうややこしくてわかんないでしょ?
カーテンコールは短い上に暗いし、動画も狙わなくちゃいけないので良い写真が少ないんですが、その中でもベストな写真を私が気に入った順に並べてみましょう。
----------------------------------------------
ヴィオレッタは、
ベルナルダ・ボブロの張りのある軽やかな美声は今回の代役劇の大ヒット。演技はまだまだだけど。
アイリーン・ペレスは、歌唱力ではヤホと同位ながら、可憐さで勝ち。急遽コステロ君との夫婦共演が実現したのも代役劇でのラッキーイベント。
エルモネラ・ヤホの全身全霊の熱演は感涙。演技賞は差し上げるけど、最後の死ぬ場面の迫力は凄過ぎる。
マリーナ・ポプラフスカヤの不快な声はなにを歌ってもペケだけど、いつも以上の荒っぽさで大ペケ。お願いだからこの役では(どの役でも)、もう出ないで!
----------------------------------------------
アルフレードは、
そりゃ当然今をときめくヴィットリオ・グリゴーロが一番に全ての面で決まってるけど、風邪ひいて一回しか出てくれなかったことは恨んじゃう。
動き回る熱血グリゴーロとは対極ののんびり構えたスティーヴン・コステロ、それも個性だし声が好きなので2位。
ピョートル・ベチャラは、甘ったれ坊ちゃん役には老けてて立派過ぎるし華がないけど、歌は当然ソツなく上手。
チャールズ・カストロノーヴォは、今まででは一番ましだったけど、バリトンっぽい声は私には魅力なし。コジには出てくれなくてもいいから。
ジェームス・ヴァレンティは、こないだファウストの代役で見直したし、先回の椿姫でレベカ嬢とは美男美女カップルでなかなか良かったけど、今回の相手ポプラフスカヤとはケミストリーもゼロだし、損したね。
----------------------------------------------
ジェルモン・パパは、
そもそもバリトンには惹かれない私、特にこの役はアリアも聴き飽きてつまんないので、DVDだったら早送りするところ、あくびしながら聴かなくちゃならないのは辛いけど、
レオ・ヌッチはなぜか愛してるので、このチームは彼だけが目的。素のままで大袈裟な演技はしないのに貫禄と品位が滲み出て、さすが。でも、体調崩してキャンセルせいでホロが出てきちゃって迷惑蒙ったわよ。
50歳は過ぎてるけど若々し過ぎるサイモン・キーンリーサイドは杖つきながらよぼよぼ爺さんを懸命に演じて健闘賞。こんな役しなくてもいいから、もうすぐはじまるフィガロの結婚のスケベ伯爵役で待ってたのに、病気で全てキャンセルってあんまりだ。
銀髪だけどパパには若くてダンディ過ぎるディミトリ・ホロスフスキーは、老けた演技などしようともせず、そのままで通すところが大物、というかどんな役やってもホロ自身だもんね。なにもこんなちょい役で代役買って出なくてもよかったのに。
パウロ・ガヴァネリのまろやかな、と言えば聞こえはいいけど輪郭のないぼけた声が嫌いなのに、蔓延してたインフルエンザにもかからず皆勤賞だなんて、4回も我慢しなくちゃならない私の身にもなって下さいよね。
---------------------------------------------
でも、8回も行って、散財したんじゃないの?
いえいえ、いつも狙う13ポンドの席でラッキーなことに手配できたので合計100ポンドちょっとで済み、ありがたいことでございます。たくさんの知人の分もゲットできて、椿姫お節介エージェンシーの株も上がった筈
さあ、椿姫が終わったら、モーツァルト/ダ・ポンテ漬けのはじまりで、明日明後日はコジとドンジョバンニ。
PR: パナセンスでWiMAXが格安!キャンペーン実施中
ムスメの編み物
<1st February Wed>
日本ほどではないけれど、寒波のヨーロッパ、この2、3日ロンドンもぐっと冷え込んでますが、私は午後から休暇を取り、家族団欒で気分はホカホカ
ムスメが遊びに来てくれたからですが、日本食が大好きなムスメのために、会社で同僚と共同購入したデリバリーのお弁当をどっさり家に持ち帰りました。どえらい手抜きですが、作るより早いし、色んな種類が簡単に食べられますもんね
(写真はクリックで拡大します)、ランチと夕食の両方ですが、これで36ポンド。円に換算して考えると、5千円以下ですから、日本で買うより安いかも? 本当に、日本の方はいいですよね~、海外に行くとなんでも安くて。私たちはこの円高に祟られて日本が遠のくばかりですけど。
先日、ブログのトップ写真でお見せしたムスメの編み物、初心者なので、まず本の見本通りに編んでみたものですが、モノ作りが仕事の彼女にとってはきっと将来何かの形で役立つに違いないです。
カーチャンのお気に入りは、ピンクの帽子を被ったbed bug(南京虫かな?)。
他にもあったら見せてね、と頼んだら、以前作ったヘビ2匹と作りかけのスリッパを今日持って来ました。
どうして急に編み物なんかはじめたのかと言うと、ボーイフレンド君のお母さんが孫のために編み始めたのに刺激されたんだそうです。
ちょっと口惜しいので、「あら、そう、私も孫ができたら可愛いソックス編んであげるからね」、と言っておきました。
フリーランスのムスメは秋からほとんど仕事せず、大学卒業以来何度か雇ってもらってる会社が次の契約をものにするまで律儀に待っていたんですが、やっとハリウッドの大作映画に携わることが決まり、ムスメも来週から又忙しくなるので、しばらく我が家には来られないかもしれません。
今までは週一回くらいは遊びに来てくれてたのに、淋しいことですが、幸い次の仕事場は自分のフラットよりも我が家に近いので、時々は仕事帰りに夕食に寄ってくれると嬉しいなあ。
って、カーチャンは今月、オペラやコンサートに15回も行くので、スケジュール調整が難しそうだ。
反逆児セルゲイ・ポルーニンのカーテンコール写真と動画
実はバレエにもたまに行っていて、去年は13回観ました。ブログでアップするつもりで写真と動画は撮るんですが、何を書けばいいんだろと考えてるうちにチャンスを逃すことが多いのですが、今話題のセルゲイ・ポルーニンの写真と動画は、ちょっと古いけど、折角だからご披露させて頂きますとも
10日ほど前に発表されたセルゲイ・ポルーニンSeigei Poluninのロイヤルバレエ退団は、ロンドンのバレエ・ファンのみならず青天の霹靂で、本当にびっくりしましたが、あまりに衝撃的だたったので一般ニュースとしても大きく取り扱かわれた程です。
13歳の時にウクライナからロンドンにやってきて、ロイヤルバレエースクールでバレエ修業した後にロイヤルバレエ団に入団、あれよあれよと言う間に昇進して、2年前に男性ダンサーとしては最年少の19歳でロイヤルバレエ団のプリンシパルに昇りつめたこの天才少年は、当然ロイヤルバレエの期待の星
長い間お世話になってここまでにしてくれたロイヤルバレエを突然辞めるなんて無責任で恩知らずのとんでもない話で、一体理由は何なんだ? と皆が首をかしげたんですが、それから色々新聞とかで書かれたことから判断すると、どうも、自分は新しいことをやりたいのに、型にはまった古典バレエを主に踊らされるのが不満だし、忙しいスケジュールでこき使われる割には報酬が少ない上、享楽的な性格らしい彼にはストイックなバレエ団の生活は窮屈、ということらしいです。
なんとロンドンで刺青屋を共同経営してる彼はバレエダンサーにあるまじき刺青の体になり、しかもクスリ疑惑もあったらしい不良少年。どこまでロイヤルバレエが寛容だったかは知りませんが、大切な王子様ですから、きっと眉をひそめながらも特別扱いしてもらっただろうに、大人になって人生を楽しみたい気持ちはわかりますが、天才の傲慢さと若者らしい世俗的な欲望で早まったのではないかという気もします。
ま、若気の至りとは言え、温室を飛び出したからには、この反抗精神を良い方向に生かして、さらにバレエに精進して頂きたいものです。
私は何度か彼の踊りを生で観たことがあるのですが、ジャンプ力はそりゃ凄くて、私はジャンプしてなんぼと思っているので(まるで体操競技のようで、正しい評価方法とは言えないのですが)、彼はまさに私好み。
このままだと彼目当てでついバレエにも通いはじめ、アリ地獄に陥るところでしたが、こんなことになって実はほっとしてるんです
前置きが長くなりましたが(写真と動画を記録に残したかっただけなのに)、1月11日のくるみ割り人形と、去年10月23日のバレエ版椿姫を貼っときます。
くるみ割り人形はこの日以降もう一度だけ踊った筈ですが、彼の記念すべき最後の演目となったもので、相手役は日本で生まれ育った韓国人ダンサーの崔由姫さん。この一週間前に観たアリーナ・コジョカルと比べると実力の差があまりにも大きかったのですが、セルゲイは期待通りの素晴らしさで、そんなに背は高くないし抜群の体型でもないので立ってるだけで絵になるオトコではないですが、華があって輝いてました。さっき言ったことと矛盾しますが、本当に惜しい人に逃げられたものです
しかし、天才ダンサーと言えども、いつも凄く良いわけではなく、
10月23日のマチネのマルグリットとアルマンでは、セルゲイはロールデビューの初日だったせいか、すごく緊張してカチカチでした。
余裕たっぷりで思い入れたっぷりの演技も素晴らしかったタマラ・ロッホに始終リードされっぱなしで、かなり情けないセルゲイ君、折角「彼はすんばらしいから一度観て!」と友人を引っ張ってったのに、「大したことないわね」、と思われてしまって口惜しかったですよぉ
その日はもう一度夜の公演もこなしたのですが、リラックスしたのか、新聞で良い評価をもらってましたけど。
セルゲイ君は今月17日から23日まで日本で踊るそうですので、どんな奴なのか、機会があれば観てやって下さい。(アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクトの詳細は→こちら )
人気ブログランキング
← クリックありがとうございます。おかげさまで快調です。
アンドレアス・ショル、バッハのカンタータで悲喜こもごも
<4th February Sat>
ここ数日、温度は低いけど晴れてて気持ちが良いのですが、いよいよ寒波もクライマックスに達するらしく、ロンドンは今夕から大雪という予報。サウスバンクのコンサートに行くのですが、無事に帰ってこられるのかしらん? 素敵な雪景色の写真も撮れて、コンサートも予定通りの出演者が出れば、理想的なんですが。
----------------------------------------------
2月3日、バービカンにアンドレアス・ショルを聴きに行きました。一年以上も前に気合を入れて買った最前列ど真ん中席よ。
今やカウンターテナーの大御所とも言えるショル兄、最近は中世の吟遊詩人を発掘したり(→こちら )、後輩CTのジャルスキーと共演したり(→こちら )、エンタメ志向も感じられましたが、今回は真っ向から王道のバッハのカンタータに挑戦。
J.S. Bach Sinfonia zu Kantate "Ich steh mit einem Fuss im Grab" BWV 156
J.S. Bach Kantate "Ich habe genug" BWV 82
interval
J.S. Bach Cembalokonzert Nr.5 f-moll BWV 1056
J.S. Bach Kantate "Gott soll allein mein Herze haben" BWV 169
Andreas Scholl countertenor
Kammerorchester Basel
残念ながら、前半のショル兄は、声に張りはないし、情けないくらいナヨナヨすかすかで、私はかぶりつきだからいいけど、後ろの方の人に一体こんなんで聴こえるのかしらと心配になり、友人がバルコニー席に座ってたので、申し訳ない気持ちで一杯。
ジャル君と共演した時は風邪気味だったから仕方ないけど、最近のショル兄はなんだか不調なときが多過ぎて、もしかしたらいつもこうなのかしら、10年間以上散々生で聴いたから、もうこれでおさらばした方がいいかな?ショル兄がゲテモノ扱いされてたカウンターテナーを陽の当たる所に誘導してくれたお陰でたくさんの若いCTが登場して上手な人もたくさんいることだしね。
本人も会心の出来ではなかったようで、あまり盛り上がらない声援に応えるショル兄も顔も冴えなかったし、やけに短くて、30分で休憩に入りました。
後半はまずまずの長さになりましたが、それは最初に古楽オケの水増し演奏があったからで、特に上手とも思えない演奏を長々と聴かされて、なんだかぱっとしないコンサートやなあと不満だったところ、
ショル兄が登場して歌い出すと、なんと、さっきとは打って変わって、しゃきっと声はよく出たし、細かい所のコントロールも立派で、変化に富んだ素晴らしい歌唱だったんですよ、これが
休憩時間に一体何したんだろう?
私がメロメロになったヴィヴァルディのコンサートの時(→こちら )ほどの甘さは無かったけど、それもストイックなバッハには合ってて、適度なパンチもあり、ショル兄、まだ充分いけるじゃないの バッハをこれだけ大人っぽく歌えるCTはそんなにいないだろうし。
おまけに、中年になって段々出っ腹になってたのに、明らかに体重が減ってお腹もへっこんでスマートになり、オツムのてっぺんが薄くなってはいるけど、精悍な体型と色白で優しい眼差しのミスマッチもセクシー。歌の出来が良いと俄然魅力が増して、また惚れ直した私 そうよ、デリケートなショル兄は、NYメトみたいなでかい劇場でのオペラで無理に声張り上げて痛ましい姿をみせるより、こういうこじんまりとした古楽オケとしんみりきっちり歌うほうが絶対良い。
着るものには拘らない人のようで、いつものつまんない黒一色でしたが、一応スーツなんだから、いくらなんでもゴム底の運動靴というのはあんまりではないでしょうか?野放図に生えた無精ひげもむさくるしくて、折角のクラーク・ケント的美貌を下げてる。
などとコキおろすのは、何度も観てる上に、2メートルくらいの至近距離から細かい所まで見えてしまう私くらいでしょうが、
出だしはひどかったけど、奇跡の回復を遂げて、結局はハッピーな結果となり、ショル兄もご満悦。アンコールは一曲だけでしたが(バッハに違いない)、譜面が用意されてなくて、ちょっとうろたえた素顔のショル兄も素敵。バロック音楽って実は乗りが良くて斬新な上、後半のバッハはスケールが大きくて高度なテクニックも必要な素晴らしい曲でした。
ところで、ショル兄はなんと、オランダ語が流暢に喋れるんですって。若い時にオランダ女性と付き合ったのがきっかけだったそうですが、オランダ在住のオペラ仲間のレイネさんのブログで紹介されてます(→こちら ) 。ハンサムで歌が上手なだけじゃなくて、語学の才能もあるショル兄(英語も勿論ペラペラ)、もうしばらくCTのトップの一人としての地位を死守して下さいね。
尚、彼のコンサートには着物で行っているので、今回もそうしたかったんですが、いつ雪になってもおかしくない異常な寒さのために断念。「あ、いつもの着物着た妙なファンが僕をじーっとかぶりついてる」、と不気味がってもらえたかもしれないのに、残念。
人気ブログランキング (ワーイ、ベスト10に入ってる。引き続き、クリックよろしく)
雪の中を夜中に歩く羽目になったけど
昨夜は大雪になるという予報とおりになり、大変な目に遭ってしまいましたよ。
コンサートに行くために、まず4時に早目の夕食。なぜそんなに早いかというと、4時半からテレビで2006年作の映画「トリスタンとイゾルデ」を観るためです。
そんな映画があることすら知らなかったのですが、ご贔屓のジェームス・フランコがトリスタンであれば集中して観ないとね。オペラとは関係ないので音楽は一切出てこないし、魔法も愛の妙薬も抜きだけど、古代ローマ軍が去った後の暗黒時代のイングランドとアイルランドの歴史的背景を中心にしたドラマで、なるほどこれがトリイゾの原点なんだなと、時代に忠実なセット、衣装、若い美男美のカップル(オペラではどれも、まず望み得ない)を楽しみました。
映画を終わりまで観てるとコンサートに間に合わないので、残りは録画しといてね、とトーチャンに頼んだら、このチャンネルは特別なボックスがないと駄目と言われ、肝心の夜に二人が逢引する不倫シーンはこれからだから観たいし、どうせ今夜のコンサートは枚数割引のために消極的に買った切符ですごく行きたいわけじゃなし、本当に大雪になったら帰宅が大変かもしれないし・・・、と迷う私。
後の祭りその1:
この時、ちょっとしか出ないだろうテノールのトビー・スペンスよりも、目の前で悶えるジェームス・フランコを選べば、後であんな目に遭わなくても済んだのに。
雪が降り始めた6時に家を出て、7時前にサウスバンクに着いた時は少し積もってたので、ヒマ間つぶしにビッグベンの写真など撮ってましたが、こんなことならあと30分映画観てればよかった。
Anton Bruckner: Christus factus est
Anton Bruckner: Symphony No.9
Anton Bruckner: Te Deum
No interval
London Philharmonic Orchestra
Yannick Nézet-Séguin conductor
Christine Brewer soprano
Mihoko Fujimura mezzo-soprano
Toby Spence tenor
Franz-Josef Selig bass
London Philharmonic Choir
で、コンサートが素晴らしかったのであれば行って良かったと思えるのですが、トビー君以外のお目当てでもあったメゾ・ソプラノの藤村みほこさんはデュエットだけでソロが全くなかったのでがっかり。
後の祭りその2:
休憩なしのぶっ続け演奏だったので、コンサートは9時15分に終了。そこですぐに帰ればおそらくすんなり帰れただろうに、コンサート後の指揮者のトークにも折角だからと参加したのが間違いでした。迷ってた時にトーチャンに電話したら、「こっちは1センチしか積もってないし、大丈夫だろ」と呑気に言われたしね。
10時前にトークが終わったら、外は美しい雪景色だったので、一駅離れたウエストミンスター駅までまた国会議事堂の写真を撮りながらゆっくり歩いたんですが、そんなことしてないでさっさと帰るべきでした。
順調に地下鉄は動いてたので、ブルックナーも良かったし雪も綺麗だし、嬉しい~!と思ってたら、ジュビリー線は途中で雪のために運休停止となってしまい、家まで6キロの駅で追い出されてしまいました
トーチャンに泣き付いたら、「道が滑って危険だからバスを乗り継いで帰って来い」、と言われてしまい、「そうね、トーチャンが交通事故で死んだらムスメが悲しむから、カーチャンがバス事故で死ぬか凍死するほうが害が少ないわ」、と覚悟
私自身がiPhoneでバス経路を調べることもできるんでしょうが、方向音痴の私がそれをしたら永久に帰宅できないかもしれないわけで、トーチャンが司令官となって、携帯電話で細かく道案内をしてくれました。バスがあと何分で来るかまでネットでわかるので、雪のせいで多少遅れたものの、それを頼りに乗り継ぎして、一度間違えて反対方向に行ってしまったバス(だって、行き先が雪で隠されてたんだもん)も入れると4つの路線を利用。
雪は降ったり止んだり時には吹雪いてましたが、風はなかったので大して寒いとは思わず、幸いトイレに行きたくもならなかったので(これ大事よね)、ラジオを聴きながら退屈もせず、まあこういうこともあるわよねと気長に待って、最後のバスに乗ったまでは割と順調に進みました。
だけど、なんと、ここまで来れば20分もすれば家に着くからやれやれ、と思った途端に問題発生し、上り坂発進できないバスが途中でお手上げして、また雪の中に放り出されました
仕方ない、歩くか。ここまでバスで来られてラッキーと思わなくてはね。ま、本当に帰れなくなったら、トーチャンが車で救出に来てくれるだろうけど。
普通に歩くと40分くらいの距離を、10センチ以上積もってる中をズボズボと一歩一歩雪だらけになりながら、途中で何度も傘さしてて不便なのに写真撮ってたりもして、軽く1時間は掛かり、やっと帰宅できたのが1時半。ソックスまで濡れてても歩くと体がぽかぽかして、もっといくらでも歩けそうな気もして、トーチャンも散歩に出てくればいいのに、と思ったくらい。
雪って不思議ですよね、月明かりで幻想的な銀世界だから当然かもしれないけど、なんか興奮。途中でたくさんの大人がはしゃいで雪合戦してたし、バスで乗り合わせた人たちも「大変なことになったよね」と言いながらも和んだ雰囲気で、バスを皆で押そうじゃないかと張り切ってた男性たち、道で写真撮ってたらおどけてポーズ取ってくれた人もいて、なんだか微笑みっぱなしだったような
というわけで、吹雪の中地下鉄から締め出された時は途方に暮れて、トビーのせいでこんなにことになったんだからもう嫌いだ、と後悔しながら恨んだけど、結局は結構楽しかったかも。
一緒にコンサートに行った友人は、違う路線の地下鉄で、一時間半も閉じ込められて、帰宅は1時だったそうですが、車内でのふれあいもあって、それなりに楽しかったそうです。そう言えば、私もバス停で若い男女が「ところで、僕はXXXって言うんだけど、君は?」、と良い感じの出会いを目撃しました。
でも、雪には充分接したので、今日はずっと家に閉じこもってぬくまってよっと。
気温も上がり、すでに解け始めてますが、早くさっさと消え去って、来週の予定を邪魔しないで欲しいわ。
普段マイルドなので、これっぽっちの雪で交通マヒしてしまう情けないロンドン、やっぱり都心から歩いて帰れる所に住みたいな~
エリザベス女王 即位60周年
<7th January Tue>
雪はほぼ解けましたが、しばらくは厳しい寒さは続くようで、今夜は今年一番の冷え込みになるんだって。冷え~~っ
女王様の即位については昨日アップするつもりだったのですが、急遽当日券を買ってバレエを観に行ってしまいました。トップ写真でおわかりのように、トビー君が出てたので。えっ、トビー君ってバレエも踊れるの?
---------------------------------------------
1952年2月6日、ジョージ6世が亡くなり、25歳のエリザベス王女が女王陛下となられました。国王の名代でケニア訪問中のことでしたが、それから60年間、滅私奉公という言葉がこれほどぴったりする人はいないんじゃないかと思うくらい、お国のために尽くしてきた女王様。その半分を私は見てるわけですが、私は結構熱心な王室ウォッチャーなので色々書きたいことはあるのですが、それは追々することにして、まずは尊敬する女王陛下に最大の感謝を込めて乾杯しつつ、今日は写真を何枚か貼っておきましょう。
90歳のエジンバラ公と85歳のエリザベス女王様、いまだに元気に第一線で共に激務に励んでらっしゃるのは驚くべきことでしょ。去年は300以上の公式行事をこなされたそうですよ。
クリックで拡大しますので、豪華なティアラや重そうな勲章をしかとご覧下さいませ
映画The King's Speechで日本でも注目された父君、戦争の心労が命を縮めたと言われていますが、肺ガンを患って56歳で崩御。どもりでシャイだけど、ハンサムでまじめで勤勉な国王でした。もし、兄君があのまま戴冠してたら、今頃イギリスは共和国になってたかもしれないですしね。
翌日、急遽ケニアから帰国、女王としてはじめてイギリスの土を踏んだ時に出迎えたのはチャーチル首相。現キャメロン首相が12人めの総理大臣で、週一回行なわれる女王と首相二人だけの歓談は有名。
「3人の女王」として有名な写真。お母様もお婆様も長生きでした。
女王様はこれまでに300回以上海外訪問なさっているのですが、日本にも一度だけいらして下さって、1975年5月7日から12日まで、国賓として東京、京都、伊勢などをご訪問。宮中晩餐会で乾杯なさった昭和天皇の在位記録にも近づきましたね。
そう言えば、私は大学でイギリス文化を専攻したのですが、女王陛下初来日に狂喜したゼミの教授が卒業アルバムで女王様の大きな写真を掲載し、「なんだよ、その分、私たちの写真が小さくなったじゃないの!」、とぶうたれたことを思い出しました。イギリスに関わる人にとっては歴史的なイベントだったんですね。
戴冠式は即位した翌年の春でしたが、今年は6月に盛大な即位60周年記念行事が企画されてますので、どうかこのままご夫婦揃ってお元気に楽しまれますよう・・・
ホットな南米美男子を愛でた後に冷たい雪
<9th February Thus>
日中最高気温が1、2度で、いつ雪が降ってもいいような日が続いているのでハラハラしてる、ここ数日。
こないだの土曜日の大雪で雪の中を1時間以上も歩いたことは結構楽しかったのですが(→こちら )、それは翌日が日曜日だったからのことで、平日にそんな災難に合うのは困ります。会社に行けないのは「仕方ないもんね~」で済むし構わないけど(これこれ)、夜のオペラやこコンサートがふいになったら悲しいでしょ。
昨日のコンサートは、お目当てのピアノ・コンチェルトが済んだら、まさかに備えて最後のシンフォニーは聴かないで帰ろうと思ってました。結局、列のど真ん中の席なので出るに出られず最後までいたんですが、幸い雪にはならずやれやれ。
今夜はオペラハウスの地下の小劇場でオペラ歌手のトークに行ったんですが、9時に終わって外に出たら、あ~っ!、ついに雪が降り出したじゃないの! ちょっとした天災で交通が麻痺してしまうロンドンだ、こないだみたいになったらどうしよ~、と祈るような気持ちで地下鉄に乗ってたら、ひえーっ、案の定、「雪のために色々問題が発生して、遅れる見込みです」なんて車内アナウンスがあり、ゲゲゲゲッ
幸い、のろのろ運転になったけどなんとか無事最寄駅に着いたら激しく降ってて、すでに3、4センチ積もってました
今は雪とも言えないような霧雨になってますが、一体明日の朝はどういうことになってるんでしょう?
明日はコジ・ファン・トゥッテを絶対に聴きたいので、雪は積もってもいいけど、お願いだから地下鉄かバスはちゃんと動いてよね。
で、
今日のROHトーク・イベントは誰だったかと言うと、オペラ界のフェロモン男、かの人気歌姫ネトレプコをモノにして妻にしたバス・バリトンのアーウィン・シュロット。もうすぐはじまる第二チームのセクシーなドン・ジョヴァンニですが、最前列ど真ん中の席だったので、何度かシュロットと目が合ったような気もしてドキドキドキ
歌と同じ低くて深い声で、早口で1時間以上ほとんど一人で喋りまくったシュロットは一瞬たりともじっとしてないひょうきん者。同じくおどけ者のネトコ奥様とは一体どんな賑やかな夫婦なんだか。
目の前で司会者に写真は駄目ですからと言われては、図々しい私もさすがに遠慮せざるを得なかったのでお見せできないのが残念ですが、彼の着てるものと言ったら・・・。
膝まであるトレーナーとマッチしてるズボンはドブネズミ色で、まるで雑巾みたい。これはもしかしたらもの凄く凝ったファッションで彼はお洒落な伊達男なのか、それとも全く無頓着なダサ男なのか・・・? でも、ダサ男であっても、いやそうである方が私の好みとしてはますますチャーミングかも。
コジ・ファン・トゥッテの脇役交代で異例の措置 なぜかしら?
<11th February Sat>
また寒い日でしたが、イーリングでの美容レッスンの後、近くに住むムスメとボーフレンド君と3人でOkawariというなんちゃってジャパニーズレストランでランチ。主にお寿司でしたが、ニセモノ日本食としてはそう悪くなかったかしら。中国人が必死で日本人のふりをして頑張ってるのは、ちょっと複雑な気もしますが、ありがたいことでしょう。その後ムスメと二人で楽しくショッピング
----------------------------------------------
昨夜のオペラは奇妙なことになりました
モーツァルトのコジ・ファン・トゥッテのドン・アルフォンソ役のSirトーマス・アレンが急にキャンセルして、歌も芝居も両方代わりができる歌手が見つからなかったので舞台の脇で代役歌手が歌い、芝居は他の人がやるという方式となったんですが、それは時々起こることで(たいていの場合は、歌は歌えないけど芝居はできるくらい元気な当の歌手がする)、別に驚きもしないんだけど、交代を告げる直前のアナウンスで、「サー・トーマス・アレンが出ないのなら観たくないと仰る方は今すぐに出てって下さい。バウチャーでお金返しますから」、なんて言うんだもの、これにはびっくり
私の知る限り、どんな有名歌手がキャンセルしたってそんなオファーしてくれたことないのに(何十回も経験してますよ、わたしゃ)、なんで今回はそんなに気前がいいんだろう?(ドミンゴが欠場した時はややこしい手続を踏めば3割返してくれたことがあったけど)。 今回のコジはアレン爺ちゃんのROH40周年記念と銘打ってるとは言え、ドン・アルフォンソなんて所詮は脇役よ。
第一、そんな先例作ったら、今後ヤバくないか? 代役が日常茶飯事のオペラで。
ROHのCo-Chairmanという肩書きを持つ(実際に何かしてるのかどうかは知りませんが)アレン爺ちゃんの顔を立てたのかしら? どうせそんなオファーをしても、すでに席についてるわけだし、まさか本当に出てく人はいるまいと予想して、損はしなくて一挙両得、とても思って?
しかし、本当に出てっちゃった人が百人くらいいたんだそうです。私の回りでは誰もいなかったけど、異常な寒波の中を折角ここまで来たのに、まったく理解しがたい行動です
私はいい加減聴き飽きてるし引き際の悪い爺さんだと思っているので、降板するのが彼だと知って喜んだくちですが、ふーん、アレン爺ちゃんって、まだそんなに人気があるのね。おみそれしました。しかし、たしかに知名度は高いし、他に有名歌手は出てないけど、この役は嫌というほどやってる彼を観るだけのために来てる人がいるなんて・・・。
或いは、今回はアレン記念オペラと宣伝したので、このオペラを知らない人が彼が主役だと思ったとか?
いずれにしても、首をかしげながら観始めたわけですが、見始めたらもう一つこれも理由の一つなのかなと思ったことがあり、それは芝居の代役のあまりにもひどいことが最初からわかっていたに違いないということ。
Oliver Plattというアシスタント・ディレクターなのですが、ひょろってした青二才のニイチャンで、一応立ち位置とかゴルフのスィングしたりすることは勿論知ってるけど、芝居っ気がまるでなくて、へらへらしながら手持ち無沙汰に突っ立ってるだけ
口パクしろとは言わないし、人前に出る仕事じゃないんだから照れるのも当然で、上司に命令されて嫌々やってるのは同情するけど、もうちょっとなんとかならないものか? 熱演してる歌手たちもやりにくいだろうし、あまりの違和感に観る方もしらけるばかりで、これなら誰もいない方がうんとまし。こんなド素人を出して、演技面が重要なコメディ・オペラを台無しにしたんだから、去らずにこれを観る羽目になった私たちにもお詫びとして少しバウチャーくれてもいいんではないの?
ドん・アルフォンソが出ずっぱりの主役ではなかったのが救いで、見切れ席の私は更に恵まれてたとも思うけど、見なきゃいいと思ってもつい目が行ってしまうし、50歳くらいのローズマリー・ジョシュア扮する女中のデスピーナ役にちょっかい出す場面で、デスピーナに「あなたは私には年取りすぎてるわよ」と言われた時は皆大笑いだったし、滅多にない面白いもの見せてもらってありがとうと感謝すべきかも
もう一人の代役もド下手だったら笑ってられないでしょうが、舞台袖で歌ったイタリア人バリトンのCarlo Leporeは立派だったので文句は一切ありません。
翌日からはじまるフィガロの結婚のバルトロ役なんですが、ドン・アルフォンソはやったことがあると言っても暗記はしてないようで、必死で音譜追いながら歌ってました。私の席からは出番じゃないときに椅子に座って音譜をなぞっているのも見えたのですが、この役がこんなに聴き甲斐あるとははじめて知りました。アレン爺ちゃんだと抑揚のない鼻歌みたいなんだけど。
いや、アレン爺ちゃん、声は衰えたものの、演技はさすがの貫禄と余裕で素晴らしいんですよ。先月これをはじめて観るトーチャンを連れてってあげた時は爆笑演技のアレン爺ちゃんが元気に頑張ってて良かったと思いましたもん。
来週もう一回ある公演に果たしてアレン爺ちゃんは出られるのでしょうか? 私は行かないのですが、40年間もオペラ界に大いに貢献した偉大な歌手(だった)アレン爺ちゃん、なにかに感染したようですが、折角の記念公演ですから元気に登場できるといいですね(←自分は行かないので、もうどうでも思ってない?) 。
聴かないで帰ってしまった人は全く惜しいことをしましたね、というくらい素晴らしいパフォーマンスだったのですが、それは又あらためて。
コジ・ファン・トゥッテ by Mozart 女は皆そんなもの
今夜はROHで恒例のBritish Academy Film Awards授賞式。いつかレッド・カーペットをパレードする映画スターを見学に行きたいと毎年思ってるんだけど、今年は寒過ぎるので、家でぬくぬくしてました。しかし、2月にロサンゼルスの真似しようとするから、イブニングドレスの女優さんたちは可哀相だこと。しばらくドアが壊れてたROHのトイレも修理して、メリル・ストリープが入ってきても呆れることなく済んでよかった
----------------------------------------------
モーツァルト/ダポンテ3部作もたけなわとなり、最後のフィガロの結婚も昨日はじまりましたが、まずは1月30日
と2月10日に2度行ったCosi Fan Tutteの感想を。(2月10日の代役ドラマについては既に済んでます→こちら )
その前に、まず、どんなオペラなの?と仰る方に以前の記事を繰り返しますと、
1790年初演のモーツァルトのオペラ、「女は皆こんなもの」という意味ですが、テーマが浮気なので、「女はみんな浮気者」ということで、女性を馬鹿にしたセクハラオペラとも思われて、長い間あまり人気がなかったようですが、上手な歌手が4人(できれば6人)揃えば、流れるようなアリアと重唱が次から次へと出て来て、歌合戦のような楽しみ方ができる、構成的にも音楽的にも優れたオペラです。
筋書きは軽薄でアホらしく、
ナポリの裕福な二人の姉妹にはそれぞれ士官の許婚がおりましたとさ。この二人の男、友人の老哲学者に「なあお若いの、女なんてものは皆浮気者なんじゃよ」と言われて「いやいや、僕達のフィアンセだけは貞節だよ~!」「未熟じゃのう、それじゃあ賭けてみるかの?」「勿論OK。なんでもするさ。賭け金丸儲け!」。
ということで、哲学者の作戦通り、自分たちは戦争に行って留守ということにして、アルバニア人に変装し、自分のフィアンセではない方をあの手この手で徹底的に口説くことに。(どちらをお相手にするかはどちらかと言えば女性側の選択で、皮肉なことに自分のフィアンセでない方を選ぶわけです。ちがうタイプの男と遊んでみたいというのは自然のなりゆきでしょうか?)
さらに援軍として哲学者は姉妹の女中を買収して、「お嬢様方、彼らがいない間に他の男と楽しく遊びましょうよ!」とけしかけてもらい、最初は「ワタクシたちは婚約の身ですから、他の殿方なんてとんでもありませんことよ」と突っぱねていたものの、「付き合ってくれないなら僕たち毒飲んで死んじゃうから」というドラスチックな迫り方に「死んじゃうならその前にちょっとだけ優しくしてあげるのが人間として当然かしら?」などど思い始め、お金のためならなんでもする女中にホイホイ乗せられて、まず軽いノリの妹があっさり陥落
お堅い姉は、頭ではいけないわいけないわと抵抗するものの、こういうタイプの方が本気になると真剣で、僅か一日で二組とも結婚式まで挙げてしまいます。
そうなると、可哀相なのはコケにされた男たち。当然友情にもヒビが入り、軽い気持ちで乗った賭けが大シリアスな問題に。
救いは、さすがに経験豊かな老哲学者、「そうじゃろ、やっぱり浮気者だったじゃろ? そんな尻軽女たちとはとっとと別れなさい」とは言わず、「それでこそ人間らしいってもんじゃよ。許してやりなされ。結婚もするがよい。」と言うところ。
正体を知って姉妹は謝るのですが、それで最後どうなるかというと、これが上手くできていて、元のサヤに収まってもいいし、或いはこれでパアにもなれるように歌詞ができているので、それは演出次第。最近のは駄目になることを示唆している演出の方が多いらしいですが、浮気をした相手を許すかどうか、人間としての本質的な面までみせてくれる、オペラには珍しいくらいの深みのある内容とも言えるほどで、さすがモーツァルト
Composer Wolfgang Amadeus Mozart
Original Director Jonathan Miller
Revival Director Harry Fehr
Set designs Jonathan Miller/Tim Blazdell/Andrew Jameson/Colin Maxwell/Catherine Smith/
Anthony Waterman
Lighting design Jonathan Miller/John Charlton
Conductor Colin Davis
Ferrando Charles Castronovo
Guglielmo Nikolay Borchev
Don Alfonso Thomas Allen
Fiordiligi Malin Byström
Dorabella Michèle Losier
Despina Rosemary Joshua
モーツァルトのオペラの中では私が一番好きな作品なのに2回しか行かなかった理由は歌手の顔ぶれで、ウヘッ、又トーマス・アレンか(何度この役で出れば本人も飽きるんだろ)、テノールは何度も聴いてるけど上手だと思ったことがないチャールズ・カストロノーヴォ・・・。姉妹役の二人もバリトンも聞いたことのない名前だし、トーマス・アレンのROH出演40年周年の記念オペラということで彼を引き立たせるためにしょぼい歌手ばかり集めたのか? 真っ白で何もないモダンな設定のジョナサン・ミラーにしては一番つまらないプロダクションなのにも拘わらず、この5年間で4度目というやり過ぎ感もあったし。
姉妹二人に関しては、去年10月のファウストで登場した時に素晴らしかったので、しまった、もっと買っておけばよかった、と後悔したけど、私の好きな舞台近くの安い席はもちろんとっくに売り切れてたので諦めました。案の定切符は売れ残りまくり、オーケストラ・ストール75ポンドとか65ポンドとかのオファーも散々出ましたが、老後のおこづかいのために節約してる私には手が出なかったし、たとえ清水の舞台から飛び降りたくても予定が詰まってて無理でした。バレエにまで手を伸ばすのはやめようと思うのはこんな時です
難しいアリアがたくさんあって一番大変なのはこの役ですが、いやあ、長身金髪美人のスェーデン人のマリーン・バイストロムは本当にゴージャスで美しい 太く重い声で、普通なら私のあまり好きなタイプではない筈だけど、リッチなダーク・チョコレートのような艶っぽさと、くぐもらずに元気に前に出て声量も立派で迫力があるので、すっかり気に入ってしまいました。超低音が弱いけど、そこが難しいこの役で凄く上手にできるソプラノは滅多にいないわけだから、全然オッケー。
去年10月のファウストでゲオルギューとダブルキャストだったときにはじめて聴いたけど(→こちら )、その時よりも今回は主役の風格も出て、コメディ演技も上手だし、ファッションモデルにでもなれそうな顔とプロポーションなので何を着てもサマになるし(女性の衣装だけはその度に変るので楽しみ)、この美貌と歌唱力、しかも声も艶っぽくてユニークだし、もっと売り出してオペラ界のために人気スターになって欲しいです。
ドラベッラ(尻軽の妹) メゾ・ソプラノ ★★★★☆
おきゃんになれる役なのに、ミシェル・ロシエの演技は少々控え目過ぎたのが残念だったけど、声量のあるよく通る、メゾ・ソプラノにしては軽い澄んだ声が素晴らしく、バイストロムとの二重唱も相性良いし、ずっと聞惚れっぱなし。ファウストのシーベル役で上手な男役だった彼女がどういう女役に変身するか楽しみにしてたんですが、マリーンほど美人じゃないけど充分綺麗で素敵。
デスピーナ(姉妹の女中)ソプラノ ★★★★★
ローズマリー・ジョシュアは、歌手としては下り坂になる年齢だろうに、よく通るピュアな声がますます冴えて、今イギリス人ソプラノとしては頂点に立ってる人ではないかしら。たしか、しばらく病気で休んでいた筈ですが、立派に復活してくれて本当に良かったです。姉妹に比べると小柄でほっそりした容姿で、これまでのデスピーナの中では一番素敵な衣装と思うグレーのスーツと赤いハイヒールがとても素敵。
というわけで、女性3人は皆さん期待通りの素晴らしさでしたが、男性はと言うと、
フェルランド(妹のフィアンセ) テノール ★★★☆☆
ROHの道楽者のなりゆき、椿姫、2年前のコジで聴いたけど、上手だと思ったことがないアメリカ人のチャールズ・カステルノーヴォが一番期待が低く(アレンは別格として)、椿姫の時に蔓延しててグリゴーロもヤホも倒れたウィルスに感染してくれないかしらと祈っていたんですが、これがなんと意外に良くて、聞惚れるほどではないに
しろ、テクニックはなかなかで声もよく出て、足を引っ張ることなく立派に勤めたと思います。いつのまにか上達したんでしょうか? でも、バリトンっぽい太めで重い声は私の好みではないので、次回は他のテノールにして下さいね。先回のブレスリク君があまりに良かったので、どうしても比べてしまったのも不満の種でした。
グリエルモ(姉のフィアンセ) バリトン ★★★★☆
若いロシア人(ですよね?)ニコライ・ボルケフ彼が今回の嬉しい驚きで、個性はないけれど端正で抑揚に富んだ軽めの声と、すっきりしたルックスがなかなか良くて、彼のソロ出番が楽しみでした(バリトンには惹かれない私には珍しいこと)。女性の衣装が時代にマッチしてファッショナブルなのに引きかえ、男性二人の変装衣装は毎回同じで時代錯誤のヒッピー風なので折角の好青年も台無しなのが残念。男性も時代にマッチしたセレブという設定にすればいいのに、といつも思います。サッカー選手とか宇宙飛行士とかさ。
ドン・アルフォンソ (中年哲学者) バリトン ★★★☆☆
私がいくら「ええ加減に他の人にバトンタッチしたらどうなんだよ」、と怒っても、この役はROHではサー・トーマス・アレンの独壇場で、ペンション代わりに出て頂くのは仕方ないですね。67歳のアレン爺ちゃんは、声の衰えは明らかだけど(私は彼の最盛期に聴いたことがないですが)、ばりっとしたスーツ(プレミエの時はアルマーニということで話題になった)も似合うダンディな初老のイギリス紳士で、洒脱で洗練されたドン・アルフォンソはこのプロダクションの演技面での要でもあり、間の取りかた方や身のこなしはさすがの貫禄と余裕で素晴らしいアレン爺ちゃんに、過去の業績と英国オペラ界への貢献に感謝しつつ、40年を祝して拍手を送りましょう
10日は倒れて降板しましたが、明日(13日)の最終日は一応まだ出る予定になってるんですが、折角ROHがお祝いイベントを用意してくれたんだから(もしかしたら、3部作をやろうという発想はアレン爺ちゃんのためかもしれないし)、元気で最後に華を飾れるといいですね。そしたら、もう思い残すことはないでしょうから、後進の指導とかに専念しましょうね。
カーテンコールに写真がないのは、サー・コリン・デーヴィス大爺さんが舞台に駆け上っていけなかったからで、指揮台に指揮から最後まで座ったままでした。去年の魔笛で指揮台を踏み外して頭を打ってしばらく倒れてこともありましたしね(私は目撃したのですが、ご臨終かとひやっとしました)。
80台半ばのコリン老人は演奏中もずっと座ったままで腕だけちょっと動かしてるだけ。オケがよく見える席の私にとってはアクションも私にとっては指揮者のアクションもオペラの楽しみの一つなんですが、軽やかで明るいコジには全く似つかわしくないコリン老人は見ないようにしてました。いつものようにおおらかなテンポでまったりし過ぎだし。
9月に85歳の誕生日祝いコンサートがバービカンであるのですが(→こちら )、私も行きますので、それまでは元気にお過ごし下さいね。そして、アレン爺ちゃん同様、そろそろ後輩に機会を与えてあげませんか?
スイス教会250周年記念コンサートに着物で
<13th February Mon>
仕事帰りにムスメが夕食に来てくれました。トーチャンは今日どっさりムスメのためにクッキー焼いてくれたので、夕食くらいはカーチャンが作りましょう。簡単に牛丼ですけど。職場は我が家の割と近くなので、これからも時々(クッキーを取りに)来てくれるようですが、問題はカーチャンのスケジュール。これからしばらくROHでモーツァルト漬けになるので。明日はトーチャンと一緒にフィガロの結婚の一回目に。
----------------------------------------------
しばらく着物話題から遠ざかってますが、当然ですね、この寒さでは雪になる可能性のあるので危険は冒せません
なので、久し振りの着物アップですが、これは実は先月のこと。
マイルドな毎日が続いていた1月26日、コベントガーデンにあるスイス教会に是非お着物でとお招き頂きました。
着付けのA先生のお知り合いのスイス人女性がこの教会に関わってる関係ですが、この日はこの教会の250周年のコンサートで、在英スイス大使ご夫妻もご臨席という特別の日でした
去年も着物で参上したこともある白いモダンで明るい教会で(→こちら
)、私たちは最前列に座らせて頂いてきっと目立ったことでしょうが、カラフルな装いで感謝の気持ちを表わしましょう
中でも華やかなのはやっぱり振袖で、若いお嬢さんがお召しの蝶々柄は去年ROHのマダムバタフライにA先生がお召しになったもの(→こちら )。
もう一人のお嬢さんは、落ちついた色合いの小紋ですが、若くて可愛い方が渋いのをお召しになるのもいいですね。
中年コンビは、新春らしい梅柄の白い小紋の先生と、ぼかし小紋の私。
私の派手な虹のような小紋は娘時代の着物で、母親は気に入ってましたが、私はどうしても好きになれない一枚です。なんか品がないですもんね。でも、折角ロンドンに持ってきたのですから時々は着てみなくちゃね。派手ついでにピカピカ袋帯を合わせちゃえ
ロンドンで声楽を学んだスイス人のJudith Schmidさんは、チューリッヒのオペラハウスで活躍しているメゾ・ソプラノさんで、名前を聞いたことはありませんでしたが、立派な声量と力強く迫力ある歌唱でした。
でも、現代作曲家の超モダンな曲が耳になじみにくかったのと、客席の配列のせいで壁に声がはね返り過ぎたのがちょっと残念。
終了後のドリンクでは歌手とピアノ伴奏者の方とお話する機会があり、記念写真も撮れました。
1月は頑張って7回も着物でお出掛けすることができましたが、寒波の居座る2月は今のところゼロ。
今週はちょっと寒さが緩みはじめていて、明後日A先生と是非着物でコンサートに行きましょうということになっているのでおそらく着ることになるでしょうが、その後はどうでしょうか? ROHには何度も行くのですが、モーツァルトのオペラは結構長いので、着物だとしんどいしね。
では今週も又頑張りましょう。明日から4連チャンでオペラとコンサートに2回づつ行きます
2012年の着物
<15th February Wed>
久し振りに7、8度まで温度が上がり、ちょっぴり春の気配。今日は2月になってはじめて着物でお出掛けしました。また着物記事で申し訳ないのですが、只今観劇4連チャンのまっただ中ですので、前から準備しておいた着物一覧をスタートさせましょう。
---------------------------------------------
恒例の着物お出掛け一覧、今年も同じ方法ではじめます。
写真をざっと眺めると、どの着物や帯がご無沙汰なのかわかるし、なるべく変化とつけたいけど次はなににしようかしら・・・とあれこれ思い出したり迷ったりするのに役立つ、私にとってはなくてはならない記事です。
この早見まとめは2005年からやってて(→こちら )、今年で8回目。写真のタイトルをクリックするとその時の記事に飛びますので、私だけでなくご一緒して下さった方々の着物姿もご覧頂けます。
とりあえず、今年も50回をゆるい目標にして、無理せずにそこそこ頑張りたいと思っていますが、一年終了後にあらためて再投稿しますので、それまではコメントなしで随時更新しておきます。
January (7回)
第二チームのドン・ジョヴァンニ初日のシュロット動画
<16th February Thus>
さっき、シュロット・ジョヴァンニの初日から帰ってきました。
とり急ぎ、カーテンコールの動画だけアップしますが、アーウィン・シュロットは、精悍でふてぶてしくて、お茶目で残酷で、そして勿論めっちゃんこセクシーなドン・ジョヴァンニでした。前回以上に芝居っ気たっぷりで、そりゃもう最高に魅力的でしたわん 歌は上手いけどセックスアピールはゼロの先月のジェラルド・フィンリーとは予想通りの大違い。
ところで、↓この前、彼のトークに行った時の記事で、先回のこの写真をアップしたのですが、胸毛や腹毛が見えますよね?
でも、今回はきれいに剃ってツルツルでした。近い席なのに双眼鏡でしっかり見ましたから
などどいうアホなことしか今夜は書けませんが、後2回行く予定で、あの調子だと召使レポレロ(アレックス・エスポジット)とぴったり息の合ったおふざけコンビは、毎回少しづつ違えて弾けてくれそうな気もして、凄く楽しみ
おやすみなさい。良い夢が見られそうだわ~
Stephen Houghがリストのピアノ・コンチェルトを2曲
<18th February Sat>
今週は頑張りました オペラ2つとコンサート2つに4夜連続で行った上に、会社の昼休みに毎日ジムに通いましたもん ジムで実際に運動できるのは30分だけなので大した運動量にはならないけれど、それでも水泳3回とマシン早歩き2回あれば、なにもしないよりは少しはましでしょう。やっぱr高い会員費を払うのが私には一番効果的。オペラは、あまりに切符代が安いこともあり、昼間の運動で疲れてついうとうとしてしまうこともありますもんね。じゃあ、オペラも高い切符買えば? って、そりゃできるものならそうしたいですよ~
----------------------------------------------
2月8日、ロイヤル・フェスティバル・ホールのLondon Philharmonic Orchestraのコンサートに行きました。目的はピアニストのStephen Hough。50歳のホフは今イギリス人としては一番確実に活躍してるピアニストではないかしら。前から一度生で聴きたいと思っていたのですが、機会が多くあると却ってなかなか行けなかったところ、リストのコンチェルトを一晩に2曲弾いてくれるというので、「よしっ! これだ」、と飛びつきました。
Bohuslav Martinu: Symphony No.6 (Fantaisies symphoniques)
Franz Liszt: Piano Concerto No.1 in E flat
Interval
Franz Liszt: Piano Concerto No.2 in A
Antonin Dvorák: Symphony No.8
London Philharmonic Orchestra
Marin Alsop conductor
Stephen Hough piano
コンチェルトはそれぞれ20分くらいと短めですが、そりゃリストですから超技巧が要る難曲で、それを2曲もやるなんて並のピアニストにできる芸当ではありません。1番は鍵盤を上から叩きつけるガンガン系、2番は横に激しく動くヌードル華麗系、というかなり違う2曲を休憩をはさんでやったのですが、期待通り技術的な完成度の高い演奏でした
私は彼のようにまず正確に弾ける人を高く評価しますが、大きな手であっさりと難なくリストを2曲も弾いてしまったホフのスタミナも凄いです。横顔と鍵盤が見えるコーラス席だったのですが、汗ひとつかかず表情ひとつ変えず、腕を不要に振り上げることもしないホフは、それが彼のスタイルなのでしょうが、あまりにクール過ぎてビジュアル的に物足りなく感じたほどです。特に1番はリスト自身が初演したということで、失神する聴衆がいたことで有名なリストのこと、きっと顔も体も大袈裟なアクションに違いなくて、そういう刺激でこの曲が更に盛り上がるわけですもんね
今回聴いた限りでは、とても上手だけど、いまひとつ華がないし、私が大好きなキーシンやアンスネスのような個性も感じられなかったホフですが、一回だけで決め付けてはいけないし、また是非聴きたいですが、次は彼の身のこなしに相応しい知的で落ち着いた曲がいいかな。
空席が目だっただけでなく、ホフが実力の割には人気がないのは、終了後のCDサイン会でも明らかで、私同様家路を急ぐ人が多かっただろうということを考慮に入れても、5、6人しか並んでなかったという、あまりの閑散ぶり。 折角これだけ弾けるのだから、地味なルックスは仕方ないとしても、なんか工夫しないと勿体ない人だけど。
あ、そうだ、キーシンとアンスネスと言えば、来月二人のリサイタルがあるので、うんと前から切符を買って楽しみにしてます(キーシンは3月2日にバービカンで、アンスネスは3月29日にQueen Elizabeth Hall)。
この日は雪になるかも言われてたので、帰りの足が心配で、聴きたかったリストが終わったら帰りたかったんですが、コーラス席のど真ん中だったので曲の合間に抜け出ることができなくて仕方なく最後までいたんです
ドヴォルザークの交響曲8番はリストの手に汗握るテンションをほぐすようなほっとした優しさで、56歳のアメリカン人女性指揮者のマリン・オルソップもきびきびを格好よく(久し振りに見たらうんと老けてたけど)、なかなか良かったですが、最初のマルティヌーの前衛的な交響曲が長くて退屈だったし、結局交響曲2つとピアノ協奏曲2つもやって長いコンサートとなり、普通ならお得感を感じるところでしょうが(私の切符は8ポンド足らずだし)、早く帰りたい私は気が気ではありませんでしたわ 数日前に雪で大変な目に合ったばかりなので(→こちら )
コンサート終了後に渡るテムズ河の橋からの眺めにいつも幸せを感じます
2月はじめての着物お出掛けはピアノ・リサイタル
<19th February Sun>
友人宅でお喋りしたり、家でゆっくりリフレッシュできた楽しい週末も終わり、明日からはモーツァルト漬けが再開。偶然ですが、バービカンでもコンサート・オペラもあるんです。
----------------------------------------------
2月になってから続いていた寒波がやっと治まった中旬、やっと今月はじめての着物お出掛けができました。
着付けのA先生がお正月の里帰りの際にお持ち帰りになった綺麗な水色の小紋、こういう色が一番好きな私には羨ましくてたまりません。着物はもう増やせないと戒めている私ですが、こういうのをネットで見つけたりしたら、見境なく買ってしまいそう。
はじめて拝見するので実際にどんな色合いかわからず、私はどう合わせたらいいのか迷いましたが、渋いウィグモア・ホールでもあり、私はグレー掛かった落ち着いたピンクにしました。
それに、今日は私は脇役ですしね。だって、先生が心のときめきを表わすような鮮やかな色になさったのにはわけがあり、それは、先生が10年大ファンであるフランス人ピアニストのアレクサンドル・タローAlexsandre Tharaudのリサイタルだったからなんです。(リサイタルのことはおそらく明日アップします)
ウィグモア・ホールでは、コンサート終了後に舞台裏の部屋に演奏家が挨拶に出てくる場合とロビーでサイン会をする場合とがあるのですが、今日は最近スカラッティのCDを出したばかりのタロー君がロビーでCDにサイン。
撮影係の私は先生が嬉しそうにタロー君とお話なさるところを逃すまいと何枚か撮っていて、お二人が頬寄せて囁きあうのは聞こえませんでしたが、フランス語、英語、日本語交じりだったそうです。ということはタロー君は日本に興味を持ってるわけで、こんな美しい着物女性から「長い間応援してます」、なんて告白されて、すごく嬉しかったでしょうね。
機会を捉えて想いを伝えるのはファン冥利でもあると同時に演奏家に対する礼儀でもあるわけですから、私は苦手なんですが、これからは先生を見習って頑張らなきゃね。
頑張ると言えば、しばらく着ないとつい着物を着るのも面倒臭くさってしまうんですが、折角モーツァルト三昧してるわけですから、春めいてきたことだし、機会を逃さず着物を着ましょう。
ということで、来週なんと、バービカンも含むと、4回もモーツァルト攻めに合うのですが、2回分の着物の支度済みです